環太平洋機構召喚 【リメイク前:自由連合召喚】   作:暁司令官

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こんばんわ、お昼の方はこんにちは

ここ二週間でGATE編をどう進めようかと頭を捻りに捻った結果今回のような結末を迎えるに至りました。

それについてまず謝罪をさせてください。

今後も勿論特地との繋がりはあるままにするつもりですが、一旦それに終止符を打とうと思います。



命令とパイプ

 

「…それが、政府からの命令ですか?」

 

ファルマート大陸調査部隊仮設基地で大内田は政府からたった今届いた命令を幕僚らに伝達していた。

 

大内田「そうだ。確かにいい加減かもしれんが、我々は当初の目標は達成したし上の言い分も分からなくは無い」

 

「…それであちら側にはどう伝えるつもりなのですか?」

 

大内田は少し困ったような顔をして深く息を吐いて応えた。

 

大内田「あちら側の…狭間陸将には私が直接伝えに行こうと思う。その方があちらさんも納得してくれると私は思う」

 

 

後日、大内田はJMV-22オスプレイに乗ってアルヌスへ向けて出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルヌス駐屯地

 

島田一佐を通じて連絡を受けていた狭間陸将と柳田二尉は基地内に設けられた滑走路の片隅で()()の到着を待っていた。

 

柳田「しかし、ここに来て急用とは。あちら側の背後では何やらきな臭いものを感じますね」

 

狭間「なぁにそれは我々も同じさ。お?来たようだな」

 

東の空に目を向けると翼端に二つのメインローターが特徴的な機体がやってくるのが見えた。

指定の着陸地点に達するとローターを機体上部へと回転させ、ゆっくりと降りた。

 

機体のハッチが開き、中から迷彩服にアタッシュケースを持った自衛官が出てきて狭間らの方へと向かっていく。

 

大内田「日本国陸上自衛隊第七師団師団長の大内田和樹です」

 

狭間「日本国陸上自衛隊特地方面派遣部隊指揮官の狭間浩一郎です。遠路遥々ようこそ」

 

狭間の差し出した手を大内田は迷う事なく握り握手を交わした。

 

大内田「本日はお忙しい中、わざわざお時間をありがとうございます」

 

狭間「なに、ここであれば時間を作ることは造作もありません。それより重大事項ができたと?」

 

大内田「はい。それをお伝えすべく本日は参った次第です」

 

大内田を加えた3名はまず彼に対しての基地内の説明と案内を行い、それから駐屯地内の幕僚室で会談を行うことになった。

 

会談ではまず、大内田から改めて日本を含む多数の国が時間や世界を超えてこの異世界へと転移してきた事やそれに至るまでの歴史の相違点の説明、転移後から現在に至るまでの出来事をパソコンや資料を使って狭間と柳田への説明が成された。

また狭間からも大内田に向けて相違点以降の歴史で日本がどう違う歴史を歩んだのかの説明がされた。

 

柳田「随分興味深い歴史ですね……まさか核攻撃で米空母打撃群四つが壊滅とは……」

 

狭間「その影響で、大内田さんも中々苦労を…」

 

大内田「えぇ決して楽ではありませんでした。大陸や半島の共産陣営とほぼ我が国のみで対峙しなくてはいけませんでしたから、重圧という点ではそちらの世界の何倍かと」

 

狭間「貴国の概要は分かりました。それで本題は?」

 

大内田「はい。我々がこの大陸に派遣された理由は、衛星画像で確認されたこの地に存在する正体不明勢力の身元調査。それが我々とは歴史が異なるながら同じ自衛隊であるという事が判明し、それを私は政府へと伝達しました」

 

柳田「その政府からの返答は?」

 

次の一言を言う前に大内田は一つ大きく深呼吸をしてから言い放った。

 

大内田「…ファルマート大陸からの撤収です」

 

その一言に両者は特に驚く様子は無かった。寧ろその理由を知りたいという目をしていた。

 

大内田「政府の言い分を分かりやすく説明するなら、"特にメリットが無いから"…という我ながら身勝手な理由です。まず一つ目に貴方方と帝国との争いに関わるメリットが無い事、無関係である我々が果たして首を突っ込む必要があるのかという…」

 

柳田「まぁ…当然といえば当然ですね。同じ日本とはいえそちらとは無関係の事案ですし」

 

大内田「それと二つ目。これは我々PRTO全体の意見ですが、資源的な面でもわざわざ北方にあるこの大陸にまで足を伸ばして資源を得る必要は無いという……」

 

狭間「我々の世界の国々からすれば確かにこの特地…いや異世界はまさに資源の宝庫。離れた地域に資源国があり、そこが本土と近ければ確かにリスクを犯してまでこの地域に来る必要はありませんな」

 

大内田「ただ、完全に貴方方と無関係になるというわけではありません」

 

「「?」」

 

大内田の発した意外な一言に二人は一瞬顔を見合わせ、それを見た大内田は話を再開する。

 

大内田「確かに前述の理由の通り我々がそちらへのアプローチは余り利点はありません。逆に狭間さん達の日本やその世界からすれば我々は…」

 

柳田「…完全なイレギュラー……」

 

狭間「想定外の存在…という訳ですな」

 

大内田「そうです」

 

以前にも島田一佐が述べていたが、向こう側からすればこの世界に転移した地球国家があるなど予想もしない筈だ。

 

仮にもし何らかの事態に陥り、各国が特地に軍勢を派遣しようとするならまずその城壁となるのは『門』のある日本とそれを守る自衛隊という存在、それを突破しようやく特地に来れたとしてもそこには戦力の整った多国籍軍が待ち構えている。『門』の大きさによる制約で一度に送り込める兵力が限られる向こう側に対して、こちらは制約を殆ど受ける事なく兵力の展開が可能であり全ての面において圧倒的に優位な立ち位置にいるのは明白だった。

 

では逆にこちらから向こう側に行くとしたどうか?それこそ何のメリットも無いのだ。技術的な面では日本とオーストラリアが担い、工業力ではアメリカや日本帝国にイギリスといった国々が肩代わりし、資源についてもクワ・トイネやクイラなどの友好国から格安で大量に仕入れる事ができる。それなのにわざわざ国家間のいざこざや対立、資源の数も限られた地球世界に行く必要性はほぼ無い。

よって軍勢が押し寄せたとしてもこちら側は『門』の外へ押し出すだけで良い、核を堕とされたって損をするのは向こう側だけでこちらは痛くも痒くもない。

 

大内田「我々は無理にアプローチする必要は無い、しかしそちら側は嫌でも我々に対してアプローチを取らなくてはならなくなります。そこで我々は貴方方の日本に少し手を貸す考えが」

 

狭間「というと?」

 

大内田「これは私見も含まれていますが、今貴国は各国からの圧力でそれなりに苦しい立場にあると予想しています。そこで我々の存在を世界に公表すると…各国は嫌がでも距離を取り冷静にならざるを得なくなり、多少負担を減らす事が可能かと」

 

柳田「案としては悪くはありませんが、納得させる証拠は?」

 

大内田「島田一佐らの車両や私が今し方お見せした歴史や資料、この異世界の世界地図を公表すれば」

 

狭間「なるほど……そしていずれ交渉という名のテーブルが用意された暁には、我々にそのパイプ役をやってほしい…と?」

 

大内田「決して楽とは言いがたいですが、それでも今置かれている状況よりは多少良くはなる筈です」

 

狭間「分かりました。それならば我々も納得できます。帝国との一連の騒動に関しても、自分達でけりをつけろ……という解釈でよろしいですね?」

 

大内田「はい」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

資料の作成に向かった柳田が部屋を出て、二人の陸将は改めて向かい合っていた。

 

狭間「しかし、94年に日本で戦争とは……大内田さん貴方も…」

 

大内田「えぇまだ私が幹部候補生学校を出て部隊に配属されて一年も経たない頃の夏でした。右も左も分からない中で、ある日突然"命令だ。戦え"と言われて困惑したのを覚えてます」

 

狭間「さぞ苦しい戦いだったんでしょう……」

 

大内田「えぇ決して楽ではありませんでした。寧ろ後にも先にもあれ程の経験はしないだろうと思いました。目の前で同期の乗った車輌が敵の砲弾で吹っ飛んで弾け飛んだり、無線の奥から聞こえる仲間の断末魔も嫌と言うほど聞きました」

 

狭間「………」

 

大内田「"あぁ…俺も死ぬんだ"……そう思いながら私は生き残りました。生き残った同期も戦後自衛官を辞めた者もいました。私も一時は辞めようかと思いましたが、今自分が辞めたら死んだ同期がどう思うか?……そう考えたら辞表を師団長に提出できませんでした」

 

狭間「……私の世界は…私の日本は貴方から見て果たして幸せなんでしょうか?」

 

大内田「さて…難しいですね。あの戦いで死ぬはずのなかった命が生きているという点においては幸せかもしれません。ですが国際社会という点においては、そうとは言いがたい……狭間さん。もし何かあれば貴方方だけでも我々の元に来ることも可能です」

 

狭間「……嬉しい誘いですが、今はお断りします。ここにいる自衛官達にも家族がおります。我々はそれを守る為に、日本を守る為にここにおるのです」

 

大内田「……分かりました。ですが何かあればぜひ連絡を、すぐに応援に駆けつけますので」

 

狭間「ありがとうございます。大内田さん」

 

 

後日、島田一佐ら偵察隊はアルヌスより撤収。入れ替わりで僅かな連絡要員が来る代わりにPRTO全軍はファルマート大陸から撤収した。

 

 

また大内田は語らなかった……いや知らなかったのだが彼らの本音としては復活が間近だと噂される『古の魔法帝国』を前に戦力の余計な分散は避けたいという意図があったのだった。





あっさり
すいません、本当にすいません。
確かにふと考えてみると「あれ?あんまりメリット無いような…」という意見が腑に落ちる一方、「逆にGATE世界は無視できんな」という点にも気がつき、帝国との一件には手を出さない一方で関係は持ち続ける……という形に落ち着かせます。

ですが、伊丹さん達を今後再登場させる算段は考えてありますのでそれでご勘弁を


大内田さんと統一戦争
あの人なら絶対経験してると思いました。
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