環太平洋機構召喚 【リメイク前:自由連合召喚】   作:暁司令官

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行動

 

銀座に出現した「門」とそこから現れた帝国軍によって多数の市民が虐殺された「銀座事件」を期に帝国と戦争状態になり、同じ悲劇を繰り返さない為に日本側は自衛隊を現地に派遣し常駐させている。そこには日本から持ち込んだ戦車や小銃などで警備され、言わば要塞と化していた。そしてその場所に彼らは招かれた。

 

「つまり、君たちは我々とは異なる歴史を歩んだ日本人だと言うのかね?島田一佐」

 

特地方面派遣部隊指揮官:狭間浩一郎は神妙な面持ちで自分の正面に座る幹部に質問する。

 

島田「はい。そう受け取ってもらって構いません狭間陸将」

 

狭間「ふぅむ…」

 

第三偵察隊からの無線で初めてその存在を聞いた時は誰しもが耳を疑った。しかしいざ彼らが帰還してみると自分達が持ち込んだ74式とは全く異なる強力なMBTを持つ自衛官らの登場に誰も理解が追いつかなかった。

 

既に彼らがここに到着して数日が経つが、話の内容はどれも耳を疑うものばかりであり狭間はこの案件に対して柔軟な判断が下せる柳田とも話し合っていた。

 

狭間「どう思う?」

 

柳田「正直、どれを取っても信じられる話ではありません」

 

ソ連の北海道上陸とそこから40年以上にも及ぶ南北の分断、そしてそれによる自衛隊の強化や憲法の改正、ベトナム戦争や湾岸戦争に果てはアフガニスタンへの派遣と介入など自衛隊が大々的に世界の紛争や戦争に介入している事が彼らには信じられなかった。

 

柳田「…ですが、一口に嘘だと片付けるのは無理があります。話の内容があまりにも具体的である事や彼らの装備が全てを物語ってます」

 

狭間「うむ。挙句この世界に国土が転移…か。異世界なら何が起こっても不思議ではないと言うが…」

 

柳田「それで、()にはどう報告するつもりです?」

 

一番の懸案である『政府への報告』これ程の事態をそのままにする訳にもいかない為、防衛大臣を通じて報告するつもりではあるが何をどう言えば良いのか狭間も考えていた。

 

世界や日本はこの特地を《宝の山》と見ている。

汚れのない自然や莫大な地下資源、この地であれば世界経済をひっくり返しかねない。

そこに近代的な国家が一つでも存在すると情報が世界に漏れれば何が起こるか分かったものではない、最悪東京に核が落とされる可能性だってある。

 

狭間「報告はする。だが最重要機密事項としてな、それに彼らの指揮官も自衛官なら話してみる価値は大いにある」

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

島田「しっかし参ったね…」

 

駐屯地の片隅に設けられた待機場所で島田は電子タバコを吸っていた。

予定通り接触はできたところまでは良いが、そこから先の処遇については殆ど進展は無かった。上に報告されると聞く辺りより面倒なことになると島田は考えていた。

 

福田「お疲れ様です。隊長」

 

島田「おぉ福田か」

 

86式の車長である福田もまた島田と同じ目に遭っていた。

この駐屯地にいる戦車兵達からの怒涛の質問に対して現物を用いて、極力機密に触れないよう86式の説明と自分達の日本について話をしていた。

 

福田「全く疲れますよ…こっちの世界の連中は」

 

島田「分かるよ。だがまだ()()()()()なだけマシじゃないか?」

 

福田「ていうと?」

 

島田「仮にもしだ。ここに来ていたのが日本陸軍や米軍だとするだろ?そうしたら余計に混乱するし、最悪もっと悪い方向に転がってた可能性だってあるぜ?」

 

福田「ドンパチ……戦争っすか?」

 

島田「あぁ俺だって嫌さ、あちらさんが俺らのせいで滅びるなんざ」

 

福田「でも大して変わらないんじゃ?」

 

島田「さぁてな。まぁでも価値観が限りなく近い、その上日本人なら……まだな?」

 

福田「あー…確かに……」

 

一通り話したい事を終えた島田はタバコを仕舞うと立ち上がってどこかへと向かう。

 

福田「隊長、どちらへ?」

 

島田「ん?ちょっとイタズラ」

 

福田「は…?」

 

この島田のやる《イタズラ》がより事態を大きく動かす事になると知るのはもう少し先であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

保護した難民らの申し出で、アルヌス周辺に放置された飛竜の鱗を換金し生活費に充てるべく《イタリカ》に難民達と共に伊丹達第三偵察隊も向かう事になるのだが…

 

伊丹「…アンタらも行くの?」

 

「はい」

 

面倒くさそうに聞く彼に対して模範的な通りの良い声で返事をしたのは島田の部隊から引き抜かれた国場靖徳三等陸尉とその部下達だった。

 

伊丹「はぁ〜なるほどー……」

 

国場「二尉は隊長から何も聞いてないのですか?」

 

伊丹「うんにゃ何も」

 

国場「後で隊長をしばいておきます」

 

伊丹達の使う車両の方に、島田らが持ち込んだ25式警戒戦闘車、12式機動戦闘車、7tトラックの他多数の誘導兵器を持ち込んでいた。

 

倉田「01にカールグスタフ、91式って……」

 

「ん?どれか貸そうか?」

 

倉田「いや……いっす…」

 

予定より規模は大きくなったが何処となく不安と安心が入り混じった感情を胸に伊丹達はアルヌスを出発した。

 

 

伊丹「それにしても未来っていってもほんの4、5年くらいしか変わんないだね」

 

国場「すいませんね。何だか期待させて」

 

移動中の車内で自衛官同士で話をしていた。内容は自分達の時代とどれほど差があるのか、また未来で何が起こっているのか、はたまた過去に日本がどんな経験をしたのか等話し始めたらキリが無い。

 

伊丹「いやぁ4、5年でも大分ロマンあるよ。ところで君たちのそれって89式の後継?」

 

国場「あぁこれですか?」

 

国場は自分が下げていた20式小銃について話題が振られて説明を始める。

 

国場「これは20式小銃で使用弾薬は6.8mm弾を使ってます。俺たちの世界の自衛隊はさっき話したようにアフガニスタンとかにも派遣されてたりするんですけど、そこで5.56mmじゃあ威力不足っていうのが露呈しましてね…」

 

伊丹「ほぇーそれで7.62mmよりは軽く、5.56mmより威力を上げたそれに」

 

国場「はい。ただ多少携行弾数が少なくなるっていうデメリットはありますが、ボディアーマーも時代と共に進化していく訳ですから強くするに越した事はありません」

 

しばらく進んだところで目指すイタリカの方角から煙が上がっているのが見えた。

 

伊丹『全車、周辺と対空警戒。慎重に接近する』

 

この後、さらに彼らの運命を狂わす事になると知るのはもう少し先だった……

 





20式
統一戦争、アフガニスタンと5.56mmの威力不足を史実(我々の歴史)より早く痛感してより強力な6.8mmに口径upしていそうだと。
多少のデメリットは確かにありますが
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