村のすみで1人雑貨屋を営んでいるマリーさんは錬金術師だ。
この村には錬金術師がもう1人いる、それがマリーさんのお隣に住んでいるタッタカターさんだ。タッタカターさんは娘と2人暮らしで娘さんはマリーさんのポチと仲良しさんだ。
その娘さんがポチに言った。
「おにーちゃん…じゃなくてポチちゃんあそぼ」
娘さんがゴーレムのポチに向かっておにーちゃんと言った? その言葉に俺は底しれない恐怖を覚えた。
「タッタカターさん、娘さんの今の言葉は…」
「君のようなお節介なガキは嫌いだよ」
「お節介?」
「リク君、タッタカターさんの家の事はこれ以上何も聞かないであげて…」
娘さんが言った言葉の意味を聞こうとしたらタッタカターさんにすごい形相で睨まれ、マリーさんに止められた。
マリーさんの顔は何か悲しみをこらえているようだった。
「錬金術師は凄い力を持っているから国で管理しているの。だから錬金術師には国家権力がボディガードについているのよ」
マリーさんの言葉を聞いてリクが納得する。
「不老不死とかやばい技術を持っていますしね、悪者に狙われたら大変だ」
「ううん、違うの。不老不死よりも
そうだった、マリーさんには熱烈なファン?が付いていたのを思い出した。
ゴーレムのポチを作ったのもその為だったんだと今さらながら思った。
《タッタカターさんの娘さん視点》
マリちゃんはすごい!お外を歩くと
以前パパがマリちゃんの事を「もうすぐママになる予定だよ」って言うからママって言ったらダメって言われた。だからポチちゃんをおにーちゃんって呼んだ。でも他の人がいたらそれもダメだって、なんでも"体裁"が悪いからだって。
ちなみにその後にパパはお顔がわからないくらいマリちゃんに殴られていた。あの時のマリちゃんはすごく怖かった。
ある日、パパが他の男の人と言い争ってた。パパは錬金術でおっきなお人形さんを出して、他の男の人をぶん殴っていた。
その後マリちゃんにたくさん殴られていたけど、パパは嬉しそうだった。私は知ってるんだ、あれはパパの
パパは低迷の錬金術師って言われてる偉い人だってマリちゃんに教えてもらった。低迷ってなにかな?
「98…99…100…」
女の子がため息をついた。
「…そろそろポチちゃん見つけてくれないかなぁ、かくれんぼ飽きちゃったよ」
「マ"?」
村ではマリーさん争奪戦の予選が繰り広げられていた。
「マリーさんは我々が守る!!」
「いや、マリーさんは俺と結婚するんだ!!」
村人たちが鍬を持って突っ込んでいく。
タッタカターが地面に練成陣を書いて石礫を飛ばして村人たちを次々吹っ飛ばした。
「うるさーーい!!」
マリーさんが地面に練成陣を書くと、その真ん中から巨大な拳の石像が出現して村人たちとタッタカターを吹っ飛ばした。
「はぁ、まったくこんなくだらない事で悩まさないでほしいわ。新しいゴーレムでお金が足りないと言うのに」
「錬金術師は錬金術でお金を増やせるんじゃないんですか?」
リクが素朴な疑問を漏らすと、マリーさんが頭を横に張った。
「昔錬金術で石を金に変えた人がいたんだけど、ある人たちに余計な事をするなって言われたわ」
「余計な事ですか?金に変えるのになにか特別なものが必要だったとか? まさか、人の魂…とか…」
金を生み出す、それは全ての錬金術師の願望だ、その為なら他人の魂を差し出す人もいるかもしれない。
嫌な予感がした、マリーさんは重い口を開いてその理由を語った。
「パワーストーンを村で作ってた人が、ゴールドストーンになって全く売れなくなったと」
「石が金になったのなら逆に売れるんじゃ?」
「それが金がこんなに安くはないって疑られて、高くして錬金術で変えた事がバレたら捕まるので高く出来ない状態なの。それに…インゴットを買い占めていたお金持ちに余計な事をするなって…」
本日の村の金相場は1ゴールド=0.1マンドラゴラだった。