山田が通りかかるとリクがなにやら作業をしていた。
「リク、何をしているの?」
「山田か、今手押しポンプを作っているんだ。ほらあれがあると井戸の水汲みがすごく便利になるだろ??これさえあれば村のみんなに喜ばれるんじゃないかって思ってな」
「ああ、異世界あるあるね。それなら設計図を書いて著作権についても決めた方がいいわね」
山田が「ああ~夢の著作権生活」と浮かれていた。
山田の指摘にリクは「守銭奴め」と言い捨てて、すぐに作業に戻った。夢中で作業をしていると村の人たちが興味を持ったのか、どんどん集まって来た。
「リク、何を作っているのよ」
「どーせくだらないものでしょ?」
「アーネとリーネか…これはな手押しポンプと言って
リクは手推しポンプの素晴らしさについて熱く語った。しかし想像とは違って村の人たちの反応はいまいちだった。
というのも、この世界では井戸の中にあるのは水ではなく
「こんな風に女性の力でも簡単に…簡単…かん…ふんぬぅうう!!!」
リクが力いっぱいポンプを押そうとするがポンプはびくともしなかった。
「井戸で水を汲むときはちょっとしたコツがあってね、まず井戸の中に桶を投げ入れて、水を入れたら上からこう棒で
リーネが井戸の中にある桶を
いや桶の下の水面が盛り上がって桶を上に押し上げていた。
「ね?スライムは負けず嫌いだから上から押してあげれば押し返してくれるの」
桶を押すたびに桶は上に上がってくる。そしてリーネが上まで来た桶を掴んだ。
「自動の水汲み取り桶みたいなもんだな」
「でしょ?だから“手押しポンプ"?っていうのは村では誰も使わないと思うわ」
はぁ〜、夢の著作権生活が…まあ、楽して金儲けをしようだなんてそんなおいしい話はそうそうないか」
ガッカリして作りかけのポンプを片付けようとしたら、山田が子供達と遊んでいた。
「それそれ」
「あたたたた!北◯百◯拳!!お前はもう死んでいる」
「性女のネーちゃん、なんだそれ」
山田が棒で井戸のスライムをこれでもかと言うほど突いていた。山田よそのネタは俺たち以外には分からないぞ。
「あ、みんな逃げて」
リーネが叫んだ瞬間に、井戸の底かググっと盛り上がったと思ったら中の水…いやスライムが吹き出した。
遊んでいた悪ガキと山田はモロに吹き出したスライムを被った。
「性女のネーちゃん、服が溶けて丸見えだー」
山田の性女の異名は更に広がった。