「ちょっと山田、何やってんの」
「何って、皇女殿下に貴族の挨拶をやっているのよ」
「貴女がやってるのは恥族の挨拶よ、見なさい町の人の視線を男の人はニヤニヤして女の人は蔑む目で見てるわよ」
山田がスカートを上げると町の人の視線がより強くなった。
「改めて紹介するわね、この国の第一王女セリーヌ・ガ・イチバン姫です。魔術塔の新人塔員よ」
「改めまして、セリーヌ・ガ・イチバンですわ。所でこの米つきバッタはどなたですの?」
「この米つきバッタは別名"ショウリョウバッ…」
「バッタの説明は要りませんわ!それよりも一国の姫が何故アーネさんとリーネさんをお姉様と呼んでいる方が重要ですわ」
バッタの説明を始めようとした姫を制止して、田舎の村人AとBであるアーネとリーネを尊敬と親しみが込められた呼び方をする疑問を聞いてみた。
すると意外な言葉が返ってきた。
「何故って魔術塔の人なら"転移装置"を発明したアーネ&リーネ姉妹に少なからず憧れを抱きますもの。もちろん私は崇拝してます」
「あの"転移装置"を発明したのがアーネとリーネですって?」
「ええ、全ての人にとって偉大な発明です、ですがお姉様は"アレはそんなつもりで作ったものじゃない"って自分たちの偉業をお認めにならないのです」
姫は転移装置の発明に助手として関わったようで当時の様子を語り出した。
「ですが、偶然にも実験の途中でお姉様の村のどすけべ男が私のスカートに触って…あの時は大変でした。あの男は次に見つけたら死んだ方がマシだと思うほどの拷問を…」
ん?何処かで聞いたような…そう考えていると、アーネがコソッと
「あっちが本来の目的だったのよ、あの時はサムにも悪い事をしたわ」
「本来の目的って?」
「……キメラを作り出すって…」
「資金が足りなかったから、姫様を騙して国庫からちょっとね、そしたら“素晴らしい発明です、是非お手伝いさせて下さい"って付き纏われたわ」
「何でもしますって言うから実験に協力させたりしたわね」
一歩間違えれば姫様がキメラに??一国の姫にそんな事をしたと分かったら村は地図上から消されるだろう。
そしてサムは知らないうちに姫様に痴漢をしていたと…
そんな事とはつゆ知らず、姫は2人への熱い思いを語っている。
「…それ、バレたら?」
「私達は逮捕、サムは不敬罪でマトモな死に方は出来ないわね」
「だからバレたら終わりよ」
ゴン蔵さんはこの事を知ってたから、さっさと帰ってこいって言ってたのね。と今更ながら思った。