【目指せ】Stellarisで生き抜くスレ【大日本宇宙帝国】   作:ヒャル

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サースウィア解放戦争 前編

 イスタ星系の前哨地を圧倒的戦力で破壊し、入植惑星イスタⅡにも奴隷兵の大軍を降下させて制圧した大日本帝国連邦サースウィア方面軍は、4人の提督が通信を繋ぎ最終確認を行っていた。

 

「では第五艦隊は予定通りアナワン星系に向かい、そのまま周辺のサブトロック・クレンダース・ホウォース星系を抑えて占領地を維持せよ」

 

「承知しました」

 

 本隊から離れた別動隊としての任務を担当するのは、予定通り歴戦の第五艦隊。

 フリゲート艦のみで構成されている為に純粋な戦力値ではやや不安があるが、練度という面では最も信頼できる艦隊だ。

 

「万が一第五艦隊より有力な奪還部隊が現れた場合は攪乱に徹しろ。飛び領地の調査艦隊にも話は通してあるので連携するように。いずれ本隊からも増援を回す」

 

「その時には敵艦隊を引きずりまわして消耗させるとしましょう」

 

 自信ありげに笑みを見せる第五艦隊司令にジャリデン男爵は小さく頷くと、新任の司令官2人に視線を向ける。

 

「確認されている敵艦隊ドレンチ・ショールは第六艦隊が撃破に向かう。第十艦隊はバスタモア星系、第十一艦隊はパラオロリン星系に向かいそのまま前進、各星系を制圧せよ。再集結地点はアザー星系とする」

 

「はっ!」

「お任せを」

 

 危険な役目は第六艦隊が引き受け、新編成の2個艦隊には弱体な前哨地の破壊から戦争に慣れてもらう。

 帝国大元帥がタクシカ共同国を疑っていることを知るジャリデン男爵にとって、サースウィアとの戦争はあくまで前哨戦であり新兵の鍛練の場でもあった。

 

 

 

 

「司令、パラオロリン前哨地を確認しました。敵艦隊の姿はなし、建設船などの非戦闘船の姿もありません」

 

「それは何よりだ。じゃあ、さっさと前哨地は破壊してしまおう。首都星系の艦隊がこっちに来る可能性もあるからね」

 

 パラオロリン星系に向かったのは第十一艦隊。

 伏兵がいないことを確認し、司令官用のシートに身を委ねたヘイスカイネン提督は攻撃命令を下す。

 

「司令はドレンチ・ショールがパラオロリン星系に向かってくる可能性があるとお考えですか?」

 

「第十艦隊はもちろん、首都星系へはそちらの方が近いからって理由で第六艦隊もバスタモア星系に向かっている。首都星系の防衛を放棄してでも各個撃破を狙ってくるなら、今が一番の好機だろう?」

 

 まあ負ける気はしないけどね、とヘイスカイネンは周囲の部下たちを見回す。

 合金の備蓄を空にする勢いで戦力は用意して貰ったし、楽をする為に司令部要員は可能な限り有能な面々を集めた。

 故に、1.4kにも満たない戦力値の艦隊に負ける道理はない。

 

「そうなった場合、サースウィア艦隊と最初に会戦を行う名誉は我々のものですな。腕が鳴ります」

 

「僕としてはピカピカの新造艦が傷つきそうでありがたくないけどねぇ」

 

「司令!」

 

「あはは、冗談だよ。戦士の傷は誇りみたいなものだって言うからね。まあ、宇宙戦争の時代にそんな言葉が適用されるかはわからないけど」

 

 戦闘を目前に控えているとは思えない弛緩した空気の流れる第十一艦隊司令部だが、仕事の方は淀みなく指揮下の艦船を動かしていく。

 

 

「司令、全艦隊配置につきました」

 

「よし、攻撃開始!前哨地の戦力は巡洋艦1隻より下だから何も恐れる必要はない。ただ慢心して突出爆沈なんてのだけは止してくれよ。大目玉を喰らうのは僕なんだからさ!」

 

 ヘイスカイネンの軽口に司令部では笑いがまき起こり、堅物の参謀長が苦言を呈する。

 若き提督は誠意が籠っていない詫びを口にしながら指揮にのめり込んでいく。

 

 

 大日本帝国連邦、地球人類において日本人に次ぐ地位にあるツラン系白人の一角であるフィン人として生まれ、軍学校時代から俊英として鳴らし故地フィンランドから多大な期待を寄せられているヘイスカイネンだったが、当人はそういったことにとんと無頓着だった。

 

 優等民族がなんだ。弱肉強食、適者生存が世の真理だと言うのなら、滅びず今存在している民族はすべて強者ということではないか。

 所詮地球に民族間の優劣などはない。優れた個人と劣った個人が、勇者と腰抜けが、いい女とそうでない女がいるだけだ。

 であるならば、民族の優等性の如何など無視していい女とお近づきになりたい…そんなことを考えるのがヤーキマ・エリル・ヘイスカイネンという男だった。

 

 

 

 

「全艦、突撃準備!あのようなちっぽけな前哨地など一息に踏み潰すぞ!」

 

 一方のバスタモア星系。第六艦隊がドコー・ルーア星系に向かって星系外延部を進む中、星系の制圧を任されている第十艦隊はバスタモア星系中央の前哨地に向け突撃していく。

 

「我らマジャールの誇りを見せよ!進めェ!!」

 

 ツラン系白人、ヨーロッパの有力勢力のひとつとして大日本帝国連邦の上層に位置するマジャール人。その中核には、ツランの盟主たる日本と武力への信奉が突き刺さっている。

 

 二度の世界大戦の間、マジャール人が暗黒期と呼ぶ時代にオーストリア=ハンガリー王国は解体され、ハンガリー王国は国土の2/3を失いパンノニア平原に押し込められた。

 しかし、再びの世界大戦に乗じていくらか領土を取り戻し…欧州枢軸崩壊の折に日本と組むことでかつての栄華を取り戻した。

 その歴史からマジャール人が学んだのは、弱いことは罪だということ。弱ければ国も誇りも奪われる。故に我らは強くならねばならぬということ。

 

 そんなマジャール軍人の出世頭であるベトレン・ジュジャンナ。彼女もまた、逆境を跳ねのけてきた努力の人である。

 『女は銃後を守るもの』という意識が未だに強い大日本帝国が中核を成す大日本帝国連邦において、女性という性別は軍で生きるのに大きなハンディキャップとなる。

 髪をベリーショートにし、身体を鍛え上げて女らしさを削ぎ落しても止まぬ異物扱いをたゆまぬ努力と結果で黙らせ、ついに有力な艦隊の司令官という重要ポストを掴んだ彼女にとって戦果を上げずに戦争を終えるというのは許せることではなかった。

 

「司令、ドコー・ルーア星系方面から反応多数!ドレンチ・ショールと思われます!」

 

「何だと!?……直ちに第六艦隊と通信を繋げ!」

 

 10倍の戦力で前哨地を蹂躙するという自慢にもならない小事の指揮を参謀長に任せ、ベトレンはジャリデン男爵への通信を飛ばした。

 

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