~Side 朝倉可憐~
「テスト。疲れたけど、まあまあの結果で良かった」
勉強なんて久々にやった気分だけど、31Aの中で普通くらいではあって良かった。
いろいろあった学生時代だったけど、身に付いたこともあったんだ。
「アリーナで訓練か...」
カフェテリアで昼飯を済ませて、早速、アリーナに来た。
まだ誰もいない。一番に来ちゃったかな...
あ、ベンチがある。ここで待ってよっと。えーっと、スマホスマホ...間違えた、手帳手帳...でもこれスマホだよね...?
「体動かすのは気分がいいね⭐️ね? 朝倉ちゃん?」
「わっ、あ、日景、さん?」
後ろから話しかけられて、スマホを落としそうになった。いや手帳か。やっぱりスマホだよね...?
「イヤだなぁ、キラちゃんって呼んでね? キャハ⭐️」
「う、うん」
確か、31Kの日景綺羅さん。昨日の点呼のときに名前聞いておいてよかった。
にしてもこの子、初対面でもグイグイ来るタイプだ...ちょっと苦手だよぉ...
「き、キラちゃんもアリーナで戦闘訓練?」
「そうだよ! セラフ使ってきた! バババーンって撃てるから気分がいいね!」
片手で銃を撃つみたいに構えるキラちゃん。
「...銃のセラフなんだ。いいな、羨ましい。
私は鎌タイプのセラフなの。でもFPSとかやってるし、私が使うなら銃が良かったなぁって。変えてもらったりできないのかなぁ...
まあ、私じゃなくて、カレンちゃんのセラフなんだけどね」
私も銃を持って撃つみたいに構えてみる。FPSなら一人で10体くらい倒せてたし、自信あるんだけどな。
「ん? 私じゃなくてカレンちゃん? どゆこと? あなたは...ん...?」
「あ、ごめんごめん。
私、多重人格で、戦うときは私の中のカレンちゃんに戦ってもらうの。
セラフ部隊に選ばれたのも、ただの元ゲーム女子の私じゃなくて、カレンちゃんが目的だから。私自身だけじゃセラフ呼べないし、戦えないんだ」
うん。私がセラフを呼び出せて、そのセラフが銃なら、まだワンチャンあったかもだけど。
鎌でフロントで戦えってなるんなら、無力な私には無理かなって。
セラフも呼べないし、コードを唱えたらカレンちゃんに主導権を奪われる。そんな弱い私より、カレンちゃんのほうが向いているに違いない。軍は賢い。
私は最初から、カレンちゃんに任せたほうが良いに決まってるから...
「え? そうなの? ふーん。
別に、あなたが戦えない人には、あたしには見えないけどなー...?」
「えっ?」
自然に下がってた目線を上げて、キラちゃんの顔を見上げた。
キラちゃんは本心から言ってるみたいで、目を真ん丸にしていた。
「まあいいや⭐️それならそのカレンちゃんに頑張ってってよろしく伝えてね! はい、チーズ⭐️」
「えっ、あ、ピース?」
「いい写真をありがとう! 前線ではよろしくね!」
元気に走り去って行った。走るの速いなぁ。
...カレンちゃん、猟奇的殺人鬼だけど、よろしくされちゃっていいのかな...?
× × × ×
~Side ??~
「あっ...」
...走って行っちゃいました。
また、話しかけられませんでした。
気づいてないのかな、私のこと。
「...まだ今度、今度こそは、きっと...」