普通科ですが   作:リクルート7

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第四話です
今回から少し戦闘シーンが入ります


第四話

クラスメイトのお陰もあってか放出の訓練は滞りなく終わった、さらに放出の狙いや左右それぞれの手で別のものを吸収することが出来た。

これで個性を扱う訓練自体は終了した、次からは吸収自体の強化訓練になるらしい。

 

13号『吸収範囲や許容量の増加、さらに吸収速度を上げることに重きを置くからね』

 

まだまだやることはたくさんあるようだ。

それでも今まで一人でやってきた時よりはやる気が違う、みんなが手伝ってくれる、俺は一人じゃないって思えた。

 

♢♢♢♢

 

その日の夕方、ブラドキングは校長にいた。

 

ブラド「校長お忙しい所申し訳ありませんがお話しいいですか?」

 

根津「構わないよ」

 

根津は手を止め、ブラドの話を聞く。

 

ブラド「普通科の引寄のことを教えてもらってもいいですか?」

 

根津「引寄君を?君にしては珍しいね」

 

ブラド「はい、校長が希望だというあの生徒を俺も見定めて見たいんです、引寄を最終決戦の場に出すつもりでしょう?」

 

根津「まだ可能性の話だけどね」

 

ブラド「どういう経緯であれ、普通科の生徒が前線に立とうとしている、校長がこの学校のシステムを変えたいと思ったように俺も自分のクラスだけでなく、もっと視野を広げて見たいのです」

 

根津「なるほど、クラスメイトといい、引寄君は人を惹きつける何かがあるのかもしれないね」

 

根津はこれまでの経緯を説明した。

 

ブラド「……死柄木に対抗する力ですか、確かに希望となり得るかもしれないですね」

 

根津「でも彼は訓練を始めて日が浅すぎる、彼を実践に出すかどうかは彼の成長次第だと考えているのさ」

 

ブラド「相手が相手だ、その判断も致し方ないです」

 

根津「緑谷君もまだ目覚めていない状況、同じクラスの爆豪君は最近目が覚めたそうだね」

 

ブラド「イレイザーも片目、片足がやられてまだ入院中ですし、ヒーローが少なくなった今、かなり厳しい状態です」

 

根津「それでも僕は諦めてないよ、まだ立ちあがろうとするヒーローがいる限りね」

 

ブラド「俺もです」

 

二人は決意を改める。

 

ブラド「…校長もう一つ提案してもいいですか?」

 

♢♢♢♢

 

次の日、引寄は昨日に引き続き訓練をするためにTDLに向かった、E組のクラスメイトも一緒だ。

だがそこにはすでに先客達がいた。

 

「おいあれってブラドキング先生とB組じゃね?」

 

ブラド「来たなE組!今日から引寄の訓練に我々B組も加わることなったからよろしく頼む」

 

「「「「ええーー!!!」」」」

 

引寄(…立て続けで大事になりすぎてる気がする)

 

引寄はこの状況に呆気を取られていた。

 

♢♢♢♢

 

引寄はいつも通り13号の指導の下訓練を行なっていた、クラスメイトの放つ水や火を吸収していく。

 

13号「掌だけじゃなくて体全体で取り込むイメージを持つといいよ」

 

引寄「はい」

 

課された課題を順調にこなしていく、俺の個性の訓練に適していないクラスメイトはB組の訓練の手伝いをしていた。

 

「やっぱりヒーロー科の訓練は迫力があるな」

 

確かに威力、気合いどれを取ってもレベルが違う、それはそうだ、この1年間で彼らは死戦を潜り抜けてきた、ましてやこれから起こる戦いは人類の存亡を賭けた戦いなのだから。

 

引寄(…俺もその中で戦うんだよな)

 

「引寄も頑張れよ…俺たちは手伝いしか出来ないけど」

 

引寄「いや、充分過ぎるぐらいだよ、みんなが居なきゃ今もここまで個性を使いこなせてないよ」

 

「そうだよな、これが俺たちのヒーロー活動だってみんなで決めたもんな」

 

ブラド「…」

 

ブラド(確かに校長のいう通り引寄には惹きつける何かがある、E組もそれに応えようと士気が高まっている、校長があいつに期待しているのも少しわかる気がするな)

 

ブラドは訓練をする引寄を横目に考えていた。

 

引寄「…もっと一度に多くのものを吸収しないと」

 

ブラド「引寄、ちょっといいか?」

 

不意にブラドキング先生に声をかけられる。

 

引寄「はい、なんですか?」

 

ブラド「お前の個性が吸収できるものは火や水だけなのか?」

 

引寄「えっ俺の個性ですか?えーと全て試したわけではないのですが、石や木片なんかの固形物は出来ないですね、基本的には液体や気体なんかの形が不定形のものができる感じですね」

 

崩壊の衝撃のことを話していいのかわからないので黙っておく。

 

ブラド「なるほど、そして崩壊の衝撃、死柄木の個性が相手でも可能なのだろう?」ボソッ

 

引寄「死柄木…やっぱり知ってたんですか?」

 

ブラド「ああ校長から君のことは聞いたよ…君の祖母のことはすまなかった我々ヒーローの力不足だ」

 

ブラドは頭を下げ、謝罪をする。

それを見ていたB組にざわつきが見られる。

 

引寄「あの、B組の人たちが見ているので… それにあの件はことはもう大丈夫です、まだ全部飲み込めたわけじゃないですけど…」

 

引寄「でも今は俺の力を必要としてくれている人たちがいます、それに俺に力を貸してくれる友もいます、これ以上あの時の俺みたいな境遇の人たちを出させないためにも俺は頑張ります!」

 

ブラド「校長の見る目は間違っていなかったようだな」

 

ブラド「よし!じゃあ俺のクラスでは…凡戸!吹出!お前ら少し引寄の相手をしてみろ!そして物間!お前も来い!」

 

引寄「えっ?」

 

なんか急にB組との対戦カード組まされてるんですけど

 

凡戸「僕らがですが?」

 

物間「ブラキン先生、僕らも暇じゃないですよ?普通科の生徒相手に付き合ってる場合じゃないことくらい理解しているでしょう?」

 

物間の一言に腹が立つが実際はその通りなのだろう。

 

ブラド「まぁそういうな、勿論実践的な戦闘訓練じゃない、個性のみを使った戦闘だ、つまり近接戦闘はなしだ」

 

俺の意思を聞かずにどんどん話が進んでいく。

 

ブラド「それじゃあ凡戸と吹出の2人が相手だ」

 

引寄「いきなり2人相手ですか?」

 

ブラド「2人は引寄を行動不能にしたら勝利、引寄は2人の個性を一定時間防ぎきったら勝利だ、ただし吹出の個性は不定形の技のみに限定することだ」

 

吹出「わ、わかりました」

 

ブラド「遠慮はいらん、存分にやってしまえ」

 

物間「で、ブラキン先生残された僕はどうしろと?」

 

ブラド「お前は間近で引寄の戦いを観察してみろ」

 

物間「……」

 

引寄「いやいやいや、流石に厳しいですって」

 

ブラド「じゃあ3人とも位置につけ」

 

引寄(この人話聞かねー)

 

だがもうやるしかないようだ。

3人はそれぞれ向かい合い、臨戦体制をとる

今まで個性訓練をしていた他のB組生徒達も手を止め、3人の様子を見守ることに。

 

物間(ブラキン先生が見たいほどの生徒…勝利条件の一定時間の耐久、彼の個性はおそらく防御タイプ

でもその役だったらウチには鉄哲がいる、それに相手に凡戸や吹出を選んだ理由は?)

 

物間は思考を巡らせているが直接引寄の個性を見ていないため、わからなかった。

 

ブラド「それでは……始め!!」

 

凡戸「グルーガン!!」

 

吹出『ドヒュウウウ!!』

 

開始と同時に2人が引寄に攻撃を仕掛ける。

 

引寄(いきなり!容赦なしかよ…だけど)

 

迫り来る接着剤と風のオノマトペだが、反応出来ない速度ではなかった

引寄は両手を広げて攻撃を吸収する。

 

凡、吹「?!」

 

物間(消された?いや今のは彼の手によって吸収した?)

 

引寄(よし!なんとか反応できるし吸収もできる)

 

その様子に他のB組も驚愕していた。

 

凡戸「吹出これは油断しないほうが良さそうだね」

 

吹出「僕も心がドワァーって上がってきたぜ!」

 

2人は動き回りながら、遠距離からの攻撃を仕掛ける

もそれもなんなく引寄によって吸収された。

 

凡戸(正面からの攻撃は全部防がれる、だったら)

 

凡戸「吹出!」

 

吹出「オッケー!『モクモク』」

 

吹出が煙のオノマトペを具現化する

3人の周りを煙が充満する

 

引寄(煙で目眩しか、視界を封じても吸収すれば)

 

引寄は両手で煙を吸収し始める…だが

 

その隙に凡戸が背後に回っていた

 

凡戸(君の吸収はおそらくは両手からの発動、今は煙の吸収にリソースを割いている、今だ!『グルー…』)

 

凡戸は引寄目掛けて接着剤を放出しようとするが

 

引寄「イミット!」

 

引寄は吸収を中断し、最初に吹出から吸収した突風を放出する。

 

凡戸「なに!」

 

煙と共に凡戸と吹出は吹き飛ばされた。

 

鉄哲「あの2人がやられてるぞ」

 

拳藤「彼の個性、あんなこともできるんだね」

 

ブラド(普通ならばあの場面で勝敗は決まっていた、瞬時に吸収から放出の切り替えの判断力、彼自身の力もなかなかのものだ)

 

引寄(…あっっっぶねー、一瞬でも遅れてたらヤバかったー!吸収から放出までの切り替え訓練もしててよかったよ…ヒーローっぽくひ…必殺技名考えたけど変じゃなかったかな?)

 

引寄は内心焦りまくっていた。

 

ブラド「どうする2人とも?まだ続けるか?」

 

凡戸「勿論!」

 

吹出「ボクもやるぜぇー」

 

引寄「えっこれで終わりじゃないの?」

 

ブラド「俺は一定時間防ぎきれればと言っただけだ、俺の中の一定時間はまだ経ってない」

 

引寄(…この人は)

 

♢♢♢♢♢

 

結局引寄は接着剤を食らい、動けなくなり負けてしまった。

種が割れれば、流石は1年間ヒーロー科にいたヒーロー相手には一朝一夕では通用しなかった。

 

ブラド「そこまで!勝者凡戸、吹出!!流石は俺の生徒だな」

 

吹出「ガッって感じでやったぜ」

 

凡戸「でも中々粘られたね、すごいよ引寄君」

 

「初めて引寄の戦い見たけどB組相手にあの立ち回り」

 

「やっぱり引寄は俺たちの希望だな」

 

クラスメイトからの賛辞の声が聞こえてくる。

戦いの様子を見ていた他のB組生徒達もぞろぞろと集まってきた。

 

鉄哲「お前すごい奴だったな!1人であの戦いっぷりは漢だぜ」

 

骨抜「なかなか興味深い個性だ、俺の柔化にも有効なんじゃないか?」

 

取陰「他に汎用性がありそうだね」

 

俺の周りをB組に囲まれ、質問攻めに遭う。

今までにないことでむず痒くなるが悪い気がしないのだが、

 

引寄「あのその前にこれなんとかしてもらえませんかね?」

 

B組「「「「「「「「「あっごめん」」」」」」」」」

 

引寄は接着剤でガチガチに固まった状態だった。

 

物間「……」

 

ブラド「どうだ物間間近で引寄を見てみて」

 

物間「まぁまだヒーローと呼べるには程遠そうに見えますね、個性の発動も限定的だ、万能とは言い難いですね」

 

ブラド「相変わらず他人には厳しいなお前は」

 

物間「でもその限定的なものには滅法強力な気がします……僕に見学させたのはそういうことでしょう」

 

ブラド「…ああ、やってみる価値はあるんじゃないか?」

 

ブラドと物間はB組に揉まれる引寄を見つめていた。




第四話でした

初めて戦闘シーンを書くのであまり迫力はありませんが、これからも描写していきますので温かい目で見守ってください
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