ある日、村にエルフからの警告が届いた。
世界樹が枯れ始めている、早急に対処しなければ世界の危機だと告げた。
エルフと言えば、世界樹の護り手、森の管理者、自然を愛する者など、崇高な種族として俺も知っている。そんなエルフからの警告だ、しかも世界の危機と言われたら微力ながら俺に出来る事があれば協力したい。
しかし、村の人たちの反応は芳しくなかった。やはりこういった事は、勇者や冒険者などの特別な力を授かった人でないと無理なのだろうか?
「なぁサム、確かに俺たち村人AやBだと何の役にも立たないだろうけど、でも世界の危機と言われたらもっと積極的にエルフの人たちに協力するべきじゃないのかなぁ」
「はっ?リク、それ本気で言ってるのか?」
「え?俺だって、多少は偽善っぽい言葉だと思うけど気持ちの在り方というか、身構え方というか…」
「いや、そうじゃなくて。あのエルフだぞ、村の人たちはお前を除いて誰も信じちゃいないぞ」
「え?そうなのか?」
サムの言葉を聞くと、俺が抱いているエルフと実際のエルフとはかなり乖離がある様だった。
「まぁ、確かにエルフって全員美形で、スタイルもいいから熱狂的なファンはいるからなぁ」
「やっぱり美形なのか、ならやっぱり彼らに協力すべきでは?」
そんな俺にサムはエルフについて語ってくれた。
「エルフって、茸や木の実なんかを取って肉は口にしない菜食主義なんだろ??」
「いや、ウサギや鹿なんかをよく好んで食べているな。ああでも人より自然と言うか原始的と言うか、ほぼ生で食べているな。こう齧りつく感じで」
死んだばかりの鹿に齧りついて肉を引き千々っているエルフ…
「あっあと弓の名手で、勤勉で…」
「狩りはもっぱらステゴロで熊とかガチで素手で殴り倒したり、狩り以外はゴロゴロとしている」
「森の管理者で、森を荒らす相手には容赦なく…」
「森に暮らす者から、みかじめ料を取っていて払わないと報復すると聞いた」
あまりにも俺の印象とは違った。
「そして世界樹の守り手である」
「お、そこは俺の知ってるエルフと同じなんだな」
「…あるが、雑草を駆除するのに一部の怠惰なエルフが枯葉剤を使ってな、世界樹が枯れ始めているんだ」
ダメじゃん、エルフ何やってるの!?
「そんでもう、エルフの長老が大激怒しちまって」
「そりゃ怒るよ」
「こんな世界樹なんて切ってしまえ!ってね」
「えええ? そっち?そっちに怒ってるの?」
「ああ、長老の家の庭に落ち葉が大量に降ってきて、いくら掃除しても終わらないって言ってた」
世界樹がやばいのって、エルフが原因なんじゃ…
「なあサム、世界樹が枯葉剤を撒かれたらどうすればいいんだ?」
「どうするって言われても、葉っぱが全部落ちたら、伐採してたしなぁ…」
「え?伐採しちゃってたの?もう世界樹って無いの?世界やばいじゃん!」
意外な事実に、本気で世界の危機だと感じた。がサムの言葉は意外なものだった。
「いや、まだ30,000本くらいはあるはずだぞ」
「え?そんなに多いの?世界樹って世界に1本だけだと思ってた」
「いや割とあるぞ、万〇の〇屋根リン〇にも4本くらい使われていたしな」
世界樹、意外に身近で使われていた―! これまでも同様の事は度々起こっており、その度に全◯植樹祭が行われていた。
全◯植樹祭が、異世界を護っていたなんて…
ただ今回は、枯れ始めている本数が多いため、警告をしたらしい。
なので、出来る事をやって行く。特別な事なんてない。
もう枯れている枝を剪定し(こっちでも同じだな)
除草剤を控えて(使ってたんかい!)
最後にモリシゲル肥料セットを施した(オイ!)
何という事でしょう!枯れる寸前だった世界樹が
世界の危機は回避され、これでもうなにも心配はありません。
今日も異世界には心地いい風が吹いてま…
「長老〜また若い者が、枯葉材を…」