ジーニストの指示の元、遠距離持ちのヒーロー達は死柄木の腕と鋲突を壊しつつなんとか粘っていた。
特に高い火力を持つ爆豪は必死で死柄木相手に立ち回っていた。
遠距離から攻撃が可能かつ威力のある技を放てる爆豪は死柄木相手にサポート科から託されたサポート武器を駆使して死柄木の腕を破壊し続けていた。
だがそれと同時に鋲突に被弾する機会も他のヒーローよりも多かった。
手に触れられないように意識するあまり、鋲突には流石に気が回らない、致命傷は避けているが鋭い攻撃が彼の体を貫く。
爆豪(クッ!このままじゃやべぇ、死柄木を抑える前に俺が落ちる!)
死柄木「どうした爆豪勝己、僕の体に風穴をぶち開けるんじゃなかったのか?風穴どころか僕本体にも届いてないぞ」
ジーニスト「ダイナマイト!」
爆豪の動きが鈍くなっているのは、明らかだった。
その隙を逃さず、死柄木は腕を集中させ、爆豪へと襲いかかる
ジーニスト(クソッ!間に合わん!)
ジーニストは繊維の束を伸ばし、爆豪を救出しようとするがその前に死柄木の魔の手が迫っていた。
だがそんな中地面から現れたのは透過の個性を持ったルミリオンだった。
ミリオ「ジーニスト!」
爆豪をキャッチし、ジーニストに渡す。
彼の個性はあらゆる物すり抜ける透過で、死柄木の崩壊にも耐えうる個性だった。
ねじれ「捻れて穿つ槍!〈グリングパイク!〉」
環「混成大夥 オクトパスミラージュ+スコルピウストキシン!時代は虫食だ!」
雄英BIG3の波動と環の同時攻撃、環は蠍の毒を注入するが…
死柄木「毒…!くだらないねぇ!!」
死柄木は腕から口を出し、毒を放出する。
死柄木「僕の身体は適応していく!!遠くからちまちまと!それじゃあ僕は倒せないぞ」
ミリオ「遠くからだけじゃないさ」
ルミリオンは波動のエネルギーを右手に纏い、拳と共にぶつける。
ミリオ「何で壊す?」
死柄木「失敗しているからさ、今の構造が」
ミリオ「そっか、お前は友達がいなかったんだな」
死柄木「あ?」
ミリオ(僕が時間を稼ぐ、お前の時間を稼ぐ、この作戦は君が要だ、環!!)
ミリオ「いればわかるはずだ!壊しちゃいけないものがあるって!!」
死柄木は過去を思い出してた、幼い時の自分を
死柄木『友だち…』
死柄木「いるもん…」
死柄木「みっくんとともちゃんが転ちゃんは優しいからって言ってくれたもん!モンちゃんだって僕と散歩したがるもん!!僕ちゃんと友だちいるもん!!」
ミリオ「ご、ごめん」
今まで冷静だった死柄木が突然子供のようにギャンギャンと怒り出す姿に呆気を取られる。
ミリオ(何だ今のは、デリケートな部分に触れてしまったのか…反省だ!でもこれで時間が稼げた、あとは頼むぞ環!!)
ねじれ(信じてるよ環!)
ねじれも過去の自分を思い出してた、自身のその性格で知らない内に周りから遠ざけられていた中で環とミリオが声をかけてくれた事を。
ねじれ(混成大夥の真価、発揮するには時間がかかる、でも食べれば食べる程可能性が広がる)
ミリオ(死柄木に唯一有効打を通せるとしたら、個性に上限がないお前だ!)
ね、ミ「サンイーター!!」
環(ゼブラタランチュラ+ドラゴンフルーツ+タカアシガニ+ホンシュウジカ+アリゲーター……etcそして波動ねじれのエネルギー!!)
食べたものをその体に再現できる環の腕はどんどんと肥大していく。
そしてその完成した銃口は死柄木へと向けられる。
マンダレイ『作戦開始!全員死柄木から離れて!』
マンダレイからのテレパスによって作戦が開始した。
環(俺が失敗すれば棺の中にいる皆殺させれてお終いだ)
環はかつての眩い光の言葉の重みに潰されてしまいそうだった、だが今はそれらが環を強くしてくれていた。
環(皆ありがとう)
死柄木「小ざかしい!!」
環「混成大夥 波動砲!〈プラズマキャノン!〉ぶっ飛べ!!」
凄まじい威力の砲撃が死柄木を襲う、肥大化した腕を破壊して死柄木へと届き、その体を貫く。
だが、
死柄木「いい加減に理解しろ…こんなもんで僕が死ぬと思ってるんか?」
その砲撃の中でも死柄木自身は笑っていた
環「!!くそッ!まだ届かないのか?」
環が諦めかけていたその時だった。
引寄「ミルコさん!!お願いします!」
ミルコ「おうよ!」
死柄木「!!」
死柄木の背後から引寄を抱えた、ミルコが現れた。
そして、死柄木を貫通した砲撃の前に飛び出し、両手を前に差し出して、環の砲撃を吸収した。
環「…引寄君!」
引寄「先輩の後押し、俺がしますよ!!」
引寄は自身の吸収許容量限界まで吸収する
引寄「ジーニストさん!!」
引寄の掛け声と共に、ジーニストが引寄を繊維で引っ張り死柄木の近くまで誘導する。
ブラド「ぶちかませ!」
ミルコ「やっちまいな!」
相澤「いけ!セイバー!!」
引寄は両手から吸収したすべてのものを死柄木に放出する。
引寄「ウェイブイミットォ!!」
サンイーターとの二重攻撃、2本の砲撃が死柄木を包み込む
引寄「俺と先輩との最高火力だぁー!!」
引寄(頼む…!これでもう倒れてくれ!他のみんなも限界だ)
だが、そんな希望を打ち砕くかのように死柄木は砲撃の中で薄笑いを浮かべていた。
死柄木「…中々いい攻撃だった、だがついにこの時が来たなぁ」
死柄木は引寄が動けない状態であると判断すると、瞬時に腕を生やし、地面に触れる。
死柄木「これなら間に合わないだろ!!」
ついに死柄木は崩壊を再び発動させた。
サンイーターの砲撃を吸収し、放出していた引寄はどう考えても間に合う状態じゃなかった。
死柄木「死ねぇーー!」
???「まだ僕もいるんだけどラスボスさん!」
発動させたはずの崩壊がまたしても広がらずに硬直していた。
死柄木「…」
引寄「ちゃんと一緒に個性訓練やってて正解だったなファントムシーフ!」
物間「この僕に出来ないことなんてないんだよね!」
そこには口の悪い肉ったらしい男、だが今はとても心強い先の戦いで片目を失った物間が立っていた。
物間「僕がこの程度で諦めると思ったかい?ラスボスさん!」
死柄木「小蝿がぁ…」
ブラド「物間!無事だったか!」
物間は相澤やマンダレイ、そして天空の棺のシステムを動かす内部の人たちの協力を経て、ここまで移動してきたのだった。例え、片目を潰され抹消が使えなくともコピーが使えなくなった訳ではない、引寄が攻撃に転じた際の崩壊への防壁としてやってきたのだ。
爆豪「…俺もまだ…動けんぞ」
ジーニスト「ダイナマイト…無茶をするな!」
爆豪「あいつらだけに任せるわけにはいかねーだろぉがぁー!」
爆豪は限界の体を無理矢理動かして、死柄木の腕を破壊しながら迫ってくる。
爆豪「ハウザァーインパクトクラスタァー!!」
爆豪の最高火力がついに死柄木を捉えたのだった。
その衝撃は天空の棺を揺らすほどの大きな衝撃。
♢♢♢♢
天空の棺内部
内部では大勢のサポート科や八百万たちが壊れた先から補填し続けていた。
セメントス「さっきからずっとすごい衝撃だ」
八百万「爆豪さんですわね!」
パワー「おいおいおいまた壊しすぎるとここももたねーぞ!」
彼女たちは外部の様子がわからないままであった。
♢♢♢♢
死柄木「爆破を凝縮し、周囲への被害を抑えつつ威力は段違いに上げる…とても素晴らしい…」
死柄木「そして僕を追い詰めるためにここまで無駄な作戦を次々と…お前らの目まぐるしい努力には涙が出そうになるよ、考えてもみろよ!こんなもんで全盛期のオールマイトが死ぬかぁ?」
引寄「ば、爆豪ぉー!!」
そこには死柄木の鋲突によって右を貫かれたまま、宙ぶらりん状態になっている。見るにも無惨な爆豪の姿だった。
死柄木「悪いが君の歩みや成長には依然興味がないらどこまで以降も君は緑谷出久の金魚の糞だよ」
爆豪「!!」
ジーニスト「ダイナマイト!!」
ミルコ「死柄木ぃ!!」
ミルコが咄嗟に鋲突を蹴り折り、それをジーニストが救出する。
死柄木「…そしてこうなった時のヒーローたちの判断力も防御力も脆い」
ミルコ「があぁーー」
ミルコをはじめ、多くのヒーローたちが死柄木の鋲突に貫かれていく。
力を使い果たした、ヒーローたちに回避する余力はなく、無惨にも死柄木の餌食となった。
辺り一面が静かになっていた、ジーニストのお陰で鋲突から直撃を避けられた引寄だが、
引寄「うぅぅ、痛ぇぇ…」
それでも引寄も鋲突の余波を喰らい、コスチュームのゴーグルは吹っ飛ばされ、脇腹からは血が滲み出していた。
ヒーロースーツの防御力のおかげでなんとか致命傷は
避けられたようだが、それでも強力な一撃、痛みで立っているのがやっとだった。
引寄「…!みんなは?」
引寄は辺りを見渡すとそこには絶望が広がっていた。
そこには自分以外は誰一人立っていなかった
引寄「先輩達…先生…爆豪…物間…」
ふらふらとその場動こうとすると。
死柄木「良かった良かった、お前はちゃんと生き残ったようだな」
引寄「し、死柄木…」
そこには死柄木が立っていた。
死柄木「お前の個性は使える、殺してしまっては奪えるものも奪えないからな」
死柄木が手を伸ばしながらこちらに迫ってくる。
引寄「く、来るな!」
引寄は死柄木から痛みを堪えながら逃走する。
死柄木「お前には感謝しているんだ、崩壊を防いだお陰でこいつらの死体はしっかりと残った、これから来るであろう緑谷出久へのプレゼントが出来たんだ」
引寄「えっ?」
死柄木「お前が中途半端に助けるもんだからこいつらは苦しみながら死んでいくんだ、崩壊なら楽に死ねたのになぁ…?」
先輩たちやプロヒーローたち、ほかのみんなも血まみれで倒れている。
引寄「俺は…俺は」
その言葉に足が止まる、死柄木の言葉が重くのしかかる。
死柄木「セイバーだっけ?周りを見てみろ!お前が結局何を守ったんだ?…滑稽だな、お前じゃ何一つ守れないんだよぉ!!!」
引寄「うぅ…うぁああ…あぁああぁあぁ!!!!!」
引寄はその場で崩れ落ちて叫ぶ…守ろうとした意思もすべて一瞬で踏みにじられた。
彼の感情の行き場を失った絶望の叫びが天空の棺に響き渡る。