◆1「G4ヴォルタ」
情勢が一気に動いた。
まず先に動きを見せたのはレッドガン。
総長ミシガンが率いる、ベイラムグループ専属AC部隊だ。
彼らはまず「ガリア多重ダム」を叩いた。
ダムは解放戦線のライフラインを担う施設で、そこにいくらかの被害を叩きつけてやったようだ。
情報が錯綜しているから、作戦が成功に終わったのか失敗に終わったかまでは特定できなかったがな。
だが作戦の成否はどうであれ、ダムの一件は慣らしでしかない。
レッドガンの本命は、解放戦線の要塞「壁」だ。
ダムの作戦が終わり次第、レッドガンはすぐ「壁」の攻略を試みた。
この辺りで最も前線で中心的に活動していたのは「G4ヴォルタ」のようだ。
レッドガンの四番手であるヴォルタは、ガチガチのタンクACを駆る。
並のACの比にもならない装甲を持ち、そしてタンク特有の積載に任せた高火力兵装をウリとするようだ。
機体名は「キャノンヘッド」。
その馬鹿げた装甲と火力を用いて、ダムと「壁」に突撃して大暴れしたそうだな。
特にダムの時は悪友たる「G5イグアス」や「G13」なるAC乗りと共に三人でダム攻略を図ったそうだから、よほど大規模で騒がしい戦場になったことだろう。
しかし、ヴォルタは「壁」攻略の際に墜ちたらしい。
仮にも企業戦力の一角を担う優れたAC乗りであるにもかかわらず、な。
「壁」の脅威性がよくわかるな。
◆2「V.Ⅳラスティ」
「壁」についてはアーキバスも動きを見せている。
アーキバスグループ強化人間部隊「ヴェスパー」。
彼らもまた「壁」の攻略に着手するつもりのようだ。
俺が掴んだ情報によると、今回は第四隊長が出るようだ。
V.Ⅳラスティ。
アーキバスグループ傘下であるシュナイダー社の、人材公募プログラムで見出されたAC乗りだ。
恐ろしいことに、半年に満たない短期でヴェスパー上位に抜擢されたという経緯の持ち主らしい。
機体は「スティールヘイズ」。
経歴の通り、シュナイダー製フレームが特徴の軽量二脚AC。
武装や内装の一部に、"中立企業"であるBAWSのパーツを用いているのも印象深い。
シュナイダーとBAWSのパーツの組み合わせは、中々に相性がいいそうだからな。
その他、VCPL製の兵装も好んでいることがわかっている。
レーザースライサーやプラズマミサイルなんかだな。
これらEN兵装は、「壁」に配備されているジャガーノートなどにはよく効くことだろう。
それから。
頭上からのグレネード狙撃回避や、肉薄した際のジャガーノート戦において、シュナイダー製特有の機動力は有利に働くことが予想される。
なんせ「壁」のジャガーノートは、正面装甲の堅さもウリだからな。
ジャガーノートの撃破を狙う場合、装甲のない後ろに回り込む必要がある。
ラスティの用いる軽量二脚ACは、「壁」やジャガーノート攻略のヒントになるかもな。
◆3「リトル・ツィイー」
俺の読み通り「壁」は落ちた。
おかげで、さらに情勢が動いた。
いくつか動きがあるが、今回取り上げるのはベイラムによる解放戦線人員の拘束。
および、解放戦線による捕虜の救出だな。
どうやらアーキバスによる「壁越え」のどさくさで、解放戦線もパニックになっているようだ。
そこをベイラムグループが捕虜としたらしい。
だがその後、解放戦線が捕虜を救出したそうだ。
捕虜となった者達についての情報は錯綜している。
中にはルビコン解放戦線の帥父も捕らえられていたそうだが……流石にこの辺りは個人的に鵜呑みにできない。
まさか一人で徘徊していたわけでもあるまいし、そのような重要人物が簡単に捕虜になるとは考えにくいな。
だが、同じく解放戦線に参加する戦士「リトル・ツィイー」については比較的精度が高い。
彼女はBAWS製AC「ユエユー」に搭乗するAC乗りで、「壁」がらみの激動する情勢の中、戦場で戦っていたとしてもおかしくない。
同機体はメリニット製グレネードの装備が確認されていて、アセンブリの完成度はともかく、純粋な火力だけならそれなりのものを叩きだす戦士だ。
そして何より、解放戦線内では妹分として可愛がられているようだ。
解放戦線が捕虜救出のための戦力を出す動機としては、それなりのものとみていい。
察するに、士気向上にうってつけの人材だろうからな。
また、先述した通りリトル・ツィイーもまたれっきとした戦士だ。
救出されたことで、また戦場に舞い戻ってくることも考えられる。
もし企業の仕事の時に遭遇した場合は、自身の安全を確保するために撃破しておくべきだ。
解放戦線からすれば、俺達独立傭兵の存在は「侵略の加担」とみられる場合が多い。
話し合いは通じないだろう。
◆4「G2ナイル」
今回の件で、企業の大物にも動きがあったようだ。
G2ナイル。
ベイラムグループ専属AC部隊レッドガンの副長。
レッドガン総長ミシガンの参謀とでも言うべき存在だな。
ルビコンに派遣されている、ベイラム陣営の人物としてはトップクラスの地位にいると言っていい。
そんなナイルだが、解放戦線による捕虜救出の際は、ベイラム陣営として前線に出たそうだ。
その時使っていたというAC「ディープダウン」は、ミサイル兵装をふんだんに積んだ重量二脚型だったって話だ。
ミサイルによる中距離・長距離攻撃は、地味ながらいやらしい火力性能を誇る。
遠くからのミサイル引き撃ちに徹された場合、ランク上位の名に恥じない実力を発揮してくるだろうな。
こういう手合いを相手取る場合、できるだけ近づいてしまうのが鉄則だ。
察するに解放戦線側もそうしたんだろうな。
捕虜救出の際、解放戦線はACを救出ヘリの護衛として用いたという情報がある。
名のある独立傭兵でも雇ったのか、それとも自分達で何とかしたのかはわからんが、いずれにしろそれなりにうまくやったようだ。
解放戦線による捕虜救出作戦は、解放戦線の勝利で終わった。
捕虜救出は一定以上成功し、そしてベイラムのG2ナイルは生死不明となったそうだ。
この情報が正しい場合、今回の件でレッドガンは大きな痛手を負ったことになる。
今のところは、アーキバスの一人勝ちのようだな。
今回の前半二つは、壁越えミッションで拾えるログのイメージで。
後半二つはその直後の「戦闘ログ回収」で拾えるログのイメージで描いてみました。
実はヴォルタやラスティについて記述している時は、これからアーキバスによる「壁越え」がはじまる……! って感じの時系列になっています。
一方リトル・ツィイーやナイルさんについての記述は、「捕虜救出」→「戦闘ログ回収」の間のイメージ。
これらログは621=プレイヤーも、謎の不明機体の残骸経由で入手・閲覧してるイメージ。
なのでメタ的には、ラスティの記述は「壁」攻略のヒントテキスト、後半二つは一周目621に対する二週目ミッションの示唆にもなるイメージです。
以下、アーカイブ風のおまけ。
通信記録:独立傭兵ルカについての情報共有
残骸から抜き取った通信記録。
独立傭兵の間で行われた情報共有と思われる。
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例の探り屋、ただの独立傭兵にしては生き残っているようだ。
ホットスポットが汚染市街から移ってもうまくやっている。
だが、評判の通り好奇心が強すぎる。
先は永くないだろう。
詮索屋は嫌われる。
このような業界なら、猶更だ。