環太平洋機構召喚 【リメイク前:自由連合召喚】   作:短号司令官

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アンケート結果
台湾有事×合衆国崩壊×タイムスリップ(15票)

はいふり×海自艦隊×小沢艦隊/オルクセン王国史×グラ・バルカス帝国(同数11票)

となりました。

中々僅差だったので全部、近々お出しします。

尚トップだった物は既に形にしてあるので、あとがきにURLがありますのでそちらからどうぞ。


終局に向けて

 

東部諸侯団壊滅から一日が経過した。

クワ・トイネ政治部会ではノウ将軍からもたらされた報告に、誰もが唖然としていた。

 

「これは本当なのか………連合軍がエジェイの後方5キロ地点にある基地から強大な爆裂魔法を使った遠距離攻撃で、敵先遣隊3万人を全滅させ、その上ギムの街を焼き払って本隊を壊滅させたと言うのは……⁈」

 

「はい。報告書とノウ将軍を含めた、エジェイの全将兵が目撃しております」

 

連合軍の攻撃を自分の知る限りの知識を使って分かりやすいように作成されたノウの報告書に、皆、信じられないといった表情となる。

 

「ですが、これで敵の出鼻は挫く事は出来ました。先のロデニウス海戦の報告と合わせて彼らの実力は分かりました」

 

クワ・トイネ首相『カナタ』は取りあえずその場を抑えて、次の議題に入った。

 

「連合軍から提案が書かれた資料があります。ご覧ください」

 

そう促され、全員が手元の資料に目を通す。

 

「これは……」

 

資料を見た彼らは衝撃的一文を見つけた。

 

「「ロウリア王捕縛作戦だと!?」」

 

そこには、特殊部隊によるロウリア王国国王で、今回の戦争の首謀者でもある『ハーク・ロウリア34世』を逮捕するという前代未聞の作戦の内容書だった。

 

「連合軍はロウリア王捕縛の任務を行う特務部隊を乗せた鉄龍を飛び立たせ、首都ジン・ハークにある王城に強襲、ロウリア王を今回の戦闘の首謀者として捕縛したいとの事だ」

 

「なんと無茶な………首都やその回りには守りを固めている防衛部隊が居るというのに、そこへ飛び込むと言うのか」

 

「連合は敵主力の目を引き付けるために、ダイダルに居る部隊のほぼ全てを首都目前まで進出させるそうだ。特務部隊はその隙に突入すると言ってきている。そこで我が国に、敵首都への攻撃許可及び、自軍の大移動とロウリア軍との戦闘の許可を求めてきている」

 

その提案に暫くその場はザワついたが、結論は意外な程に早く出された。

 

「別に良いんじゃないか?我々に代わって彼らが戦争を終わらせてくれるなら」

 

ある議員のこの言葉に、一瞬唖然としたが皆は次々と賛成意見を出した。

 

「そうだな……被害を出さずに済むに越した事は無いしな……」

 

「ロデニウス沖…エジェイとああも簡単に敵を殲滅したんだしたな……うん、私も賛成だ」

 

満場一致でロウリア首都への攻撃許可が出された。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

クワ・トイネ政治部会から2日後、連合軍は前線司令部をダイダル基地からギムへと移した。

ギムの町中を施設科の重機が行き交っており、空爆で発生した建物の瓦礫の撤去、地面に空いたクレーターを埋める作業が急ピッチで進められていた。

 

 

そんなギムの町の中央に位置する広場に設置された前線指揮所へと移動した大内田ら幹部は次の作戦へ向けてのブリーフィングを行っていた。

 

 

「確認します。当初の予定通り、本日正午に作戦開始でよろしいですか?」

 

「あぁ。我々は囮だ」

 

「ここは目立つよう派手に動こうじゃないか。奴らにヤンキー魂を見せてやろう」

 

「了解しました。各部隊に再度通達します」

 

 

第7師団の任務は敵に対する陽動と囮である。ロウリア王ハーク・ロウリアの捕縛作戦と連動したこの囮作戦は敵の注意を自分達に目が行きやすいよう正面から堂々と仕掛けると言う至極単純に聞こえる。

しかし兵力の数だけで言えば向こう側が遥かに有利であり、幾千人とそれなりの規模しかない連合軍でそれらを全て受け止めなければならないのである。

しかし幸いにも彼らにはロウリア王国にはない機械化戦力による機動力や火力、陸海空の連携力と言う大きなアドバンテージを持っている。

それを理解しているためか、彼らの表情に不安と言う文字はなかった。

逆に余裕すら見受けられた。

 

「そう言えば、海軍はどうしてる?」

 

「現在、ロウリアとクワ・トイネの領海線を越えてロウリア王国の領海に入り、作戦開始時刻には予定通りロウリアの首都北側にあるジン・ハーク港沖に到達できるかと」

 

「了解した。では今のうちに午前中に各部隊に休息を取らせるように」

 

「はい」

 

午前中は、ギムに居る作戦部隊には僅かな時間ではあるが休息が与えられ、全隊員は各々に体を休めて、正午からの作戦第2段階に備える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「司令、間も無く目標に接近します」

 

「うむ」

 

司令席に座る南雲忠一は短くそう一言言った。 

ロウリア王国より北へ60キロの海上に接近してきていた、大型巡洋艦:蔵王率いる奇襲艦隊は、ジン・ハーク港へ向けて進んでいた。

 

 

「改めて確認するが、我々の目標は港内に停泊している敵艦船と港北側にある敵海軍本部と物資集積所のみ。それ以外の民間人の居住区への攻撃は禁ずる」 

 

 

「はい」

 

「よし!このまま目標に向けて各艦、最大戦速!」

 

 

 

護衛艦隊は最大戦速でジン・ハーク港へ向けて針路を向けた。

 

艦隊には軽空母:龍驤の他に空母:翔鶴と瑞鶴、アメリカ海軍空母:ホーネット

イギリス海軍空母:アークロイヤル、護衛艦いずもとひゅうがが随伴しており各自艦載機を発艦させる。

 

発進した攻撃隊は、西と北へ向けて二手に分かれた。

この各飛行隊はそれぞれ、首都ジン・ハークの防空戦力の殲滅とジン・ハーク港への空爆を担っている。

 

ジン・ハークへは戦闘機隊、港へは僅かな直掩を付けた爆撃隊が就き、それぞれの目標に向かう。

 

「それにしてもなぁ……」

 

基地から北回りに飛んで、港に向かって飛行していた爆撃隊を指揮する『淵田美津雄』は、乗機の九七式艦上攻撃機の操縦桿の座席から随伴する海自のF-35、AV-8BJを見ながら呟いた。

 

「未来の戦闘機っちゅうのは機首が燕や雀の頭のようだな」

 

「あれならペラの心配もせず、視界もさぞ良いでしょうな」

 

「隊長、今回の作戦に我々も必要だったのでしょうか?未来の戦闘機が爆撃やらなんやらできるなら、我々は要らない気もするのですが…」

 

「バカモン!そんな事、陛下や司令の前で言えるのか⁉︎今我々が遅れを取ろうとも、いつかは追いついてみせるんだ!その為にも今やるべき事をするだけだ!」

 

一方、海自航空隊は早期警戒機に無線を繋ぐ。

 

「こちらチェイサー、エクセルへ。目標付近に航空戦力は?」

 

『航空目標は捉えていない。貴隊はそのまま目標へ向けて突入せよ』

 

「了解。全機に告ぐ!間も無く目標に到達する!気を引き締めろ!」

 

『『『『『了解!』』』』』

 

無線を積んでいない、もしくは周波数の合わない日米の攻撃隊には翼を振って合図を送る。

 

「お?いよいよだ、全機行くぞ!」

 

爆撃の手順通り、敵にギリギリまで発見されないよう、海面スレスレにまで高度を下げる。

 

「見えた!」

 

視線の先に陸地が見えた。爆撃隊は速度を上げて突入を開始した。

F-35とハリアーが先行する形で先に突入する。

 

「高度3000まで上昇!」

 

そのまま一気に上昇し、爆撃態勢に入る。

 

 

「ターゲットインサイト。ドロップ、レディ…ナウ!」

 

 

主翼下のパイロンから大量の子爆弾が詰め込まれたCBU-87クラスター爆弾が投下された。ゆっくりと落下していく爆弾本体は目標の軍船が停泊している船着き場の頭上で破裂、大量の子爆弾をばら蒔いた。

数で勝る敵に対して短時間で一気に絶大な火力を叩き込めるクラスター爆弾は、連合軍との海戦に参加せずこの地で待機していた1500隻近い木造の海軍船を悉く破壊していく。

 

 

「なんちゅう破壊力じゃあ……」

 

 

5機から投下されたCBU-87の数は15発、1発につき202個の子爆弾が封入されているため、降り注いだクラスター爆弾の総数は3000発以上にも及ぶ。

子爆弾1個の威力は低いが、木造で作られている船なら子爆弾数個でも直撃すれば破壊できる。

港内に居る敵艦を短時間で行動不能に追い込むために投入されたクラスター爆弾は作戦立案者の思惑通りの成果を見せる。

 

遅れて来た艦爆隊は周辺の物資集積所や関連施設に対して水平爆撃の用意をする。

 

「ちょい右10!そのまま!宜候…てぇッ‼︎」

 

パイロンから切り離された60kg爆弾は真っ逆様に落下、通常の爆弾である為広範囲の破壊には向かないが、それでも建造物の破壊には寧ろこちらの方が向いていた。

この爆撃によりロウリア海軍は爆撃開始から僅か10分で、残存戦力も含めて軒並み行動不能になった。

 

「よし、作戦は成功だ!身軽になった所で、一暴れするか!」

 

レーダーや警戒機からの情報で首都から敵の航空戦力の接近している情報を受けて、爆弾を全て投下し終え軽くなった機体を以て、向かってくる敵航空戦力殲滅に動く。

 

 

「目標数24か、問題ないな」

 

『日本海軍や米軍だけでも良さげですがね』

 

既にF-35のレーダー探知圏内に入ってきている敵目標に対して、AAM-4使用の指示を出した。

目標を振り分けて、レーダーロックを掛ける。

 

 

「FOX-1、fire!」

 

 

全機からAAM-4が発射され、総勢12発が目標に向け超音速にて飛翔していく。

 

 

 

「ターゲットスプラッシュ!」

 

 

狙い通り、発射した全てのAAM-4は12の航空目標をレーダー上から消し去った。残った半数の目標は速度を維持しながら向かってくる。

 

 

「露払い、頼みますぜ!」

 

F-35が翼を翻して左右に飛び去っていくと、間からF6Fと零式戦の編隊が飛び出していく、その数凡そ20機。

 

「I'm coming!」

 

「そらそらおいでなすった‼︎」

 

両者は一瞬にしてすれ違うが、戦闘機隊は直様反転して敵を照準装置に捉える。

スロットルバーにつけられたトリガーを押すと7.7mm弾が綺麗な直線を描き、吸い込まれるようにして敵のワイバーンに命中する。

ワイバーンそのものは無事でもそれを操る主人を葬るには十分であり、制御を失ったワイバーンはどうして良いか分からず来た方向に戻ろうとするが、今度はヘルキャットが襲い掛かり12.7mm弾で確実に葬っていく。

 

「その内ドラゴンの肉でできたハンバーガーとか食ってみてえな!」

 

『そりゃ食っちまった暁には口からブレスがでるでしょうな!haha!』

 

 

倫理観がズレていると言いたいが、これが彼らの時代の上での答えなのだ。

 

 

「よし!全機、RTB!後は海の上の連中に任せて帰るぞ!」

 

 

任務を終えた爆撃隊は、エンジン出力全開で現場から離脱していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「応援に来た竜騎士隊が全滅だと…⁉︎」

 

 

 

港にある海軍本部庁舎から一部始終を見ていた、基地司令のホエイル海将は、港内で炎上する1500隻余りの軍船と、西へ向けて去っていく爆撃隊を見て愕然とした。

 

「海将!」

 

「どうした!?」

  

部下の一人が単眼鏡を覗きながら震えていた。

 

 

「沖の方角から船のような島の大群のような巨大なモノが近づいてきています!」

 

「何っ⁉︎」

 

ホエイルは首から提げていた単眼鏡で沖を見る。

 

 

「な!何だ………あれは!」

 

 

沖の水平線に、ここからでもハッキリと分かる程に、巨大な船が向かってきていた。

それはまるで1つの島のように大きく、甲板にはムー国の戦艦のような見た目の巨大な回転砲塔が3つあり、更には天にも届きそうな高い構造物が見える。

 

 

「まさか………シャークンの艦隊を撃滅したと言う日本国の巨大船か!?」

 

 

ホエイルは沖に現れた巨大船、蔵王やアラスカの姿と威容に恐れおおのく。

 

 

「何だ?」

 

 

艦隊は、港から20キロ以上離れた地点で回頭、左舷を港に向け甲板上の主砲塔を港に向けた。

ホエイルはそれが、自分に向けられている事に気付き、部下に指示を出した。

 

「来るぞ!早くここから離れろ!急げ!」

 

ホエイルの指示通りに部下達が動き出した瞬間、全主砲が雷よりも遥かに大きな轟音と黒い煙の塊を吐きながら火を吹いた。

 

 

「何が……」

 

 

ホエイルが視線を向けていた港内に、巨大な水柱が3本上がり、既に虫の息だった軍船や軍の港湾設備を包み込んだ。

 

この後の砲撃が決定打となり、6年掛けて整備されたロウリア海軍はその機能の全てを失ってしまった。

 

 

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