冰龍の魂を宿す者。異世界《ホロノア・ユクモ》の巨大ギルドの歌姫たちとの日常   作:レリ

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ホロドリリリース、キタ━(゚∀゚)━!

どうも、レリです!

皆さんホロドリ楽しんでますか?私も楽しませてもらってます。ガチャはどうですか?私はもちろん爆死してます。引き直しガチャはもちろん我らが国王のフブキングにしました。
さて長い話はここまでにして。

冰龍の魂を宿す者、始まります。


第5話

 

『都』を上げてのお祭りとなった歓迎会から数日。ラミィたちがカナに弟子入りし、特訓をするようになったのだが…………。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」」

「二人してすんごいため息だね」

 

ラミィとフレンが同時に凄く長いため息を吐きながらテーブルに突っ伏していた。どれだけ凄いのかというと、『ホロライブ』所属の獅白ぼたんが思わずツッコミをしてしまう程のため息である。

 

「二人してそんなため息を吐くってそんなにカナさんの特訓が大変なの?」

 

次に聞いてきたのが『ホロライブ』所属の桃鈴ねねである。

 

「大変なのは大変なんだけど……」

「お互い別ベクトルで大変と言うか……」

「いやどういうこと?」

 

歯切れが悪い二人にいまいち理解ができず、『ホロライブ』所属の尾丸ポルカが聞いた。

 

「あ~……なんかフレンの話だと今までやった事がない特訓内容だからなのか疲れとかが凄いみたいで……」

 

変わりに説明してくれたのがリゼである。

 

ラミィとフレンを始め、ぼたんとポルカ、ねね、リゼたちが揃っており、彼女たちがいるのは『都』の街中にある一つの喫茶店である。彼女たち以外にお客はおらず、ある意味貸し切り状態だ。そんな彼女たちがいる喫茶店というのが……。

 

「その疲れを癒す為にわざわざ俺の喫茶店に来たと?」

「ごめんね兄上。ここならくつろげると思って」

「謝る事なんてないぞ。今の時間帯はほとんどお客様が来ないしな。ほら、ののは、エリー、フレンとラミィちゃんにこれ持っていってあげて」

「は~い」

「はいです!」

 

喫茶『花畑』。それが彼女たちがいる喫茶店の名前であり、店名からわかる通り、店長は『にじさんじ』所属の花畑チャイカである。そして店員であり、チャイカと同じギルド所属の十河ののはとエリー・コニファーである。

 

ののはとエリーはチャイカが出した物を持ってフレンとラミィの元に行き、二人の前に置いた。

 

「店長からサービスだそうです」

「店長お手製のパフェです!」

「「お~!」」

 

出された物はチャイカが作った甘さ控えめカロリー控えめのイチゴをふんだんに使ったパフェである。イチゴをふんだんに使ってる時点で相当甘そうに思うのだが、本当に甘さ控えめなのである。ちなみに他の人が同じパフェを作ると相当甘くなるのだが、チャイカが作ると甘さを控えめにできるというチャイカだけの技である。マジでどうやって作ってんの?

 

「そのパフェはサービスだから。それ食べて疲れを癒しなさいな」

「ありがとうございます!」

「ありがとうチャイちゃん!」

 

疲れた時には甘いもの。ましてや女性にとって甘いもの、パフェなんか大好きな部類。しかも甘さ控えめカロリー控えめときたら喜んで食べるものである。

 

「「美味しい~!」」

 

同時に食べて歓喜の声をあげるラミィとフレン。疲れた時に甘いものは染み渡るものだ。

 

「いいな~。チャイカさん、あたしも~」

「兄上!私も!」

「はいはい。少し待ちなさいな」

 

二人のパフェを見てて羨ましくなったぼたんとリゼがチャイカに注文する。もちろんポルカとねねも。

 

最早催促のような注文に嬉しそうに微笑みながら答えるチャイカ。

 

 

―カランカラン

 

 

「いらっしゃいませ~」

「チャイちゃ~ん!来たよ~!」

 

唐突に、喫茶店のドアが開き、来客を知らせるベルがなった事で近くにいたののはが言うと、来客者は元気良く右手を上げながら入店してきた。

 

「あら、笹木じゃない。お昼食べに来たの?」

「食べに来たのと初めてのお客様を連れてきたやよ!って、あれ?リゼにフレン、ラミィちゃんたちもいたんだ?」

 

来客者はチャイカたちと同じ『にじさんじ』所属の笹木咲である。咲はそのまま入店すると、先にいたリゼたちに気づき、「偶然だね~」って言っていた。

 

「それで笹木?初めてのお客様っていうのは?」

「あ~っと……フレンとラミィちゃんには申し訳ないというか……なんというか……」

「「?」」

「う~ん…………待たせ過ぎるのも悪いし、誘った手前やっぱ無理って言うわけにも…………フレンとラミィちゃん、ごめんね?」

「ちょっと待ってしゃしゃ、何する気!?」

「ごめんって何ですか!?」

「入っていいよ~」

「「話を聞けぇぇ!!」」

 

フレンとラミィの渾身の叫びもガン無視する咲。外で待っていたのであろう人を呼び、待っていた人たちが入ってくる。

 

「咲ちゃん、呼ぶの遅かったね」

「なんかあった?」

「お邪魔しま~す、チャイカさ~ん」

「あ、フブさん」

「ミオ先輩にあやめ先輩も」

「初めてのお客様ではないような……?」

「初めては一人だけなんやよ~」

 

入ってきたのはフブキ、ミオ、あやめの三人。だが、三人は何度かチャイカの喫茶店に来た事があるので、ののはが疑問に思っていると、咲が訂正した。そして、最後に入ってきたのが―――

 

「「あ、なんだカナさんか」」

「あれ、思ってた反応と違う」

 

カナだった。ラミィとフレンは咲に変な事を言われていたのでいったい何があるのかと身構えていたのだが、カナを見て身構えていたのに肩透かしを喰らったかのような反応だった。そして、てっきりビビりまくると思っていた咲は見当違いな反応に少し残念な気持ちがあった。

 

「や、みんな。ラミィ、フレンはちゃんと休んでて偉いぞ。ぼたんたちはラミィたちの付き添いかな?」

「ですです!」

「カナさんから休みの日は目一杯羽を伸ばすように休めって言われてますからね」

「師匠にそう言われてはちゃんと休みます。…………最も、やってる特訓のせいで疲れが凄いから休まざるを得ないんですけど」

「それでも自主練をする人は少なからずいるからね。それで体を壊して特訓の日に動けないようじゃダメだから。な?フブキ」

「うぐ……」

 

どうやらフブキにはその事で前科があるようだ。気まずそうに視線を反らしている。

 

「「……」」

 

逆に、ののはとエリーは客として現れたカナに呆然としていた。模擬戦の時に初めて見たが、その時は遠目でしか見れなかったからわからなかった。だが、いざこうして対面するとカナの龍神としての風格、所詮オーラを感じずにいられず、それに圧倒されてしまっていた。

 

「ちゃんと挨拶するのは初めてだな。俺は花畑チャイカ。この喫茶『花畑』のオーナーでギルド『にじさんじ』に所属してる。よろしくな」

「こちらこそ。ギルド『ホロライブ』所属になった氷神カナ。カナでいいよ」

「こっちもチャイカでいいぞ。ほら、ののは、エリー。いつまで呆けてるの。お客様を案内して」

「は、はい!」

「す、すみません!」

 

チャイカの声ではっとしたののはとエリーがすぐに動いてカナたちを席に案内する。だが、案内中もギクシャクした動きだったので慣れるのには時間が必要だろう。

 

その後、席に着いたカナたちはそれぞれ注文し、チャイカ特製のサンドイッチ等が運ばれ、堪能していた。

 

その時―――

 

「そういえば笹木さん。なんでカナさんたちと一緒だったの?」

「カナさんもフブニャと一緒なのはわかるけどミオ先輩とあやめ先輩のセットはなんで?」

「おいラミィ、ウチたちを食べ物のセットみたいに言うな」

「まあまあ。私はさっきそこで偶然フブキちゃんたちと会ってね。カナも一緒でそこで軽く自己紹介したらお昼どこにするか悩んでるって言うからさ。だったらチャイちゃんのお店がいいよ!って誘ったんやよ」

「白上たちはギルドからみんな一緒で来てたんだ」

 

咲が一緒だった事が気になっていたリゼが聞いてきた。ラミィも同じだったようでミオとあやめも一緒なのも聞いたのだが、言い方に若干キレたミオに圧を喰らってしまう。

 

「昼飯食べたら指定されてる場所に向かおうと思っててな」

「え、指定されて?何があったのカナさん」

「実は……」

 

唐突なカナの言葉にリゼが即座に聞き返すと、フブキが話した。その内容が―――

 

 

▽▲▽

 

 

「「「「果たし状!?」」」」

「そうなの。ギルドに届いたみたいでね」

「差出人は不明。ギルドとしては依頼として扱うけどどうしたものかってなっててね」

「その果たし状の内容は?」

「はい。これが果たし状」

 

ギルド『ホロライブ』に差出人不明の果たし状が届いたらしく、ギルドとしては依頼として扱う事になるが、いかんせん果たし状なのでどうするべきか悩んでいたらしい。その果たし状をカナとフブキは受諾し、こうして出掛けているらしい。で、その内容を聞いたフレンにフブキがギルドに届いた果たし状と思われる紙を渡した。それをフレンが受け取り、中を開いた。

 

「えっと、【ギルド『ホロライブ』に所属した龍神、氷神カナの実力を知りたく、この果たし状を送る。ただし、氷神カナと同ギルド所属の白上フブキが同行する事。午後1時に『都』の大正門の前の『始まりの草原』にて待つ。もし白上フブキが同行していなければ…………。PS.お昼ご飯はちゃんと食べてくる事!】」

「ちゃんとした果たし状だしなんなら脅しみたいなのもあるのに最後ので全然違うのになったと思ったのはポルカだけ?」

 

フレンが読み上げるとポルカがすぐにツッコミした。まあ、確かにツッコミたくなる内容ではある。

 

「それは置いといて。フブキ先輩も同行って事は……」

「白上もカナ君と一緒に戦う事になるだろうね」

「大丈夫なの?フブニャは」

「不安といえば不安だけど、白上も『ホロライブ』の強者だって周りに言われてるし、何よりカナ君と一緒だから大丈夫かな」

「なんという自信」

「カナさんは?」

「ん?まあ、なんとかなるでしょ」

「軽いな~」

「なんだろ、なんか逆にカナさんとフブキ先輩が心配になってきた」

「「なんでさ」」

 

フブキの自信とカナの軽さに心配になったポルカにカナとフブキがハモりながらツッコミする。これから戦うというのにそんな感じでは逆に心配にもなるものだ。

 

「ポルカの言う通り、二人してこんな感じだから本当に心配なんだよね」

「これから戦いに行くのにね」

「あ、だからミオ先輩とあやめ先輩は二人が心配だから一緒にいたんですね」

「そういうこと」

「待って?ミオとあやめって白上たちが心配で一緒に来てたの?」

「しかも心配のベクトルが違う気がするんだけど」

「気がするんじゃなくて事実だし、なんならフブキは知ってたけどカナも意外とアホだから」

「「ド直球……」」

 

容赦無い畜神の言葉にカナとフブキはクリティカルヒットしたようでズーンと青いオーラを出しながらテーブルに突っ伏した。

 

「ほら、落ち込んでないでそろそろ時間だから行くよ」

「落ち込ませたのミオだよね?」

「事実を言って何が悪い」

「怒ってるよね!?いくら畜でもここまでのは白上は知らないよ!?絶対に怒ってるよね!?」

「手厳しいなぁ、ミオは。でも俺ってそんなにアホかな」

「アホだよ」

「即答ですか……」

「カナ君がアホなのは余も思ってるし、なんなら『ホロライブ』のみんな思ってる余」

「うそぉ!?」

 

あやめから告げられた思わぬ事実にカナは謎のダメージを負うが落ち込んでる暇は無いぞとミオに急かされるカナとフブキ。

 

「よし、じゃあ行くか」

「うん」

「じゃあ行ってくるよ。ラミィ、ぼたん、ポルカ、ねね、リゼ、フレン。チャイカ、ごちそうさま」

「おう。また夜にでも来いよ」

「夜?」

「昼間は喫茶店で夜はバーでやってる。酒に興味あるなら来いよ」

「酒か。飲んだ事無いけど、気になるから今夜にでも来るよ」

「待ってるぜ」

 

そう言ってカナたちはチャイカの店から出ていった。それをずっと不安そうな顔で店の扉を見続けるラミィとフレン。

 

「……二人してすんごい不安そうな顔してるよ」コソコソ

「……心配なんでしょ」コソコソ

「……弟子として、なのかな?」コソコソ

「……師匠が決闘しに行けばそりゃ不安にもなるよ。私だって不安だし」コソコソ

 

ぼたん、ポルカ、ねね、リゼの四人がラミィとフレンを見てコソコソと話しだす。リゼの言う通り、二人は弟子として不安なのだ。いくら龍神であるカナでも相手が誰なのかわからないためにもしかしたら苦戦するかもしれないと嫌な事を考えてしまう。

 

「フレンちゃん」

「ラミィさん」

 

ぼたんたちがそんな事をコソコソと話している中、ラミィとフレンがいきなりお互いを呼び合い、視線を合わせると沈黙のまま頷き、ある物を取り出す。

 

取り出した物は連絡用魔道通信端末【カガミ】である。

そして二人して【カガミ】を高速操作しだした。

 

「ちょ、【カガミ】で誰に連絡してるのさ二人とも」

「ラミィたちと同じ境遇の子」

「今この状況を知らせている最中です。よし、リゼ様。私ちょっと行ってきます」

「ラミィも行ってくるね」

「え、行くってどこに―――まさか」

「そのまさかです。チャイちゃん、ごちそうさま!」

「ごちそうさまでした!」

 

慌ただしく出ていく二人。それを呆然と見ている事しかできなかったリゼたち。

 

「リゼ」

「っ!」

「追いなさい。いや、違うわね。貴女たちも行きなさい」

「兄上…………はい!」

 

呆然としていたリゼたちにチャイカが呼んだ事でリゼたちがはっとしながらチャイカを見る。チャイカは真っ直ぐにリゼの瞳を見て言ったのだ。行けと。フレンとラミィと同じ気持ちなら自分たちも行っても問題ないと。その意図を察したリゼは力強い返事をした後、店を出ていく。ぼたんたちもチャイカにお礼を言ってからリゼの後を追う。

 

「ののはとエリーも気になるなら行きなさい。お店は俺一人で回せるから」

「え、でも先輩」

「いいから。行きなさい」

「「…………はい!」」

 

ののはとエリーもチャイカに言われて店を出ていく。

 

それを見送ったチャイカは……

 

「ただの果たし状だけど、あいつらがこんなに心配するって事はお前の事を信頼してるって事だ。もちろん、俺もその一人。俺の妹たちが行くから、妹たちの前でカッコ悪い所は見せるんじゃねぇぞ」

 

お互い知り合ってすぐだが、チャイカとしてもカナが心配なのだ。だから、義理の兄として、妹たちを預けているカナに向かって激励を静かに送るのだった。

 

 

▽▲▽

 

 

『都』の上空をフレンをお姫様抱っこしたラミィが空中を滑るように移動していた。移動速度も速い。

 

「まさかこんな事をラミィさんができるなんて」

「これも特訓で習ってきた事の応用だよ。それに、走るより速いでしょ?」

「確かに」

 

最初は走って向かっていたのだが、途中でラミィがいきなりフレンを抱えたと思ったら魔力で強化された跳躍をしてすぐに空中を滑るように移動しだしたのだ。

 

「それにしても、いつからこんな技を」

「特訓でね。カナさんから教わった事なんだけど、ラミィは魔力を圧縮してから放つ事で氷の魔法を使う。けど、何も無い所から氷を生成するのはラミィが思ってたよりも魔力を消費してたみたいなの。そこで、カナさん自身もやっている事を聞いてた事があってね。やってみたの」

「なるほど。え?やってみた?今やってみたって言った?」

「これぶっつけ本番」

「嘘!?」

「嘘じゃないよ」

「よくできたね」

「まぁね。ラミィもビックリ」

「でしょうね。で、原理は?」

「大気中の水分を凍らせてその上を滑ってる」

「はい?」

「大気中の水分を凍らせて―――」

「聞こえなかったわけじゃないよ!?」

 

どうやらラミィはカナから教わった魔法の応用で足元に凍らせる魔力を集め、大気中の水分を凍らせ、その上を滑って移動しているようだ。

 

言うのは簡単だが、実践するには相当の技量がいる。ラミィもカナとの特訓で強くなっているという事だろう。

 

「私も特訓で強くなってるのかな……」

「なってるよ、きっと」

 

フレンの囁きにラミィが強く答えた。同じ師を持っている。自分だってこんな事ができるようになった。だから同じ弟子であるなら強くなっている。そうラミィは思った。そのラミィの意図をフレンはちゃんと理解し、嬉しい気持ちになる。

 

「うん。急ごう!」

 

―――直後、『都』の大正門の外で上空に向かって特大な冷気のビームが発射されたのだった。

 

 

▽▲▽

 

 

夜、昼間とはまた違った雰囲気になる『都』。至るところで魔法による光魔法で照らされ、《神祖の御神木》から舞い落ちる桜の花びらが反射して幻想的な光景の中、尾をユラユラと揺らしながら歩く人物が一人。その人物が向かう場所はただ一つ。昼間は喫茶店をしている場所へ。

 

 

――カランカラン

 

 

「いらっしゃい。お、来たな?」

「来たよ。チャイカ」

 

昼間は喫茶『花畑』。夜はバー『花畑』と変わる店。そこの扉を開けると、店長のチャイカがカウンターの奥で言ってきたので、こちらも返す。

 

「よう」

「お疲れ様です、カナさん」

「や、みんな」

 

バー『花畑』の扉を開け、中に入ったのはカナである。店の中にはすでに大勢の男性客がいる。まあ、男性客と言っても全員が『にじさんじ』所属のギルドメンバーであるが。そこにカウンター席に座っていた社築とハヤトがそれぞれ挨拶をすると、その場の全員が続いて挨拶してきたので、軽く返すカナ。

 

「社長の隣の席が空いてるからそこに座りなさいな」

「どうぞ、カナさん」

「は~い」

 

チャイカに言われ、ハヤトが席に招くとカナはすぐに座る。

 

「酒は飲んだ事がないって言ってたよな?なら最初はこれだ」

 

そう言ってチャイカが出してきたのは紫色をしたドリンクである。

 

「これは?」

「サワーだよ」

 

アルコール度が比較的低い部類のお酒であるサワー。そして出されたのはブドウを使ったサワー、グレープサワーである。

 

「飲んでみな」

「それじゃあ、いただきます」

 

グレープサワーを一口飲むカナ。すると、口の中がグレープの風味でいっぱいになり、炭酸ならではのシュワシュワ間もあり、とても美味しく感じた。

 

「うまい!」

「そりゃよかった。サワーは他のと違ってアルコール度も低いから初めてならうってつけなんだ」

「なるほど」

「ただ、あまり飲みすぎるなよ?弱いとはいえアルコールに慣れてない人はすぐに酔っぱらうからな。弱い人は酒と一緒にチェイサーとして水とかを飲むぞ」

「なら水ちょうだい。俺もそうするから」

「あいよ」

「それよりカナ。果たし状が届いたんだって?」

「ん?なんでやしきずが知ってんの?」

「両ギルドで話題ですよ。カナさんとフブキさんに果たし状が届いたって。で、相手はどうだったんですか」

「酒の肴としていろいろ聞かせてくれよ!」

 

サワーを飲みながらチャイカから水をもらっていると社築とハヤトに聞かれ、『にじさんじ』所属の葛葉が酒を片手にカナに寄りかかってくる。果たし状の内容を酒の肴にするとは凄いと言える。

 

「はいはい、言うよ。えっと、まず相手だな。相手は五人。全員、バランスが取れた役割だった」

「ほう。まさか苦戦した?」

「そんなわけ。フブキが一緒だったんだぞ。負ける方が難しい」

「自信たっぷりですね」

「で、相手の五人は?」

「それは―――」

 

 

▽▲▽

 

 

「はぁっ!?相手はそらさんたち始まりの五人だったぁ!?」

 

店内に葛葉の声が響き渡る。カナの口から出たのは、果たし状を送り、カナとフブキと戦ったのは自分たちが所属してるギルドの最高の実力者、そらとロボ子、すいせい、みこ、アズキの五人だったのだ。思わぬ人物すぎて全員が驚きで固まっている。

 

「まさか闇ギルド?に変装したそらたちが相手とは思わなかったよ」

「か、勝ったのか?始まりの五人に?」

「ん?勝ったよ?いや~、五人であんなにバランスが取れた役割をするとは思わなかったよ。並みの人なら結構苦戦するだろうな」

「それぞれどんな役割を?」

「まず前衛にそらとすい、中衛にロボち、後衛にみことアズキ。そらとすいは純粋な火力だな。そらは前衛だけど一歩引いてタイミングを計るタイプ。逆にすいはぐいぐいと前に出てきて持ち前の火力で相手を粉砕。ロボちは中衛とは言ったけどみことアズキを守る役割だな。みこは持ち前の結界、防御フィールドを展開してバッファーのアズキを守る役割。しかもアズキが全員をバフで強化し、みこが展開する防御フィールドをより固くしてる。いい戦法だ」

「それ、五人の鉄板の戦法だぞ。攻略するのは難しいのに……」

「それをあっさり……?」

「さすがの龍神だな……」

 

五人の戦法をフブキとの二人で圧倒したと思うとカナの実力が凄まじいというのを再確認するハヤトたちである。

 

「そういえば、フレンから聞いたぞ。巨大な冷気のビームが放たれたのを見たって」

「あぁ、俺の魔力砲だな。そっか、二人ほど接近してると思ってたけどフレンとラミィだったのか」

「魔力砲ですって!?」

「うおっ。なに?ハヤト」

「カナさん!魔力砲を作っているのですか!?」

「俺の技の《冰気錬成》でだけど」

「詳しく見せてもらう事ってできますか!?」

「いいけど。《冰気錬成》」

 

ハヤトの凄すぎる勢いに押され、カナは《冰気錬成》を発動。

 

右手に一本の棒、いや、棍棒が生成され、左腕にも冰気が集まり、場違いなほどに機械的なモノが生成された。

 

「これがカナさんの魔力砲……」

 

左腕に生成されたモノをまじまじと見るハヤト。カナの左腕に生成されたモノは一言で言えば小型の砲塔だった。

 

「そう。これが俺の魔力砲《零式・雪月花》だ。魔力砲と言っても俺の冷気を収束して放つ砲台だけど」

「充分な魔力砲じゃねぇか。それとその棍棒は?」

「接近戦用の棍棒『冰賢フィロス』。これを振り回したり突きをしたりの攻撃を主とする武器。で、《零式・雪月花》はサブウェポンなんだよ」

「魔力砲がサブウェポン?メインじゃなくてか?」

「威力だけで言うならメインだけど、この武器の《冰気錬成》は『冰賢フィロス』がメインなんだよ。だけど、『冰賢フィロス』だけだと威力、まあ、火力だな。それが足りないんだ。手数で補う事はできても火力だけはどうしてもな。それで開発したのが……」

「この魔力砲って事ですか。カナさん!よろしければこの魔力砲の構造などを教えてくれませんか!」

「ん?なんでそんな事を?」

 

棍棒である『冰賢フィロス』。それは棍棒の通りに振り回したり突きの攻撃を行う武器である。しかも他の武器種と違ってこの『冰賢フィロス』は重量が一番軽い武器なのだ。だから振り回すのに適している。弱点としては軽すぎる故の威力の低さなのだが。だが、この『冰賢フィロス』にはある構造が埋め込まれている。

 

そして、カナが開発した魔力砲《零式・雪月花》。それはカナの冷気を収束、チャージし、チャージした冷気を砲口から放つ。威力はチャージした冷気の分だけ変わる。最大までチャージした冷気を放つと、特大なビームとなり、あらゆるモノを飲み込む冷気となる。しかもこの《零式・雪月花》には様々な機構が搭載されている。その説明はいずれ。

 

この《零式・雪月花》の構造をハヤトが真剣に聞いてきた事にカナは疑問に思った。そんな珍しいモノじゃないとカナ本人は思っているが。

 

「実はなカナ」

「魔力砲は完成されてないんだ」

「え?」

「正確には小型化した魔力砲が完成されてないんです。小型化した魔力砲の開発は進んでいるんですが、なにぶん構造が複雑でして。完成まであと一歩なんですけどねぇ」

「で、そこに単独で小型魔力砲を完成させている奴がいる。そうとくれば……」

「構造を知り、完成の道筋に繋がると?」

「そうです。カナさん、貴方がこの《零式・雪月花》の性能や構造を秘密にしたいのなら諦めます!」

「いいよ?」

「ですが、貴方には小型魔力砲を完成させた偉人として私たちに開発の手伝いを―――え?今なんて?」

「いいよって言ったよ」

「……………………え?」

「だから、《零式・雪月花》の構造を教えるって言ってるの」

「…………いいんですか?」

「むしろなんでダメだと?」

「いや、性能とか秘密にしたい事とかないのか?」

「仲間に手の内を隠す必要がどこに?」

「そうじゃなくてだなぁ……」

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「あ、ハヤトが壊れた」

 

てこずっていた小型魔力砲の完成に近づいた事でハッチャけたハヤトを落ち着かせるのに手間取りながらも後日に加賀美重工に赴く事が決まったカナであった。

 

「そういえば話を戻すけど、あんたさっき闇ギルドに変装したそらさんたちって言ってたけど、どういう事よ」

 

話が纏まった時にチャイカが聞いてきた。カナの言葉に引っ掛かりがあったようだ。

 

「言葉の通りだよ。フブキが言ってたけど、闇ギルドが基本にしてる服装?それを着てたんだよ、そらたちが」

 

どうやら指定されていた場所に向かったカナたちを待っていたのは闇ギルドの姿をしていたそらたちだったようだ。その事にチャイカはまたもや固まってしまった。カナは事の重大さをわかっておらず、呑気にサワーを飲んでいるが。

 

「そらさんたちが闇ギルドに洗脳されていたってわけじゃないんだよな?」

「洗脳?なんで?そらたちは変装してただけだぞ?果たし状を送ったのがそらたちだとバレないように変装してたそうだ。というよりなんで洗脳の話になる?」

「カナさん、闇ギルドの詳細は?」

「知らん」

「ならその反応は当然か」

「数十年独りで山籠りしてた世間知らずになにを求めてる」

「威張んな。世間知らずだと自負するなら世界の事を調べろよ」

「え、世界の事は少なからずみんなに聞いてきたけど」

「そのみんなって『ホロライブ』のみんなか?」

「いや違うけど」

「ん?じゃあ誰だよ?」

「ラヴィにテオさんやナナさん、ダオラさん、ラオじいちゃん、キリンの兄ちゃん、アマツさんとかいろいろ」

「ちょっと待て」

 

カナの口から出た数々の名前。それが本当ならカナはとんでもない存在から世界の事を聞かされている事になる。それを社築は思い、整理するために待ったをかけた。

 

「ラヴィって確かお前の中に宿る龍神のイヴェルカーナ様だったよな?」

「そだよ」

「他のは?」

「えっと、確か名前はテオ・テスカトルにナナ・テスカトリ、クシャルダオラ、ラオシャンロン、キリン、アマツマガツチだったっけ?」

「なんでとんでもない存在の龍神様たちから教わってんだよ!!」

 

世界に存在する龍神たちから教わっていたカナであった。あまりにもぶっ飛びすぎて社築がツッコミをするほどある。しかもあまりにのネームバリューに全員が目を見開いている。

 

「それはそれとして、闇ギルドってなに?」

「置いとくなよそんな重要な事を。まあ、説明するとだな」

 

闇ギルド。それはこの世界を自分たちの物にしようとしている存在。この世界《ホロノア・ユクモ》は龍神たちが秩序を保ち、世界を巡る、いわば世界の血脈といえる存在である『龍脈』も守る存在でもある龍神を倒そうとしている厄介な存在なのである。しかも過去には『龍脈』を暴走させ、一部の大陸を『龍脈の暴走』と言われる大災害を引き起こした犯人でもある。

 

その事をハヤトたちから教えてもらったカナ。

 

「なるほど……アレはそいつらが…………そうか……そういう事だったのか……そうかそうか……」

「お~い、カナ?」

「か、カナさん?」

 

説明が終わるとカナは俯きながらブツブツと呟き始め、龍神としてのオーラが強くなっていく。

 

すると―――

 

トス

 

「いて」

「チャイカさんの店でなにする気なのさ、カナ君は」

 

俯いていたカナの頭部に後ろから手刀を落とし、落ち着かせた存在がいた。その人物は―――

 

「あれ、フブキ?」

 

フブキだった。

 

「フブキさん?いつの間に?」

「ついさっきね。カナ君がここに行くって言ってたから白上も後で行くって話してたの。で、来たらなんかカナ君怒ってるし、何があったのさ」

「闇ギルドについて説明してたんだよ。そしたらこうなってな」

「闇ギルドの詳細で?……ねぇ、やしきず。闇ギルドがやった大災害の事話した?」

「話したけど、それが?」

「カナ君?」

「…………」

「その大災害の事で聞きたい事があるんだけど?」

「…………黙秘します」

「おい」

「…………いつか話す」

「…………」

「…………」

「……はぁ。わかった。いつか話してね」

「…………おう」

 

目を逸らすカナをしばし黙って見つめるフブキであったが、カナの言葉に渋々納得したのだった。

 

「ところで、もうそらたちは解放されたの?」

「え?」

「まだだよ。まだミオとあやめが主軸となってる」

「まだやってるのか。俺は別に気にしてないんだけどなぁ」

「カナ君は気にしてなくてもやり方に問題があったからね」

「待って何の話?」

 

カナとフブキの会話に着いていけず、葛葉が聞いてきた。そもそもなぜフブキはカナと一緒に店に来なかったのかという謎がある。

 

「そらちゃんたちを説教してるの。白上もさっきまで一緒に説教してたんだけど、気がすんだからここに来たんだ。だけど、まだミオとあやめが主軸となって『ホロライブ』のみんなが説教してる」

「おぉう……」

「ただカナ君と戦いが為に果たし状なんか書いて英ちゃんやのどかちゃんたちを困らせ、しかも闇ギルドに変装までしてきたんだよ?こっちは洗脳されたんじゃないかって気が気じゃなかったのに。蓋を開けてみればただの変装だし、そりゃ説教にもなるよ」

「まあ、そりゃそうか……」

「俺は気にしてないんだけどねぇ」

「軽すぎなのカナ君は!こりゃ白上が一緒にいないとダメだな」

「これからもって言ったのはフブキだろ?撤回する気か?」

「そんなつもりないわ!!チャイカさん!酒!!」

 

その後、フブキがやけ酒をするのだが彼女は酒が弱いのに飲みまくった。結果はそりゃもうべろんべろんに酔っぱらい、カナがおぶって空を飛びながらギルドの宿泊施設に帰ったのだった。

 

 

 

 

これで、果たし状というちょっとしたハプニングは幕を閉じたのだった。

 




お読みいただきありがとうございました。

まさかの0期生との戦闘でしたがカナは難なくクリアというね。けど戦闘シーンはナシ。ごめんなさい。
しかもなんかかなりキャラがぶっ壊れてるような気がしなくもないですが、これが普段という事で。

そして今回初登場した武装の『魔力砲』と魔力砲の《零式・雪月花》。冰賢フィロスはモンハンの操虫棍なのはお分かりかと思います。本来、操虫根の左腕には猟虫がいるのですが、思いきって猟虫を無くしてみました。その変わりである《零式・雪月花》です。そもそも『魔力砲』というのは自身が持つ魔力やこの世界の源である龍脈を収束して放つ砲台というありきたりな物です。『魔力砲』ナシで魔力を放てる人もいるけど、『魔力砲』があれば誰でも撃てます。
『魔力砲』は主に大型が多く、街を守護する為に設置されてたりするのが一般的です。が、それをハヤトが小型化を目指していたのですが、構造が複雑で難航していたのです。カナの《零式・雪月花》はそれを実現した『魔力砲』なのです。

と、少し長くなってしまいましたが、『魔力砲』と《零式・雪月花》の説明は一旦ここまでにします。他は本編で解説するかもしれません。

さてさて、話は変わりますが、ホロドリ、楽しいですね!!ミニホロメンが可愛すぎて、もう、ね!!(語彙力)
あ、これよろしければ

VNUUJQMC

私のプレイヤーIDです。フレンド登録いいよという方々、よろしくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ

それでは以上、レリでした!
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