「ふわぁ〜〜!」
サムが大きな欠伸をした。
「どうしたんだ?昨夜、夜更かしでもしたのかよ」
「いや、最近寝付きが悪くてさー、朝起きてもなんか怠くて」
サムの言葉を聞いて確かにな、と思った。俺も昔ゲームで遅くまでやってた次の日は一日中怠かったなと思い出していた。
「続くようなら、サキュバスさんのところに行ってくるかな」
サムが発した何気ない言葉を俺の脳が的確に捉えた!
おお神よ!異世界に転移させてくれて感謝します。
「サム、サキュバスさんって
「…リク、なんか目が怖いぞ。なんでそんな必死なんだ?」
「そんな事はどうでもいい!サキュバスさんのところに行くのか?行くんだな!俺も連れて行け!!」
「お、おう。わかった」
サムは俺も寝不足なのかとか心配していたが、ぐっすりだ。寧ろなるべく長くサキュバスの夢に浸れるように訓練しないと。
それから俺は、サムが連れて行ってくれる日まで毎晩快眠ストレッチ、ムードあるBGM、そして枕の下に具体的に見たい(サキュバスさんにやってほしい)内容を書いて寝た。
そしてサキュバスさんのところに行く日がやって来た。
「おはよう!ってリクどうした?随分と寝不足見たいだけど、大丈夫か?家に帰って休んだ方が良くないか?」
「冗談じゃない、何のために今日まで苦しい事に耐えてきたと思ってるんだ。さあ、早く行こう!」
俺の胸は期待に膨らんでいた。
「次の方どうぞー」
「おう、リク先に行ってくるからな」
「ああ、先にイってくれ(サムズアップ)」
俺は今までにない笑顔でサムを見送った。
呼ばれるまでの時間が異常に長い、俺の心臓は早鐘を打ち、体中の血は一点に集中していた。
「次の方どうぞー」
「はっはい!」
緊張のあまり右手と右足が同時に前に出てしまう。落ち着け俺。
「失礼します(裏声)」
緊張のあまり裏声になってしまった。(恥ずかしい)
でもそんなことより、サキュバス先生の姿を凝視する。アレ?確かに背中には翼、尻尾もあるけどこう何と言うか、普通?に白衣を着ている。
しかし俺にはわかる、これはプレイだ!白衣のお姉さんが始めは普通にしているけどだんだんと危ない内容になっていくって奴だ。
「問診票には”眠れない”とありますね。では快眠できるように生活習慣を改善していきましょう」
「え?生活習慣?」
「1.太陽の光をよく浴びる:魔法で太陽の光を集めて照射しますね。少し火傷しますが大丈夫です」
「え?火傷で済むの?」
「2.日中は活動する:日が落ちるまでモンスターに襲わせますね。少し齧られますが大丈夫です」
「いや、それ命がやばいから」
「寝る前に温めのお風呂に入る:少し行った所に”地獄風呂”があります。少し熱いですが98度くらいですが大丈夫です」
「いやいや、大丈夫じゃないから」
いかん、このままでは永眠になってしまう。サキュバス先生とのエッチな夢を見るまでは死んでも死にきれん!!
俺は先生に汚物を見るような目を向けられてもいい覚悟で、先生にお願いした。
「先生、良ければ先生が俺を眠らせて夢を見せて下さい!」
「え?ワタシがですか?」
「はい是非、先生に天にも昇るような、昇天するような。そんな夢を見せてほしいんです!お願いします!!」
「…そこまで言われるのでしたら、リクさんの熱い想いはわかりました。私なんかでよければ…」
「ありがとうございます!」
そして俺はそのまま意識を手放した。
「なあリク、お前また買ったのかソレ…」
「…え?なに?? うん買ったよ、これは凄くいいものだよ。これを買ったら、腰痛、肩こりが直って逃げた嫁が戻って来て、空まで飛べるようになったんだ。…またお金借りてこないと、サキュバス先生のありがたい壺を買わなくちゃ…」
「リク、しっかりしろ!!お前には嫁もいないし、人間は空を飛べないぞ」
それからすぐ、サキュバス先生が催眠術を使って壺を売りつけていたことが発覚した。
事件発覚が遅れた理由は、被害にあった村の男性がみんなかたくなに事件について喋ろうとしなかった事が原因の様だった。