文書データ:ルカの傭兵活動ログ   作:上代わちき

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ログ17「地中探査」

 

 

 

◆1「ウォッチポイント・アルファ」

 

 戦場のホットスポットは、地下に移った。

 その場所の名は「ウォッチポイント・アルファ」だ。

 

 

 ウォッチポイント・アルファは、もともと人が出入りすることを想定していた施設と思われる。

 少なくとも俺が見聞きした限りはそのような痕跡が多数見受けられる。

 

 そういうわけで、入り口となる縦穴区画には大きなリフトが設置されているようだ。

 従来なら、このリフトを用いて地下空間と地上を行き来するのだろうな。

 

 

 そしておそらく、企業もこのリフトを用いて探査に踏み切る筈だ。

 なんせこの施設の先に、企業が喉から手が出る程に欲したコーラルがある筈だからな。

 使えるものは何でも使うだろう。

 

 

 

 ただし、現在のウォッチポイント・アルファには惑星封鎖機構の"置き土産"があるようだ。

 所謂「自立防衛兵器」の類らしい。

 

 それはパルスブレードやレーザーライフルなどを装備した無人MTであったりするそうだな。

 例の縦穴区画にも、隠れ潜んでいるに違いない。

 場合によっては、上述のリフトもまともに使えないよう"細工"されているかもな。

 実際の探査では、俺以上にハッキングに優れたオペレーターが必要となるだろう。

 

 

 

 だがそれよりも注意すべきは、複合エネルギー砲台「ネペンテス」だ。

 

 

 

◆2「ネペンテス」

 

 複合エネルギー砲台「ネペンテス」。

 ウォッチポイント・アルファの入り口となる縦穴区画に設置された砲台だ。

 地中探査を行う企業にとっては、一番最初の大きな障害となるだろう。

 

 

 現地のカメラをハッキングして観測した限り、縦穴区画の一番下からレーザーを連射している。

 かなりの高精度・高威力のようで、MTはおろかACでも耐えられるようなものではなさそうだ。

 

 無理くり抜き取った設計図を見る限り、ネペンテスにはさらにプラズマミサイルを発射する用意があるらしい。

 映像では確認できなかったが、ネペンテスに近づいたらさらに強烈なEN弾幕を張られる可能性がある。

 

 

 現地では「耐EN防御」がカギとなるだろう。

 一発でもレーザーを耐えられるようになれば、回避やリペアキット使用の猶予を得られるだろうからな。

 

 その他、拡張機能のパルスアーマーや、左肩専用装備であるパルスシールドなんかも有効かもしれん。

 

 

 

 だが、どちらかというと地形を遮蔽物として利用する方が確実かもしれないな。

 

 それから、この手の兵器は一番下にまでたどり着けばどうにでもなると相場が決まっている。

 懐に潜り込めば、そのまま破壊してしまうのがいいだろう。

 

 

 

◆3「ベイラムの動向」

 

 現在地中探査を行う勢力は三つ。

 

 

 一つはアーキバス・コーポレーション。

 言わずと知れた、EN系企業だな。

 

 彼らは比較的慎重に動いていて、探査の進行も緩やかだ。

 だがそれだけに、確実に成果をあげているらしい。

 

 

 

 二つ目の勢力は、ルビコン解放戦線。

 ここ最近は息をひそめていたが、ここに来て何か暗躍している。

 

 ただし、今のルビコンはアーキバスによる影響力が強く、解放戦線に大規模な作戦を展開する余裕はない。

 おそらくは少数で何か工作を試みているようだが……まぁ詳しくは別のログにまとめよう。

 

 

 

 三つ目は、ベイラム・インダストリー。

 実弾系パーツをウリとする企業だ。

 

 奴らはアーキバスとは対照的に、真っ先に動き出した。

 部隊を地中へ派遣して、そしてその半数が「ネペンテス」によって焼き尽くされたそうだ。

 

 ベイラムは勢いがあるが、それだけに被害も大きい。

 多くの戦力が散り散りとなっているようだ。

 

 

 

 例えば「G5イグアス」辺りなんかは、部隊から離れて生死不明となっているようだ。

 奴のAC「ヘッドブリンガー」は、リニアライフルとマシンガンを組み合わせた近距離射撃型だ。

 ウォッチポイント・アルファのような閉所空間では、まぁそれなりの脅威となるだろう。 

 

 もしかしたらまだどこかに潜んでいて、アーキバスの手勢とばったり会って殺し合い……なんてこともありうるかもしれん。

 ただし、イグアスのACは耐EN防御に比較的難のあるフレームを用いているそうだから"単体ならば"アーキバスにとって大した敵じゃないだろう。

 

 

 

◆4「エンフォーサー」

 

 縦穴区画の先には、物資輸送用の線路が張り巡らされたエリアが広がっているようだ。

 その性質上、かなり横に広い。

 

 このエリアには先行突入したベイラムの戦力が散り散りとなって潜んでいるだろうが、それ以上に封鎖機構の"置き土産"の方が脅威だろうな。

 

 

 

 とりわけこのエリアにおける脅威と目されるのが、「エンフォーサー」と呼ばれる兵器だろう。

 

 

 

 エンフォーサーは大型の無人機だ。

 

 通常時は地形を飛び回りながらレーザーをまき散らす。

 この時の機動力は、通常ACでは捉えきれるものではなさそうだ。

 故に、各所を飛び回りながらレーザー狙撃を試みてくるだろうな。

 

 

 こいつを撃破する鍵となるのは、もう一つの形態だろう。

 所謂「強制執行モード」と呼称されるこの形態では、一気に機動力が落ちるようだ。

 だがその分、レーザー兵器を"複合可変式"の兵器として使いこなすらしい。

 

 ただレーザーを垂れ流すだけだったのが、レーザーキャノンとレーザーパイルを使い分けたりするらしい。

 さらにパルスガンも装備しているようで、実際に対峙するAC乗りにとってかなり分の悪い戦いになるだろうな。

 それでも、高機動で逃げ回られるよりは対処しやすい筈だ。

 

 

 

 だが、これほどの脅威が遺されているということは、それだけこの施設の重要性を示唆するものでもある。

 やはり集積コーラルは、この地下にあるのだろうな。

 

 

 

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