「はいよ、頼まれていた
「いつもすまんな」
「いいってことよ、俺はこれしか能がないからな」
田吾作さんがドワーフのドラグさんと話していた。
「ちわー、田吾作さん、それなんですか?」
「ん、これか?コレはドラグに畑で使う道具を作って貰っていたんだ」
そういうと田吾作さんが
「ドラグの作る道具はどれも一級品だけど、何故か全て聖剣になっちゃうんだよな」
「聖剣に?」
「しかも王都の近衛師団の剣より強力なため王様から直々に近衛師団に譲れと命令がきた事もあったぞ」
よく見るとどの家にも聖剣が飾ってある。と言う事は村の人は王命を拒否したのか?よく不敬罪にならなかったな。 と思っていたが、真相は違った。
「よく王様からの命令を断りましたね」
「聖剣は持ち主を選ぶからな、ほれあそこの"エクス狩バー"なんて近衛騎士団長が欲したけどエクス狩バー自身がタエさんを選んで、それ以来草刈り専用として重宝してるって言ってたぞ」
「いつだったか、怒った近衛師団長がエクス狩バーをよこせって乗り込んできたなぁ」
田吾作さんとドラグさんは思い出話を懐かしそうに話してるが、よく考えると結構ヘビーな話だよなぁ。
「大変だー!近衛師団がやって来たぞー!」
王国の近衛師団が村にやって来た。
以前近衛師団長が聖剣を断られたと聞いていたからそれ絡みなのかと思ったが、事態はその遥か上を行った。
魔王が攻めて来たと言うのだ。
そのため王宮では勇者と聖女と聖剣が揃っているこの村が狙われると推測したためこの村に近衛師団を派遣したのだ。
勇者と聞いて村のみんなの視線が俺に集まった。
…がそれは羨望とか期待の眼差しとは違った。
「え?勇者ってアイツまだ…」
「アーネさんとリーネさんは俺が守る!」
なんて言う奴まで現れた。
「リク、あんた1人に重荷を背負わせちゃってごめん」
「せめてここからあんたの無事を祈っているわ」
「祈らなくていいから、距離を置かないでくれないか?地味に傷つくわ」
誰だよ、40まで童◯を守ったら勇者にJobチェンジするなんて言い出した奴は!
「リク、この性剣…いや聖剣はお前だけの聖剣だ、お前とこの聖剣が揃っていれば王国の平和は守られる」
「ドラグさん…」
俺にはドラグさんの心が痛いほど伝わって来た。
「逆に言えばお前が勇者の資格を失えば王国はおしまいだ」
ドラグさんはこれ以上はないという笑顔で言ってくれた。
「俺が勇者の資格を…ん?それって女の子と一生」
「…リク、お前かっこいいぜ。自分を犠牲にできる奴ってのはな」
何故だろう、ドラグさんに褒められたのにちっとも嬉しく無い。
やがて村に魔王が攻めて来た。いつも思うんだけど、何で魔王って勇者とか聖剣がない所を攻めないのかな?俺だったら1番攻めやすい所を狙うけどな。
俺は聖剣エクス狩バーを携えて戦った。魔王との戦いは一進一退の戦いだった、少しでも気を抜いたらやられる。
「勇者よ、こちらに願えれば幹部の地位を約束しよう。部下には見目麗しい者たちを揃えてやるぞ」
魔王が揺さぶりをかけて来た。
しかし俺は腐っても勇者だ、誘惑には屈しない。
「しかもセクハラし放題だ」
しかし俺は腐ってる勇者だ、誘惑には屈しちゃう。
あれ?俺は気づいてしまった。これ、誘惑に抗う必要なくね?
「しまった、勇者が気づいてしまったぞ、姫様こうなれば村人に協力してもらって、こちらも勇者を誘惑しましょう。
「却下です!おねー様達にそんな破廉恥なことはさせられません」
「ですがこのままでは魔王に…」
「これ以上言うとヒラに格下げですよ」
姫の説得を諦めた近衛師団長は意を決して叫んだ。
「きゃー、勇者様素敵ーー!」
村に野太い声が響いた。