冰龍の魂を宿す者。異世界《ホロノア・ユクモ》の巨大ギルドの歌姫たちとの日常 作:レリ
大変お待たせしました。3話から結構時間が経ってしまいました。ちまちま書きながらだいぶ前に買っていたモンハンダブルクロスSwitch.Verをほぼ最初からプレイしまくってたらいつの間にかこんなに時が……。
時が経つのはホントに早いですねぇ。
冰龍の魂を宿す者、始まります。
「それじゃあ、カナ君が正式に『ホロライブ』に加入した事を祝して、かんぱ~い!」
「「「「かんぱ~い!!」」」」
「か、乾杯……」
闘技場での模擬戦から数日後、『都』の中心部にある桜の大樹《神祖の御神木》の麓では、ギルド『ホロライブ』に正式に加入が決まったカナの歓迎会が大々的に行われていた。
『ホロライブ』の歓迎会なのに、ギルド『にじさんじ』のメンバーもいるのだが、人数が多い事で歓迎会という名のお祭りになっているが。
そんな中、乾杯の音頭を取ったそらに続いて全員がグラスを掲げて乾杯した。のだが、カナだけは何か違う。
「どうしたのさカナ君。カナ君の歓迎会なんだし、カナ君が主役なんだよ?堂々としないと」
「そうそう。楽しくやろ!」
「いや、うん。それはわかるんだけど……」
「どうしたの?」
「なんか、恥ずかしくて……」
「「「「え?」」」」
カナのノリの悪さにそらとすいせいが絡むが、カナの言葉に全員が固まった。
「数十年も一人で山籠りしてたから、こういうの慣れてなくて。だから、なのかな。嬉しいんだけど、恥ずかしいなって……あはは……///」
『っ!!』
この時、『ホロライブ』と『にじさんじ』の所属メンバーの女子全員に衝撃が走る。
「え、え、え、え、え?なに?このかわいい人?」コソコソ
「模擬戦の時と全然違くない?」コソコソ
「あの時のかっこよさが消えて今は凄くかわいいとかさ」コソコソ
「ギャップ萌え?ギャップ萌えだよね?これ」コソコソ
顔を赤くし、照れ隠しなのか人差し指で頬をポリポリとかき、嬉しさで龍尾がユラユラと揺れているカナ。そのカナの姿を見た女子全員がコソコソと話し出した。
「え、あの……えっと……?」
いきなりの女性陣の反応にカナは困惑。なぜそんな反応なのかと。コソコソと何を話し合っているのかと思うカナである。
「お~お~、女子たちがギャップ萌えにやられてるな」
「女性陣はこういうギャップ萌えに弱いですからね」
「うおっ」
唐突に話ながら現れた二人に驚くカナ。
「えっと……」
「ちゃんと挨拶をするのは初めてですね。ギルド『にじさんじ』所属の加賀美ハヤトです」
「同じく、社築だ」
「あ、実況してた二人?」
「そうですよ」
「改めて、よろしくな」
「氷神カナ。こちらこそ。それで、彼女たちはなんでこうなった?」
「マジか」
「自覚なしですか」
カナの言葉に社築は頭を抱え、ハヤトは呆れ。まあ、先ほどカナも言った通り、数十年も一人で山籠りしていたので、こういう交流や感情に慣れておらず、どう言葉にすればいいのかわからないという事は社築とハヤトはわかっている。わかっているからこそ、この無自覚はどうにかした方がいいと思うのだった。
「まあ、あいつらはアレだな」
「アレ?」
「貴方の意外な一面を見て戸惑っているんですよ」
「意外な……か」
「意外な一面だけど、それもお前だからな。気にする事じゃないよ」
「やしきずの言う通りです。それも貴方ですから」
「……わかった」
この時、二人は思った。数十年の孤独を埋めるには、これからもどんどん人と一緒にいなくてはならないと。それに大きく貢献できるのは、同じくカナとは別の孤独を味わったフブキしかいないという事も。
「さ、楽しくやっていきましょう」
「だな。辛気くさい話はやめだ。楽しもうぜ、主役さん?」
「……だな」
二人の言葉にカナは微笑んだのだった。
▽▲▽
二大ギルドで開催した歓迎会だが、いつの間にか『都』をあげてのお祭りと化したのは、そこから一時間もかからなかった。
発端は、『にじさんじ』に所属してるメンバーの舞元啓介とジョー・力一が「景気づけだ!」と魔法を使って花火をし始め、すいせいや他のメンバーも舞元啓介とジョー・力一に触発されたのか「門出を祝うなら歌う!」とゲリラライブを行い、それに気づいた『都』の人たちがやってきたというわけである。
しかも、『都』にいる住人、二足歩行するネコのような姿の獣人種のアイルーたちも次々に現れて様々な屋台を開いた事も要因であろう。
「ニャ!お祭りならオイラたちの出番ニャ!」
などと、アイルーたちは意気揚々と自慢の料理を作っている。香ばしい匂いが充満し、全員がアイルーの料理を手に取るのにも時間はかからなかった。
そんな中……
「龍神様~」
「いや拝めるのはやめてくれ……」
カナは『都』の人たちから拝められていた。
『都』の人たちは神である龍神の魂を宿し、龍神そのものだと言うカナを拝めるのは当然の事。だが、人間だったカナにとってはむず痒いのだろう。拝め続ける人たちにやめてほしいと言っているのだが、聞こうとしなかった。
「まあ、龍神だから拝める気持ちはわかる」
「ですね」
「二人も見てないで助けてくれ……」
「「頑張れ」」
「おい」
二人の言葉に悪態をつくカナ。出会って少ししか経っていないのにこんな事ができるのは、男同士であるからだろうか。
――パンパン
「はい、皆さん。カナ君も戸惑ってるからやめてあげましょう」
「それにカナ君は元は人間ですから。いくら龍神といえどそこまでされるとカナ君も困っちゃいます」
手を叩きながらそらとフブキが現れ、拝めている人たちに言った。拝んでいた人たちもそらとフブキの言葉に「確かに龍神様を困らせるわけにはいかん」と言ってそれぞれお祭りを楽しむのに散っていった。
「ありがとな。フブキ、そら」
「どういたしまして」
「困ってたしねカナ君」
「でもやしきずと加賀美君が一緒にいたんだから止めてよ」
「いや~、模擬戦の時と違って焦ってるカナさんがおもしろくて」
「止めるより反応を見て楽しんでたな」
「おい」
「ところでカナ君。紹介したい人たちがいるんだけど、いいかな?」
「ん?うん。いいよ」
「ありがと」
カナから許可を貰ったそらが後ろに向いてから手招きする。そして、現れたのは三人の女性。
「(あの時の……)」
三人の女性を見て、カナは見覚えがあった。模擬戦をやると話した時にギルドにやってきた四人のうち、三人だと。
「あの時は紹介しなかったから改めて紹介するよ。私たちのギルドと協力関係にあり、『都』にある二大ギルドの一つ、ギルド『にじさんじ』のギルドマスターの月ノ美兎ちゃんだよ」
「はじめまして。あの時は自己紹介せずにすみませんでした。ギルド『にじさんじ』のギルドマスター、月ノ美兎です。ところでうちのやしきずと加賀美が迷惑かけてないですか?」
「あの時はバタバタしてたからね。氷神カナ。よろしくな、月ノさん。迷惑かけてないから安心してくれ」
「ならよかったです。それと、美兎でいいですよ」
「なら俺もカナでいいよ。敬語もいいし」
「わかり――じゃなくて、わかった、カナさん」
「さんもいらないけど」
「こればっかりは許してほしいかな」
「まあ、美兎が良いならいいけど」
そらに紹介されたのはギルド『にじさんじ』のギルドマスター、月ノ美兎。そして―――
「私も紹介するね。こっちは私のギルドのメンバーで大切な家族、リゼちゃんとフレンちゃんだよ」
「ご紹介に預かりました。リゼ・ヘルエスタです」
「リゼ様の護衛騎士のフレン・E・ルスタリオです。よろしくお願いします、龍神様」
「ヘルエスタ?どこかで聞いたような…………あ、ごめん。自己紹介が遅れた。氷神カナだ。できればその龍神様って呼ぶのはやめてほしいかな。敬語もなしでいいし、カナでいいから」
「わかった。私もリゼでいいから」
「私の事もフレンでいいよ」
「わかった。よろしくな、リゼ、フレン」
「「うん」」
月ノ美兎と同じ、ギルド『にじさんじ』に所属してるリゼ・ヘルエスタとフレン・E・ルスタリオ。二人が自己紹介した時、カナはリゼの名にある『ヘルエスタ』に聞き覚えがあるようだが……
「リゼちゃんはこの『都』と協定を結んでいる国の『ヘルエスタ王国』から来てるんだよ。外交目的みたいな感じでね」
美兎がそう説明してくれた。『都』から『宝鐘海域』を通った先にある王国、それが『ヘルエスタ王国』である。『ヘルエスタ王国』には『ホロライブ』のギルド支部もあり、そこにもメンバーがいる。
その時―――
「あぁ、ゼナさんがいる所か」
「「っ!?」」
カナが思い出したように呟いた。その言葉にリゼとフレンが驚愕した。なぜなら、カナが口にした名に心当たりしかなかったからである。
「カナさん!『ゼナ』ってまさか―――!」
「『メル・ゼナ』様を知ってるの!?」
「え、う、うん。前に一度だけ会った事があるけど……」
リゼとフレンの凄い勢いにカナは若干後退りをしながら素直に答えた。
「《メル・ゼナ》って確か龍神様の一体であり、どこかに住み着いているっていう?」
「そうです。《メル・ゼナ》様は私の国、『ヘルエスタ王国』の近くにある遺跡に住んでいます。過去に《メル・ゼナ》様が国を揺るがす事変が起きた時、幾度となく救ってくれたっていう伝承があります」
「それに《メル・ゼナ》様は私たち騎士の間では《騎士の龍神》って云われています」
「騎士?」
「戦い方だよ。ゼナさんのな」
フレンが言った《メル・ゼナ》の二つ名に聞き覚えがなかった事でそらが疑問を浮かべた。直後にカナが軽く説明した。
「ゼナさんの戦い方は翼を使って突く攻撃、凪払い、そしてブレスだ。でもブレスはほとんど使わないんだよ。ほぼ全て翼を使った攻撃なんだ。しかも翼を使って相手の攻撃を防いだりする」
「言い伝えと同じなんだね」
「その戦い方が騎士のようだと言われているんです。私たち騎士は最初は言い伝えにある《メル・ゼナ》様の戦い方を手本として学び、最後にそこから自分の動きに合った戦い方を極めるんです」
「あ、だからフレンちゃんは突く攻撃と凪払いが上手いんだ」
「まあ、そうですね。基礎がそれだったので……」
カナとフレンの説明にそらがフレンの剣技を見た事があり、その時によく使っていたのが突きと凪払いだった事に納得したのだった。
「ところでさ……」
「どうしたの?カナ君」
不意に、カナが言葉を濁しながらリゼを見つめた。それにいち早く気づいたのはフブキ。フブキはなぜカナがリゼを見つめているのかがわからず、カナに聞いた。
「リゼ。さっき『私の国』って言ったよね……?」
「うん、言ったね」
「だよねぇ……」
これだけで、フブキはカナが聞こうとしてる事がわかった。わかってしまった。
「あ」
フブキに続いてそら、美兎も気づき、リゼとフレンも気づいた。先ほどの声はリゼからであり、思わず出ちゃったみたいで口元を塞いだ。そして、小さくニヤリとしながらスカートの裾をつまみ上げながらお辞儀をし―――
「改めて名乗ります。私はリゼ。『ヘルエスタ王国』第二皇女のリゼ・ヘルエスタです」
名乗った。直後、カナが凄い勢いで頭を下げた。
「へ!?」
リゼが驚きの声をあげてしまった。声には出してないがフブキたちも驚きで目を見開いている。
「一国の皇女にとんだ無礼をお許しください」
「待って待って待って待って!?頭下げないで!?無礼なんて事やってないでしょ!?気づかなかった事に!?気づかなかった事が無礼だって言ってるの!?全然気にしてないし私は大丈夫だから!?だから頭上げて!!お願いだから!!龍神様に頭下げられる程私偉くないよ!?」
目を回しながらアワアワと焦ってカナに言うリゼ。確かにリゼは一国の皇女なのだが、相手は龍神。リゼはまさか龍神に頭を下げられるとは思ってなかったようだ。だが、カナは龍神といえど元は人間。一国の皇女とは気づかなかった事に人間としてやってしまったと思った行動なのだ。
「カナ君カナ君。リゼちゃんが困ってるからその辺でやめてあげて」
「うぇ?あ、ごめん。思わず」
「いや、大丈夫だよ、うん。龍神様に頭下げられるなんて思わなくて心臓がドキドキしてるけど」
「果たしてそれは大丈夫なのか?」
「原因であるカナさんが言いますか?」
「うぐ……」
ごもっともな事をハヤトに言われてぐうの音も出ないカナである。
「まあまあ。自己紹介もすんだし、美兎ちゃんたちとも交流を深める為にいろいろお話しよ―――」
「カナさぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
ドゴォ!
「ごはぁ!?」
突如、カナが吹っ飛んだ。しかも痛そうな声をあげて。
「「「「カナ君!?」」」」
「カナさん!?」
「カナ!?」
いきなりの事で反応が遅れたフブキたち。カナが吹っ飛んだ方向に視線を向けると、地面に大の字で倒れてるカナとカナの上に氷のような水色のロングヘアーの女性がいた。
「え、ラミィちゃん!?」
そらが驚きの声をあげた。
カナにタックルをしたのはギルド『ホロライブ』所属のエルフである雪花ラミィである。
「え、ら、ラミィ……?」
「カナさん聞いてくださいよぉ!!ししろんがラミィよりカナさんの氷の魔法が凄いなんて言うんですよぉ!!そりゃあ龍神様のカナさんの方が凄いのはわかるんですけどぉ!!でも―――」
「愚痴るよりも先にカナから離れろやぁ!!」
「きゅう!?」
押し倒したままでラミィはどんどん愚痴っていくのだが、我慢できなくなったフブキが叫びながらラミィに手刀を落とし、カナの上から引きずり下ろしたのだった。
「いつつ……」
「大丈夫?」
「タックルによる衝撃と地面に叩きつけられた衝撃が凄かったけどなんとか。で、さっきの娘は?」
そらが心配そうに聞きながら手を差し出してくれたので起き上がりながら手をとって立ち上がるカナ。そしてそらに聞くと、そらが指を差した。その方向に視線を向けると、正座させられながらフブキに説教されてるラミィがいた。
「落ち着けフブキ。彼女も悪気は無いんだし、俺は大丈夫だから」
「良くないよ!!カナを押し倒していいのは白上だけなのにそれをラミィちゃんがやったんだから!!」
「とんでもない事言ってる自覚ある?」
その後、どうにかフブキを落ち着かせる事ができ、フブキは勢いで口走ってしまった事に顔を真っ赤に染めながら俯いてしまった。
「で、え~っと……」
「あ、ラミィです!雪花ラミィ!ラミィって呼んでください!敬語もいいです!」
俯いているフブキを尻目に、まだ正座してるラミィにカナが呼ぼうとしたのだが、自分が所属するギルドのメンバーの名前をまだ覚えきれておらず、言葉に詰まっているとラミィが軽く自己紹介をしてくれた。
「ん。で、ラミィ。俺になんか用事?」
「はい!実はカナさんにお願いがあるんです!」
「お願い?」
「はい!ラミィを弟子にしてください!」
「はい?」
「「「「え?」」」」
「はぁ!?」
ラミィによる唐突な宣言。唐突な上に予想していなかったお願いにカナたちは呆然とし、俯いていたフブキは弟子入り発言にめちゃくちゃ反応して凄い勢いで顔を上げたのだった。
「弟子?なんでまた?」
「カナさんが使う氷の魔法……それをラミィは教わりたいんです!」
「あ、そっか。ラミィちゃんって雪の一族の令嬢で氷の魔法を主に使うから?」
「そうです!」
「雪の一族!?」
「「ひゃう!?」」
そらが納得した。ラミィの出自や得意魔法を呟いたら、カナが今までにない反応をした。カナの突然の反応にそらとラミィが驚いてしまうが、カナは気づいていない。
「雪の一族……ラミィが雪の一族……なのか?」
「む、何ですかその言い方?ラミィはちゃんとした雪の一族の令嬢ですよ。あ、それともこう言った方がいいですか?氷の龍神『イヴェルカーナ』様を祀る一族だと」
「あ、いや、言い方が悪かった。ラヴィから聞いてたからどんな娘なんだろうなって思ってて。いつか会う事になるんだろうなって事も思っていたんだけど、まさか『ホロライブ』にいるとは思わなくて」
「ラヴィ?」
「イヴェルカーナの愛称だよ。俺はそう呼んでる」
「龍神に愛称って……」
「龍神だけど俺にとっては力を授けてくれた恩人であり、親のような存在だから」
淡々と答えるカナ。確かにカナにとってイヴェルカーナは幼い頃からずっと一緒にいて、力の使い方や様々な龍神の事を教えてもらった存在。親として見るのは不思議ではないのかもしれない。
「ラミィが雪の一族だと知ってもらった事でもう一度言います。カナさん!ラミィを弟子にしてください!」
「う~ん……」
「ちょっと待った!!」
ラミィの再度のお願いにカナは言葉を濁していると、そこに待ったがかけられた。待ったをかけたのはフブキである。
「ラミィちゃん。ラミィちゃんだって充分強いでしょ?わざわざカナ君に弟子入りする必要はないんじゃないかな?」
「ラミィはまだ実力不足だよ!この前の模擬戦を見て確信した。上には上がいるって。だからカナさんに教えてほしいの!」
「カナ君は群を抜きすぎてるよ!教えてもらおうとしても―――」
「フブニャだって小さい頃はカナさんから教えてもらってたんでしょ!?」
「うぐ……!」
「こりゃ痛い所を突かれたな、フブキ」
「フブニャだって教えてもらってたのならラミィだって教えてもらっても問題はないはず!」
「うぐぐ……!」
どんどんラミィに痛い所を突かれ、フブキは言葉を詰まらせていく。それを見たカナはこの言い争いに終止符を打つ事にした。フブキの負けとして。
「観念しろフブキ。ラミィに言い負かされたお前の負けだ」
フブキの頭を撫でながら言うが、フブキは納得したくないのかそっぽを向きながら頭の中でラミィに何を言うか考えている。
「今さら考えたって同じ結果だ。フブキの負けでな。それに、一番弟子がフブキなのは変わらないよ」
「…………」
「な?」
「………………ん」
「よしよし」
「…………///」
フブキの頭を撫で、カナはラミィに向き直る。撫でられたフブキは顔を赤くし、若干嬉しそうな顔をするがそっぽを向いている。
「さて、ラミィ。俺としては弟子というより氷の力の基礎やラミィに合った氷の力を教える事はできる。だから俺としては弟子って感じないんだ」
「カナ君、それは俗に言う弟子ってやつだよ」
「え?」
カナの言葉にそらが言った。言われたカナはポカンとしながらそらに顔を向けるが……
「なるほど、これが弟子って事なのか」
「え、わかってなかった?」
数十年独りで山籠りしていたせいなのか、弟子というのを理解していなかったらしく、カナは初めて知ったという反応をした事でそらが呆気な声を出した。意外にもカナはアホなのかもしれない。
「これが弟子って事ならそれでいいか。ラミィ。弟子入り、いいよ」
「いいんですか!?ありがとうございます!!」
「辛いかもしれないけど、着いてこいよ」
「はい!!」
「ずるいでござる!!」
「「「「っ!?」」」」
ラミィの元気の良い返事の直後、離れた位置から声が響き、そらたちがビックリしてしまった。カナも声がした方向に顔を向けると、そこにいたのは―――
「いろはちゃんにクロエちゃん?」
『ホロライブ』所属の風真いろはと沙花叉クロエの二人だった。
「この気配……俺を調べに来てた二人か。二人だけとはよっぽど偵察に自信があるんだなって思ってたけど」
「「う……」」
「その二人の自信を砕いたでしょ、カナ君」
「さて、何の事やら」
「惚けんな」
いろはとクロエの気配に覚えがあったカナが言うと、二人は言葉を詰まらせるが即座にフブキに言われ、顔を反らしながら惚けるが、フブキにしっかりと肘で小突かれた。
「で、ずるいってどういうこと?」
「そうでござる!ラミィ先輩だけなんてずるいでござる!」
「沙花叉たちもカナさんに弟子入りしたいんです~!」
「えぇ……」
二人の言い分はこうだった。偵察時にわからされたカナの力と模擬戦で見た実力。それを見てラミィみたいに己の力とは到底渡り合えない実力差をしっかりと感じ、できれば教えを乞いたいと思っていた矢先、ラミィがちゃっかり弟子入りを許可されてるのを聞いて自分たちも!と乗り込んできたのである。
「うぐぐ…………カナ君はいいの……?」
「まあ、一人や二人増えたところで問題はないかな」
「……はぁ。わかった。もう白上はなにも言わないよ。でも、カナ君の一番弟子は白上だからね」
「はいはい」
「あ!すみません!弟子入りなら私も!!」
「え、都々ちゃん!?」
フブキのご機嫌を取りつつ、またもや弟子入りを志願してきた人物がきた。志願してきたのは『にじさんじ』に所属してるメンバー、立伝都々(たちつてとと)である。『にじさんじ』のメンバー曰く、バーサーカーらしい。
「私、立伝都々って言います!都々って呼んでください!」
「お、おう。都々も弟子入りしたいと?」
「はい!私もカナさんの実力を見て凄いと思って!どうか私も弟子入りを許可してください!」
「あ、わ、私も!」
「フレンも?」
都々に触発されたのか。騎士として高みを目指したいのか定かではないが、若干ソワソワしていたフレンも弟子入りを志願。
「そら、美兎。いいの?」
「う~ん、私としてはラミィちゃんたちの意見を尊重したいし、カナ君に任せればラミィちゃんたちも強くなるでしょ?」
「確証はできないけど」
「ならいいんじゃない?」
「私もフレンちゃんたちの意見を尊重したいし、カナさんにお任せするよ」
「お任せって……。まあ、いいや。ギルドマスター二人から許可出たし、皆の弟子入りを許可するよ」
「「「「「ありがとうございます!!」」」」」
こうして、カナの歓迎会なのに五人もの弟子ができたのだった。
「辛いだろうけど、ちゃんと着いてこいよ」
「「「「「はい!!」」」」」
五人の元気な返事が響き、《神祖の御神木》からは桜の花びらが五人を応援するかのように舞うのだった。
―――あの子もようやく落ち着ける場所を手に入れたわね。あの娘とも再会したし、くっつくのはそう遠くないわね。楽しみ♪―――
唐突に幻聴のような声が響いたが、カナだけがその声が聞こえていたのか、少し顔を赤くするのだった。
お読みいただきありがとうございました。
それぞれのメンバーの話し方がわからなくて変な風になってるかもしれませんが、ご了承ください。
カナの歓迎会から始まり、気づいたら弟子入りイベント。急な展開ですねぇ。まあ、弟子入りイベントを入れる予定だったので問題はないのですが、弟子入りメンバーは誰にするかと悩んだ結果が彼女たちになりました。
モンハンのクロスオーバーだからアイルーがいたってなんの問題はない!と思ってアイルーを入れました。やっぱアイルーは欠かせないですよね!
リゼの祖国である『ヘルエスタ王国』、そのうちカナが行くかもしれませんね。行ったら行ったでメル・ゼナが反応するのかしないのか。乞うご期待。
そして最後にあった声、カナだけが聞こえていたようですが、いったい誰なのか?
モンハンダブルクロス、シリーズの中で一番やりこんだ作品です。3DSの方のデータがSwitchに持っていけないのが本当に辛い……!!あのやりこんだデータが……!!オンラインが終了するのならせめて引き継ぎ用アプリを再販して欲しかった!!なので最初からやってます。とりあえずネセトシリーズを作りたい……。
長くなったので今回はここまで。それでは以上、レリでした!