文書データ:ルカの傭兵活動ログ   作:上代わちき

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ログ13「封鎖機構介入後の情勢2」

 

 

 

◆1「洋上都市」

 

 何件か仕事をこなしているが、いい具合だ。

 殺意も中々だが、稼ぎも相応となっている。

 

 おかげで一気に懐が暖かくなった。

 今度ストーブを新調してもいいかもな。

 

 

 こうやって余裕ができると、何かと視野が広がって意外なものが見えてくる。

 例えば……戦場のホットスポットとは異なる地点、とかな。

 

 

 

 洋上都市「ザイレム」。

 中央氷原付近にあるこの都市は、かつてルビコン調査技研が建造したって触れ込みだ。

 アイビスの火に飲み込まれたことで捨てられ、今やゴーストタウンと化している。

 

 だが軽く調べてみると、どうやらこの都市全域がECMフォグで欺瞞されているようだ。

 近づいたら何が飛び出すかわかったもんじゃない。

 だからなのか、企業もこの都市には手を出そうとしない。

 

 

 

 だが、俺にはわかる。

 ここにはとんでもない厄ネタが眠っているぜ。

 

 仕事がなくなったら、ルビコンを去る前にここを調査しようと思う。

 その際は先述のECMフォグが障害となるだろうな。

 

 

 

 外部との連絡ができなくなること。

 ロックオン距離に影響が出ること。

 そして何より、濃霧で視界に大きな制限がかかること。

 

 以上の三点には気を付けないとな。

 

 

 

◆2「サム・ドルマヤン」

 

 このところ、サム・ドルマヤンの目撃が相次いでいる。

 

 

 サム・ドルマヤンは、ルビコン解放戦線の帥父。

 歴戦の軍事指導者だ。

 

 つまり同組織のトップというわけだな。

 だから本来は、単独で各地を徘徊するなどあってはならないのだが……。

 

 

 

 一方で彼はコーラル神秘主義思想家としての顔を持つ。

 解放戦線そのものがどこかカルト的な色を持つのはそれが由来なのだろう。

 

 だがドルマヤンはさらに過激な思想の持ち主だそうで、組織を運営する"上層部"とは距離があるようだ。

 それどころか、解放戦線の一般の兵員とも軋轢が生じているらしい。

 

 

 俺が分析する限り、耄碌しているようには見えないんだがな……。

 組織とは別の、確固たる目的ありきの行動かもしれない。

 

 

 

 だが確実なのは、単独行動しているドルマヤンはかなりの脅威である点だ。

 

 

 ドルマヤンのAC「アストヒク」は、典型的なBAWS製ACだ。

 同メーカーのパーツは、近接戦闘に特化しているのが特徴である。

 

 その特性を十全に理解しているドルマヤンは、左手にパルスブレードを装備している。

 BAWSの腕部パーツとブースタで超強化されたパルスブレードは、高精度かつ必殺の威力を持つ。

 

 

 また地形を活かした戦術にも一家言あるようで、ナパーム弾ランチャーによる範囲炎上を用いた立ち回りは厄介の一言だそうだ。

 もし何かの間違いで遭遇することがあれば、可能な限り戦闘を避けるべきだろう。

 

 

 

 万一向こうから襲われたら、その時はEN兵装をお見舞いしてやるしかないだろうな。

 

 BAWS製フレームは耐EN防御に難がある。

 反撃を試みるなら、そこがヒントになる筈だ。

 

 

 

◆3「ドーザー達の情勢」

 

 ここ最近はべリウス地方の方でも情勢が動いている。

 とりわけ、ドーザー達の動きが興味深いな。

 

 どうやらドーザーも、惑星封鎖機構の実力行使でてんやわんやのようだ。

 例えば、RaDの場合は敵対勢力「ジャンカー・コヨーテス」による妨害工作がより盛んになって頭を悩ませているようだ。

 

 

 なんでもその「ジャンカー・コヨーテス」は、惑星封鎖機構の軍門に下ったという噂が出回っている。

 もしかしたら企業による海越え前で見られた、ジャンカー・コヨーテスと外部勢力の接触とは、この件の伏線だったのかもな。

 

 

 

 まぁそういうわけでRaDの方も反撃の動きを見せている。

 

 

 RaDは先日、大型ミサイルを拵えたようだ。

 自前でどうにかしたのか、それともどこかから仕入れたのかは判然としないが、まぁ穏やかじゃない。

 何せ、グリッドそのものを吹き飛ばせるようなシロモノらしいからな。

 

 その他、RaDの構成員が無人となったウォッチポイント・デルタに出入りしているという噂話も仕入れることができた。

 偶然その動きを見た傭兵仲間曰く、何やら下見でもしているような雰囲気だそうだ。

 

 

 

 いくらドーザーといえど、ジャンカー・コヨーテスも馬鹿じゃない。

 

 ここらで大規模な抗争に発展するだろうな。

 そしてその時は近い。

 

 

 ドーザー方面のツテがあるなら、金稼ぎのチャンスになるかもな。

 

 

 

◆4「HC」

 

 べリウス地方の情勢は混沌としているが、「壁」についての話題はさらに多い。

 

 「壁」はつい以前までアーキバスの占領下にあった。

 が、指揮官のスウィンバーン暗殺騒ぎがあったことで、また「壁」が落ちた。

 

 

 スウィンバーン暗殺は解放戦線によるもの。

 その目的は「壁」の奪還だったのだろうが、それは失敗に終わったようだ。

 

 スウィンバーン自身は表舞台から退場したものの、結局「壁」は惑星封鎖機構によって制圧された。

 

 

 

 現在「壁」は、惑星封鎖機構のものになっている。

 「壁」へ配備された戦力の中には、新型HC機体もあるって噂だ。

 

 HCとは、LCよりも優れた戦闘能力を有する人型兵器だそうだ。

 特に今回の機体は、化け物みたいに高火力なレーザーライフルを装備しているという話らしい。

 もし遭遇した場合のことを思うと、耐EN防御の数値には気を付けたいな。

 

 

 それから、パルスシールドの存在も驚異的と聞く。

 純粋に防御性能が高いというのもあるが、同機体はシールドバッシュを駆使するらしい。

 

 こういった装備に対しては、パルスガンが有効だ。

 惑星封鎖機構の機体は全体的にEN武器が効きにくいが、それでも検討の余地はあるだろう。

 

 

 

◆5「リング・フレディ」

 

 例の解放戦線だが、いやに「壁」に固執しているようだ。

 以前の「壁」付近に独立傭兵を潜伏させていたように、今現在も近くにリング・フレディを潜伏させているらしい。

 

 

 リング・フレディは、ルビコン解放戦線に参加するAC乗りの一人だ。

 驚くべきことに、あの帥父ドルマヤンの男娼であるらしい。

 

 だからなのか、他の同志達とは距離があるようだ。

 ドルマヤン自身が、他の同志達との不和を抱えているからだろうか。

 

 だから彼が動くということは、どちらかというとドルマヤンの刺客としての側面が大きいのかもしれない。

 となると、昨今での「壁」に対する固執とは、ドルマヤンによるものなのかもな。

 何か「壁」に、ドルマヤンの興味を引くものがあるのだろうか……?

 

 

 

 いずれにしろ「壁」付近で仕事をする場合は、引き続き解放戦線による横やりを想定しないといけないわけだ。

 

 

 

 他方でリング・フレディが操るAC「キャンドルリング」は、エルカノ製タンクAC。

 タンク特有の打たれ強さと、地上を爆走する機動力の両立が特徴だ。

 本職のタンクほど装甲はなく、そして空中機動力に難があるのが欠点だから、敵対時はそこを突くといいかもな。

 

 なおキャンドルリングが装備する兵装は、ハンドミサイルと二連装グレネードの組み合わせだ。

 特にグレネードは軽タンク特有の機動力を伴う使い方をしてくるそうだから、ここでも厄介の一言だな。

 もしキャンドルリングとの戦闘を見据えるのなら、耐爆発防御もキモとなるだろう。

 

 

 

◆6「カタフラクト」

 

 中央氷原で、また新たな特務機体の存在が確認された。

 今や傭兵界隈では大騒ぎだぜ。

 

 

 AAS02:CATAPHRACT。

 通称「カタフラクト」だ。

 

 カタフラクトの特徴は、やっぱりその馬鹿げた装甲だな。

 特に側面や後面からの攻撃は、殆ど遮断されると考えた方がいいだろう。

 そのくせ、地上での機動力はACの比じゃない。

 ACでいうところのタンク型の装甲と軽量型の機動力を併せ持つ、ACでは及ばない高性能機ってわけだ。

 

 武装もパワフルだ。

 ガトリングを備え、大量のミサイルを隠し持ち、そして恐ろしいレーザーキャノンを有する。

 特にレーザーキャノンは可変式であるらしく、とりわけ水平方向への拡散レーザーは回避が難しい。

 

 

 

 一方で、カタフラクトは人型MTをコアに組み込む構造だ。

 これは汎用性の獲得を目的とした構造らしいが、一方でこのコアMTが弱点となる。

 

 カタフラクトの設計は、正面からの被弾を想定していない。

 だから真正面から攻撃を叩きこめば、弱点となるコアMTを効果的に打撃できる。

 

 

 さらに、これはアンダーグラウンドからのタレコミなんだが、このコアMTはやや上方向からの攻撃耐性にも難があるらしい。

 先の拡散レーザーも空中を飛び回れば比較的回避しやすいそうだから、対カタフラクト戦は空中機動がキーとなるだろう。

 

 

 

 こちらの武器であるACの強みは、三次元機動にこそある。

 この強みは採用する脚部パーツなどによって消失することもあるが、だからこそアセンブルという概念がある。

 対カタフラクトを想定するなら、空中機動を意識したパーツを採用することだ。

 

 

 





 通信記録:独立傭兵について情報共有

 残骸から抜き取った通信記録。
 独立傭兵の間で行われた情報共有と思われる。
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 他の独立傭兵の動きだが、狩人は既に落ちたようだ。
 借金を繰り返す馬鹿は生死不明。
 解放戦線の紐付きも、だ。

 だが例の四人組はまだ健在だ。
 特にあの「壁越えの傭兵」の活躍は頭一つ飛びぬけている。

 例の探り屋だが、意外なことにまだ生きている。
 あの悪運がいつまで続くか、見ものだな。
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