【目指せ】Stellarisで生き抜くスレ【大日本宇宙帝国】   作:ヒャル

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カウホルスを出したあたりでお気に入り登録が増えた感じがあるので、需要あるのかなとカウホルスの話がひと段落したところで予約投稿の間に小説形式の話をねじ込みました
興味のない方はまた明日から掲示板形式の続きが始まりますので、今日のところは読み飛ばしていただければ

感想をくれた牛娘推しの方が喜んでいただければ幸いです


あるカウホルスの回想

 私はしがないカウホルスの女です。

 平凡な農村に生まれ、農作業に追われて学を得ることもなく育ち、同年代の女たちと同じ男を夫とし、子を産みました。

 

 私が住む村の土地は豊かでしたが、生活は豊かではありませんでした。

 この地の税はとても重いのです。小麦なんてぜいたく品は貴族や聖職者の口にしか入らず、私たち平民が食べるのはいつも粗末な黒パンと、税としての価値もないようなクズ野菜たち。

 凶作の時にはライ麦すら持っていかれてしまい、大麦に麦を製粉した時に出る糠などを混ぜて作った粗悪なパンで飢えを凌ぐこともありました。

 

 これといった娯楽も希望もなく、ただ毎日働き、死んでいく。そんな人生は嫌だと誰もが心の中で思っていましたが、それを表に出すことは社会が許しません。

 貴族の妾になって良い生活を手に入れるんだと都会に出ていく若者もいましたが…大抵は都会に喰い尽くされて野垂れ死ぬのが決まった結末でした。

 

 

 諦観を抱えながら娘の成長だけを楽しみに生きる私が“普通”から外れたのは、夫の急死が始まりだったでしょうか。

 

 ある日、崖から落ちてあっけなく死んでしまった夫。突然の悲劇に悲しむ暇もなく、同じ夫を失った女たちと支え合いながら女手一つで必死に娘を育てていましたが…私にたった一つ残された娘が、病に倒れたのです。

 

 それはただの風邪などではありませんでした。村の知恵袋として頼りにされていた老婆が匙を投げるほどの病。私は村の皆に必死に頭を下げて回ってお金を借り、街の薬屋に行きましたが…そこで待っていたのは、娘を癒す為の薬は平民がかき集めた程度のお金では買えないという残酷な現実でした。

 

 失意と共に村に帰った私にできることは、もはや祈ることだけでした。

 どうか、私の娘をお助け下さいと。……そんな祈りが叶うことなど無いと、これまでの人生から理解していてもそれしか縋るものがなかったのです。

 

 しかし……本当に奇跡が起こったのです。

 

 

 ある日、天より――いえ、宇宙と言うのでしたね――巨大なフネたちが現れ、そこから降り立った兵士が王侯自慢の騎士たちをあっという間に打ち破り、この大地を制圧してしまったのです。

 そして、その兵士たちが私たちの村を訪れた時…何の価値もない小娘に過ぎない私の娘に、薬を与えてくださいました。

 娘はあっという間に回復して目を覚まし、私たちは人目もはばからずに大泣きして抱き合って喜びました。そして、兵士たちはその様子に微笑むと、そのまま去って行ったのです――何の対価を求めることもなく。

 

 

 勿論、突然現れた来訪者を恐れる者もいましたが…彼らは略奪をするでもなく、むしろ保存食を初めとする物資を配って回っていたので恐怖は困惑へと変わっていきました。

 そして、皆が目を白黒させている間に片言の私たちの言葉を話すようになった兵士たちによって私たちは巨大な施設に集められ、教育が始まりました。

 

 教育といっても、恐ろしいものでもなければ過酷なものでもありません。来訪者たち…日本人の使う言語やその文化についての教育から始まり、成績が悪ければ罰を受けるということもありません。

 むしろ、村にいた頃とは別次元の食事や衣服、寝床を与えられ…いつまでもここにいたいと思ったものでした。

 娘のような子供ならば勉強は午前中だけで、午後はボールなどの遊具を与えられて大広場で遊び…時には漫画を与えられていました。娘たちは漫画を読む為に、一生懸命日本語を勉強していたと聞きます。

 ボールを手に駆け回るあの子の笑顔は…子供であろうと労働に追われていた村では、とても見られないほどに輝いていました。

 

 どうして、あの方たちはこれほどまでに私たちに施しをくださるのでしょう?

 私たちにとって、王侯貴族に勝るような待遇が彼らにとってそれほどに特別ではないとしても、その扱いに自分たちが報いられるとは、とても思えなかったのです。

 

 

 日本語をある程度身に付けた時、私はそのことを正直に問いかけました。

 日本人の先生に、何故私たちにこれほどに与えてくださるのですか、と。

 

「…民と国の関係は御恩と奉公です。民は国家に忠誠を誓い義務を果たすが、国家はその代わりに民の生活を守らねばならない」

 

 先生の答えは簡潔でした。

 私たちは日本の臣民となった。国家に忠誠を誓い義務を果たす限り、国家は臣民がヒトとして生きられるように支え手を差し伸べるのだと。

 

「…そろそろ配布を始めるつもりでしたし、貴女に見せてしまっても構いませんか」

 

 先生は倉庫として使われている一室を見せてくださいました。

 そこにあったのは、この地の王侯貴族たちでも持っていなかったような衣類や装飾品、嗜好品などの山、山、山。

 

「これらは貧しい生活を強いられていたカウホルスの人々を思って、日本の上流階級の方々が支援として送ってくださったものや支援金で購入したものです。これらは順次、貴女方に配られます」

「大日本帝国連邦へようこそ。我が帝国は、新たな同胞を歓迎いたします」

 

 私は、その場で泣き崩れてしまいました。

 私たちにとって国とは、統治者とは、ただ威張り散らし税としてあらゆる物を持ち去っていくだけの存在でした。村の皆と支え合いながらそれに耐えるしかないのだと思っていました。

 しかし、私たちの新たな国は…大日本帝国連邦は、私たちを使い潰すだけの道具や勝手に数が増える虫けらではなく、ヒトとして扱ってくれている。その幸せを願ってくれている。

 

 私の人生に祝福が与えられたような…そんな想いがしたのです。

 

 

 その後、私は熱心に日本語や日本の文化、使用人としての教養などを学び…一刻も早く帝国に貢献したいと、多くのカウホルス人とは異なり短期コースで教育施設を出ました。

 そして、法務執行官として赴任して来られた日本人の男性に召使として仕え……大きな娘がいる身としては恥ずかしいですが、お手が付き妾として迎え入れていただきました。

 邪魔な連れ子であろう娘のことも、本当の娘のように可愛がっていただいて…娘もすっかり懐いて、大人になったら親子で旦那様に仕えるのだと言っています。

 

 

 訳知り顔でカウホルス人は日本に侵略された被害者だ、奴隷に落とされ苦難の道を歩まされている哀れな人々だ、と語る人が他の帝国にいるとは聞き及んでいます。

 しかし、私は日本の方々が現れてからずっと幸せでしたし、これからも幸せであり続けると確信しています。

 

 皆思っているはずです。我々カウホルスの行く道は…大日本帝国連邦と共に歩む道しかないのだと。

 

 

 

「…このようなもので、宜しいでしょうか」

 

「…大丈夫だと思う。細かい粗については、向こうで推敲してくれるだろうし」

 

 私は自分で書いた拙い文章を旦那様に見ていただいています。

 帝国の報道機関が一般のカウホルス人の声を載せたがっている…自分の書いた文章が帝国の人々の目に映るという重責に押し潰されそうですが、他ならぬ旦那様のお願いとあらば断わるわけにはいきません。

 

「無理を聞いてくれてありがとうな。お礼になんでもするぞ、何がいい?」

 

 優しく微笑んでくださる旦那様。この方に出会えたことも、帝国が恵んでくださった私の幸せです。

 

「なんでも、ですか……」

 

 そう言われると邪な感情がつい湧きあがりますが…必死にそれを振り払います。

 …旦那様との子供が欲しい、なんて。

 

「では…今日はあの子もいませんし。夜が明けるまで……共に過ごしては、くださいませんか…?」

 

 そんなお願いを口にした私に、旦那様は笑顔で立ち上がって、私を抱き締めてくださり。

 

「…お安い御用だ。むしろ……今夜は寝かせないからな?」

 

 そう言って、熱い口づけを交わしてくださいました。

 




カウホルスの権威主義への魅力+300%


なお、例え萌え系宇宙人だろうとカス貴族とかは鉱山送りになっているものとする(

より良い統治に腐ったみかんはいらないからね、仕方ないね
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