冰龍の魂を宿す者。異世界《ホロノア・ユクモ》の巨大ギルドの歌姫たちとの日常 作:レリ
お待たせしました。第1話を投稿して一週間を過ぎてようやく第2話を投稿です。
第1話を読んでお気に入り登録をしてくださった方々、誠にありがとうございます!
この第2話は割と長いのですが、書いてたらもっと長くなってしまう事に気づき、分割しようとなりました。
今回も楽しんでいただけたら幸いです。
冰龍の魂、始まります。
「もう!なんでカナ君は白上の前から黙っていなくなっちゃうのさ!!」
「仕方ないだろう!それに謝ってるじゃないか!すまなかったって!」
「仕方ないですませないでよ!!この数十年、白上がどれだけ寂しかったか!」
「それは俺だって同じだ!それにあのまま一緒にいたら君を傷つけてしまうってわかっていたからなんだよ!君を傷つけたくなかった……それだけなんだ……」
「カナ君……」
ギルド内に響き渡る二人の怒鳴り合い。ギルド『ホロライブ』総本部にてカナとフブキが言い争っていた。
理由は数十年ぶりの再会、嬉しいのは嬉しいのだが、フブキとしてはなぜいなくなったのかを知りたかった。それも数十年も寂しい思いをしたので叫びたくなるのも無理はない。
「……でも、せめて言ってくれれば、白上はこんな思いをしなかった。いつかまた会えるって思えた。なんだったら、離れていても手伝える事があったかもしれないし」
「……それも考えた。でもこれは俺個人の問題なんだ。だからフブキを巻き込む訳にはいかなかった。それにこれは君を傷つけたくないからやった行動なのに、離れたくないから手伝ってなんて……正直恥ずかしくて言えなかった」
「カナ君……」
怒鳴り合いをしていた二人は、お互いの言い分を聞いて落ち着いたのか、今度は黙り込んでしまう。
「…………ねぇ、あの人誰?」
「…………さぁ?見たところ、龍人族の人だよね?」
「…………なんであんな人がこのギルドに?」
「…………それにフブさんとも仲良さそうだけど、どんな関係なんだろ?」
「…………それよりもこのプレッシャー……めちゃくちゃヤバいよ……」
カナを見て、ギルド『ホロライブ』のメンバーがヒソヒソと話していた。カナの白銀の翼と尻尾を見て龍人族の人だと話したり、このギルドになぜいるのか、フブキとはどういう関係なのかなど、興味と経緯が気になっているのがほとんどだった。だが、カナが放つ圧倒的強者によるプレッシャーにほぼ全員が怯えていた。
「んん!話してる所悪いけど、いいかな?」
「あ、すみません。お見苦しい所を。それで、なんですか?」
ギルドメンバーのヒソヒソ話が若干聞こえる中、そらが区切りのように咳払いをしてからカナに問いかけた。
「まずは自己紹介からだね。私はこのギルド『ホロライブ』のギルドマスターのときのそら。そしてこっちが秘書の英ちゃんだよ」
「ギルドマスター秘書の悠仁英です。よろしくお願いします」
「はろ~ぼ~。僕はロボ子。よろしくね」
「こんあずき~。私はアズキ。よろしく」
「にゃっはろ~。みこはさくらみこ!よろしくにぇ!」
「すいちゃんは星街すいせい。よろしくね、龍神の化身さん」
「「「「り、龍神の化身……!?」」」」
すいせいがカナを龍神の化身と言った事にギルド内にいた数十人のメンバーが揃って絶叫した。
龍神は、この世界に存在する神であり、伝説と言われている。様々な場所に分布しており、都の近くにも龍神の伝説が語られている。そんな存在の化身だと言われたのがカナであり、驚異的なプレッシャーを放つ龍人族だと思っていたのに、全然違かった事に他のギルドメンバーは驚いたのだ。
「カナ君、そらちゃんたちはこのギルドの始まりの六人って言われてるの」
そんなギルドメンバーを気にしている素振りを見せず、カナはそらたちの挨拶を一つ一つ頷きながら受け止める。そしてフブキからそらたちがこのギルドの創設者だと説明された。
「始まりの?」
「うん。このギルドはそらちゃんたちが作ったの」
「ギルドを作り、ここまで巨大なギルドにするとは凄いな。丁寧な挨拶、痛み入ります。俺はカナ……氷神カナです。それで、先ほどから気になっていたのですが、龍神の化身というのは?」
始まりの六人。これはこのギルドを知っているなら誰もが知っている有名人である。しかもそれぞれの実力が異次元と言われている程である。だからこそ、この六人はギルド間では今を生きる伝説と言われている。
ほとんどの者はこの六人を前にすると実力などで怖じ気づいたりしてしまうのだが、カナはそんな風に見えない。さすが龍神の化身と言われているからだろうか。
「あれ、聞いたことない?君の噂」
「恥ずかしながらついさっきまで数十年も山籠りしていた身なので、噂とかは一切聞く事はなかったですからね」
「カナ君は最強の氷の使い手。そして龍神の化身って言われてるよ」
「龍神の化身って……いつからだ……」
「え?いつからかは白上は知らないけど、だいぶ前からだよね?」
「うん。気づいたら最強の氷の使い手と一緒に龍神の化身も囁かれてたよ」
「マジか……誰が気づいたんだ……?」
「え、ちょっと待って。今の発言だと君は本当に龍神の化身なの?」
「龍神の化身っていうか……」
「カナ君?」
カナの発言に違和感を持ったそらが問い詰めた。発言からして、カナは龍神の化身だと認めたようなものだからだ。なのに、カナはどこか違うような雰囲気を出している。なにが違うのか?
「化身じゃなくて、龍神そのもの……って言ったら、どうする?」
カナの一言にギルドの喧騒が瞬時に静まり、完全に凍りついた。
「化身じゃなくて……龍神、そのもの……?」
すいせいのバトルアックスがガタリと床に倒れた。
「……う、嘘でしょ……?」
さすがのそらも、目を見開いて固まってしまう。
直後、先ほどよりも強い絶叫がギルド内に響き渡ったのだった。
▽▲▽
「えっと……まず整理させて」
「どうぞ」
カナが龍神だと言ってから少し。ようやく落ち着いたそらたち。なので、そらが混乱気味の状態を整理するためにカナに状況整理をしようとしていた。
「君は……氷神君は龍神の化身じゃなくて、龍神そのもの……なんだよね?」
「そうですね」
「いつから……って、この聞き方はないか。氷神君は元から龍神だったの?龍神の生まれ変わり、とか」
「元からではないですよ。幼い頃に……」
「?」
「……力を欲した事があって。その願いを聞いた龍神が俺に魂を宿したんです」
昔の話をする時、カナがフブキを見るが、フブキはなぜこちらを見たのかわからずに首を傾げる。そんなフブキを見ながら、カナは説明した。
「龍神が氷神君の願いを聞き届けた、か。じゃあ氷神君の中には……」
「お察しの通り、俺の中には氷の龍神、イヴェルカーナの魂が宿っています」
「氷の龍神……だから氷の技に長けているんだね」
「ご名答」
「ねぇ、カナ君。なんでさっき白上を見たの?」
「……」
「ねぇ」
「他に質問は?」
「誤魔化すなぁ!!」
自分を見てきた事になぜと思ったフブキがカナに問いかけるが、カナは答えずに話題を反らした事にフブキが突っ込んだ。
「なんで!?ねぇ、なんでなの!?なんで白上を見たのさ!?願った時に白上が関係してるの!?ねぇ!?」
「いや~……」
フブキがカナの肩を掴んで揺らしながら聞いてくるが、カナは答えたくないのか、曖昧な返事をしながら顔を反らしてしまう。ちなみにフブキが肩を掴んでめちゃくちゃ揺らしている為、カナの首ががっくんがっくんとなってしまっている。
「とりあえず落ち着けフブキ。ギルドの皆が見てるだろ」
「誤魔化すなって言ってるの!!別に皆に見られてても白上は全っ然恥ずかしくないし!!むしろカナ君の過去の話の方が気になるよ!!この数十年!ずっと独りだったんだから今さら離れるつもりも離すつもりもないから!さぁ!さっさと吐けぃ!!」
「フブキちゃん?」
「……」スゥー
「氷神君と話ができないから。落ち着いて、ね?」
「は、はい……」ガクブルガクブル
暴走するフブキをギルドマスターとしての圧で黙らせるそら。さすがのフブキもそらの圧に恐れてめちゃくちゃ震えながら静かになった。
カナはフブキを黙らせるそらの圧にさすがギルドマスターだと感心していた。そらの圧に全然恐れていなかったのである。
「んん!それじゃあ、氷神君。また質問させてもら―――」
―――バァン!!
区切りとしての咳払いをしつつ、そらがカナに質問をしようとした瞬間、ギルドの扉が勢いよく開かれた音によって全員が驚き、そちらを見た。そこにいたのは二人の女性。そのうちの一人が拳に炎を纏わせ、カナに向かって突撃。一瞬でカナの目の前にきた女性は、拳をカナに叩きつけ―――
―――られなかった。
女性―――桐生ココが放った拳をカナは左手で容易く受け止めていた。しかも冷気まで出しているらしく、カナから霜のような白い霧のようなモノが出ている。
「な―――っ!?」
誰も追えなかった。それほどの速度で迫ったというのに、相手は容易く受け止めた。その事に驚くココだが、直後にもっと驚く事になる。
炎を纏っているのに、カナの冷気によってその炎が消え、それどころか拳まで少し凍りつつあるのだ。ココは急いで振り払ってから後ろに跳ぶ事でカナから距離を取る。
「あぁもうバカ!いくらなんでもいきなり殴りかかるのはダメでしょ!?」
着地したココに怒鳴るもう一人の女性―――天音かなた。だが、ココが自分を見ておらず、冷や汗を流しながら、少し凍らされた右手を左手でおさえながら相手を見ているのを見て、かなたは驚愕した。自分の相棒がここまでの反応をする相手なのかと思いながら相手を見た。
「―――どういうつもりだ」
そらたちと、フブキと話していた時とは全然違う声色で呟いたカナ。その声色は、そら、すいせい、英、ミオ、いろは、クロエは聞き覚えがあった。
初めてカナと出会った時と同じ―――
五人はそう思った。
初めてカナと出会った時。あの時と同じ威圧を放っている事で、五人はまだ大丈夫だが、初めて感じた他のメンバーは震えて指一つ動かす事ができない。
と、カナは自身の周囲に氷壁がいくつも形成していた。衝撃波だったりを防ぐためだろうか。
「フブキが話がしたいから一緒に来てと言われて話をしていれば突然の攻撃。俺はともかく、ギルドに―――フブキが怪我をしたらどうしてくれる」
怒りながら呟いたカナ。カナの言葉にそらたちが気づいた。カナの隣に座っていたフブキを守るように分厚い氷壁が形成されている事に。
「待ってカナ君!カナ君のおかげで白上は大丈夫だから!落ち着いて!」
氷壁の向こうからフブキが叫ぶ。フブキは悟ったのだろう。今のカナは、一瞬でココを氷漬けにしてしまうかも、と。
「氷神君……ううん、カナ君。私のギルドメンバーが突然ごめんね。これは私にも責任がある。皆にカナ君を連れてくる事を話さなかった私に。ココちゃんもかなたんも私たちを守る為にしてくれた事だから悪気はない。だからこれは皆に知らせる事を怠った私の責任。ココちゃんたちは関係ない。だから、怒りをぶつけるなら私だけにしてほしいの」
そらが立ち上がり、カナに言った。カナの威圧に冷や汗を流しながらも言ったそらにすいせいたちがギョッと反応した。カナの―――龍神の怒りを自分一人で受け持つという事に全員が驚いたのだから。
「…………怒ってはいるけど、ギルドマスターに八つ当たりはしませんよ。フブキも怪我はしてないし、ギルドも壊れてる場所はない。ただ俺が何もしなければそういう奴だと思われたくないから威圧を放っただけです」
そう言いながらカナは形成していた氷壁を力を解除する事で全て破壊した。
「……ありがとう」
「礼はいいですよ。頭も上げてください」
お礼を言いながら頭を下げるそら。カナも気にしていないらしい。
「それと……」
「え」
突然、カナが右手をココに向かって突き出した。その途端、ココの右手の凍らされた部分を治した。即座に回復魔法を使ったのか、氷が無くなったと思った瞬間、右手が緑色の光に包まれ、痛みが一緒で無くなった。
どうして治癒したのかわからないココ。ココはポカンとしながらカナを見つめる。
「正当防衛とはいえ、そちらのギルドメンバーの一人を怪我させたのは事実。治癒するのは当然です。痛みは?」
「え、あ、え、と」
「混乱しててダメか。落ち着いたらでいいから」
混乱するココ。それを見たカナはココに言ってからそらに向き直り、今度はカナが頭を下げた。
「ちょっ!?」
「謝罪を、と思いまして。そちらのギルドメンバーを怪我させた事の」
「大丈夫だよ!?カナ君は正当防衛なんだし!それに私たちにも非はあるんだし!これでおあいこって事で!ね?」
「ギルドマスターがそういうなら……」
カナが頭を上げた事でこの突然の出来事は一段落したのを感じた他のギルドメンバーがホッとしていた。
龍神の威圧―――これ程のモノなのかと、身体が一切動かせず、一瞬で殺られるというのを直感したのはこれが初めてだった。それが、何事も起きる事がなく終息したという事に安心するのは当然だった。
すると、混乱してたココがカナの前に凄い勢いでやって来た。
「すまなかった!!いきなり攻撃なんてして!!」
そして勢いよく頭を下げた。
「アタシが勝手に突っ走ってやった事だからそらさんは関係ない!これは全部アタシが悪いんだ!だから責めるならアタシを責めてくれ!」
「…………自分を差し出してメンバーを―――家族を守るというギルドマスターだからこそ、貴女のような善人が集まるのでしょうね、ここは。先程も言いましたが、大丈夫ですよ。ギルドマスターからもお互いに非があるため、おあいことなった。だから俺は貴女を責めるつもりはない。それに貴女たち二人は自分が所属してるギルドから計り知れないナニかを感じ、メンバーを―――家族を守る為にやった行動でしょう?責める以前に、それは誇る行動だ。まあ、状況を確認してから行動するのをおすすめしますがね」
「…………肝に銘じるよ。ありがとう。遅くなったが、アタシは桐生ココだ。よろしくな」
「氷神カナ。こちらこそ」
カナの言葉に救われたと感じたココ。それにカナがいいと言っているのだからずりずりと引き伸ばすのは違うと思ったココは切り替えて自己紹介をした。カナも自己紹介しながら右手を差し出してきたので、ココはニッと微笑みながら右手を差し出し、堅い握手をした。
「僕の相棒がホントにごめんね?僕は天音かなた。よろしくね」
「何度も言うけど気にしていないですよ。よろしくお願いします」
「あ、会長、かなたん。彼、カナ君はフブキちゃんの幼い頃の魔法の師匠みたいなの。それにフブキちゃんはカナ君を愛してるみたい」
「ちょっ!?///」
「「へぇ~?」」ニヤニヤ
「……///」
突然のそらの言葉にフブキが顔を真っ赤にして慌てふためいた事にココとかなたがニヤニヤとフブキを見る。隣に座ってるカナも少し顔を赤くしてそっぽを向いてる事で二人して想っているのは確実だとギルドメンバー全員が思った。ニヤニヤとした顔が多い。だが、ミオだけはニヤニヤとした顔ではなく、どこか安心したような顔をしながらフブキを見つめていた。
「それとね……」
「……あ、ギルドマスター、それはまず―――」
「カナ君は龍神そのものなんだって」
「「…………え?」」
直後、二人分の絶叫が響いたのはいうまでもない。
▽▲▽
「こうなるのが見えていたから言わない方がいいと思っていたんだが……」
カナの呆れた声が妙に響く。頭をおさえながらため息を吐くカナの視線の先。そこには土下座してるココとかなたがいた。
「あ、アタシ、神様になんて事を……」ガクブルガクブル
「オーラが凄いと思ってたけど、まさか龍神様だなんて……」ガクブルガクブル
「ま、まさか二人が土下座するなんて」
ココは神に向かって殴りかかった事、かなたは相棒がしでかした事に戦慄して土下座していた。そらはまさかココとかなたが土下座するとは思っていなかったらしく、あたふたしていた。
「何度も言ってるけど気にしてないから大丈夫です。それに龍神ではあるけど、神として崇められるのはやめてほしいんです。俺は元は人間。力を欲した願いを聞き届けた龍神、イヴェルカーナが自分の魂を俺に宿した事で龍神そのものになった。だから俺の事は龍神ではなく、普通に接してほしいんです。だから頭を上げて」
「お、おう」
「う、うん」
「それでいいです」
「所でさ~」
カナに言われて土下座をやめるココとかなた。それを微笑みながら言うカナ。すると、すいせいが口を開いた。
「ん?」
「君ってさっきからずっと力を欲したって言ってるけどさ、実際はどれくらい強いの?や、龍神を疑ってるわけじゃなくて、純粋に龍神ってどれくらい強いのかなって思ってさ。ゴブリンの群れを一瞬で氷漬けにできるの?」
「ちょっと待ってすいちゃん。ゴブリンの群れを一瞬で氷漬けってどういう事だにぇ」
「あ~、説明するね?」
すいせいの疑問。これはほぼ全員が思っていた。龍神そのものと言われて畏れていたが、龍神は伝説そのもの。強さなどほとんどが知らない事なのだ。だからある意味バーサーカーと言われているすいせいはめちゃくちゃ気になっていたのだ。それに、氷神岳で見た氷漬けにされたゴブリンの群れ。あれはカナが一瞬で凍らせたのかという疑問もあったのだ。それを言ったら知らないみこたちがすいせいに聞いてきたのですいせいが説明した。
氷神岳で見た氷漬けのゴブリンの群れを。
「ゴブリンとはいえ、群れを一瞬で……?」
案の定、全員が静かに驚愕していた。
「で、どうなの?」
「あのモンスター共は確かに俺が氷漬けにしましたよ」
「やっぱり。で?」
「一瞬で」
「やっぱりか~。これはちょっとワクワクしてきたかも」
「で、強さですよね?他人から評価された事がないからなんとも言えませんが、自分で言うのもなんですが強いとは思ってます」
「じゃあすいちゃんと戦お」
「アタシも戦いたい」
「俺はいいですけど……」
すいせいとココの言葉にカナは言葉を濁しながらそらを見ると、そらは困ったような顔をしながら微笑み、首を縦に振った。
「すいちゃんは根っからの戦闘狂でね。強い相手を見つけると戦いたくなっちゃうの。会長は純粋にカナ君と戦いたいんだと思う」
「ちょっとそらちゃん戦闘狂ってどういう事かな?」
「事実だにぇ」
「よしみこちちょっと闘技場行こうぜ三枚下ろしにしてやる」
「ごめんて!?」
「闘技場なんかあるのか?」
「あるよ。模擬戦をやるならだいたいは闘技場を使うの」
「へぇ。ギルドマスター。その闘技場を使う事はできますか?」
「できるけど……」
「では、そこで模擬戦をしましょうか。星街さんや桐生さんたちと」
「おっとアタシはココでいいぜ。アタシもカナって呼ぶから」
「すいちゃんもすいちゃんって呼んでほしいな~。敬語もなしで」
「え」
「すいちゃんの言う通りだね。カナ君。ギルドマスターとして―――じゃなくてフブキちゃんの友達として命令します。私たちの事は名前で呼ぶ事。敬語も使わない事。わかった?」
「えぇ……」
そらの強引な命令に呆れるカナ。しかも友達として命令って時点でめちゃくちゃである。それにそらは言ったけど他のメンバーはどうなのかとカナが周囲を見渡すと、全員が微笑んでおり、そらに賛成を示していた。
「……わかった」
全員の反応を見たカナは了解を示した。その事で他のメンバーは微笑みから嬉しそうな顔になるのだった。
「それじゃあ、闘技場の使用だね?内容は模擬戦で、あ、すぐに使う事はできないけど大丈夫かな?」
「大丈夫。すぐに使いたいって思ってないから」
「わかった。それじゃあ―――」
「―――その模擬戦、実況は私たちに任せてくれませんか?」
突如、謎の声が響いた。全員が声がした方向―――ギルドの入口を見た。扉が開かれており、そこに四人の女性が立っていた。
「美兎ちゃん!」
「…………フブキ、彼女たちは誰だ?」ヒソヒソ
「……二大ギルドの一つ、『にじさんじ』のギルドマスターの月ノ美兎ちゃんだよ」ヒソヒソ
ギルド『ホロライブ』と対を成す存在である二大ギルドの一つ、『にじさんじ』のギルドマスター、月ノ美兎が立っていた。その後ろに『にじさんじ』のギルドメンバー、リゼ・ヘルエスタとアンジュ・カトリーナ、フレン・E・ルスタリオの三人が付き添いで来ていた。
彼女たちの事を知らないカナはそっとフブキに小さい声で聞くと、フブキも小さい声で答えてくれた。
「美兎ちゃん、さっき言ってた任せてくださいっていうのは?」
「はい。お話は聞かせてもらいました。その模擬戦、私たちも見たいので、実況者を提供するかわりに私たちの見学を認めてほしいんです」
「え、見学?えっと……」
美兎のお願いにそらが言葉を濁しながらカナを見ると、カナはすぐに頷いた。それを見たそらは微笑み、美兎に向き直り―――
「本人からも許可が出たからいいよ」
「ありがとうございます!」
「それじゃあカナ君。闘技場の使用は数日ちょうだい。美兎ちゃんと話し合う必要があるし。それと、カナ君がいいなら大々的に発表していいかな?この模擬戦、しかも相手がカナ君となるとこの都に住む人たち全員が見たいだろうから」
「構わないよ」
「ありがとう!」
「いいの?カナ君」
「隠す必要もないし。それに、この数十年の成果をフブキに見せるよ。あの時よりも強くなった俺を。もう俺の冷気で傷つけない力を」
「カナ君………………うん!」
こうして、ギルド『ホロライブ』にやって来たカナはすぐに模擬戦を行う事になったのだった。
数十年もの間、己の中に宿る龍神の魂の力を制御する修行を重ね、完全に制御する事ができるようになった力を披露しようと決めた。
もう大切な女性(ひと)を傷つけない為に。
己に宿る龍神、《歴戦王イヴェルカーナ》の魂とともに。
お読みいただき、ありがとうございました。
カナとフブキの絆、ホロライブのわちゃわちゃ感、再現できてたでしょうか?ここでもそらちゃんの圧は凄いのです(笑)。
そして会長、かなたんの登場。二人の土下座とかとんでもないですよね。この二人でも龍神の前にはこうなってしまうのです。
ここで氷神カナの詳細情報を。
『キャラクター詳細、氷神カナ』
●種族:龍神種(既存の種族に属さない超越種)
●容姿
・髪:冷気を帯びた白銀色。光の当たり方で藍色に輝く
・瞳:澄み渡る氷河のような藍色。感情が高ぶると龍の縦長のスリットに変わる。
・身長:180cm前後。引き締まった体格。
・特徴:背中にはイヴェルカーナの龍翼、そして龍尾がある。
・服装:青と銀を基調とした和風の軽装。
●二つ名:冰龍(自称は龍神そのもの)
●主な攻撃方法
・冷気のブレス:龍人形態、龍神化形態の両方で使用可能。
・氷鎧(ひょうろう):全身が氷の鎧に包まれ、額にイヴェルカーナと同じ氷の角、両手に細身の剣を形成する戦闘形態。圧倒的な防御力と神速の剣技を両立するカナの基本戦闘スタイル。
・冰気錬成(ひょうきれんせい):14種類(モンハン)の武器を氷で生成。
・アブソリュート・ゼロ:周囲を一瞬で凍結、串刺しにする広域殲滅奥義。
●特殊能力
・龍神化形態:龍神種の真の姿。人型の制限を解除し、伝説の冰龍《歴戦王イヴェルカーナ》そのものの姿へと変わる。冰気錬成は使用不可になるが、冷気の出力と肉体強度は数倍に跳ね上がり、歩くたびに世界を凍てつかせる。
・対話:精神世界で宿した龍神イヴェルカーナと対話が可能。
・超感知:神としての感覚により、隠密中の相手にも気づく。
●その他
数十年の修行により冷気を完全に制御。かつては『触れるものを凍らせる』呪いだったが、今はフブキを温かく抱きしめることができる。
以上がカナの詳細情報です。
次回は模擬戦です!相手はどうなるのか?カナはどんな戦いをするのか?乞うご期待です。
それでは以上!レリでした!