普通科ですが   作:リクルート7

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二十一話です
前回に引き続きオールマイトVSAFOです


第二十一話

パーツを依頼をしてから数週間後、オールマイトはサポート科の生徒に呼び出されていた。

 

絢爛崎『オールマイトさん、これがご依頼のサポートアイテムですわ』

 

そこには設計図の完成予想図とほぼ同じの品物だった。

 

オール『す、凄い!遂に完成したんだね!』

 

絢爛崎『はい!ですがこれは設計図があってこそでしたわ、一から制作するのは今の私たちでは到底届きませんでしたわ……改めて自分たちの力量不足を思い知らされました』

 

絢爛崎やほかのサポート科たちが悔しそうにうつむいていた。

 

オール『いやいや何を言ってるんだ、この短い時間と限られた資源でここまで再現したんだ、並大抵の技術では出来ないことだよ!本当にありがとう!』

 

オールマイトは感謝の言葉を口にする。

 

絢爛崎『私たちも自分たちが今何をすべきかを改めて考えさせられましたわ、これからの戦いに向けてさらに精進していきますわ』

 

周りのサポート科達の士気は上がっていた。

オールマイトはその様子に感心しつつも引き続きパーツの説明を受ける。

 

絢爛崎『オールマイトさん、申し訳ないですがこちらの品の機能は一回限りが限界です…お察しの通りこちらに回せる資源と時間が限られていましたので…』

 

オール『こちらこそ急なお願いをしたんだ、これだけでも十分だよ』

 

絢爛崎『…お戦いになられるのですね』

 

オール『……ああ、これはわたしに与えられた使命だからね』

 

絢爛崎『ねじれさん達にもお伝えください、ご武運を……』

 

オール『ああ必ず!!』

 

オールマイトは決意を胸に歩き出したのであった。

 

 

♢♢♢♢

 

 

迫り来るAFOの放つ強力な衝撃波、それを作ってもらったパーツで吸収するオールマイト。

 

AFO「またくだらないオモチャか!?」

 

オール「くだらなくなんかない!これは多くの人達の想いが込められた結晶だぁ!!」

 

衝撃波を吸収し続けるパーツ…だが

 

『吸収…限界値デス』

 

オール「!!」

 

AFOの衝撃波を全て吸収しきれず、パーツは吸収を辞めてしまう。

 

オール(ここまで強力だとは…)

 

吸収しきれない衝撃波がオールマイトを襲い、ビルの屋上に叩きつけられた。

 

 

 

オール(ハァ…ハァ…まだ…生きている、これが無かったらすでに死んでいたな…)

 

吸収し終わったパーツをしっかりと握りしめる。

 

オール「…まだ私の命は使い所がある…」

 

AFO「なんだ?高らかに出しておきながらこの程度とはとんだ欠陥品だな!?製作者の底が知れる」

 

オール「…違う!これのお陰で私の命は繋げられた欠陥品なんかじゃない!」

 

オール(…まだ体は動かせる…AFOの意識をこっちに向けさせ続けろ!)

 

オールマイトは軋む体を何とか起こそうとする。

 

オール(立ち上げれオールマイトよ!責務を全うしろ!)

 

立ちあがろうとするオールマイトの後ろから何かに支えられている気がした。

慌てて振り返るとそこには7代目継承者の志村菜奈の姿があった

 

志村『そうだ俊典!!まだ紡がれているぞ!頑張れ俊典!』

 

オール(お師匠…わかってるこれは幻覚だ…でも今はこれが私を立ち上がらせてくれる)

 

ふらふらになりながら立ち上がったオールマイトはAFOを睨みつける

 

オール「どうしたAFO!まだ私は死んでないぞ!来いや!!」

 

だがAFOはオールマイトではなく遠くに見える天空の棺を見ていた。

 

♢♢♢♢

 

『AFO!!死柄木弔に接近!!泥ワープ圏内に入っています!!』

 

モニターからの警告が鳴り響く、さらにそこには天空の棺から降りて死柄木を抑え続ける緑谷の姿も映されていた。

 

『このままじゃ…』

 

♢♢♢♢

 

AFO「巻き戻しを注入した時点で…此処がゴールだった…弔に僕の個性を譲渡することで彼は僕を超えた僕となる」

 

オール「来いAFO!!」

 

必死に自分に意識を向けさせようとするオールマイト

 

AFO「緑谷に邪魔されずに円滑な譲渡を行うには…おいで死柄木弔」

 

ついに泥ワープを使って死柄木を自身の元に連れてこようとするAFOだが、

 

死柄木「先生…邪魔するなよ」

 

それを拒否する死柄木、泥ワープは失敗してしまった。

 

AFO(やはりすでに僕の意識は飲まれているか…まぁいい)

 

AFO「ならばこちらから出向くまでさ」

 

そしてAFOは再びオールマイトへと視線を向ける。

 

 

 

 

 

天空の棺の壁から今回の戦いを撮影し続けて、後世に残そうとする経営科の生徒達だがそのカメラにはとんでもないものが映し出されていた。

 

瀕死のオールマイトを引き連れてこちら側に飛んでくるAFOだった

 

AFO「その情けない顔を以て若者に夢を見せた責任を取ろうオールマイト!!」

 

オール「まだ…私は…死なない…」

 

死柄木と戦っていた緑谷の目にもその姿はしっかりと映っていた

 

緑谷「オールマイト!!」

 

死柄木「オールマイト助けなきゃあ!!緑谷出久!!丁度いいや行ってこいよ!!その間にさっき俺を痛め続けた上の連中全部壊しておくからさ!」

 

もしオールマイトを助けにいけば他のヒーロー達が犠牲になってしまう、緑谷は膠着状態を強要されていた

一度抑えた筈の涙が再び溢れ零れそうになるのを堪える

 

ずっと憧れのオールマイトに支えられてきた思い出が緑谷の脳内を駆け巡る。

 

緑谷『個性がなくてもヒーローはできますか?』

 

初めてオールマイトに出会ったあの日、夢を捨てきれずにずっといたあの頃、

だがそれはオールマイト自身も同じであった。

 

オール『私も…捨てきれないんだよ…私の…夢…』

 

オールマイト「平和の…象徴に…」

 

不意にAFOにつかみ掛かるオールマイト

その様子に恐怖を覚えたAFO

 

AFOはかつての志村菜奈の言葉を思い出す

 

志村『オール・フォー・ワン!おまえはオールマイトに負ける…必ずね…だって…おまえより俊典の方がずっとイカれてる』

 

死の間際に言われた言葉

 

AFO(コイツ…自分もろとも…)

 

オール「もっかい死ねばせめて幼稚園児くらいにはなるかぁ!?」

 

オールマイトの腕のパーツが強く光出す

 

 

 

 

 

 

 

だが…

 

AFO「英雄らしく死に方を選べると?」

 

その希望を打ち砕かれる。

 

このことを読んでいたAFOの個性によってそのパーツごと破壊されてしまうのだった。

 

AFO「やっと出し切ったな!」

 

そして血を舐め、ステインから奪った凝血を発動させ動けなくなるオールマイト

 

AFO「手負いのヒーローの恐さは散々教わった、君には何も果たされはしない、その表情を待ってた」

 

不気味に笑うAFO、そして絶望の顔のオールマイト

 

AFO「君が最も嫌がる時だ」

 

オールマイトを助けに行こうとするジェントル・クリミナルに対して、天空の棺を狙い再び動けない状態にする。

 

「レーザー一斉照射用意!!」

 

アメリカ軍のパイロットチームがオールマイトの救出に向かうのだが

 

AFO「スターは不在だろ」

 

その希望も一瞬で消えるようにAFOによって一瞬で壊滅される。

 

AFO「これでこの茶番劇もおしまいだ!希望とやらはとっくに潰えた!」

 

オールマイトに止めを刺そうとするAFO

 

オール「…希望は潰えない…誰かが誰かを想い……紡いでいく…これまでも、これからも」

 

AFO「それが遺言か?」

 

この二人の戦いは世界中に中継されている、それを見ている人たちの全員が今この瞬間「オールマイトが死ぬ」そう思っているだろう。

 

だがその中で一人の少女はまだ希望を捨てていない

 

メリッサ『おじさま』

 

オール「…やはりおまえはヒーローをまだ知らない…想いは途切れはしない」

 

絶望の顔のしていたオールマイトの目に光が宿る。

 

 

 

 

 

 

『エネルギー変換完了』

 

AFO「!!」

 

その電子音にAFOは横を振り返ると、先ほどまで見たパーツが浮かんでいた。

それを瞬時に破壊しようとする、だが油断していたAFOの攻撃が間に合うはずもなく

 

オール「イミットォ!!」

 

そのパーツからは先ほどまでオールマイトを瀕死に追いやった衝撃波が放出された

 

AFO(!!これは僕の個性!?あの機械そんなことまでできるのか!?)

 

オールマイトを殺せるほどの威力、それを自分自身で食らうAFO、その威力からついにオールマイトから手を放し、遠方に吹き飛ばされる。

 

AFO(あの男!腕の機械をブラフにこれを狙っていやがった!!もう後がないと思わせて僕の油断を!)

 

AFOの脅威から一時的に難を逃れたオールマイトだがAFOにはるか上空へと連れ去られたため、その身は地面へと落ちていくのだった。

 

オール(……さすがにこの高さから地面に叩き付けられれば命はないだろうな……)

 

あの位置から落ちれば命はないそれはだれが見ても明らかだった

その様子を中継で見ていた人たちは願わずにはいられなかった

 

『オールマイトを……』

 

だが彼を救える人物がいないことはわかっていた

 

塚内『おい!今のうちにオールマイトを助けに行ってくれ!このままじゃ…』

 

『無理です…デクも死柄木に付きっきりで、もし行けたとしてもあの落下速度じゃ…周りにヒーローも…』

 

塚内『せっかく救えるチャンスができたんだぞ!誰か……頼む……』

 

ただモニター越しにしか見ることができない親友の死、塚内の目から涙がこぼれていた。

 

凝血の個性によって体が動かせないオールマイトにとっては絶体絶命だった。

 

死柄木「先生がぶっ飛ばされたか…でもあの状況じゃどのみち助かりそうにもないなぁ!?」

 

緑谷(オールマイト……)

 

死柄木「さっきの加速で助けに行くかぁ?その速度でも間に合いそうにないけどなぁ?こりゃお笑いだ!かつてのNo.1の死にざまがあんな結末だとは」

 

緑谷(嫌だ―嫌だ―誰か!!)

 

緑谷の心叫びは誰にも届かない、そう思っていた。

 

だが緑谷は背後の気配に気づき振り返る

 

オール(かつての平和の象徴が落下死とは、情けない話だ……だがこれでいい、私のやれることは全部やった……サーの見たAFOの手によって殺される運命からも逃れた、時間も稼げた……みんなの想いは紡げただろうか?)

 

落ちていく中で志村奈々や緑谷、いろいろな人の顔が浮かぶ。

 

オール(メリッサにサポート科のみんな、ありがとう私に戦う力をくれて……そして引寄少年、緑谷少年、みんな……後は託すよ!)

 

その長いヒーロー人生に幕が閉じる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして天空の棺の上では二人分の影が見えていた。

 

 

 

 

 

 

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