環太平洋機構召喚 【リメイク前:自由連合召喚】   作:短号司令官

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一応別作品のアイデアに関するアンケートを置いておきます。

昨日投票に行って来ました。前政権時は行きませんでしたが、今回は流石に!


交錯

 

国交締結から約二週間後

日本国、オーストラリアと日帝・米・英の間では使節団が双方に向かい、互いに情報交換が為された。

 

 

日本国 東京都

 

「以上が、『大日本帝国』『アメリカ合衆国』『大英帝国』に関する報告になります」

 

使節の一員として帝国を訪れた、外交官はそう締め括った。

周りがざわめく中、報告会に参加している防衛大臣が力なく笑って言った。

 

 

「唯でさえ『異世界転移』で頭が一杯なのに、今度は『パラレルワールド』か……それも『八八艦隊』に『ダニエルズ・プラン』だと?俄かには信じがたいな……」

 

彼が言うと、経済産業大臣がそれに相槌を打つ。

 

「同感です。ここまで様々なことが重なると、もう何にも驚きませんよ。しかし、よくそんな艦隊を建造・維持する資金があったもんだ。下手すりゃ国ごと破産だぞ」

 

「あちらでは日露戦争で陸軍の立場が弱体化した事により『韓国併合』も『満州事変』も『日中戦争』も起こっていないんです。それくらいの予算は捻出できたんでしょうよ。おまけに樺太での石油の大規模な採掘と輸出、国内の産業基盤強化も平行して進めているっていうんですから、大したものです。この時代でアメリカ・イギリスと同盟を結んでいるのはうらやましい……」

 

「ともあれ、『大日本帝国』がどのような国かは概ね理解した。ぜひともかの国とは友好関係を保っていきたいと思うが、どうだろう?」

 

総理の言葉に真っ先に賛成したのは防衛大臣であった。

 

「自分は賛成です。かの国とは3000kmしか離れていませんし、国土の安全を保つためにも友好関係の構築は必須です。また彼らは『もう一つのアメリカ・イギリス』とも密接な関係を持っているため、無視することはできないと考えます」

 

するとふと外務大臣が何かを思い出したように口を開いた。

 

 

「総理、実はその『もう一つのアメリカ・イギリス』から先日とある提案が」

 

「提案?」

 

「はい。我が国の転移に巻き込まれた観光客や在留アメリカ人・イギリス人についてです。両国からは"彼らに新しく我が国の国籍を取得させてはどうか?"と」

 

「つまり……1940年代のアメリカ・イギリスに帰化させるということか?」

 

文部大臣が疑問を口にすると外務大臣は頷く。

 

「そう見て間違いないでしょう。総理」

 

「なるほど……」

 

日本としてもこれはありがたい話である。

意図せずして転移させられたアメリカ人やイギリス人の処遇に関しては日本政府としても頭を悩ませていた内容であった。

ここに来てこの提案はまさに救いの手であった。彼らがいずれ40年代のアメリカ本土・英本土に帰ればそれこそ産業発達にも繋がる為悪い話ではない。

 

「最も、土地や職業・資産についてはまだ詳細を詰める必要がありますが。またそれ以外の外国人に関してはカナダが引き受けてくれるそうです」

 

「実にありがたい話だ。両国には"是非そうさせてもらいたい"と返答を頼む」

 

「分かりました」

 

「話が逸れたが、彼の三カ国との友好関係の構築・維持していくことに異論はあるかね?」

 

藤堂は会議室をぐるりと見回す。

閣僚や大臣たちも多少悩む素振りを見せる者も居たが、満場一致で賛成となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各国の相互理解が進む中、一部では別な論争が起こっていた。

 

 

日本帝国 海軍省

 

 

「だから我々は今後『空母』を戦力の中核として据えるべきだと…!」

 

「それは《元の世界》での常識で見た時の話だろう⁉︎此処は《異世界》だ‼︎物理的に強力な戦艦は外せんッ‼︎」

 

俗に言う《航空主兵論派》と《大艦巨砲主義派》が会議室で意見をぶつけていた。

元来山本五十六を筆頭に航空派はいち早く日本から仕入れた情報に目を倒し、自分らの見る目が正しかった事に追い風を受けその勢力を盛り立てつつあった。

一方、大艦派は確かに一時はその勢いが落ちたが《異世界》という不安定要素を前に『戦力の即時転換は難しい』『どのような勢力がいるか分からない以上目に見えて強大な戦艦は必要だ』という理由を前に航空派と意見をぶつけていた。

 

山本「これでは会議というより、討論会ではないか……」

 

米内「大事な会議だと聞いて来てみれば……」

 

山本の友人にして海軍大臣の米内光政も呆れた様子で会議室を見回した。

 

米内「これならまだ陸軍の方がマシだ。あちらは自衛隊からの退役車輌の譲渡を巡って前向きに検討しているそうだ」

 

山本「そうか。今村がやけに上機嫌だったのはそういう事か…」

 

会議はそれからしばらく経っても熱が冷めるどころかヒートアップし、今にも殴り掛かりそうな勢いになり始めた頃、ある人物が静かに手を上げた。

 

「皆、少し良いか?」

 

会議室が突然静まり返り、全員の視線がその人物に集中した。

階級章は『大佐』であったが全員は固唾を呑んで耳を傾けた人物、それは【高松宮殿下】であった。

 

高松宮「先程から双方の意見を聞いていたが、確かにどちらも一理ある。山本ら『航空』の意見は未来からの助言もあってかなり説得力はある、だが宇垣ら『大砲屋』の言い分も分からんではない。確かにこの世界は我々の常識が通用せん、ならばこその【戦艦】という名の打撃力も必要不可欠だと………だからこうしてはどうだ?」

 

宮は全員を一瞥して口を開けてこう言った。

 

高松宮「今後の建造計画では空母の数は増やしつつ、少数だが戦艦はより強力なものを造らせるというのは?何も双方どちらかを今直ぐに廃艦にする事はないだろう?」

 

それを聞いた両陣営は納得したような様子の者が多かった。

それもその筈何せあの【宮様】なのだ、そう易々と反論はできまい。

 

「分かりました。殿下がそう仰るのであらば…」

 

「我々としても異論はありません」

 

こうして海軍は『⑤計画』を改めて『改⑤計画』として新たに計画し直し、改大和型4隻、大鳳型2隻、改大鳳型3隻を計画に盛り込むことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、米国国防総省(ペンタゴン)

此処でもまた海軍の未来を決める出来事が起ころうとしていた。

 

ペンタゴンでは日本からの情報を基にいち早く航空決戦思想へとシフトしつつ、戦艦の打撃力を維持する方向に向かっていたがそんな中で彼らが考えていたのは『どんな空母を建造するか?』という点だった

 

 

「やはり、いきなりアングルドデッキタイプの大型艦は無謀じゃないのか?」

 

「だが海上自衛隊(JMSDF)では4隻、彼らの世界の米国ではさらに持っていたそうではないか?無理ではない!」

 

「だが今すぐジェット機が来るわけでは無かろう?」

 

「それからでは遅いのだ!」

 

 

 

アレやコレやと会議が進められる中、会議に参列していたある人物が手を上げた。

 

「私から一つ宜しいかな?」

 

海軍長官はその人物を目に留めて場を整えて意見を求めた。

 

「それで?君の意見というのは?」

 

「はい。私の意見としてアングルドデッキタイプに今後は空母の建造を絞るべきだと考えます。それと言うのも我々が現在計画している《エセックス級》ですが、コレでも十分ジェット機に機種転換を行った後でも搭載は可能ですが私が懸念したのは搭載機数の減少です」

 

彼はそう言いながら背後の黒板を使って説明を始めた。

 

「エセックス級はプロペラ機の場合、最大搭載機数は100機前後と中々の搭載量です。しかしジェット機はプロペラ機に比べると機種にもよりますが大型なものがあります。そこで私はこう考えました。《いっそのことジェット機もプロペラ機も大量に搭載できるアングルドデッキタイプを最初から作ろう》と」

 

「だが自衛隊のはどれも300mを裕に超えている!いきなりは無理だ」

 

「分かってます次官。ですから現段階の我々の技術力でも不可能ではない大型の、アングルドデッキタイプ……コレです」

 

彼はそう言って用意していたポスター用紙に印刷された写真を黒板に貼り付けた。

 

「それは…?」

 

「この空母の名は《ミッドウェイ》日本の歴史によるとペルシア湾でソ連の傀儡と化したもう一つの日本によって沈められたそうですが……今は置いておきましょう。このミッドウェイの最終時の諸元は全長305m、幅78m、最大速力33ノットと中々に目を見張る性能です。それにこの最終時の最大搭載機数は78機、充分です」

 

「つまり、コレを…このアングルドデッキタイプの《ミッドウェイ》を最初から作ろうと…?」

 

「そうです。如何でしょう長官?」

 

「なるほど……先が見えてるなら問題はない…か良かろう。この案で行こう。ところで今の所エセックス級は何隻建造予定だ?」

 

「全体で32隻を計画中。現在5隻が進水し内2隻が艤装を終え、現在公試運転中、さらに追加で5隻が建造承認を議会から貰いました。後者については日本にモスボールしてあるものから得たデータを反映させる予定です」

 

「そうか、ではエセックス級は10隻で建造をストップだ。ついでに護衛空母も全て建造をキャンセルしてそれらも回せ!」

 

「分かりました」

 

やや強引なようにも見えるが、ひとまず会議は幕を閉じたのだった。

 

「さて…うまくいったな。あとはどうなるか…」

 

ミッドウェイ級建造を促した《チェスター・ニミッツ》は部屋の制帽を被り直すとゆったりとした足取りで会議室を後にするのだった。

 

 

 

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