◆1「企業によるアイスワーム攻略」
いよいよ企業が大きく動き出す。
ベイラムとアーキバスによる合同の同時襲撃作戦だ。
目標は、いずれも惑星封鎖機構の拠点や強襲艦隊群となる。
だがやはり目玉となるトピックは、先般起動した「アイスワーム」の攻略だろう。
アイスワーム撃破については、ベイラム主導で作戦が展開されるそうだ。
逆にアーキバスは強襲艦隊を担当するそうだが、まぁこの辺りは割愛する。
特筆事項として、アイスワームの件には「壁越えの傭兵」やRaDも参加するという。
アイスワームには、多重コーラル防壁があるという。
そいつのせいで通常戦力では撃破が不可能だ。
だがそいつを攻略するってんなら、そのシールドをどうにかする算段がついたということだろう。
先の、RaDとジャンカー・コヨーテスの件もそれと無関係ではないだろうな。
ベイラムとレッドガン部隊。
アーキバスとヴェスパー部隊。
ドーザー勢力RaD。
そして「壁越えの傭兵」レイヴン。
錚々たる面々が、この作戦に従事している。
まさしく最大規模のお祭り騒ぎというわけだな。
◆2「オーバードレールキャノン」
アイスワーム攻略の際、キーとなると個人的に目しているのが「オーバードレールキャノン」だ。
以前のログにも記した、RaDの"玩具"さ。
こいつはもともと、元RaD構成員の裏切り者にしてジャンカー・コヨーテスの頭目になったオーネスト・ブルートゥが"持ち逃げ"したものだ。
だが先日、RaDによる作戦でオーネスト・ブルートゥは表舞台から退場した。
ブルートゥが隠し持っていたであろうオーバードレールキャノンも、RaDによって回収されたようだ。
こうして、この兵器はアイスワーム戦に持ち込まれる運びとなるだろう。
ただしこの手の兵装は、電力を食うものと相場が決まっている。
ましてや"オーバード"という名を冠するもので、アイスワームに対して用いるものだ……並の電力ではどうにもならないだろう。
だが、そうだな。
例えば、アーキバスが占領した「バートラム旧宇宙港」の待機電力でも回せば、どうにかなるかもしれない。
あれほどの巨大施設だ……まぁ検討する価値はあるだろう。
如何にアーキバスとて、単独ではどうにもならない。
俺の推測が当たっていたら、意外と本当に自社拠点をRaDに貸すかもな。
◆3「子機」
アイスワーム戦のキーとなる要素として、彼奴の子機の存在も挙げられる。
見つからないようハッキングして得た情報だ。
前提として、アイスワームは化け物だ。
物理やコーラルによる多重装甲は、大抵の攻撃を無力化してしまう。
そして何より、あの馬鹿げたサイズはそれだけで脅威となる。
こいつがただその辺を蠢いていくだけで、市街地の類は焦土と化すだろう。
サイズってのは、それだけでよい武器なんだ。
だがそのサイズは、転じて弱点にもなりえる。
なんせあれだけのデカブツだ……小回りなんて望むべくもないだろう。
ただ市街地や敵性部隊を蹂躙するだけならそれだけでも十分だが、例えばACのような高機動兵器が相手だと倒し損ねるようなこともありうる。
そこで、その弱点を補うのが「子機」の存在となるわけだ。
アイスワームとは別に子機が展開され、それぞれ別に攻めてくる。
そしてその子機は、アイスワーム本体とは違い精密射撃を得意とするに違いない。
これは先述したACのような兵器の使い手にとって、由々しき事態だ。
この情報が事実だった場合、アイスワーム戦においても大きな脅威となる。
考えられる対策としては、企業側も複数ACを出してしまうことだな。
アイスワーム本体を攻撃する役とは別に、子機の殲滅を担当する弾幕要員を用意してしまうんだ。
そうして役割分担をしていけば、少なくともこの子機の無力化ないし脅威度軽減ぐらいは可能となるだろう。
ベイラムにはレッドガン部隊、アーキバスにはヴェスパー部隊がいる。
印象深いところだと、G5イグアスやV.Ⅳラスティといった面々だな。
極限状況下で子機を撃破して本命をサポートするだけの力を持つパイロットは、確実に用意できる筈だ。
この状況は、まさしく最大のチャンスでもあるのさ。
◆4「アイスワーム戦後の情勢」
作戦は成功した。
企業による、惑星封鎖機構への同時襲撃作戦は悉く成功。
例のアイスワームもまた、「壁越えの傭兵」レイヴンとV.Ⅳラスティを中心としたメンバーが撃破したそうだ。
特にレイヴンについては「ワーム殺し」という異名までついているそうだ。
この一件により、惑星封鎖機構はルビコン星外への撤退を決めた。
ここまでやられると、流石に戦力を維持できないってわけだな。
その決定打はやはりアイスワーム撃破だが、一方でアーキバスは強襲艦などの兵器を多数鹵獲したというニュースもある。
封鎖機構の戦力が、そのままアーキバスの戦力に取り込まれる構図ともいえるな。
こうして惑星封鎖機構は表舞台から退場したわけだ。
そして同時に、封鎖機構の技術を取り込んだアーキバスはより大きな影響力を有するようになったのさ。
惑星封鎖機構が消えたことで、ベイラムとアーキバスによる一時休戦協定は消えた。
ここからはまたベイラムとアーキバスによるコーラル争奪戦が再燃することだろう。
そして、おそらくその趨勢はもう決まっている。
戦場のホットスポットは、もう地上から消え失せた。
アイスワームが護っていたという地下施設「ウォッチポイント・アルファ」の探査が、今度の戦場となる。
だがその探査に、独立傭兵の出番は殆どなさそうだ。
なんせレッドガンとヴェスパーが、探査の主役になるそうだからな。
流石に「ワーム殺し」ほどの実績があったり、企業暗部に繋がっていたりしたならその限りではないだろうが、まぁ俺はここまでだろう。
だが、幸い先の件で金を稼ぐことはできた。
当面の食い扶持はおろか、しばらくは遊んで暮らせるだけの貯蓄は築けた計算だ。
ここからは、友人関係やハッキングを用いた情報収集に徹することにしよう。
少しぐらいなら地下の情報を得ることができるかもしれない。
ザイレムを調査してルビコンを出るのは、その後だな。
せっかくのルビコン旅行だ。
土産は多い方がいい。
観測データ:独立傭兵ルカについて4
所属不明機から抜き取った観測データ。
高度に暗号化され、何者かによって解除された形跡がある。
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封鎖機構の撤退で情勢は落ち着いたようですが、例の探り屋はまだルビコンを去るつもりはないようです。
ならばお望み通り、改めて我々へ取り込むことにしましょう。
仕事に飢えている他の独立傭兵へ依頼を出すのです。
同じ独立傭兵とでも自称すれば、彼らは納得するでしょう。
詮索屋が目障りなのは、どの勢力も同じです。