文書データ:ルカの傭兵活動ログ   作:上代わちき

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 2/12 一部文章刷新
 ……ついでに行数も調整したものの、こういうことをすると「ここすき」もずれてしまうのが悲しいところ。申し訳ございません。


ログ10「グリッド上層」

 

 

 

◆1「特攻兵器」

 

 グリッド上層部の情報を、独自に入手できた。

 中々に面白い内容だぜ。

 

 

 グリッド086の上層部は、その実RaDの縄張りではないそうだ。

 では誰の縄張りかといえば……驚くべきことに、惑星封鎖機構のものであるという。

 

 厳密には、惑星封鎖機構の無人兵器が屯しているそうだ。

 いくつかドーザーによる"肝試し"のデータを掘り出したが、まぁ結果はお察しだな。

 

 

 

 先述通り、ここには無人防衛兵器が屯している。

 俺が掴んだ情報では、そのうちの一種はイカや槍のような見た目をしているとのことだ。

 

 奴らは機雷を撒いたり、レーザーを放射したりする。

 だが一番特徴的なのは、奴ら自身が体当たりを仕掛けてくる点だ。

 所謂"特攻"だ。

 

 

 

 他の兵装も脅威だが、一番驚異的なのはこの特攻だろうな。

 何せACのFCSでは追いつかない速度で近づいてくるという評判だ。

 

 特攻の気配を感じたら、下手に撃ち落とそうとするより回避に専念した方がいい。

 もしくは、特攻されるより先に撃破してしまうことだな。

 

 

 

◆2「衛星砲」

 

 グリッド上層に蔓延る脅威は他にもある。

 衛星砲だ。

 

 この衛星からの狙撃は、かなりの威力であるという話だ。

 まともなACでも、一発耐えられたらいい方だろう。

 リペアがないなら、二発目は死ぬものと考えるべきだ。

 

 

 だから、もしグリッド上層のような衛星狙撃が予想されるポイントでは、天井を意識するべきだろう。

 天井の下に潜り込めば、ひとまずは衛星狙撃から逃げられる。

 まぁ大抵は先述の特攻兵器が待ち構えているが、適切に対処すれば狙撃を喰らうよりマシな筈だ。

 

 

 

 だが、どうしても天井に恵まれない……というシチュエーションも想定できるだろう。

 その場合は、いっそパルスアーマーでも持ち込んでしまうのも手だろうな。

 

 パルスアーマーは、OSTチップを用いる拡張機能の一つだ。

 こいつを展開すれば衛星狙撃を……まぁ一発ぐらいなら無効化できるかもな。

 

 

 OSTチップの入手には、オールマインドの「アリーナ」に参加してシミュレータ機体を撃破する必要がある。

 実績を積み重ねてさえいれば、相応にシミュレータ機体が揃っている筈だからここらで「アリーナ」を再確認してもいいかもな。

 

 撃破報酬のOSTチップは、あればあるほどACを強化できる。

 要確認だ。

 

 

 

◆3「シースパイダー」

 

 特攻兵器を処理して、衛星狙撃から逃れることができても、まだグリッド上層を彷徨う傭兵は安心できない。

 この辺りに、C兵器の存在が確認されている。

 

 

 IA-13:SEA SPIDER。

 通称「シースパイダー」と呼称されるこの無人兵器は、コーラルを動力に用いている特殊な代物だ。

 

 なんでも、半世紀前の「技研」の遺産だとか。

 技研の連中は研究に取り憑かれた狂人だという評判だから、そんな奴らの作品であるこれも真っ当ではないと予想できる。

 

 

 だからなのか、シースパイダーは攻撃にもコーラルを用いる。

 シースパイダーは蜘蛛のような姿をしているそうだが、その足にコーラルオシレーターを備えているという。

 要するに、脚部を用いた強力な"踏みつけ"が脅威であると推察できるわけだ。

 

 他にもコーラルガンやミサイルなんかもあるそうだが……とにかくこいつ相手に対しても空中戦を仕掛ける方が安全そうだ。

 さらには、シースパイダー自身も空中機動するための用意があるらしい。

 空中を浮かぶ奴を追いかけるという意味でも、地上に留まり続ける意味はないな。

 

 

 

 そういうわけで、グリッド上層を赴く際は空中戦を意識したアセンブリが必須だろう。

 腕で無理やり補うのもいいが、コーラルによる攻撃は被弾した時のリスクが他属性攻撃よりも大きいからな。

 

 それからバルテウスよりも強力な耐久性能もウリであるそうだ。

 スマートクリーナーと違って攻撃が通じない……なんてことはないようだが、まぁ長期戦は免れないだろうよ。

 

 

 

 まったくもって素晴らしい。

 命がいくつあっても足りやしない。

 

 

 

◆4「カーゴランチャー」

 

 グリッドはもともと輸送のための施設であるという。

 

 だから各地のグリッドに侵入すると、線路が張り巡らされている様子が見て取れる。

 当然、例のグリッド086だって例外じゃない。

 

 

 むしろ大陸間輸送用カーゴランチャーなんてもんがあることから、かつてはべリウス地方における物流の中心地であったと推察できる。

 ああまで大規模な代物は、そうそうあるものでもないしな。

 

 グリッド各地で見られるカーゴや数多のコンテナは、かつての物資輸送の名残でもあるのだろう。

 場所によっては、線路を行くカーゴの整備工場と思わしき区画も見受けられる。

 ものにもよるだろうが、カーゴ自体にもブースタがあったりするからな。

 

 昔の繁栄ぶりを窺い知れる。

 

 

 案外RaDは、そのカーゴやランチャー、グリッドの整備・管理を請け負っていた"運び屋"達の末裔だったりしたのかもな。

 

 

 

 まぁなんにせよ、それが企業勢力による"海越え"の助けとなるんだ。

 有人移動は他の手段で用いるだろうとはいえ、無人機を送って向こうの先行調査や拠点構築を成すというだけでも"一番乗り"の意味はきっと大きい。

 

 RaDの一件がひと段落したら、いよいよ中央氷原での仕事がはじまるだろう。

 

 

 




 観測データ:独立傭兵ルカについて3

 所属不明機から抜き取った観測データ。
 高度に暗号化され、何者かによって解除された形跡がある。
 ───────────────
 あの老兵を排除されたのは誤算でした。
 修正が必要です。

 例の探り屋については、しばらく泳がせておきましょう。
 計画の露見リスクはありますが、あの程度なら排除優先度は低い。
 文書データの観測も、当面は継続を。
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