一条煌めく希望の星   作:木工用

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星の子と芸術と安眠

 

 

 

 21:00

 

 

 ~Side 石井色葉~

 

 

 

 

「む~...最近いい絵が描けてないっすね~...!」

 

 

 びゅびゅびゅ~ん! ずばずばずば!

 どろどろどろ! びちゃ~ん!

 

 

 そんな! 絵が!

 描けてないんスよねぇ~!!

 

 ということであ~し、スーパースランプ突入中!

 基地に来た初めの頃はホントに右も左も新しいことばかりで、なんスかここはインスピレーションのバイキングビュッフェじゃないっスか!? って感じでそりゃ昼も夜もなく描きまくってたっス!

 でも、最近になって、基地内も大方知り尽くして、出撃も増えて、キャンサーもだいたい見慣れてきたもんで...人類にとっては絶対いいことなんでぃスが...

 

「うがががが...新鮮な...斬新な何かが欲しいっス...!」

 

 満たされなくて爆発しちまいそうっスよ!

 よし! こういうときは行動あるのみでぃス! れっつごー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 24:00

 

 

 

「何も...無かった...!」

 

 あれから、紙と鉛筆とバインダーを手に基地を歩き回ってみたんでぃスが...見慣れたものや既に描いたものしかない...!

 普段は人通りの多いこのカフェテリアの屋外ベンチ前。真っ暗な夜中、人通りも全く無くなって、日付も変わっちゃいまして...ぐぬぬ、今日のところは止めておくべきなんでぃスか...?

 

 

 

 ♪~~♪~♪♪~、♪~~

 

 

 

「ん?」

 

 何やらご機嫌な歌が後ろから?

 宿舎に向きかけた体を戻して、カフェテリアやアリーナのあるほうを見ると...!?

 

 

 

⭐️

 

 

 

「ぐああああ目がああああああ!?」

 

 

 

 こんな夜中にとんでもなく眩しい何かが!?

 目が開かないでぃす!?

 

「ん! こんばんは⭐️

 どうしたの? 両手で顔を守っちゃって。カッコいい曲が流れて踊り出しそうなポーズだね!」

「どうしたもこうしたも無いっす! 誰でぃスか!? 眩しいんでぃスよ!? 光らせないでほしいっス!」

「光らせる? 光なんてどこにも無いよ⭐️アハハッ!」

「あ゛~! これあーしにしかわからないやつなんスか!? 勘弁してほしいっス~!!」

 

 

 

 

 少女説明中...

 

 

 

 

「ごめんごめん♪ 気分良くって⭐️」

「いや、あーしの目が特殊なのも悪いっスから...」

 

 何とか説明が終わって、どうにかこうにか光を抑えてもらった。

 でもまだちょっと光ってて眩しいっス...()()()()()()()()()U()M()A()にしか見えないでぃス...ちょっと怖いっス...!

 

「色の見え方が違うんだ~。あたしのことってどう見えてるの?」

「いや...その...眩しくって見えないんでぃスよ...」

「ああそっか。ん~~...ん! なら!」

 

 声が明るくなった。

 光も明るくなった。

 しかも近づいてきた! 眩しっ...!?

 

「はいコレ!」

「コレが見えないでぃす!」

「じゃあ手を出して!」

 

 言われるがままに右手を開く。

 何か機械的なゴツイものが乗せられて、慌てて握る。

 

「ん...カメラっすか?」

「ん! ほら⭐️カモン!」

 

 手探りで何とか形状を理解する。

 なるほど。これでこの光るUMAっちを撮れと。

 

「...なんか、呪われたりしないっスか...?」

「どゆこと⭐️」

 

 あ゛~も゛~! あーし視点でUMAっちがいかに変な存在に見えるかわかってほしいっス!

 

「ええい! はい! チーズ!」

「イェイ⭐️」

 

 

 

パシャッ!

 

 

 

「...ん、撮れたっスか...?」

「カメラ見てみて⭐️」

 

 言われた通り、カメラの写真確認をしてみるっす。

 

「誰っスかこの美少女!?」

「あたしだよ!? 本当に見えてないんだ! アハハハッ!」

「見えないんスよ!? 何ならこの画像すらもちょっと光って見えるんスからね!?」

「あたしの光そんなに強いんかい!」

 

 あーしも流石に画像になっても光ってるひとは初めて見たっス!

 

「そりゃもう! ビガビガムキャピーンっスよ!」

「なんて?」

ビガビガムキャピーンっスよ! 何でわからないんでぃスか!?」

「わからないよ!」

 

 それなら、とあーしも持ってた筆記用具を取り出す。

 

「こうしてこうしてこうして...ぐぬぬぬぬぬ...!」

 

 鉛筆でこれを表現するのはめっちゃ大変っスけど!

 カメラ画面の小さい画像を見ながら、何とか描いてみせるっす...! シュッシュッシュッ...サラサラサラ...!

 

「できたっス! こんな感じっスよ!」

 

 即興でできあげた絵を、目の前の光るUMAの推定顔面部分に突きつける。

 

「...ブッ! アハハハハハハハ!! 何コレ!? ただのひとの形をした光るナニかじゃん!?」

「その通りなんスよ! 今もあーしの前で光るナニかがぐねぐね暴れてるっス!」

 

 我ながらなかなか上手く描けたでぃス!

 光るヒト型UMA!

 

「アハハハハッ!! こんなんが夜の基地を歩いてくるの怖すぎる...! アハハハハッ!!」

「やっとわかってもらえたっスか!? しかも最初は歌ってたっスからね!? 今思えばちょっとした身の危険っスよ! キャンサーより怖いっス!」

「キャンサー越えやめて...! お腹痛い...! これがあたし...! ひぃ...!」

「結構上手く描けたっスからね!? 写真と見比べてほしいっス! ほら! 上手いっスよね!?」

「ブッ...! やめて...! あたしには写真はただのあたしにしか見えないから...! 見比べると...! 絵とあたしがポーズ全く同じなの面白すぎて...! ひぃ! ひぃ!」

「ぐわあああ! また光が強くああああ!?」

 

 目を覆ってうずくまるあーしと、光るUMAのバケモノが一緒に大声で暴れるカオスの誕生...!

 これが宇宙...! コスモを感じるっスね...!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~! 笑っちゃった笑っちゃった!!」

「ぶ~...あーしからしたら全部見たまんまのことなんスからね?」

「ごめんて⭐️」

 

 結局、光るUMAっちが落ち着くのに5分かかったっス...

 目がチカチカするっすね...目が冴えまくりでぃス...

 

「にししっ⭐️

 ねねね! お名前、なんていうの?」

「ああ、言ってなかったっスね」

「言う暇無かったからね! アハハッ⭐️」

「本当っすよ...」

 

 いきなり光るナニかが歌いながら来た身にもなってほしいっス...名乗ってる場合じゃないっスから...

 

「あーしは、31Dの石井色葉っス。好きなように呼んでほしいっスね。

 月歌っちからのいろっち呼びとか結構好きでぃス~」

「石井色葉ちゃんね! じゃあいし―――ん~...」

「...悩まれても困るっス...」

 

 そこ悩むところなんスか? 目の前で悩まれると居心地悪いっスね...

 

「よし!

 ごめん! いっこお願い!」

「忙しいUMAっスね~...なんスか?」

「ちょっと、手を握らせてほしいんだ!」

「手っスか? まああーしの手なんかでよければ...」

 

 そう言って手を差し出す。今はあまり絵の具とかで汚れては無いはず...いや待て、こんな得体の知れないUMAに触られて大丈夫っスか!?

 

「やっぱちょっと待」

「えいっ!!!」

 

 引く前に、右手を握られちゃったっス!

 ヤベェっス、UFOかなんかに連れてかれるのでは...!

 

「うわ―――」

「うっ...! ぐっ...! がぁ...!」

「いだだだだ!?」

 

 想像以上の握力!?

 こんな力で握られるとは思わないじゃないっスか!? 痛い痛い!? 意外と物理的な身の危険!?

 でもなんでか、握ってるUMAっちのほうが辛そうな声してるっス!? なんで!?

 

「ふぅ...! ふぐぅ...!?」

「っ!? 光が...?」

 

 なんか光が弱まって来たっス!?

 さっき画像でようやく見れた姿が、しっかりとひとの姿になってあーしの手を握ってるっス!

 やっぱ顔がとても辛そうっスね...!

 

「よくわからないっスけど...頑張るっス! あーしは大丈夫っスから!」

「うっ...ありがとっ...! もうちょっと...!」

 

 手を通じて動悸がドクドクと伝わってくるっス! 本当に大丈夫っスか!? 倒れられると困るっスけど!?

 助けを呼べるようにどこの部隊の子かだけでも聞いておくべきだったっスか!? いやそもそもセラフ部隊の子かもわかんねぇっス!?

 

「ああもう! 信じてるっスからね!」

 

 ヤケになって任せることにしたっス!

 がんばるっスよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ありがと、もう()()()()()()()

「へ? ああ、良かったっスね?」

 

 ああ、なんかもう大丈夫みたいっス。なんだったんスか?

 

「復ッ活ッ⭐️おかげさまでもう平気だよ!」

「...なら良かったっスけど、心臓と手が持たないんで、今回だけにして欲しいっスね...」

「にししっ、まあ初回だけの会員登録料だって思ってくれ⭐️」

「知らぬ間に会員にされたっス!?」

 

 強制入会!?

 別のひとから日本伝統うんたらかんたらにサインを求められたのを思い出したっス!? あれは断れたけどこっちは強制っスか!?

 

「例えだよ例え⭐️お金払ってとか無いから⭐️」

「本当っスか? 信じていいんスね?」

 

 うさんくさい!

 しかもまーた眩しくて見づらいんスよ!

 

「うん! それじゃあ! ありがとね!」

「待ち待ち待ちぃ!? 待つっスよ!? 結局あなたは誰なんでぃスか!?」

 

 何もわからないままあーしを置いていなくならないで!?

 終始ペースを持ってかれたっス...!

 

「あ、ごめんて⭐️」

 

 ニコっと笑ったっぽい女の子。こんな経験は流石に初めてっス...!

 まあ、新鮮な体験をさせてもらえて、一つ新しい絵を描かせてくれたのは、感謝なんスけど...! この眩しいのどうにかならないっスかね...!

 

「ん゛ん゛っ。

 どうも! 一条煌めく流れ星⭐️31Kの日景綺羅(ひかげ きら)ちゃんです! キラちゃんって呼んでね色葉ちゃん! キャハハ⭐️」

「ぐわあああああ!? また眩しいっスーーー!?」

 

 目があああああああああ!?!?!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、目がやられて今晩の眠りが浅かった石井色葉っス...

 おのれキラキラのキラっち...! 絶対に忘れないっスよ...!

 

 

 

 

 

 

   ×   ×   ×   ×

 

 

 

 

 

 

 翌日 21:00

 

 

 

 

~Side 石井色葉~

 

 

 

「ふぅ~、やっぱお風呂は最高っスね!」

「そうですね~。みんなで仲良くぽかぽかですね~」

「あいー♪ 熱帯魚たちの気持ちがわかるさー♪」

 

 今日も任務が終わって、理沙っちとあいなっちとの風呂上がりっス!

 ただ、昨日あまり寝てないから...眠気が...

 

「ふわぁ~...」

「あらあら、色葉ちゃんはおねむですか?」

「ん...あーしたち、髪長いじゃないっスか?

 ドライヤーで乾かしてる内に、だんだん眠くなってこないっスか?」

「あるあるなのさー♪」

「うふふ♪ 今日は無理せず、早めに寝ましょうねー?

 色葉ちゃんも、芸術は大事ですけど、夜更かししたらダメですよー?」

「うぐっ...バレてるっス...」

 

 理沙っちのこの情報収集力は何なんスかね?

 有難いときばかりっスけど、ときどき怖いくらいに知られてるっス...!

 

「いろはちんは悪い子なのさー?」

「き、昨日はちょっと、いろいろあっテ...目が覚めちゃったと言いますカ...」

「何があったんですかー?」

 

 あー、これもしかしなくても逃がしてくれないっすね...

 

「ほら、いるじゃないっスカ。めっちゃビガビガムキャピーンって眩しい子が!」

「ビガビガムキャピーン...?」

「相変わらず、いろはちんの例えは独特さー」

 

 それはあいなっちには言われたくないっスけどね!

 えーっと、名前が...ビガビガの...キャピキャピの...キラキラの―――

 

「そうでぃス! 31Kの! 日景―――」

 

 

 

 ドドドドドドド!!

 

 

 

「キラちゃんでーす! 呼ばれて参⭐️上!」

「うわっ! ぐあっ! 眩しいでぃスー!」

 

 噂をすれば廊下の奥から光輝くUMAがあああああ!?

 眩しいいいいいい!?

 

「こらっ、ダメですよっ」

「んえっ?」

 

 ギュッ

 

 

「廊下は走らないようにっ、めっ、ですよっ」

「おー、理沙ちん必殺のバブみホールドさー♪」

 

 眩しさが収まったと思ったら、キラっちが理沙っちに抱き止められて、光が抑えられてるっス!

 

「あなたは、31Fの丸山ちゃんと一緒にいた...」

 

 助かったっス...理沙っちのあれを喰らったら、何人たりとも抜け出せなくなるっスから―――

 

 

 

 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」

「えっ!?」

「ん!?」

「なんなのさー!?」

 

 

 

 キラっちから絶叫が!?

 色も血みたいなのがズキズキギャギャギャ! って感じでおかしくなってるっす! あれは...拒絶? っすかね? トゲトゲしくて理沙っちに刺さりまくってるっす!

 

「...! ふぅ...大丈夫、ですよ~♪」

「う゛あ゛あ゛あ゛!? やめてぇ! はなしてぇ!」

「あわわわわ...!?」

「理沙ちん! 離してあげるさー! 釣り針に引っ掛かったお魚さんのようになってるさー!」

 

 流石に何か変っス! まずいっス!

 昨日キラっちと手を繋いだときの反応に似てなくもないっすけど、これは明らかにヤベェっすよ!

 

「...いいえ、大丈夫、です。大丈夫ですから」

「あ゛~! あ゛~! あ゛~! はなせえええ!」

 

 ついにはキラっちが暴れて理沙っちを叩いて! 蹴って! 頭突きして!

 

「...っ!...ふぅ~...!

 キラちゃん、大丈夫です。

 大丈夫...大丈夫...だいじょ~ぶ、ですよ~♪」

 

 でも、理沙っちが離さないっス。

 ママオーラをいつもの3倍くらいにして、絶対に離さないっス。

 

「う゛あ゛あ゛あ゛...はあ...! はあ...! はあ...!」

「おっ、落ち着いた...でぃスか?」

「はわわわ...!?」

「私に合わせて、ゆっくり呼吸してください。すぅ~......ふぅ~.........すぅ~......ふぅ~.........」

「はあ...! はあ...! はぁ~...! ふぅ~...! はぁ~......ふぅ......すぅ~......ふぅ~.........」

 

 ...キラっちの動きが、止まったっス。

 

「だっ、大丈夫っすか...二人とも...?」

「しーっ...」

「理沙ちん?」

「お静かに...♪ ほらっ...」

 

 

 ...すー......すー......

 

 

「...寝ちゃったんスね...」

「...なんだったのさー...?」

「ふふふっ♪」

 

 理沙っちの腕のなかで、安らかな寝息を立てるキラっち...

 何がなんだって感じっスけど...

 

「とりあえず、私たちのお部屋で休ませましょうね♪」

「...理沙ちんは本当に凄いさー...」

「凄いっすね...」

 

 とりあえず、理沙っちの伝説がまた一つ増えたっスね...!

 

 

 

 

 

 

    ×   ×   ×   ×

 

 

 

 

 22:30

 

 

 ~Side 室伏理沙~

 

 

 

「...ってことがあったんスよ、三郷っち」

「...で、あの状況が生まれたってわけか...」

「...とても安らかに眠ってますね...」

「ああ。同じ部屋にあたしがいるのがイヤになるくらいな」

「そんなことを言ったら、私もお外に行くべきでしょうか...はっ! ゴミは大人しくゴミ箱の中ですよね...! すみません...!」

 

 31Dのお部屋に戻り、ソファーにこのキラちゃんを寝かせて、お体に私のブランケットをかけて、頭は私のお膝に。

 ふふふっ、とても安らかに眠っていますね♪ いい子♪ いい子♪

 

「お前ら落ち着け...起こしてしまったらどうする...」

「すみません...喉を焼いてきます...」

「ヘッ、夢という希望に溢れた世界から、一瞬でこの絶望に満ちた世界に引き戻されるのもイイなァ...今度やってみるか...」

「うっ、二人の色がどんどん暗くなっていくっス...」

「やるな、止せ、お前らもう大人しく寝ておけ...」

 

 あいなちゃんはお魚さんたちのところに夜ご飯を与えに行きました。

 他のみんなは31Dのお部屋で、キラちゃんを見守ってくれています。

 三郷ちゃんのベッドの上の、一番端に固まって。

 

「ふふふっ、端にいても声は聞こえてきますよ~♪

 皆さん、しーっで、お願いしますね~♪」

「ば...はっ...! ふぅ、危なかった...」

「ば...うっ...呑まれかけたっす...」

「バ...ハッ! 危険です...」

「ば...がっ...! はぁ...自我を失いかけた...!」

 

 もー、お静かにって言っているのに。

 起こさないであげてくださいねー。ほら、こんなに安らかに眠っているんですから。

 

「ふふふっ...いい子、いい子...♪ だいじょ~ぶですからね~...♪」

「...うん...」

「ふふふっ...♪」

 

 優しく頭を撫でてあげると、気持ち良さそうに頭をお膝に埋めてくれます。

 可愛いですね~♪ いい子♪ いい子♪

 

「ママァ...!」

「ばぶぅ...!」

「ママァ...!」

「ば...ばぶぅ...」

 

「あらあら、ふふふっ♪」

 

 どうやら皆さんも気を楽にしてくれたみたいですね~♪

 いいんですよ~♪ 気を抜くときがあっても、休むときがあっても、いいんですよ~♪

 

「...ん...ん?...」

「あら、起きちゃいましたか...?」

 

 あら、お膝のキラちゃんから起きた気配が。

 

「おはようございます♪少しは楽になりましたか?」

「...あ~...あ゛!?...あれ...?」

 

 起きたキラちゃんが寝ぼけたり、叫んだり、戸惑っていますね。

 

「大丈夫ですよ~♪ ほらっ。だいじょ~ぶ♪」

え゛...あ~...そっか...」

 

 優しく頭を撫でてあげます。

 すると、ようやく事態がわかったようで、また安心して膝に頭を乗せてくれました。

 ふふっ、可愛いですね~♪

 

「...叩いたり蹴ったりしちゃって、本当にごめんなさい...痛かったよね...」

「ふふふっ、確かにちょっと痛かったですね~♪」

「ううっ...」

 

 ...最初に会ったとき、不用意に触れてしまったときの、あの反応。警戒と抵抗。

 かつて私がいたあの場所にも、似たような()はいました。

 その子に()()がしていたこと、とっさに真似をしてみましたけど...上手くいって良かったです。

 100点満点とは行かなくても、60点くらいは、貰えたでしょうか♪

 

「でも、大丈夫ですよ~♪ キラちゃんは怖かったんですもんね~♪

 私のほうこそ、急に抱きしめちゃってごめんなさい。怖がらせてしまいましたね~」

「...ええっと、あなたのお名前は?」

「私は、31Dの室伏理沙といいます。あなたはこの前、31Fの丸山ちゃんたちと一緒にいましたね」

 

 かわいい子達が集まっていて、微笑ましかったですね~♪

 

「うん、奏多ちゃんたちは大事な友達。

 ん゛ん゛っ。改めまして...あたしは一条煌めく流れ星⭐️31Kの日景綺羅(ひかげ きら)ちゃんです! キラちゃんって呼んでね! ()()()()()!」

「はうっ」

 

 ...あ...

 

「...理沙ちゃん?」

「はうっ」

「?」

 

「なんだ? 室伏の口から聞いたことのない声が出ているぞ?」

「...なんか、理沙っちの色が変わったっス。暖かな日差しの色から、甘い果物のような色に...?」

「...あ、言葉が普通に喋れるようになりました...!」

「はぁ~...あのまま言語を奪われて、ひととしての尊厳を失う絶望も悪くはないんだがなぁ」

 

 膝に置かれたままの頭にそっと手を乗せます。よしよし、よしよし。

 ブランケットも落ちないようにしっかり抑えましょうね。それはもうしっかりと。よしよし、よしよし。

 

「キラちゃん、理沙ちゃんって呼んでくださいね?」

「うんっ! 理沙ちゃん!」

「もう一回♪」

「理沙ちゃん⭐️」

「もう一回♪」

「理沙ちゃん♪」

「もう一回♪」

「...理沙ちゃん?」

「もう一回♪」

 

「...石井、室伏の様子がおかしくないか?」

「理沙っち...! 甘い果物の色だったのが、ドロドロしたゲル状のナニかに...!」

「何だか...怖いです...!」

「イイねぇ...! クるぜぇ...!」

 

 イイ子ですねぇ~♪ イイ子ですねぇ~♪

 よ~しよしよし♪ もっと甘えてくれていいんですよ~♪

 もっと、も~っと♪

 

「う、動けない...」

「キラちゃん、もう一回♪」

「理沙ちゃん...ひえぇ...」

「もう一回♪」

 

「り、理沙っち! キラっちもそろそろ帰らないとかもっスから! そのへんにするっスよ!」

 

 あらあら~♪ お邪魔したら...

 

 

「メ!」

「ぐわああああああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 ですよ、色葉ちゃん♪

 

 

「い、石井いいい!?」

「オーラで吹き飛ばされやがった!?」

「ひいいいいい!?」

 

「ふふふ...もう良い子はおねんねの時間ですからね~♪ 今日は一緒におねんねしましょうね~♪」

「ふぁ、ふぁい...!」

 

 キラちゃんが絶対に逃げないように落ちないようにベッドに運び、二人で仲良く夢の世界へ♪

 

「おやすみ、キラちゃん♪」

「お、お休み...理沙ちゃん...」

「ふふふ...もう一回♪」

「り、理沙ちゃん...⭐️」

「ふふふ...♪」

 

「ひええ...!」

「ひええ...!」

「ハハハ...!」

「...ぐふっ...」(吹き飛ばされベッドの上でそのまま寝ている)

 

「ただいま戻ったさー♪

 ...ええっと、また行ってくるさー!」

「逃げるな瑞原ぁ!」

「旅は道連れだ...一緒に地獄まで堕ちていこうぜ...!」

「い、一緒にいて下さい...!」

「...ぼへっ...」(吹き飛ばされベッドの上でそのまま寝ている)

 

 あらあら、あいなちゃんも皆も出ていってしまいましたか♪

 静かになりましたね、キラちゃん♪

 

「...すぴー...ふぅ...」

「...ふふっ...♪」

 

 ...また寝てくれましたか。

 もう震えも恐れも完全に無くなってくれましたね。

 

「いい子...いい子...♪」

「すぴぃ...おかあさん...」

「...ふふふ♪」

 

 ママと呼ばれるばかりの私を、しっかり理沙ちゃんって呼んでくれて、嬉しくなってしまいました。

 きっとこの子は、諦めずに戦っている強い子なのでしょう。

 そんながんばり屋さんな100点満点のこの子にどうか、家族に包まれるような温もりと安らぎを、今夜だけでも。

 

 おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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