普通科ですが   作:リクルート7

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ついに最終回です
たくさんのお気に入り登録、評価、コメントしてくださった方々本当にありがとうございました。



最終回

引寄は目を覚ますと見知らぬ天井だった。

辺りを見回してみると病院のベットの上だった。

体も起こそうとするが体中に医療器具が付いていたため断念した。

しばらくすると人が入ってきた。

 

物間「ようやく目が覚めたのかい?」

 

引寄「物間?」

 

物間「あれ?もう名前で呼んでくれないのかい?」

 

引寄「あっ…ああまぁいいや、それより戦いはどうなった?」

 

物間はその後のことを教えてくれた、あの戦いから3日が経過していたことを、そして戦いの後アメリカを始めとした多くの国から支援が届いていることを。

そして動ける人たちで復旧作業をしていることを。

 

引寄「そうか…そういえば他のA組やB組の皆んなは?」

 

物間「みんなも無事だよ、傷の大小はあれどほぼみんな復帰してる、言っとくけど君が中々の重症だっんだよ!!」

 

引寄「…そうなのか?」

 

物間「ブラキン先生が的確な応急処置をしてくれたから何とか命を繋ぎ止めたけどそれがなかったら君は死んでいたんだよ」

 

引寄「……」

 

今思い返すと自分でも驚きだった、あの状況で生かされていたのはまさに奇跡だったのだろう。

 

引寄「でもおまえだって重症だろ」

 

引寄の目線は物間の包帯が巻かれている右目を見ていた。

天空の棺にて死柄木によって潰されてしまったのだ

 

物間「…流石にこの目は元には戻らなかったよ…でも後悔はないさ、何てったって僕が居なかったら被害はもっと甚大だったからね、僕は自分の活躍に誇りを持っているよ」

 

引寄「相変わらずだな」

 

物間「…でも結局僕一人じゃなんともならなかった…蓄真、君がいたからこの戦いを終わらせることができたんだ!君も胸を張りたまえ」

 

引寄「…いやそうでもないさ、俺もみんなに支えられたからあの場に立つことができたんだ、誰一人欠けても上手くいかなかったよ」

 

物間「そうだね」

 

その後、クラスメイトや担任、オールマイトはたまた他のB組の生徒やブラド先生も見舞いに来てくれた。

 

聞いた話だが緑谷や爆豪はまだ眠っているらしい、特にあの二人のダメージは甚大なのだろう。

 

それでも一週間が経った時には二人とも目を覚まし、絶対安静だが顔を合わせることができた。

 

爆豪「あんがとなお前のお陰でまだヒーロー目指せそうだ」

 

この先爆豪は物間と共にリハビリに励むようだ。

 

その後緑谷の見舞いに行った時には死柄木の最後を教えてもらった。

 

死柄木『せいぜい頑張れ』

 

彼は最後にそう言い残したようだ。

祖母の命を奪った死柄木、彼にも彼なりの想いや過去があったようだ。

 

それでも俺は死柄木を許すことはできない。

だからこそ今後自分と同じ想いをする人を作らないためにもこれから自分が何をすべきか考えていくつもりだ。

 

♢♢♢♢

 

6月某日、留め置かれていた先輩達の卒業式が開かれた。

 

引寄「…何だこれ?」

 

マイク「いっけえぇぇ!!」

 

「「「「イエェエアアア!!!!!」」」」

 

それは卒業式とは程遠い祭りのようなイベントだった。

 

根津校長が一人一人に卒業証書を授与する。

アメリカなどの各国への支援があったのも根津校長の働きがあってこそだった。

超人社会といえど、これ程迅速な復旧の裏には彼の存在が大きかった。

 

波動「そつぎょうしたっ」

 

彼女の卒業に多くの生徒が嘆き悲しむ、彼女の人気の高さが伺える。

 

卒業式は順調に進み、最後に通形ミリオによる答辞が始まった。

ギャグをすると思っていたみんなはマジな挨拶にズッコける。

 

ミリオ「喪ったものは多く得たものは無い、ヒーローの戦いってのはいつも大体マイナスをゼロに戻す為のものです」

 

ミリオ「今回はヒーロー科だけでなくサポート科、経営科そして普通科の皆さんがそれぞれ学舎で培った経験を駆使し一丸となって戦いました。それでも未だゼロには戻っていません、私たちの三年間はこの先のためにあります」

 

「通形…!」

 

ミリオ「ゴールは今日じゃないユーモアなき世に明るい未来はない、たくさんの人が笑って過ごせるプラスの世界転そこが私たちのゴールテープです」

 

答辞を終えると指を鳴らす、その瞬間個性を発動しその場から消える、それと同時に壁を破壊し絢爛崎のサポートが登場する。

 

ミリオ「私たちは今日スタートするのです!在校生の皆さん!じゃあね!!」

 

絢爛崎「わたくしの最高傑作ですのよー!」

 

これが雄英の伝統の卒業式だそうだ。

 

 

最後に在校生達が道を作り卒業生達を拍手で見送る形となる。通形は2年生には勿論のこと1年生にも声をかけていた。

 

緑谷や爆豪、共に戦った人たちにそれぞれ個人的に賛辞を送っていた。

 

ミリオ「君たちがこの先ヒーローとして共に活動できる日を楽しみにしてるよ!」

 

緑谷「はい!先輩達も頑張ってください!!」

 

そして通形を含めたビック3は拍手をしていた引寄の前で止まる。

 

引寄「…先輩達?」

 

ミリオ「引寄君!君も本当によく戦ってくれたね!君の覚悟と戦いぶりは素晴らしいものだったよ」

 

引寄「えっ?あ…いや」

 

環「聞いた話だと俺たちがやられた後もずっと死柄木を抑えてくれたみたいだね…」

 

波動「君がいなかったら私たちは今日卒業することも出来なかったかもしれないね」

 

引寄「そんな俺は…」

 

恥ずかしさから否定したくなる引寄

 

物間『君がいたからこの戦いを終わらせられたんだ!胸を張りたまえ』

 

物間の言葉を思い出して、引寄は顔を上げ胸を張る。

 

引寄「ありがとうございます!俺も皆さんのお役に立てて誇りに思います!この先、先輩達に追いつけるよう精進します!」

 

「引寄…」

 

堂々とした姿勢に引寄のクラスメイトは驚いていた。

 

ミリオ「うん!いい顔になった!君の成長に期待しているよ」

 

環「もしこの先チームアップする時はよろしく」

 

引寄「はい!」

 

「…うおおおぉぉ!!引寄が先輩達から直々にご指名だぞ!」

 

「やっぱり引寄は俺たちの希望の星だな」

 

「頑張れよ引寄!!」

 

クラスメイトに肩を組まれ、賞賛の声を浴びる。

 

波動「いいねそれ!私と引寄くん(個性の)相性抜群だもんね」

 

引寄「えっ?」

 

「「「「「…はぁ?」」」」」

 

環「波動さん…それじゃ意味が変わってくるかも」

 

波動「え?何で?本当のことでしょ?」

 

波動の何気ない一言に周りの空気が凍りつく。

 

「…引寄お前あの状況でナニをやっていたんだ?」

 

「俺の波動先輩が…」

 

「あんたのでもないけどね」

 

「コイツどうする?処す?処す?」

 

「"有罪(ギルティ)" "没収(コンフィスケイション)" "死刑(デス・ペナルティ)"」

 

引寄「いや俺は何もやってない」

 

「「「「「問答無用だぁぁ!!!」」」」」

 

先ほどまでの空気から一変、賞賛の声から非難の声を浴びせられることになった。

 

波動「私何か変なこと言ったかな?個性の相性がいいって言っただけなのに…」

 

環「そこの部分をしっかり言ってあげないと…」

 

ミリオ「HA HA HA!これでこそ雄英の卒業式だね!」

 

引寄達の騒動を横目にミリオ達は卒業して行った。

 

拳藤「…なんか向こう側が騒がしいね、何かあったのかな」

 

小大「…修羅場」

 

♢♢♢♢

 

卒業式を終え、今後について根津校長と教師達の会議が開かれていた。

 

根津「卒業式お疲れ様でした」

 

マイク「桜は散っちまったが華々しく送り出せたぜ!!」

 

13号「無事終わって良かったですね」

 

根津「そうだね!彼らも本当によく戦い抜いてくれたからね」

 

教師陣の会議は順調に進んでいく、そして最後の議題となった。

 

根津「さぁこれが最後だね、心操君と引寄君の転入についてだ」

 

オール「ついに彼らもヒーロー科に仲間入りですね」

 

根津「ああ、彼らは今回十分過ぎるほど僕らの力になってくれた、ヒーローの素質としては申し分ない」

 

相澤「まあ問題ないでしょう」

 

ブラド「私も大賛成です」

 

根津「よし!じゃああとは彼らの転入先のクラスだけど」

 

ブラド「はい!はい!引寄は是非俺のクラスで面倒を見させてください」

 

食い気味に発言をするブラドキング

 

根津「あー…うんまぁそうだよね、君ならそう言うと思ってたよ」

 

オール「例年なら担任は持ち上がりじゃないけど今回は事情が事情だから相澤君もブラド君もそのまま引き継ぎなんだよね」

 

相澤「まぁそう言うことになりますか」

 

ブラド「相澤も引寄が俺の担当で問題ないよな」

 

相澤「異論はない、天空の棺で俺はあいつを信じてやれなかった…引寄の力をこの先引き出せるのはお前の方が適任だろう」

 

根津「わかった、じゃあ心操君は相澤君がずっと面倒を見ていたし、彼はA組で問題ないね」

 

相澤「任せてください」

 

根津「……でも相澤君のクラスは」

 

オール「青山少年…」

 

相澤「青山とは戦いが終わった後も何度も面談はしました、しかし彼は考えを変えるつもりはないみたいで」

 

青山は雄英をクラスメイトを不本意とはいえ裏切る行為をした、だが友人や相澤の想いによりAFO達を分断させることに成功した。

その功績と本人の反省もあり、警察も雄英の残留を許可したのだが、彼なりにケジメをつけ罪を償いたいと言う思いが強かったのだ。

 

相澤「私は必ず青山は戻ってくると信じています、あいつは友人の手をしっかりと取ったので」

 

オール「相澤君!」

 

根津「うん!僕らも彼を信じよう!心操君と引寄君の面談もこの後相澤君達と交えて改めて行うことにしよう」

 

根津「じゃあ今回はここまで、みんなもこれからも忙しくなるだろうけどよろしくお願いします」

 

雄英教師陣もこの先に向けて動き出したのだった

 

♢♢♢♢

 

引寄は心操と共にヒーロー科のクラスへと向かっていた。

 

根津校長やブラドキング達との面談を終え、正式にヒーロー科の転入を認められたのだった。

 

心操「色々あったけど俺たちもついにヒーロー科だね」

 

引寄「なんか緊張してきた」

 

心操「僕らは普通科として卒業すると思ってたから夢にも思ってなかったことだしね」

 

引寄「まぁでも校長先生は普通科でもヒーロー関係の職に就けるように今後カリキュラムの見直しは近々するって言ってたしこれかは普通科もチャンスが増えるかもよ」

 

心操「やっぱりヒーローに憧れて雄英に入ったからには目指したいよね」

 

引寄「俺は最初はそんな気は全然なかったけどね」

 

心操「でも今はこうしてヒーローを目指している、考え方は時間や環境で変わるよ」

 

引寄「そうだな、E組のみんなにも送別会してもらったし、これから頑張らないとな」

 

雑談をしながら二人はそれぞれのクラスの扉の近くまで来た。

 

引寄「…これ普通に入っちゃダメかな?」

 

心操「なんかサプライズにするから呼ぶまで待ってろっさ」

 

A組もB組も中から騒がしい声が聞こえてきた。

 

引、心「「入りづらい…」」

 

特にA組は青山の件もあってか、より話し声が聞こえてくる。

 

心操「…俺この空気の中に入って行かないといけないの?」

 

引寄「まぁ頑張れ」

 

ため息をつく心操を横目に自身も深呼吸をして緊張を落ち着かせる。

 

心操「…でも俺たち今日から改めてヒーローを目指せるんだ」

 

引寄「心操…」

 

心操「まずはみんなに追いつくためにも仮免試験はしっかり受からないと」

 

引寄「そうだな!仮免は二年生で俺たちだけだから多分大変だろうけど一緒に頑張ろうぜ」

 

心操「ああ」

 

二人はお互い拳を突き出し合う。

 

 

 

しばらくすると引寄はブラドキングに呼び出され、B組の教室へ入っていく。

 

中に入るとB組メンバー達が盛り上がり声を上げる

 

鉄哲「うおぉぉ!!来たか!」

 

回原「やっぱり来たね!」

 

角取「待っテマシタヨ」

 

その勢いに圧倒される引寄、教壇の前に立つ。

 

ブラド「今日から我々B組の仲間になる引寄蓄真君だ!!」

 

引寄「ど、ども」

 

すっかり顔馴染みのB組、今更紹介することもないだろう、すぐに席へ案内されることを期待していた。

 

ブラド「じゃあ引寄君にはこれからみんなに自己紹介をしてもらうぞ!」

 

引寄「……はぁ?」

 

まさかの展開に呆気を取られる引寄

 

引寄「いやいやいや今更自己紹介なんていらないでしょ、みんな俺のこと知ってますよ」

 

ブラド「何を言ってるんだ?このクラスに新しく入って来たんだから皆んなのためにもしっかり紹介してくれ」

 

円場「お名前もう一回教えてくださーい」

 

宍田「どういう個性かも教えて欲しいですぞ」

 

取陰「どういうヒーロー目指してるの?」

 

拳藤「私たちまだ引寄君のことよく知らないでーす」

 

小大「ん」

 

好き放題言い、ニヤニヤしているB組メンバー

 

引寄(…コイツら)

 

助けを求めるためにブラキン先生の方を向くが彼も同様に笑顔だった。

 

引寄(あっダメだ…)

 

挨拶など何も考えていなかった引寄は焦りまくっていた。

皆んなを納得させるいい言葉を考えなくては…壇上で悩んでいると一番前の物間と目が合う。

 

物間「頑張れ」

 

相変わらず人を小馬鹿にしたような顔をする。

だが今ではそれが引寄の緊張をほぐしてくれた。

 

引寄はフーッと息を吐く、今更取り繕うのも格好付けるのも馬鹿らしい。

 

引寄「俺は引寄蓄真、個性は吸収、最初はヒーローに全然興味がなかったけどこの学校に来て過ごして行くうちに今はヒーローになりたいと思っています、これからこのクラスのみんなと一緒に多くの人を守れるヒーローになりたいです、元普通科ですがクラスメイトの助けもあってここまでこれました、よろしくお願いします」

 

特に何の面白味もない自己紹介、だが今の自分を説明するには十分だと思った。

 

「「「「「「「よろしく引寄!!」」」」」」」

 

一同が笑顔でこちらに返事をする。

 

この先大変なことが多くあるだろう、それでも皆んなと一緒なら乗り越えられる。

 

これから皆んなと俺のヒーローアカデミアが始まる。




ヒロアカ本誌ではこの先も話は続きますが本作ではここで終了させていただきます
一応ヒロアカMoreで描かれたその後の話をおまけとして一話分書いていくつもりです。
初投稿でしたが自分では納得のいく作品ができました


今まで読んでくださった方々ありがとうございました。
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