普通科ですが   作:リクルート7

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二十二話です
この物語も終盤に差し掛かりました


第二十二話

風が吹いていた

 

日本に突如発生した積乱雲の発達により、天空の棺上空でも突風が吹き荒れていた。

だがその風は一人の少年にとっては追い風の様になっていた。

 

引寄「……ずっと個性を吸収することしか考えていなかったよ」

 

爆豪「俺があの時言ったアドバイスの意味が少しはわかったかよ…」

 

引寄「ああ……ありがとう」

 

天空の棺で吹いていた風は一人の少年の右手に収束していく。

 

爆豪「てか動いて大丈夫かよ?」

 

引寄「……正直体中痛い、でも今はそれよりもうれしさが勝つかな」

 

爆豪「そうかよ……ありがとうな引寄」

 

引寄「どういたしまして、本当はお前のほうが動いたらやばいんだけどな」

 

爆豪「俺はお前に助けられた、今度は俺が誰かを助ける番だ」

 

引寄「そうだな…それに完璧に勝つんだろ?じゃあ背中押してやるよ」

 

引寄は両手を前に差し出し力を収束させる。

 

引寄(……風を推進力に変える)

 

引寄「行ってこい!!」

 

爆豪「ああ!!」

 

爆豪は引寄の両手に足をのせる

 

引寄「エイド……イミットォ!!」

 

引寄の両手から発せられた烈風は爆豪を運ぶ、さらに爆豪自身の爆破の推進力が加わり異常なまでの速度が出ていた。

 

 

 

爆豪と引寄の姿を見ていた緑谷は爆豪に手を差し伸ばそうとするが、爆豪の意図をくみ取りその手が止まり笑みを浮かべる。

 

緑谷「かっちゃん!!」

 

爆豪は二人の横を過ぎ去っていく。

 

死柄木「あの餓鬼まだ生きていたのか……だが間に合わないのはわかってんだろ?お前の中のオールマイトが曖昧な姿だったのは本人がまだ生きていたからじゃないのか?」

 

確かに緑谷の中にあるOFAは歴代の継承者たちの姿ははっきりとあったがオールマイトの形だけは不定形だったのだ。

 

死柄木「それが形を成し始めているのはそういうことじゃあないのか?」

 

死柄木は不気味に笑う

 

死柄木「世界に夢を見せた男の死で夢は現実に還るんだ」

 

緑谷「それは違う、誰かの握った拳が、誰かの吐息が、誰かの祈りがエネルギーとなって未来を変えるんだ」

 

なにより緑谷は信じていた、爆豪の顔が何よりもそれを託せるのだと

 

人々が願う、オールマイトに生きてほしいと、必ず誰かが手を指し伸ばしてくれると

 

地面にオールマイトが叩き付けられる寸前、爆豪によって受け止められたのだった

二人の想いが、いやみんなの想いが込められたエネルギーがオールマイトの命を繋ぎとめたのだった。

 

その瞬間、緑谷の中のOFAのオールマイトが息を吹き返した

 

オール「爆豪…少年」

 

爆豪「勝つぞ!!」

 

 

 

 

オールマイトを受け止めた爆豪は爆破で何とか勢いを抑えながらオールマイトとともにビルの屋上に着地する。

 

オール「爆豪……少年!大丈夫か!?」

 

爆豪「こっちの台詞じゃ!ヨボヨボのジイさんがよ」

 

オール「私はなんとか…いやどう見ても君のほうが大怪我でしょ!!」

 

オールマイトはその痛々しい爆豪の様子を心配する。

 

爆豪「俺のこの体はいろんな人に生かされて今ここにあんだよ、だから大丈夫だ!」

 

死柄木によってぐちゃぐちゃにされた右腕も物間とブラドキングの手によって応急処置されていた。

 

爆豪「てかあの遠くにいる光るチビ何なんだよ?状況的に……」

 

オール「AFOだよ少年」

 

オールマイトは爆豪の背中を見て決心する

 

オール「少年、手を」

 

爆豪は言われた通り、オールマイトに手を指し伸ばす。

 

オール「すまない…君の能力を囮にしてしまった、もう機能は残ってないが添え木ぐらいにはなる」

 

オール「大・爆・殺・神ダイナマイト」

 

左手に残された機能を失ったパーツが爆豪へと受け継がれた。

 

オール「こんなものしか…与えてやれないが…」

 

爆豪はそのパーツを見てオールマイトに笑顔を見せた

 

 

 

 

オールマイトは薄れゆく意識の中でサー・ナイトアイと出会っていた。

 

自分の終わりがここだと思っていた、だが運命がねじ曲がった

夢はあそこで終わった、そして今度は約束が残ったことを。

 

オール(『先達は死して託す』と相場はきまってるのにな)

 

サー(それは架空(コミック)の話さ八木俊典)

 

オール(……幻覚に何を言わせているんだろうね私は)

 

それでもその言葉は自分自身が生きてもいいと思わせてくれるには十分だった

 

サー(ヒーローであり人間だもの、楽には死ねないさ)

 

 

 

オールマイトの最後の攻撃から復帰したAFOは爆豪を睨めつけていた。

 

AFO(……いや後回しだ!ここまで来たらOFAを先に頂く!そのために弔の強すぎる精神を完全に乗っ取らねば!僕自身の個性を弔に与えなければ…)

 

AFO(そもそも向こうの僕が主導権を握れていれば…!腹が煮えくり返る…!何故こうも……)

 

AFOの頭の中にヒーローたちの顔がよぎる。

 

AFO(歯車が狂う!?)

 

その瞬間、爆豪が目の前に現れた

 

爆豪「俺がラスボスだAFO!!!」

 

AFO(風は僕に吹いていたはずだ)

 

そしてある男の顔が鮮明に思い出された

 

爆豪の爆破がAFOを襲う

 

爆豪「あいつに拭えねーもんはこっちで拭うってなぁああ!!!」

 

爆豪とAFOの戦いが始まったのだった。




二十二話でした
次回爆豪VSAFO


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