【目指せ】Stellarisで生き抜くスレ【大日本宇宙帝国】 作:ヒャル
1:帝国大元帥
○○○○!
△△△△!!
2:名無しの帝国臣民
××××?
みたいなスッカスカ状態でコピーされたんですがこれは一体…?
引き続き小説パートも読みたいという要望多かったし小説回です。
名前、ですね?名前は結城愛菜、旧名はアイナ・クヴィースルです。
はい、生まれも育ちも惑星アルヘイムです。でも、あまり周囲には馴染めないとこがあって…
小さい頃の話ですけど、父に「平等主義は最高の思想だから、他に思想より勝っていることを常に意識しなさいって言うけど、それって他の思想を平等だって認めてないことにならない?」って聞いたんです。父は怒りはしませんでしたが、人前でそんなことを言ってはいけないって厳しく戒められました。父の言葉がなかったら、きっと虐められていたと思います。
幼い頃から旧アールヴ共同体の欺瞞に気づいていたなんて慧眼ですねって?そんなんじゃないです。小さい子供の方が、物事の本質を見抜いたりするじゃないですか?きっとそれです。
ディベートに熱中したり、舌鋒鋭く平等主義を讃える弁論家に熱狂する周囲とは馴染めなくて。そんなことよりも、機械いじりをしている方がずっと好きでした。
機械いじりをするのが意外ですか?地球の方からはよく言われますけど…ロボットにロマンを感じるのは地球人だけじゃないんですよ?地球にはたくさんのロボットアニメがあるので楽しませていただいています。
私はアールヴが宇宙に飛び立ってから生まれた世代ですけど、アールヴ共同体では周囲の国々にはすべて批判的な論調が支配的でした。大日本帝国連邦は暴虐な支配者、DAAR社は冷血な金の亡者、ソールクェル協約は人ならざる社会的怪物、ルファーリ帝国は旧時代の遺物を抱え込む時代遅れ……などと。自分たちと主義主張が合わない存在を、許容できなかったのでしょう。
でも、私は宇宙にはきっと良い人たちもたくさんいるに違いないと信じていました。アールヴ人だっていい人もいれば悪い人もいるんです。他の帝国の人たちだって、悪い人がいてもそれとは別にいい人がいるはずだって…それも父から止められていたので、周囲に話すことはありませんでしたけど。
え、父のファン?【落日の勇士たち】*1を見てから好きになった?
申し訳ないですけど…父のヘルギは、あそこまでカッコよくはなかったです。もっと地味で、物静かで…何というか、普通の人でした。きっと本人も、【アールヴの楠木正成公】なんて言われて困惑していると思います。……勿論大楠公のことは知っていますよ?日本人ですもの。
アールヴ共同体と大日本帝国連邦との戦争が始まったとき、私はまだ10代の小娘でしたので何かしたわけではありませんでしたが…父が主力艦隊の参謀長である以上、無関係とはいきませんでした。
バイハム星系での迎撃が失敗して、政府が疎開した後のアルヘイムのパニックは酷くて…特にヴァナヘイム・ガーディアンズの関係者への八つ当たりが始まったんです。父と私の家にも投石や、壁に落書きなんかの嫌がらせをされて…怖くて、家でずっと震えていました。
でも、いつまでも隠れていては生活できなくて。アルヘイムが日本軍に制圧されてから、治安もいくらか回復して買占めなんかも禁止され、流通も回復してきたってネットで聞いたから買い物に出たら…二人組の男に襲われて。路地裏に連れ込まれて乱暴されそうになったんです。
それを助けてくれたのが、通りかかった巡回中の日本兵さんでした。
男たちは言いました。「こいつはヴァナヘイム・ガーディアンズ参謀長の娘だ、お前たちの仲間を殺している敵の一味だ、守る義理なんてないだろう?」って。
私は見捨てられると思いました。あるいは、この兵士も一緒になって私を暴行するかもしれないと恐れました。でも、その兵士さんは…男たちを殴って、部下に拘束させたんです。
不思議に思って、失礼にも聞いてしまいました。何故敵の娘の私を助けてくれたのかと。
兵士さんは私の涙をぬぐいながら、笑って言いました。「僕は軍人だからね。戦場以外で勇者になるあの男たちより、戦場の勇者である君のお父さんの肩を持ちたくなるのさ」って。
やっぱり宇宙にはいい人もいたんだって、私は思いました。
それだけじゃないですよ、兵士さんは私の話を聞いて、ヴァナヘイム・ガーディアンズ関係者の家々を巡回するようにしてくれたんです。おかげで父と私の家も、他の乗組員の皆さんの家も嫌がらせをさせることはなくなりました。あの兵士さんには、今でも感謝しています。
戦争が終わった時、父が亡くなったと聞いて一晩中泣きました。
あの最期が、父にとっての最善だったというのはわかります。父は武人の意地を貫くことを選んだ。滅びる祖国に殉じることを選んだ。それは美しく、称賛されるものだったのでしょうが…私は情けなくとも、父に生きて欲しかったです。
落ち着いた後、兵士を連れた第五艦隊司令閣下が訪ねてこられた時は心臓が止まるかと思いました。
敵軍の重鎮の家族として、拘束でもされるのかと想像して…今となっては、勘違い甚だしくて笑っちゃいますよね。
あの方は、父を讃える為にいらっしゃったのです。軍人として、父は尊敬できる敵手であったと。その最期は、相対した者として敬意を払わずにはいられないものだったと。
閣下は、困ったことがあればいつでも連絡して欲しいと呆然とする私に連絡先を渡して、颯爽と帰って行かれました。
その後、次々とヴァナヘイム・ガーディアンズの乗組員の方々が訪ねてきました。
自分たちが生き残れたのは父のおかげだと。その恩を返す為にも、いつでも力になると。
最後には艦隊司令のベイラ様までがいらっしゃいました。何故か、司令閣下とご一緒でしたが。
言いにくそうにされていましたが、司令閣下に促されて頭に血が上った自分の意地で多くの部下に無意味な死を強いるところだったと。父はそれを止めてくれたのだと。そして…長らく父に支えてもらったことを誇りに思うと。
アールヴ共同体が消滅して大日本帝国連邦の臣民となり、今後の身の振り方を考えた時、私は政府が進めていた事業に参加して、地球に移住し労働者として働くことを選びました。
そう、大元帥閣下が推進されていた融和事業です。
『日本人とアールヴ人はあまりにもお互いのことを知らない。アールヴ人は悪しき政府によって日本人は悪であると教え込まれ、日本人もまた悪しきアールヴ政府という色眼鏡の先にしかアールヴ人を見ることができていなかった』
『私は、これまで地球人類のみによって担われてきた地球の労働環境に危険思想を持たないアールヴ人を迎え入れる。これは、ほぼ地球人類のみによる聖域となっていた地球をアールヴ人に大規模解放するということでもある』
『それに反感を抱く者もいるだろう。懸念を抱く者もいるだろう。しかし、もはや大日本帝国連邦は地球人類だけの国家ではない。我が信頼する勇者たるヴィクトル・ジャリデン男爵。諸君らの良き友人となったカウホルス。そして我々によって宇宙に連れ出され、才覚と忠誠によって障壁を飛び越えたかつて前FTL文明だった臣民たち…アールヴもまた、その列に並ぶことができるだろうと私は信じる』
『アールヴ人を恐れるな、臣民たちよ。我らの真の敵は大日本帝国連邦を破壊せんと企み、またアールヴ人たちの国を腐り落とさせ滅ぼした危険思想たる平等主義の徒である。そしてアールヴ人たちよ、帝国を恐れるな。諸君らは既に帝国の臣民であり、義務と忠誠を尽くす限り帝国は恩恵を齎すことを怠らない。諸君らを徒に傷つける者は、帝国の怒りを知ることになるだろう!』
こんな感じでしたかね、大元帥閣下の演説。
私財を没収されることはなかったので父の遺産はありましたし、仕事がないアルヘイムに居座っても生活保護を受けられたんでしょうけど。父の元部下たちやその家族は地球に向かうって聞いて、一緒に行こうって思ったんです。…それにしても、奴隷が生活保護を貰うってなんでしょうね。大日本帝国連邦って、奴隷って言葉の使い方が間違ってませんか。
…え?連絡先を貰った司令閣下を頼れば、もっと良い地位を確保できたんじゃないかですって?それはそうかもしれませんけど…それはヘルギ・クヴィースルの娘として、何か違うと思ったので。
ヴァナヘイム・ガーディアンズの皆と地球の農園で働くことになって。私は事務仕事を担当することになりました。
戦争になる前、アールヴ人の間では日本に負けたら奴隷にされて鉱山や農園に送られる、それも「人の温もりが足りないから」と言われて機械も与えられずツルハシやクワで働かされるんだ…って聞かされていましたが、実際には最新型の農業機械を支給されましたから完全なデマでしたね。
一応、旧敵国民の集団ということでお目付け役みたいな人はいましたけど…仕事を手伝ってくれたり、時々差し入れを持ってきてくれたりって人だったのでアールヴ人じゃないだけの職場の仲間って感覚でした。
夫との出会いですか?
夫は食材に凄く拘る料理人で…育っている作物や家畜を直接見る為に、農園に直接来たのが出会いでしたね。
すごく仕事熱心な旦那さんなんですねって?そんなものじゃないですよ。あの人はなんというか…料理バカなんです。
結構いい家の出で、海外留学までしたのに普通の勉強をせずに料理の修行だけして帰国するなんているとんでもないことをした人ですから。当然両親に激怒されたそうですけど…何故か国の偉い人とのコネクションまで作ってきていて、親はそれ以上怒れなくなったとか。
アールヴから持ってきた品種について教えて欲しい、アールヴの料理について教えて欲しいってことで縁が生まれて…彼は神話とかも好きで、私もアールヴの神話や民間伝承が好きだったので盛り上がって友人関係になって。
でも、彼から結婚を前提に交際を申し込まれたときは本当に驚きました。
だって、結婚ですよ?カウホルスですらお妾さんどまりで、正式な結婚は同じ地球人類のお嫁さんとするのが普通だったのに。その上、彼は大和民族という地球人類の一番の上澄みだったのに。
それでも、本気なのが伝わってきて…お付き合いすることになったんです。
彼には苦労をかけたと思います。まだアールヴ人への敵意が強い時期でしたし、そうじゃない人も哀れみと言う名の見下した視線の人が多かったですから。
その上、生半可な男に参謀長の娘はやれないって皆が彼に色々と試練を強いて…彼は全部乗り越えてくれましたけど。
…のろけですかって?ええ、そうですよ。自慢の夫ですもの。
…最後に大日本帝国連邦とアールヴ民族の未来について、ですか。
アールヴ共同体では大日本帝国連邦は悪の帝国であると教えられてきました。そして、大日本帝国連邦は100%の正義ではないかもしれません。しかし、それは批難されるべきことでしょうか?
アールヴ共同体滅亡史*2にもありますよね、『正義の代行者として大日本帝国連邦を裁く、そんな資格がアールヴにあろうか』って。
いいところがあって、悪いところもある。それはアールヴ人も日本人も同じことで、当たり前のことじゃないですか。
綺麗事だけ言って、何でもかんでも完璧に救って、何者も取りこぼさず銀河のすべてが満足する治世を作る…そんなのができたら人じゃなくて神様ですよ。
日本の偉い人たちだって、限られたリソースをどうやって分配して、どれだけ多くの人を幸せにできるか必死に頭をひねって、自分にできる最大限を果たしているんだと思います。それを訳知り顔でただ批難するなんて、傲慢で無責任です。
大日本帝国連邦の国是は八紘一宇…世界が一家族の如く睦み合うことだと言います。だから、アールヴ人も隔意を持たず家族になるべきです。カウホルス人のように、ハルフ人のように。
大日本帝国連邦の、一緒に豊かになって幸せになろうっていう思いは嘘じゃないはずですから。独善的な傾向はあるかもしれないですけど…お父さんの愛情が空気を読めてないのは、そう珍しいことじゃないでしょう?
大日本帝国連邦制作の映画。
平等主義という毒によって腐り落ちていく祖国に尚も尽くし、祖国に殉じて散っていくアールヴの男たちと、彼らと正々堂々と戦い、立場が違えば友となれたであろう男たちを看取っていく日本の軍人を描いた物語である。
自国のヒーローは誤りを犯さず敵は残虐で無能という凡百のプロパガンダ映画とは異なり、日本側の軍人にもミスや苦悩という現実的な描写をし、アールヴ側の登場人物も極めて魅力的に描いており、最新の撮影技術による大迫力の戦闘シーンと共に好評を博した。
観客たちは(物質主義志向の)アールヴ人たちへの見下した評価を改めると共に、「こんな男たちを殺し合わせた末に犬死させた平等主義ってやっぱクソだわ」との意見を強くしたとか。
アールヴ政府疎開に参加せず、心ある部下と共に猖獗の地と化した惑星アルヘイムの治安維持に奔走した元警察官僚による著。
著者は混乱の中で命を落とした人々を弔う為に聖職者になったと共に、アールヴ共同体の愚かさを二度と繰り返さぬように後世に伝える為に、そして少しでも日本人のアールヴ人に対する態度を和らげることを願ってこれを記したとされる。
平等派政治家による無責任な煽動や後の醜態、政治に介入せずという誇りが自らを追い詰めていく軍、熱狂の後に恐慌し狂っていく民衆など、政府・軍部・市民の描写の精密さは実情を知る者にしか出せない凄みがあると評された。
愛奈「平等主義者アールヴ人?特に感想は…解放すべきという意見について?自分の子供に殺害予告出されて、その上で刃物持ってうろついてた犯人を笑顔で抱擁してお金渡せるって言うなら聞いてあげてもいいですけど」