【目指せ】Stellarisで生き抜くスレ【大日本宇宙帝国】   作:ヒャル

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アールヴ戦役 中編

「状況を確認するぞ」

 

 星系基地の第二会議室で、俺は幕僚や地上軍の担当者らからの報告を聞く体勢を取る。

 

 

 敵艦隊が現れなかった為、アールヴの首都星系ユグド制圧は簡単に終わった。

 

 ユグド星系基地は首都防衛の要としてそれなりに整備されていたが、それを守る艦隊がいなければ孤立した軍事ステーションでしかなく日本宇宙軍は一隻も失うことなく制圧に成功した。

 その後、ジャリデン男爵は地球人類の軍人たちに経験を積ませる為、接収した星系基地の造船所での艦隊修理という裏方に回っている。

 

 その為、首都惑星アルヘイムの攻略は俺が中心となって取り仕切ることとなった。

 

 

「軌道爆撃を行いませんでしたので戦闘による惑星の荒廃は最小限です」

 

「報告によりますと交戦したアルヘイム防衛軍の戦力値は約180、植民惑星にこれ以上の戦力があるとは考えづらいですので戦力値約550の当方地上軍で問題なく制圧していけるだろうと報告がありました」

 

「共同体最高議事場を初めとする中枢部を制圧しましたが、政府及び議会は脱出していました。植民惑星へ疎開したものと思われます」

 

「脱出したのは政治家や高級官僚のみで、大多数の民衆はそのままです。これは『アールヴ政府は民衆を置き去りにして逃げた』と宣伝に使えるかと」

 

「…しかし、最高調和者スクルド・ビュフスレンは最高調和者官邸で捕縛されたのだろう?」

 

 俺が指摘すると、プロパガンダを提案していた幕僚の顔色が曇る。

 

「……はっ。政府の疎開に際して彼女は『私は一人のアールヴ人として、また最高調和者として、決してアルヘイムを離れることはない』と公式発表し、そのまま捕虜となりました」

 

「ではプロパガンダの効果は限定的だろうな…くれぐれも、丁重に扱っているのだろうな?」

 

「はい、こちらから世話役をつけて、丁重に軟禁しています。……我が軍への協力は強要せず、人質に使うような行いもしない、ということで宜しいのですね?」

 

「無論だ。我々は誇り高き大日本帝国連邦宇宙軍の一員であり、海賊や夜盗の類ではない。民間人への乱暴狼藉も厳しく禁じているが、守られているだろうな?」

 

「はっ、奴隷軍団の兵士は極めて従順ですので大きな問題は起こっていません。複雑な作業には向きませんので、占領地での犯罪捜査などは難しいでしょうが…」

 

「それについては開戦には間に合わなかったが、前FTL文明との戦いを続けてきた地球人類による地上軍6個がまもなく到着する予定だ。奴隷兵と組み合わせてアルヘイムの治安を維持するように」

 

「承知いたしました」

 

「アルヘイムについてはこんなところか。では、これからの戦争について話すとしよう」

 

 俺がスクリーンに星図を展開させると、軍人たちが改めて背筋を伸ばす。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「ユグド星系防衛に現れなかった敵主力艦隊は、カッサビウス星系まで後退して修理と補給を受けているものと思われる」

 

「事前の情報ではあの星系にも星系基地があるとのことでしたな」

 

「アールヴの植民惑星がある残りの星系はカッサビウスとウルレイモン…艦隊再編の時間を稼ぐ為に首都を捨てた以上、これ以上入植惑星を失えないはずだ。決戦はカッサビウス星系と見ていいだろう」

 

 俺の言葉に、軍人たちが揃って頷く。

 

「連中が逃げたとしても、こちらはユグドと同じように孤立した星系基地を叩き惑星を落とすだけです。カッサビウスが落ちればアールヴはウルレイモンに追い詰められるのみ」

 

「男爵閣下の指揮で艦艇の修理は順調に進んでいます。間もなく進軍は再開できるかと」

 

「異論はないようだな。では、どのように戦うかだが――」

 

 この戦争を最大限地球人類軍人の糧とするべく、会議は遅くまで続いた。

 

 

 

 

 さて、我々の予想通り、ヴァナヘイム・ガーディアンズはカッサビウス星系で反撃の機会を伺っていた。

 

「情報通り、カッサビウス星系に星系基地があります!推定戦力値約850!」

 

「敵艦隊、コルベット23、フリゲート10!推定戦力値約2500!」

 

 ユグド星系で修理と補給を終え、地上軍3個とコルベット2隻を残してカッサビウス星系に入った第五・第六艦隊を待っていたのは、アールヴ軍の熱烈な歓迎。

 

「緊急FTLで8隻が脱落したか…バイハム星系で沈めた3隻と合わせて、1/4を決戦前に削り落とせたのは悪くないな。だが油断はするな。連中の根性はバイハム星系でも見ただろう」

 

「ハッ!」

 

 第六艦隊が左翼、第五艦隊が右翼となって前進し、星系基地の支援を受けながら守りを固めるヴァナヘイム・ガーディアンズへと攻勢を開始する。

 

「敵艦隊の一部が分離し、こちらに向かってきます!」

 

「こちらは分艦隊で足止めし、主力は第六艦隊にぶつけるか。正しい動きだが…正しいからといって勝てるかは別問題だぞ?」

 

 思わず肉食獣のような笑みが零れるが、それを気にする奴はこのブリッジにはいない。

 

「正面は第六艦隊の巡洋艦が受け止めてくれる。無理せず攻撃し、しかし相手が退いたら食らい付け。敵を焦らせろ」

 

 阿賀野型巡洋艦はコルベットやフリゲートとは比べにものにならない耐久力を誇る。

 

 7隻の巡洋艦が腰を据えて砲撃を繰り返し、華奢なアールヴのコルベットやフリゲートを削っていく。

 アールヴ艦は機動力を武器になんとか隙を突こうとするが、脇を固める駆逐艦と後衛に回った3隻の巡洋艦…空母のないStellaris世界で航空機運用を受け持つ航空巡洋艦の翔鶴型から発進した艦載機の群れがそれを許さない。

 

「…司令、第六艦隊は激しく戦っておりますが、我々は距離を取ったままミサイルを撃ち合うだけで宜しいのでしょうか?」

 

「焦るな。戦場には機というものがある…それまでお前もこの戦場をよく見て学べ。ただの副官で終わる気がないのならな」

 

 不安げに進言してくる副官を宥めつつ、俺は戦場スクリーンを観察し続けた。

 

 

「司令、敵の予備が動きます!」

 

 やはりと言うべきか、順当に力負けしたのはアールヴ軍だった。

 第六艦隊との戦闘で少なくない数の艦艇が傷つき、沈められ、薄くなった戦線を穴埋めする為に後方で温存されていた数隻が前に出る。

 

「ここだな。全艦に突撃を命令、連中の横腹を食い破るぞ!」

 

 艦隊保全的な、悪く言えば戦意の乏しい動きを取っていた第五艦隊が一斉に突撃に移行する。

 凡戦に慣れきっていたアールヴの分艦隊は急激なテンポの変化に対応できずたちまち踏み潰され…もう割ける戦力が残っていないアールヴ艦隊主力は無防備な横腹を晒す。

 

「喰らい尽くせ!連中が逃げる前に1隻でも多く沈めるのだ!!」

 

 30隻のフリゲート艦が、猛烈な勢いでミサイルの雨を降り注がせる。

 アールヴ軍が緊急FTLで逃走するまで、第五艦隊は狩りの狂悦に身を委ね続けた。

 

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