環太平洋機構召喚 【リメイク前:自由連合召喚】   作:短号司令官

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制圧戦

アルー防衛に成功した連合軍は、降伏したボーグらに治療と、尋問を行っていた。

大内田らはキールセキ駐屯地から再びアルーへと移動していた。

 

「ではこれより、バルクルス基地攻略作戦について説明いたします」

 

大内田は指揮所に集まっていた連合軍の幹部達に、次なる作戦の説明を始める。

 

大内田「現在、レイフォルとの国境から十数キロ地点に設けられたバルクルス基地があります。航空自衛隊による偵察と捕虜とした敵機甲師団の指揮官や兵士達全員からの聞き取りから、陸軍1個師団、戦闘機と爆撃機で編成された2個航空団が駐留していると判断いたしました。周辺の地形と基地構造を精査し、脅威となる敵師団を基地から引き摺り出し、空となった基地司令部を制圧したいと考えています」

 

マッカーサー「Mr.大内田、基地から出てきた敵の部隊に対しては?」

 

大内田「それは我々が相手します、それとマッカーサー大将。制圧には本当に彼らを投入するつもりですか…?」

 

彼の怪訝そうな問いに対してマッカーサーはコーンパイプをとり、難しそうな表情を浮かべながら答えた。

 

マッカーサー「まぁ…そうですな。上が出せと言っている以上は私も拒否はできません。実戦でしか得られないデータと運用してみて見えてくるモノがあるはずですし」

 

大内田「分かりました。では制圧は貴官ら米軍に任せて、出てきた敵は我々と今村閣下の部隊で」

 

今村「承知しました。貴国からの技術援助やレンドリースで得た車輌を使いたくて、現場の連中ウズウズしてますから」

 

連合軍はバルクルス基地攻略に向けての準備に入り、脅威となる航空兵力の動きが制限される夜間に作戦が実行される事となった。

 

 

それから36時間後の、午後11時30分

 

 

「陸将、時間です」

 

大内田「よし!これよりバルクルス基地に向かう!」

 

バルクルス基地の敵師団を注意を引き付ける第7師団はアルーよりバルクルス方面に向けて進撃を開始した。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ無線の不調は続いてるのか?」

 

 

バルクルス基地にある司令室で、ガオグゲルが通信参謀に無線の状態を聞く。

通信参謀は深刻そうな表情で首を横に振る。

 

「閣下、やはりこれは自然的なものではなく人為的なものなのでは?」

 

ガオグゲル「どうだろう………確かに通信妨害は理論的に可能とは聞いた事がある。だが我が軍ですらまだ構想段階な物を敵が使ってくるとは思えん。そうなると自然現象としか考えられん」

 

ガオグゲルの中に、電子妨害を日本が実行していると言う考えは無かった。

 

ガオグゲル「これが収まるまでは空中哨戒と付近の警戒を厳重に。それと、周辺の警戒も厳重に」

 

「了解」

  

ガオグゲルは有線電話による基地内の施設と部隊間での連絡の緊密、見張り塔への見張り員の増員、空中哨戒網の厳重化と航空部隊による24時間の緊急発進機を指示し、 守りを固めた。

 

 

しかし尚もガオグゲルは心中に違和感を感じた。

 

 

ガオグゲル(第4機甲師団と第1次攻撃隊との連絡途絶………それの前後で起きた通信とレーダー不調………偶然ではない。明らかに敵からの攻撃によるものだ。だが敵はどんな方法で……?)

 

 

深刻な表情で考えにふけるガオグゲル。答えらしい答えは導き出せず、もう来る筈の無い第4機甲師団からの伝令兵の到着を待つしかなかった。

 

 

それから数時間、すっかり夜は更けて、日付が変わった頃。

 

「閣下!」

 

ガオグゲル「どうした?」

 

「警戒に出ていた第20偵察隊より、アルー方面から敵軍が当基地に向かってきているとの事です!」

 

ガオグゲル「何っ!本当か!?」

 

「はい。報告では、敵軍は巨大な戦車と装甲車を多数保有していたとの事です!」

 

ガオグゲル「直ちに迎撃態勢をとれ!第3師団を迎撃に出せ!航空部隊も直ちに出撃だ!」

 

「了解!」 

 

バルクルス基地に警報が鳴り響き、基地内に居た陸軍第3師団、航空部隊が直ちに出撃準備に取り掛かり、僅か10分足らずで第3師団が基地より出撃した。

 

 一方その頃、バルクルス基地より南東方向を空中哨戒部隊のアンタレス3機が飛んでいた。

 

「もう直ぐ交替の時間だな」

 

哨戒隊の隊長は、腕時計で時間を確認する。

 

「しかし無線が使えないと不便だな」

 

隊長は自ら乗り込むアンタレスに搭載されている無線機の不調に悩まされていた。今の所、近くの友軍機同士とは発光信号で何とかやり取り出来ているので問題はないが、やはり無線交信に慣れると原始的な伝達方法は効率が悪い。

 

「交替時間だな。さっさと帰るか」

 

交替の時間となり、基地に引き返そうと操縦桿を捻ろうとした時、目の前に一瞬だけ光点が3つ程光ったのが見えた。

 

「ん?」

 

その方向に目線を向けた瞬間…

 

「うわぁ!」

 

目の前が強烈な光に包まれ、彼等は愛機共々、空中で四散した。

 

『こちらエクセル、目標地域に航空脅威なし』

 

「こちらモールリーダー了解」

 

 

空中哨戒隊を撃墜した第203飛行隊と後続の第3飛行隊はバルクルス基地への連合空挺団の降下に備えて上空の制空権確保に動いていた。

 

「こちらモールリーダー、バフへ」

 

『こちらバフ』

 

「敵航空目標を排除、貴隊は目標へ突入されたし」

 

『了解』 

 

203飛行隊の後方に居た第3飛行隊のF-3が麻痺状態のバルクルス基地の哨戒網を突破し、悠々と基地上空10000メートルへと到達した。

 

 

『バフリーダーより、全機へ、爆撃用意』

 

第3飛行隊のF-3戦闘機20機のエアインテイク脇に備えられていたレーザー目標指示ポッドから、バルクルス基地の戦闘機格納庫と弾薬庫にレーザー光線を照射する。

 

 

『ドロップ、レディ………ナウ!』

 

 

ヴァルキリーに装備されていたGBU-54LJDAM、GBU-12ペイヴウェイが投下された。

地上に向けられるレーザー照射光を落下中の爆弾本体に搭載された受光装置が受け取り、その場所へ精密に落下する機能を持つレーザー誘導爆弾は、目標を捉え進路を変えながら落下していく。

 

そして、全爆弾は基地の航空機格納庫と弾薬庫に直撃し、基地に爆炎と煙が立ち込めた。

 

爆撃を受けたバルクルス基地に、爆発による衝撃波が伝わる。基地司令室の窓が衝撃波で割れ、中に居たガオグゲルは奥の壁に叩きつけられた。

 

ガオグゲル「うぅ………」

 

背中から感じる痛みに耐えながら立ち上がり、ガラスが割れた窓から外を見ると、航空機格納庫と弾薬庫が炎上しているのが見えた。

 

ガオグゲル「格納庫と弾薬庫が…………」

 

その直後、別の方向からまた爆音が聞こえてきた。その方向を向くと、レーダーと通信用アンテナが爆炎に包まれ、崩れ落ちていた。

この光景からガオグゲルは、敵は基地の空と耳を奪い、更には航空戦力を奪うために狙っているかのように爆弾を落としているのかもしれないと言う考えに至った。

 

ガオグゲル「バカな!こんな暗闇の中をどうやって狙ったんだ⁉︎こんなもの練度でどうにかできる問題ではないぞ!」

 

帝国軍でも精密爆撃と言う概念はあり、その方法とはもっぱらレーダー照準によるもので、基本的には搭載量が少ない爆弾を効率的に投下するための照準の補助に過ぎない。しかし彼の目の前には、正確に射貫かれたのように爆撃を受け炎上する格納庫と弾薬庫、レーダーと通信アンテナの姿がある。

 

 

ガオグゲル「クソ!基地防空隊に連絡!直ちに敵航空機の迎撃の準備に掛かれ!また来るぞ!」

 

 

直ちに基地防空部隊に迎撃態勢を取らせるが、レーダーが使えない状況では、敵の位置や方位が分からないため対空砲が打ち上げられない。

 

ガオグゲル「敵航空機は視認できたか⁈」

 

「駄目です!サーチライトを使って捜索していますが、発見できていません!」

 

一応、サーチライトを使って空に向けて目標を探すが、照射された光が届く距離が短いため、中々発見できない。

 

 

ガオグゲル「これだと敵が何処に居るか分からんではないか!」

 

まさかの状況に彼も他の幹部達もどうしたら良いのか全く分からないでいた。

 

 

「閣下!」

 

ガオグゲル「どうした!」

 

「対空砲陣地が攻撃を受けました!」

 

ガオグゲル「何だと⁉︎」

 

再び外を見ると、先程まで存在していた対空砲陣地から炎と煙が上がっていた。

 

ガオグゲル「対空砲まで………これでは基地は丸裸だ!他に防ぐ手立ては無いか?」

 

「一応、整備に回していた対空機銃が2基ありますが」

 

ガオグゲル「直ぐに準備させろ。今は機銃1丁でも貴重だ」

 

「了解!」

 

だが機銃2丁では気休め程度にしかならない事は分かっているが、今の状況を考えれば使える機銃があった事は幸運と思わなければならない。

 

 

その頃、迎撃に出た第3師団はと言うと……

 

「目標敵戦車‼︎対榴、撃て‼︎」

 

第七師団の87式戦車とレンドリースされ日本陸軍に渡った61式戦車の砲撃を前に防戦一方だった。

 

『奴ら撃ってきやがった!!恐ろしく正確だ!』

 

『慌てるな!動き回っていれば当たりはしない!』

 

敵戦車隊は夜間でも正確に撃ち込んでくる砲撃に対して、少しでも被弾のリスクを減らそうと全車両が各々に動き回る。

 

「いいセンスだ。だが相手が戦車だけだと思うなよ!」

 

随伴していた第11普通科連隊の歩兵が携行していた01対戦車誘導弾をダイレクトモードで発射。非冷却型赤外線画像誘導方式で誘導された誘導弾は装甲など無いに等しい敵戦車に命中すると同時に勢いよく爆ぜていった。

 

『クソ!奴等、1発で当ててきやがる!』

 

『兎に角動き回れ!』

 

『駄目だ!履帯が保たn』

 

『4号車がやられた!被害甚大!』

 

『どうしろってんだよ!』

 

帝国側の戦車隊は夜間の暗闇中で僅かな光を頼りにした目視照準でしか方法が無いため、殆ど命中弾を与えられず、次々と撃破されていくしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

『連中派手にやっているな…』

 

戦闘の起きていないエリアから暗視装置越し見える赤い映像を見ながら米軍の制圧部隊の隊長が呟いた。

 

『よし…総員行くぞ。この基地に居るクソ共に…我々合衆国がどれだけ偉大かということを教えてやれ』

 

全身を装甲服で覆い、ガスマスクのように顔全体を覆うマスクを着用した漆黒の兵士(ソルジャー)達が草むらの中から1人、また1人と立ち上がりその規模は数千人へと上った。

 

『いいか、障害は全て実力で排除しろ。例え相手が子供や女であろうとな。ここは戦場だ。ハナタレは今すぐ帰ってお袋のエプロンにでも泣きついてやがれ‼︎行くぞ‼︎』

 

『『yes sir!!』』

 

部下を鼓舞して重装兵ー以降装甲歩兵ーは基地内へと侵入し、予定通り周辺施設と司令部の二手に別れて行動を開始した。

 

頭の中に記憶している基地の見取り図を思い出しながら、暗視装置越しに司令部へ続く建物の壁を背に帝国兵の死角となる場所を素早く移動する。

彼等は帝国兵に見つからないよう足音を立てず、気配を殺しながら目的地へと足を進めるが、一向に敵兵の姿と気配は無い。何処にも敵が居ないのである。

 

『しかし、よくそんな重い装備持って行けますね。大佐』

 

『可動式アームのお陰でそこまで重くはない』

 

彼は左脇から前腹部にかけて伸びる可動式アームとそこに載せられたMG42ー否それをベースに造られたM24軽機関銃が合体したM56スマートガンを見ながら言った。

 

『アームがあっても重かったら機動力が落ちます』

 

『俺たちはこっちの方が断然好きですぜ』

 

随伴する部下達はメインウェポンであるストーナー63を片手に前方を進む大佐の後を着いていく。

 

『止まれ』

 

基地司令部が置かれたコンクリート製の建物の近くに到達した。だがその建物は周囲をフェンスに覆われ、入り口には歩哨が2人立っており、奥には警備詰め所がある。

 

『チッ…ご丁寧に歩哨がいやがる』

 

『どうします?ここから蜂の巣にしてやれますぜ』

 

『待て待て、二班がもうすぐやる頃のはずだ』

 

腕時計で時間を確認するとカウントを開始した。

 

『3…2…1!』

 

カウントが0になった瞬間、周囲の施設から光が消えた。

それと同時に爆発が各所で発生し、基地内に居た帝国兵達の動きが慌ただしくなり、爆発があった場所へと向かっていく。

 

『フンッやるならさっさとやれっての』

 

『文句言うな、行くぞ‼︎』

 

別働隊が送電施設を破壊したの確認し、本隊は司令部施設へと接近し、警備詰め所と通信室を無力化。

同時にそこで入手した見取り図を元に総仕上げにかかった。

 

『さてと、親玉の面を拝みに行くぞ』

 

『了解!』

 

警備詰め所から司令部の建物へと移動し、そこから建物を囲むよう四方に展開、見取り図にあった入り口や非常口に付く。

 

『各部配置確認』

 

配置を確認し突入の準備に入った。入り口にある鋼鉄製の扉にC4を仕掛ける。 

 

『爆薬設置完了』

 

『退避ッ』

 

腕時計でカウントを始める。

 

『3…2…1!』

 

点火栓を捻ると爆薬が爆発し、扉が吹き飛んだ。 

 

『GO GO GO!』

 

部隊は突入を開始した。

突入した彼等は、複雑に入り組んでる通路を記憶した地図の通り、司令室がある方向へ走りながら奥へ奥へと進んでいく。

 

「敵襲‼︎」

 

『shit!』

 

大佐は正面に出てきた敵集団に対してスマートガンを構えて後部トリガーを握ると毎分1200発という圧倒的な発射速度で撃ち出された徹甲弾がいとも容易く敵集団をミンチ肉に引き裂いた。

 

『応戦しながら進むぞ!』

 

『『yes sir』』

 

部下達もストーナーで応戦しながら司令室へと進んでいく。

全員100発箱型マガジンを装備している為弾切れの心配は当面なかった。

 

『あれだ!』

  

司令室と書かれた扉を発見し、スタングレネードを手に取りピンを引き抜いて安全レバー握り締める。

 

『マスターキーだ』

 

『OK!』

 

ポイントマンがイサカM38ースパス12のリーバスエンジニアリングverーでドアの蝶番を破壊し、扉を蹴破る。

 

『フラッシュ‼︎』

 

そう叫びスタングレネードを投げ入れる。

その瞬間、室内から複数の爆音が響き、それが収まると司令室へと突入した。

 

ガオグゲル「ううっ……」

 

そこには、両目を両手で押さえながら床で転げ回るガオグゲルの姿があった。懐から敵将の写真を取り出し本人かどうかを確認する。

 

『ターゲットだ。拘束しろ』

 

彼の両手と両足を手錠で拘束し、目をアイマスクで覆い、口に自殺防止用の猿轡を噛ませる。

 

「さて、大掃除だ!」

 

この瞬間、バルクルス基地は完全に軍事機能を喪失すると同時に地獄へと化した。

 

そして夜が明ける頃には敵師団を壊滅させた第7師団が突入するが、そこには先に突入していた米制圧部隊によって完膚なきまでにー銃撃による戦闘でーボコボコにされた警備隊がおり、無傷な敵兵はおらず逆に制圧部隊は余裕をかまして葉巻まで吸っていた。

 

その日のうちにバルクルス基地は占領され、制圧した米制圧部隊ー装甲歩兵師団ーは『レッドゴーグルズ(赤い眼鏡)』の異名で呼ばれるようになるのだった。

 





プロテクトギア
やりました。早めに出しました。やっぱりあのデザインはかっこいい、そして何よりむせる。

スマートガン/イサカ
どちらもネット情報を元にアメリカがリバースエンジニアリング。
T24機関銃だったのでそのままからのスマートガン化。

ストーナー63
『一つの銃でアサルトから軽機関銃』
こんな万能謳い文句に飛びつかない訳がない。
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