環太平洋機構召喚 【リメイク前:自由連合召喚】   作:短号司令官

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逆殲滅戦

 

アルタラス島が陥落したという報告は連合軍の迅速な展開により、駐留軍から本国へとその報告が上がる事はなかった。

彼らはそれを良い事に、事前にルミエス女王と交わしていた条件の中に含まれていた『島内に存在する空港』を最大限に活用するつもりだった。

 

中央暦1640年 8月5日

PM15:00

 

「しかし本当にアレが出てくるとはな…」

 

格納庫内でFV-2の整備をしていた整備兵が屋外の滑走路に駐機されている機体に目を向けて言った。

 

特に彼らー現代日本人ーからすれば教科書やら何かで一度は目にした事のある銀翼の怪鳥(B-29)が機体下部のハッチを開いて爆弾の装填をしながら静かにその時を待っていた。

 

「アレだけじゃない。立川の連中も大分良いもん寄越してくれた」

 

そう言いながら油まみれになった日本陸軍の整備兵が得意げな笑みを浮かべながらやって来た。

 

「立川の連中?何があるんですか」

 

「あれじゃあれ」

 

彼が顎を突き出して指した先には濃緑色の胴体に赤い日の丸をつけた大型のレシプロ戦闘機が鎮座していた。

 

「キ94。立川がアメさんと共同で開発したっちゅう新型機らしい」

 

「え…なんでアメリカと……?」

 

「馬鹿、忘れたのか?あの人たちの日本は俺達の歴史と違ってアメリカとは仲良しなんだよ」

 

キ94Ⅱ

大戦末期に立川飛行機がB-29に対抗する形で作ろうとした高高度試作戦闘機である。

もっともこちらの世界の場合は『対抗』ではなく『護衛』という驚きの理由で開発されている。

時は転移前の30年代後半のアメリカ。B-29の開発に成功した同国だったがそれを護衛する為の高高度飛行機が可能な戦闘機がない事に気がつき、日帝側に相談したところ陸軍が幾つかの会社を紹介し、その中にあった立川飛行機がボーイング社と共同で開発された…という背景を持つのが本機である。

 

「アメさんはまだビー公に付いてける機体がまだ無いってから、試作を含めた30機ばかしが寄越されたんだとよ」

 

「そんな貴重な機体を……大丈夫なんですかね?」

 

「さぁ知らん!上の連中が何を考えようとワシらはワシらの仕事をするまでよ」

 

整備兵達は会話も程々にそれぞれの仕事へと戻って行った。

 

 

 

 

 

 

 

翌日

AM4:30

 

 

『アルタラス管制塔より全機へ。作戦の成功と無事なる帰還を祈る。テイクオフ!』

 

 

管制塔からの指示で最初に爆撃機群が離陸していき、後から続くようにキ94飛び立ち、上空で編隊を組み二手に分かれると、そのまま皇都とデュロに向けて飛び立った。

一方で、王都ル・ブリアスから少し離れた港では多国籍艦隊がエストシラントとデュロ攻撃の任務を帯びて出港していく。

 

 

艦隊にはおおすみ型輸送艦を含め日帝のあきつ丸や新州丸を、アメリカもLST-1級を多く含めているがこれらが何を意味するかお分かりだろう。

 

 

護衛艦きい 艦橋

 

「こりゃ壮観ですな」

 

有賀「あぁ……かつての敵国やご先祖様と肩を並べて戦える日が来ようとはな……」

 

艦隊は、デュロとエストシラントに向かって進出を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

中央暦1640年 8月6日 エストシラント南方400㎞上空。

 

早朝の薄暗い空を、航空自衛隊所属のE5B早期警戒機『AWACS』が飛行していた。

胴体上に装備されているAN/APY-2レーダーが収められた、円盤状の巨大なレドームが回転し周囲800㎞の空域をカバーしている。

 

「レーダーコンタクト。目標周辺上空に飛行物体を探知」

 

「数は?」

 

「20。速度は100ノット」

 

「直ちに爆撃隊へ通報。迎撃態勢を取らせろ」

 

通常であればAWACSに装備されている戦術データシステム『リンク16』によって、AWACSが得た情報は作戦に参加している全ての戦闘機と爆撃機に共有されるが今回はそれができないレシプロ戦闘機と爆撃機である為口頭での通報になる。

そもそも何故空自やオーストラリア空軍が本作戦にFV-2やF-15を投入していないのかについてだが、事前の作戦会議の中で敵の脅威度が低くミサイル等を用いてやるのも良いが20世紀側の経験を積む場として考えられた上での判断らしく、今回の主役は彼らに譲られていた。

 

「全機、聞いた通りだ。ビー公を護るぞ」

 

戦闘機隊を率いるは加藤建夫はインカムを押して周囲の機体に指示を出す。同時に爆撃隊も機体各所に設けられた防護機銃を動かして迎撃態勢を整える。

 

加藤「行くぞ」

 

彼は低く落ち着きのある声で指示する、7機を直掩に残し残りを率いて前方へ突出した。

 

やがて彼らは皇国側の迎撃を下方に捉えるが皇国の力の入れ様に呆れ返る。

 

加藤「なんて数だ。警戒する気はいっぱしにあるようだな」

 

『しかしあんなので本気で勝てると思ってる連中の気がしれません。そもそも連中我々に気づいてませんよね?』

 

加藤「そのようだ。奴らには我々のような(AWACS)がおらんようだからな。さっさと片付けるぞ!」

 

『了!』

 

加藤はスロットルを上げて操縦桿を倒して急降下に入ると列機や他の者もそれに続く。

 

 

加藤「爆撃機隊には指一本触れさせんぞ‼︎」

 

発射ボタンを押したコンマ数秒後、主翼に取り付けられた30mm機関砲合計四門が火を吹くと同時に瞬く間にワイバーンオーバーロードを竜騎士ごと蜂の巣にして地面へと叩き落とした。

 

そこでようやく敵が上から来たと気づいた皇国兵達だったが、彼らは見上げた瞬間にその生涯を一人また一人と終えて行った。

 

 

そして加藤隊がワイバーンロードと一戦を交え始めた頃、敵の警戒網をすり抜けたB-29の一群は第一目標である皇都防衛軍基地上空へと達すると同時に爆撃を開始するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

基地司令官の『メイガ』はB-29よる爆撃による被害状況の報告を受けていた。 

 

メイガ「状況を報告せよ!」

 

「はい!兵員宿舎は全滅し竜騎士隊は全員死亡。待機中のワイバーンの竜舎も同じく全滅!滑走路も破壊され使用不能です!」

 

メイガ「クソ!いったい敵はどうやって攻撃を……⁉︎」

 

「今の攻撃は、空から投下された爆弾による物と思われます」

 

メイガ「空から……爆弾を⁉︎そんなことができるのか⁈」

 

その時、新たな報告が舞い込んだ。

 

「緊急事態!敵の超大型飛行機械多数を確認!」

 

メイガ「超大型飛行機械だと!?」

 

慌てて外に出て双眼鏡で上を見ると、皇都の遥か上空に見るも大小の飛行機械がいくつも飛んでいた。

 

メイガ「なんだ……あれは………」

  

その飛行機械の中でも白銀に光る飛行機械は見るだけでとてつもない恐怖を感じさせる。 

 

「何なのだあれは!?」

 

超空の要塞の異名を持つ『B-29 スーパーフォートレス』凡そ80年前、日本の空を支配したこの銀翼の怪鳥が今度はこの異世界で、その猛威を振るう時が来た。

 

メイガ「いったい何を……」

  

メイガは驚愕と恐怖からか、この瞬間はB-29が何をするのか見当もつかなかったが、B-29は基地上空に差し掛かる。

 

『drop、ready……now!』

 

その瞬間、B-29の爆弾倉から大量の通常爆弾が一斉に投下された。

  

メイガ「あれは………」

 

彼は真上から大量に降ってくる爆弾を見て状況を理解した。

 

メイガ「そ 総員退避ィィィィィィィィ!!」 

 

そう叫んだ瞬間、辺り一帯が鼓膜を破壊されるのではと思う爆音と衝撃波に包まれた。

メイガは爆風に吹き飛ばされて建物の壁に叩きつけられ気を失った。

 

 

 

メイガ「うぅ……い…一体…何が?」

 

体中が痛むが幸い怪我はしていないようだ。

ゆっくりと体を起こして辺りを見回す。

 

 

メイガ「これは………………………」

  

辺り一帯は炎と黒煙に包まれていた。

整備されていた滑走路には大穴、残っていた兵舎、竜舎、食料庫、弾薬庫は崩壊。生き残っていたのはメイガ本人と運良く爆風や衝撃波から逃れられた数人の基地要員のみだった。

 

 

「こちらアタッカー1、攻撃成功。基地の無力化を確認。第2次攻撃の必要なし。各機撤退」

 

爆撃を終えたB29はその場から踵を返し、後続の第2次爆撃を担当だった他の爆撃隊は戦果確認の結果、第2次攻撃を実行する事なく爆弾を抱えたまま全速力でエストシラント上空から去っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、エストシラント南方沖の海上を連合軍水上打撃部隊が航行していた。

 

やまと

 

「艦長!米軍の爆撃隊が敵の航空戦力と基地の無力化に成功したようです。」

 

伊藤「よし!そろそろ攻撃開始時刻だ。各艦に攻撃準備命令を!」 

 

護衛艦隊は主力部隊を護るように展開し、護衛艦やまと・きい・おわりの3隻は、VLSのハッチを開き攻撃準備を終える。

 

伊藤「攻撃開始!」

 

Mk41VLSからタクティカルトマホークが打ち出されて闇夜の中を3隻から放たれた20発近くのトマホークはエストシラントの方角へと飛び去っていく。

 

 

 

皇都エストシラント 南方の港

 

皇都防衛の要ともいえる、エストシラントの南方基地の港には多数の戦列艦と砲艦が停泊しており、ある者からすれば一種の感動を与える。

海将『バルス』は皇都が空爆された報を聞き、日本の艦隊がこの場にやって来ると判断、停泊していた第1と第2艦隊に出撃命令を下していた。

 

「しかし、皇都が爆撃された挙げ句に、基地が全滅するとはな……」

 

「首都に直接攻撃とは……侮れませんな」

 

バルス「今まで上の連中は日本を侮っていたようだが、これからはそうは行かんだろう。我々は全力を持って日本艦隊を相手にしようと思う。」 

 

バルス以下の幹部達に慢心と油断と言った表情は無い。向かってくるなら全力で相手をしようと意気込んでいる。

  

バルス(皇都が攻撃されたなら、そろそろ此処にも敵からの攻撃があってもいいような物だが…)

 

バルスには言い知れぬ不安がよぎる。

 

「海将‼︎沖から多数の飛行物体を確認!とてつもない早さです!」

 

バルス「何っ!?」

  

彼の不安は的中し、慌てて窓から外を見る。

闇夜の中を白い炎を吐きながら多数の飛行物体が信じられない速度で迫ってくのが見えた。 

 

バルス「何なのだ!?」

  

飛行物体は沖で一気に上昇すると、まるで意思があるかの如く自分達がいる海軍本部へと降下してくる。

 

バルス「いかん!皆逃げろ!!」

 

バルスが叫び、皆が逃げる。

その直後、飛来したタクティカルトマホークはまさに斧の名前の如く建物や倉庫、兵舎を尽く破壊していき数分で一帯は火の海と化した。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国エストシラント南方の基地がトマホークによる飽和攻撃を受け司令部が壊滅状態となり、連合艦隊は混乱する皇国軍の隙を突いてエストシラント沖20㎞地点にまで達していた。

 

 

 

「艦長、偵察機からの報告で、敵司令部は壊滅状態との事です」

 

伊藤「正念場だ………機関最大戦速!目標へ突入!!」

 

やまとが速力を上げ艦隊の前に出ると、他の戦艦群もそれに続きエストシラント港に向かって突入する。

既に港からは皇国軍の艦隊が出港しており、暗闇の中を連合艦隊を待ち受けていた。

 

有賀「対水上戦闘用意!」

  

敵が主砲の有効射程距離にまで迫り、戦艦群は左へ回頭し右側面を港へと向ける。

参加艦艇の中には新鋭の大和や武蔵、そしてQE級やアイオワ級も多数含まれていた

 

森下信衛「主砲右砲戦!弾種、榴弾。目標敵艦船ならびに敵泊地!」

 

大和の主砲が旋回し、砲口が港と敵艦隊へと向けられる。

 

森下「撃ち方始めぇ‼︎」

 

「てぇぇい‼︎」

 

耳をつんざくような轟音と腹に響くような衝撃と共にありったけの砲弾が放たれる。 

 

『弾着……今っ!』

 

重量1トンの砲弾は雨霰のように港に着弾し港湾施設を破壊していく。

 

「次弾装填急げ!」

 

各艦が主砲弾の装填を行っている間、護衛艦・巡洋艦が速射砲で砲撃を行う。

火器管制システムとの連動により、護衛艦から放たれる砲弾は向かってくる敵艦に砲弾を正確に命中させる。

 

砲撃開始から僅か1時間で300隻近かった第1から第3までの艦隊に所属する竜母や戦列艦はその数を一気に減らされていく。

戦艦群が砲撃を行い、撃ち終わって装填している間に護衛艦の速射砲による砲撃の雨は敵艦隊を全く寄せ付けず、突撃してくる艦から次々と沈められていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

パーパルディア皇国海軍 第3艦隊と皇都防衛隊所属のワイバーン部隊による連合竜騎士隊は、炎上する海軍施設と港を見て呆然としていた。

 

 

「何てことだ………」 

 

海軍司令部と軍本部からの命令で、第3艦隊と皇都防衛隊の生き残りの竜騎士隊で急遽編成された連合竜騎士隊は、20㎞沖から港の艦隊に向けて砲撃を繰り返す自由連合艦隊により、友軍艦艇が次々と沈められていく姿に恐怖する。

 

「あの様子ではもう艦隊は……」

 

「だが敵は艦隊への砲撃でこちらにまで注意が回っていない筈だ!今なら奇襲攻撃で一撃が加えられるぞ!全騎続けぇぇ!!」

  

竜騎士隊は、一番目立つ程巨大な艦隊に向かって突撃を掛ける。

 

「グァァァァ!!」

 

しかし、それを許す程連合艦隊は甘くはない。

上空直掩に上がっていたF-14JSから撃ち出される空対空誘導弾による迎撃を受けて、敢えなく叩き落とされていく。

 

「クソ!」

 

隊長らしき竜騎士が散開して回避を指示したが、空対空ミサイルの攻撃を受けて全身に大量の破片を浴びて撃墜された。

 

「こんな事が………こんな現実が………」

 

僅か10分の迎撃で連合竜騎士隊は、何ら戦果を挙げる事が出来ず、あっけなく壊滅してしまった。

 

 

『こちらエコー1 敵対空目標消滅を確認!』

 

「ご苦労、直掩機隊は引き続き警戒を行いつつ、各艦は作戦を続行!」

 

艦隊は何事もなかったかのように砲撃を続行。

数時間に及ぶ艦砲射撃の末にパーパルディア海軍本部は壊滅、海上戦力も1割にも満たない数を残して全滅してしまい皇国海軍は事実上壊滅した。

 

 

「敵艦消失を確認!」

 

「今度は上陸部隊の出番だな」

 

艦隊が砲撃を終えると、待機していた各揚陸艦から、大発やLCIとLCACが大量の兵員を乗せ出発し、港へ向かっていく。

 

またほぼ同じタイミングで空自のC-2輸送機を筆頭に各国の輸送機が艦隊上空を追い越し、皇都上空に大挙飛来した。

 

「降下‼︎」

 

間をおかずして開かれたハッチからパラシュートを装備した空挺部隊が次々と降下を開始した。

 

 

 


 

 

 

「目の前の奴らは全員敵だ‼︎撃て‼︎」

 

上陸した部隊に配備されていたM41が突撃態勢を取ろうとしていた皇国兵の一団に対して76mm砲を直接照準で狙いを定めて砲撃、爆発と同時に辺りに大量の肉塊が飛び散る。

 

「クソ‼︎おい、アレを使うぞ‼︎」

 

陣地内に居た皇国軍守備隊はM41の攻撃に晒され、何とか対抗しようと虎の子であるミリシアル製の旧式魔導対空砲の照準を戦車に向けようとしてた。

 

「ん?車長!敵が対空砲らしきものをこちらに向けようとしてます‼︎」

 

「what ⁉︎そんな馬鹿げた事をさせるな‼︎キャニスター弾装填‼︎」

 

「装填よし‼︎」

 

撃て(fire)‼︎」

 

主砲から発射されたキャニスター弾は発射準備中だった守備隊員を対空砲ごとズタボロに引き裂いた。

 

「よぅし‼︎このまま前進‼︎敵の親玉の面を拝みに行ってやろうじゃねぇか‼︎」

 

「全軍突撃ぃ‼︎」

 

「上皇后様万ざぁぁぁぁい‼︎」

 

米軍と日帝軍を先頭に上陸部隊は港湾一帯を制圧していた頃、市街地一帯に降下した空挺部隊は続々と合流、また事前に連絡を受け取っていた内通者のカイオスとそれに類する皇国兵達とも会合しパラディス城内へと怒涛の勢いで突入して行った。

 

「きぃえぇぇぇぇぇぇ‼︎」

 

「貴様ら何者d」

 

「そこをどきやがれぇぇ‼︎」

 

「侵入者が……がぁっ!」

 

隊員達の目の前に皇国兵が立ちふさがるが、日本刀持ちの陸軍兵に首が胴体と泣き別れにさせられたりトンプソンサブマシンガンの射撃にあっけなく制圧される。

 

「うぉぉぉっっっっ‼︎」

 

「皇国ばんざぁぁぁぁい‼︎」

 

勇敢な皇国兵が手にしている剣を手に突っ込んできたり、数少ない魔導銃で反撃してくる。

 

「貴様らに女王陛下の靴を舐めさせてやる‼︎」

 

「朝のティータイムを奪った貴様らを我々は許そう。だがこのステンガンが許すかな!」

 

しかし朝の紅茶が飲めずに気が狂いかけてる英国兵を前に彼らの努力は全て無に返された。

 

「おーおっそろしい事」

 

「アンタらの先祖どうなってんの……?」

 

「こっちが聞きたい…」

 

一連の様子を後方から見ていた自衛官と豪軍兵は祖先達の血の気の多さに少し引いてる様子だった。

 

「おい‼︎会議室だ‼︎」

 

「クソっ‼︎内側から抑えられてやがる‼︎」

 

目的地の会議室へと到達した彼らだったが内側から重量物で抑えられているのかカイオスが持って来たマスターキーでも開かなかった。

 

「こうなったらバズーカだ‼︎」

 

痺れを切らした米兵がM20 A1 スーパー・バズーカを扉の方へと構えた。

 

カイオス「中には陛下がおられる。くれぐれも慎重に…」

 

「んな事知るか‼︎ファイヤァァァァァァァァァァ‼︎」

 

嗚呼何ということか、この米兵は完全にアドレナリンによって脳内を侵されている。

扉は木っ端微塵に吹き飛び辺りは煙が漂い木片が散乱していた。

 

「Fuh‼︎見たかベイベー‼︎」

 

「本当、敵じゃなくてよかった」

 

中指を立てて豪語する米兵を他所にポツリと呟いた自衛隊員を筆頭にカイオス達は室内へと突入した。

 

突入した隊員達は中に居た軍幹部や要人達を次々を椅子から床に伏せさせて両手を結束バンドで縛り上げていく。

 

レミール「貴様ら!何者だ!」

 

会議室の奥に居たレミールがルディアスを守るように、剣を構える。

 

「誰って…連合軍の者だよ」

 

レミール「連合軍だと…⁉︎この神聖なる皇城に土足で踏み入るなど、どう言う了見だ!」

 

「愚問だ…貴様を捕らえる為だ‼︎」

 

「捕えるだと⁉︎ふざけるな!何故陛下と私が貴様ら蛮族に捕えられなければならん!」

 

次の瞬間、乾いた発砲音と共にレミールの右肩から鮮血が飛び散り彼女は叫び声を上げてその場に崩れた。

 

「さっきからギャーギャーうるさいぞ、このアマ‼︎大人しくお縄につかんか‼︎」

 

彼女の傲慢な態度に嫌気がさした陸軍兵が硝煙の残る十四年式拳銃を右手に握っていた。

 

カイオス「確保しろ‼︎」

 

すかさずカイオスが命令し内通派の皇国兵が彼女とルディアスの手に手錠を掛ける。

 

ルディアス「カイオス…やはり貴様が…」

 

カイオス「はい陛下。このような無礼をお許しください。全ては国民の為です。罪なき子供まで国と共に滅ぼす訳には参りません……陛下」

 

彼の言葉を聞き反論や抵抗する素振りを見せなかったルディアスはその先を制した。

 

ルディアス「言わずとも良い。我が名を使って後は好きすると良い」

 

彼からその言質をとったカイオスはそれ以上、何も言わなかった。

カイオスはルディアスの執務室へと向かい、皇帝専用の広域用魔導通信装置を用意する。

 

ルディアス「カイオスよ」

 

部屋から連れ出されようとするルディアスに呼ばれてカイオスは咄嗟に顔を上げる。

 

ルディアス「パーパルディアを……我が国民を頼むぞ」

 

その一言にカイオスは瞳に涙を浮かべて深々と礼をして連れ出されるルディアスを見送った。

 

直後、彼の声明は皇都及び皇国全土へと及び皇国軍は全面武装解除をした。長いようで短かったパーパルディア戦役はこれにて終わりを迎えた。

 

 

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