異世界に来たなら冒険者になるのは夢だろう。
神さまにチート能力を貰って、異世界で無双で活躍する。
さらになぜかモテモテで、そんな異世界ライフに欠かせないのが冒険者だ。
「なぁサム、冒険者ギルドってあるのか?」
「なんだよ急に。あるに決まってるだろ。まぁ俺には無縁の所だけどな」
おお!聞いてみるもんだ、冒険者ギルドは当たり前にあったのか。しかし、サムは冒険者にはならないみたいだな、まぁみんながみんな冒険者になったら、村とか町とか働き手がいなくなっちまうからな。
しかし、男として異世界に来たからには冒険者にならないという選択肢はない!
「なぁ冒険者ギルドってどこにあるんだ?」
「どこって、3日ほど歩いた町にあるけど… なぁ畑で野菜作って暮らせているじゃないか、冒険者ギルドなんて行く必要ないだろ」
サムは男のロマンってのが分かってないようだった。暮らせればいいっていう事じゃないんだよ。男に生まれてきたからには冒険がしたいんだよ。俺は心の中でそう叫んでいた。
「そうか、それほどいうならもう止めないけど。元気で暮らせよ」
そう言ってサムは畑で採れた野菜を手土産に渡してくれた。
翌日、サムやリーネさん、アーネさん、ゴン蔵さんたちに見送られ、俺は冒険者になるためにギルドへ向けて歩いて行った。
冒険者ギルドに着いた。ここに来たら真っ先に受付嬢でしょ!とばかりに受付に行く。
「こんちわー」
「いらっしゃいませ、本日はどうのようなご用件で」
「はい、冒険者になりに来ました」
俺の言葉を聞いて、受付嬢さんが本気?という顔をした。
「あの、もう一度聞きますが…本当に冒険者になるんですか??」
「はい、冒険者になります!」
俺の固い決意を感じたのか、受付嬢さんは説得を諦め説明を始めた。
「ちなみに転生って知ってますか?」
転生?転生ってあの現実で色んな理由で死んで、チート能力を貰って異世界で生まれ変わるアレかな?
「はい、もちろん知ってます」
「…そうですか、冒険者はこの異世界で生まれた人がなれる職業です。つまりあなたは今のままだとなれません」
「え?なれない?でもさっき…」
「ええ、今のままだとです。でも先ほど冒険者になる固い決意を確認したので冒険者登録を行いますね」
俺は一抹の不安を覚えたが、受付嬢はさっさと登録を進めていく。そして…
「では、ここに横になってください。目が覚めたら登録完了です」
「え?横にって、ちょっ…」
職員らしき人間に無理やり横にさせられる。すると無性に眠くなり目を開けていられなくなる。そして最後に受付嬢が言った。
「目が覚めたら下手に抗わず、受け入れて下さいね。でないと現世で死ぬまで苦しみますからね。では転生をお待ちしています」
そして目が覚めた。きょろきょろと周りを確認する、高層ビルやコンビニなんかが見える。オフィス街らしい。
よろよろと起き上がると、横から強烈な光を浴びた。まぶしくて目を細め光の方向を見た。
視界いっぱいにトラックが映った瞬間衝撃が走った。
そして体中を痛みに支配された。