【目指せ】Stellarisで生き抜くスレ【大日本宇宙帝国】 作:ヒャル
「コルベット11隻の撃沈を確認!逃走したのはコルベット2隻、フリゲート2隻のみ!緊急FTLによる脱落も考えれば壊滅といってよろしいかと!」
「フハハハ!弱い!弱すぎるわ!この程度で我らが帝国に喧嘩を売るなど笑止千万!」
タカンジャー政治機構領シャシャマール星系。第十四艦隊旗艦「バルバロス・ハイレッディン」のブリッジで、艦隊司令のジェマル提督が呵々大笑していた。
マング星系で第十五艦隊と別れた第十四艦隊はそのままシャシャマール星系に前進し、同星系に駐留していたコルベット13・フリゲート2から成るタカンジャーの前衛艦隊、第1スターオーダーと交戦。
巡洋艦とコルベット・フリゲートの戦力差は1.5倍程度の数では到底補えるものではなく、一方的に押し潰し敵艦隊を敗走せしめた。
「情報では首都の艦隊はもっと弱いのだったな?」
「諜報とセンサーによる情報によりますと、タカンジャー政治機構は開戦後に慌ててコルベットを増産。首都防衛の第3スターオーダーからも出来る限り戦力を抽出して編成した第2スターオーダーを出撃させた模様です。コルベット10隻程度とされていますので第1スターオーダーより弱いのは事実ですが」
「出撃させたということはサイイリーヴ星系に次の防衛ラインを引くつもりか?星系基地もない場所で迎え撃とうとは無駄なことをする」
「シャシャマール星系基地と共に迎え撃った第1スターオーダーは無惨な結果に終わりましたので…」
「どちらにせよ無駄、ということか?ならばさっさと降伏すれば良いものを」
ジェマルは小馬鹿にするように鼻を鳴らす。
「司令、ヌーリアン戦線についての報告が入っております」
「見せろ」
「はっ!」
ジェマルは素早く報告書に目を通すと、思案顔をする。
「…第十五艦隊に通信を繋げ」
「はっ!」
「どうしたアリー。第十二艦隊の件か?」
「そちらにも報告が入っていたか。その通りだ」
ブリッジのスクリーンには、第十五艦隊司令のガントゥルム提督の姿が映る。
「ヤーメク特異点に潜んでいたヌーリアンの主力艦隊、ショッゴー部隊。編成は駆逐艦2隻にコルベット23隻、戦力値2700強。戦力値2000を少し超える程度の第十二艦隊では厳しかろう」
「では増援を送るか?増援のアテがあれば、第十二艦隊も退くことができるだろう」
ガントゥルムが腕を組む。
「想像以上にタカンジャーは弱敵だ。俺とお前の艦隊から1個巡洋戦隊ずつ引き抜いても問題はないだろうし、第十五艦隊を丸ごと支援に送っても制圧に時間がかかるだけで戦力的には問題なさそうだが」
「しかしなぁ…」
『帝国が為、我らは身命を賭して第十三艦隊の来援までショッゴー部隊をヌーリアン領内で引き回す。第十四、第十五艦隊は後方を憂うことなくタカンジャー領の鎮定に専念いただきたい』
第十二艦隊からの通信には、そのような一文が添えられていた。
「第十二艦隊は危険を承知で、独力で足止めをするつもりだ。それを無視して助けに割り込むのは、あの連中の覚悟を踏みにじることになりはしないか?」
「…第十二艦隊司令のゴダールはスロヴァキア系だったな?白人ではあるが俺たちのように他の民族に振り回されてきた身の上だ。であるからこそ、気を吐いて民族の意地を、誇りを見せつけたいというのは大いに理解できる」
ジェマルとガントゥルムは互いに頷き合う。
「では、男の意地を重んじ、我らは彼らを信じて自分の仕事に専念するとしよう」
「ああ、俺はこのままムーラ星系まで突っ走る」
「俺はタカンジャー艦隊の殲滅を続ける。奥地の平定は頼んだぞ」
そうして通信は終了した。
第十五艦隊は無人の野を行くが如き進撃でタカンジャー領を切り取っていき、第十四艦隊はサイイリーヴ星系でタカンジャーの第2スターオーダーを撃破。そのまま首都星系タカンジャーに乗り込み、首都防衛用に残されていた第3スターオーダーの駆逐艦を撃沈したのだった。
「戦隊司令、駆逐艦の方に問題は出ていないか?巡洋艦の方はまだまだ平気そうだが…」
「問題はない。大昔の造船所から出てきたということで少し心配だったが、見た目通りにゴキゲンな連中のようだ」
一方、渦中の第十二艦隊はヌーリアン艦隊との命がけの追いかけっこを続けていた。
抵抗が不可能なほどに戦力差が開いていないだけマシだが、それでも追いつかれれば劣勢な状況での戦闘は避けられず今後を思えば緊急FTLでの逃走も許されない…その緊張感が艦隊を疲弊させていく。
「心配するな。俺たちはいつでも逆境を乗り越えてきた。今回もさして変わらん、酒の肴の苦労話の一つになるだけだ」
「…それもそうだな、苦労させられるのはいつものことだ」
しかし、第十二艦隊に集まったのはしぶとさと反骨精神でのし上がってきた男たち。
この程度の逆境如何なるものぞと歯を食いしばって粘り続ける。
「司令!敵艦隊が引き返していきます!」
兵士の言葉に別のスクリーンを見ると、ヌーリアン艦隊が次々とUターンしていくのが見える。
「諦めた…わけではないだろうな。ようやく第十三艦隊が近づいてきたか」
ゴダールの言葉に、司令部要員たちは気が抜けたようによろける。
「助かった……」
「どうします?追いかければ第十三艦隊と挟み撃ちにできるかも…」
「馬鹿野郎。それで向こうがまたこっちに向き直ったらどうする。それに乗組員の疲労も考えろ。今は休むぞ、後のことは休んだ後で考える」
そう言って、ゴダールは司令官用のシートに深く身を委ねた。
「報告!敵艦隊、ショッゴー部隊はヤーメク特異点に引き返し同星系の守りを固めています。星系基地と共に我々を迎え撃つつもりかと!」
「各個撃破を諦めたようですね。これで第十二艦隊は安全でしょう」
第十二艦隊の救援に急行していた第十三艦隊の中心で、艦隊司令のアードン提督が安心したように息を吐く。
開戦後、どこに潜んでいるか分からないヌーリアン艦隊の侵攻を防ぐ為に第十三艦隊は国境地帯の星系を片っ端から制圧して回っていたが、第十二艦隊からの連絡が入ると大急ぎで道中の前哨地を踏み潰しつつこちらにやってきていたのだ。
「第十二艦隊はどうしていますか?」
「ロマックス星系で待機しています。連携して挟撃を試みますか?」
「いえ…半年も優勢な敵艦隊を引き付けて損害はなくとも人員は消耗していることでしょう。彼らには事前の予定通り敵は避け、無防備な前哨地を制圧していってもらいます」
「ふむ、それならそれで手柄は我々が独占できますね…」
「手柄を独占?そんなことはしませんよ。ヌーリアンの主力艦隊が日本領を荒らせず封じ込められていたのは第十二艦隊の努力によるもの。ショッゴー部隊の撃破は共同の戦果と言って差し支えないでしょう」
「は、はぁ……」
心底不思議そうな顔に、参謀長は毒気を抜かれる。
「このままヤーメク特異点に向かい敵艦隊を撃滅します。また逃げ隠れされては厄介ですからね」
第十三艦隊はヤーメク特異点へと突入し、ヌーリアンの主力艦隊との艦隊決戦に挑む。
ショッゴー部隊は敢闘し、コルベット1隻と巡洋艦「フランソワ・ダルラン」を撃沈する意地を見せたが、駆逐艦2隻とコルベット6隻が沈没し残りの艦船も損傷多数となったところで緊急FTLで戦場を離脱していった。
「中核となる駆逐艦をすべて沈めたのなら艦隊司令部にもかなりの損害が出たはず。逃亡先で艦隊を再編しても、最早第十二艦隊に劣る戦力でしかないでしょう。我々はこれよりヌーリアン星系帝国首都星系ヌール・ディアモクに向かい、ダミー艦隊を撃破してヌーリアン人たちの戦意を砕きます!」
「はっ!」