文書データ:ルカの傭兵活動ログ   作:上代わちき

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ログ15「水面下の情勢」

 

 

 

◆1「オーネスト・ブルートゥ」

 

 企業は今、例のアイスワームを倒す作戦の準備に追われている。

 ベイラムもアーキバスも、今までの敵対を一時忘れて合同で動き出しているようだ。

 

 

 その輪の中には、あのRaDの姿もあるという。

 どうやらとびっきりの玩具を用いて売り込みをかけたようだ。

 

 だが、その玩具を持ち逃げした盗人がいる。

 

 

 

 オーネスト・ブルートゥ。

 ドーザー最大勢力「ジャンカー・コヨーテス」の頭目だ。

 

 もともとブルートゥはRaDの構成員であり、ドーザーらしからぬ紳士的な人格を有していたそうだ。

 故にRaD頭目のカーラに目をかけられていたそうだが、その本質は重度の虚言癖を備えた人格破綻者のそれであるらしい。

 最終的にブルートゥは、例の"玩具"を資金・技術と共に持ち逃げしたとのこと。

 

 

 

 その"玩具"は、惑星封鎖機構の怪物を倒すのに必要な代物だ。

 

 だがブルートゥが率いるジャンカー・コヨーテスは、惑星封鎖機構の手先となっている。

 であれば、同組織と敵対しているRaDに痛手を負わせたのは必然であっただろう。

 

 

 

 個人的な読みとしては、RaD構成員時代にどうしても看過できない何かがあって、それからRaDへの裏切りと惑星封鎖機構への渡りを決意したとみているが……断定まではできない。

 何せ"重度の虚言壁を備えた人格破綻者"だからな。

 

 

 

 なおブルートゥはAC乗りとしての側面も持つ。

 

 彼のAC「ミルクトゥース」は、RaD製のACだ。

 火炎放射器で相手の視界を潰し、ミサイルやバズーカで痛撃を与えてくる。

 チェーンソーは威力を重視した調整ではないため意外と火力は低いが、パイロットを精神的に責める拘束力は馬鹿にならない。

 

 

 

 また、噂が正しければブルートゥは悪辣な人物だ。

 

 おそらくRaDが"玩具"を取り戻そうと報復を試みることを、想定しているだろう。

 ならばブルートゥの根城には、恐ろしい罠が仕掛けられているに違いない。

 

 

 

◆2「ブランチ」

 

 昨今は壁越えの傭兵「レイヴン」の活躍が目覚ましい。

 ルビコンで何か大きな事件が会った時は、ほぼ必ずレイヴンが絡んでいると言っていい。

 

 だがレイヴンに調べてみると、少なくともその"名義"には色々曰くがついているようだ。

 

 

 

 「ブランチ」と呼ばれる集団がある。

 四人組のハクティビスト傭兵集団だそうだ。

 

 あのコーラル再湧出情報も、元をたどればこのブランチがリークしたものであるという。

 それを思えば、かなり重要な存在と言えるだろう。

 

 

 

 一方で、ブランチは固定メンバーがいない集団でもある。

 必要に応じてメンバーを入れ替えて、その匿名性と独立性を保つことが目的とのこと。

 

 その象徴ともいえる名義が、噂の「レイヴン」だそうだ。

 

 

 

 今活躍している「壁越えの傭兵」と、ブランチのレイヴン。

 両者は、もしかしたら別人なのかもしれない。

 

 だとするならば、今のレイヴンはおそらくその試練を乗り越えたのだろう。

 鴉の名は、それほどまでに重いものだって話だからな。

 

 

 

 ※追記

 

 ブランチのメンバーは、独立傭兵としての側面が強い。

 

 その内「キング」と「シャルトルーズ」は、高ランクの傭兵としても有名な強者だ。

 下手な企業所属のAC乗りよりも優れている。

 

 

 

 それぞれ四脚型とタンク型を乗りこなしており、時には協働で動くこともあるという。

 その時の二人は、恐ろしい脅威となる。

 なんせどちらも積載には余裕があるから、武器はパワフルなものを揃えているそうだ。

 グレネードや高出力のレーザーキャノンとかな。

 

 対処には、予め味方となる僚機の用意が必要になるだろう。

 最低でもMT部隊を味方につけておけば、多少は仕事がしやすい筈。

 味方が時間を稼いでくれる間に、どちらか一方を無理やり撃破に追い込むことが、勝利への鍵となる。

 

 

 もしこの二人との敵対が想定される場合は、依頼主と相談した方がいいだろうな。

 

 

 

◆3「旧時代のデータ」

 

 先日エンゲブレト坑道で事故が発生したという。

 コーラルが噴き出して、中にいた人員や兵器が全滅したとのこと。

 

 おかげで、現在は廃棄されたようだ。

 

 

 

 一方で、同施設はルビコン開発当時からの古い代物らしい。

 つまり歴が長い。

 

 調べてみれば、旧時代の貴重なデータが見つかるかもしれないな。

 

 

 

 また惑星封鎖機構の部隊が配備されていた経緯も考えると、同組織の機体データや通信ログなんかも手に入る可能性がある。

 SG機体や執行機体の設計図や、執行部隊の編制情報なんかがあれば、企業も高値で買い取ってくれる筈だ。

 もしかすれば、惑星封鎖機構への備えになるかもしれないな。

 

 

 だがまぁ、やはり本命はルビコン開発当時のデータだな。

 例えば噂の技研に絡んだログがあれば、とても興味深い情報を伺うことができるかもしれない。

 

 当時の教授の口述筆記なんかがあれば、案外アイビスの火の真実を知ることができるかもな。

 

 

 

 まぁ技研の生き残りに直接聞いた方が、より確実な情報を得られるのだろうが……。

 

 

 

◆4「コーラル輸送」

 

 先の作戦にて「ヨルゲン燃料基地」は、アーキバスの施設となった。

 だからか、最近になってコーラル輸送の動きが同施設で見受けられる。

 目的は、コーラルそのものの解析だろう。

 

 一方で、そんなアーキバスの動きを妨害しようとする動きもアンダーグラウンドで見受けられる。

 アーキバスの妨害となれば、ベイラムか解放戦線のどちらかが目論んでいることになるだろうな。

 もしかしたらここでも仕事に恵まれるかもしれない。

 

 

 アーキバスは、コーラルの輸送の際に大型ヘリを用いるようだ。

 このヘリは比較的EN属性への耐性が低いって噂だから、これを襲撃する際はレーザーライフルやプラズマミサイルが有効だろうと思われる。

 

 他方でコーラルなんて危険物を空輸する都合上、ヘリを撃破した際はコーラルによる爆発が予想できる。

 近接武器を用いてヘリを撃破することは避けた方がいいかもしれない。

 俺の予想が当たっていれば、爆発に巻き込まれて手痛い傷を負うことになるだろうからな。

 

 

 

 また、実際にコーラル輸送の妨害を認識した際、アーキバスは躍起になって少しでもコーラルを逃がそうとするだろう。

 各地のヘリを一斉に動かしたり、縦に広いエリアを利用して上下に広く展開した編成ルートも考えられる。

 

 これを襲撃するミッションでは、当然できるだけコーラルを逃がさないようにするという任務要項が設定されるだろう。

 だから、足を止めずに高出力攻撃ができる武器の検討は勿論、跳躍性能に優れる逆関節もしくは空中機動に優れる四脚パーツの採用も検討すべきかもしれん。

 

 

 そんな依頼が、本当に告示されたらの話だがな。

 

 

 

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