【目指せ】Stellarisで生き抜くスレ【大日本宇宙帝国】   作:ヒャル

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包囲網撃滅戦 統一文化惑星戦線(後編)

「間もなくヌール・ディアモク星系です!」

 

 ヌーリアン戦線の、ひいては【統一文化惑星】方面の最大戦力である第十三艦隊は、ヤーメク特異点での艦隊決戦の後ヌーリアンの首都星系ヌール・ディアモクへの進撃を続けていた。

 

「緊急FTLで離脱したショッゴー部隊は帰還していると思いますか?」

 

 艦隊司令のアードン提督はスクリーンの向こうの人物に向けて問いかける。

 

「そうですね…ヤーメク特異点での艦隊戦の後、すぐさまこちらに直進しましたからいない可能性は高いと思います。いたとしても修理まではできずに満身創痍の状態ではないでしょうか」

 

「そうですか。私も同意見です」

 

「…あの、こういう質問はそれこそ周囲の参謀たちにすれば良いのでは?わざわざ別のフネに乗っている自分に聞くのはただ手間なだけなのでは…?」

 

 スクリーンの向こうの人物…第十三艦隊のコルベットを統括する副司令官が困ったように言う。

 

「より多くの人物に意見を求めた方がより良い結論が出るはずです。貴方の故郷にも、“三人寄れば文殊の知恵”という言葉があるでしょう?」

 

「は、はぁ……」

 

「…ハイパーレーンに突入します!」

 

 艦隊司令と副司令官の会話を邪魔しにくいのか、遠慮がちに兵士が声を上げ、艦隊はヌーリアン星系帝国の首都星系へと踏み込む。

 

「星系基地近くに20隻以上のコルベットが展開しているように見えますが、情報通りならダミー艦隊と思われます!」

 

「ふむ…同じ星系に敵の艦隊が踏み込んでも一切身動きを取りませんし、たしかにダミー艦のようですね」

 

「如何為さいますか?」

 

「星系基地を破壊しつつダミー艦隊を排除しましょう。少しは本物の軍艦が混ざっているでしょうから油断はしないように」

 

「はっ!」

 

「それと並行して首都惑星の調査も行ってください。第十二艦隊よりアークトゥルス星系の入植惑星に大量の地上軍が配備されていたと報告がありましたが、こちらも同じならタカンジャー戦線の地上軍を呼び寄せてからの地上降下になります」

 

「了解しました!……ん?有人惑星が2つ…?」

 

「…?ヌーリアン星系帝国は首都星系に2つの有人惑星を持っているのですか?」

 

「いえ……情報によると、片方は前FTL文明のようです。ヌーリアンの首都惑星ヌールのスキャンを開始します!」

 

「首都星系に前FTL文明…?」

 

 副司令官が訝し気に考え込み始める。

 

「推定人口5.5kPOP!地上軍推定18個大隊!戦力値は800以上と推定!」

 

「多いですね…地上軍23個では足りませんか」

 

「内5個は地球人類による通常の侵攻軍ですからな…奴隷軍団ほど無茶は効かないかと」

 

「となると地上戦は後回しにして、増援の到着まで周辺星系を抑えていくことになるでしょうかね」

 

 第十三艦隊の首脳部が今後の作戦を組み立てていく。

 

「他に何かわかりますか?」

 

「他には……あれ、これは一体…」

 

 センサーを操作していた兵士が訝し気な表情を浮かべる。

 

「…センサーに感あり!前FTL文明のある惑星から多数のフネが飛び出してきます!」

 

「前FTL文明から…?軍事艦艇ですか?」

 

「コルベットとフリゲートの混成艦隊です!総数……約50隻!」

 

「50隻だと!?何故前FTL文明にそんな軍備がある!!」

 

 参謀長が動揺したように叫び、「ジャンヌ・ダルク」のブリッジに衝撃が走る中、

 

「…成程。ヌーリアン星系帝国は【宇宙忌避】の起源を持つ帝国だったのか」

 

 通信が繋がったままの副司令官だけは冷静に、納得したような言葉を呟く。

 

「副司令官、何かご存じなのですか!?」

 

「宇宙進出前のヌーリアンではかつてヌール・ディアモク星系の惑星の1つに小惑星が衝突して破壊されるという事件があり、エイリアンの攻撃によるものだと主張する者とそれを妄想と一蹴する者とに別れ、派閥対立の末に宇宙に怯える人々の為にテラフォーミングされた新しい惑星が用意されたのです」

 

 副司令官はゲーム知識を滔々と解説する。

 

「つまり、アレはただの前FTL文明ではなくヌーリアン人の分派国家。そして、宇宙人を恐れるが故に宇宙人と戦争となったかつての同胞と手を組んだのでしょう」

 

「そんなことが…」

 

 アードンはスクリーンに映る艦隊と、彼らが飛び出してきた惑星【マントル】を鋭い目で見つめる。

 

「とにかく、あの艦隊は敵です。ただちに迎撃準備を」

 

「陣形を組みなおす時間はありませんね…このまま向き直るしかありませんか」

 

「左斜め前に向き直りますと…中央に我々第九巡洋戦隊、右翼にコルベット戦隊群、左翼に第十一巡洋戦隊と第七航空戦隊の陣形になりますな」

 

「ふむ……」

 

 参謀長の言葉にアードンはスクリーンを見つめ、考えを纏めるように目を細める。

 

「単純な戦力値ではこちらが優勢でしょうが、地の利と数ではあちらが優勢…決めました。主攻は我々第九巡洋戦隊が担当。中央突破の構えを見せます」

 

「し、司令!?流石にそれは危険では!!」

 

 第十艦隊の二の舞になりかねないと、参謀長が慌てて止めにかかる。

 

「小型艦ばかりとはいえ相手は50隻の大艦隊です。私が敵指揮官であれば豊富な数を活かして別動隊を作り、左翼から回り込ませダミー艦隊の本物の軍艦と合流、右翼の側面を突きます。こちらの右翼は脆いコルベットである上に斜め側面にヌール・ディアモク星系基地という別の敵も抱えています。正面の敵左翼、斜め横の星系基地、側面の敵別動隊に三方から突かれては損害が続出しかねず、万が一副司令官の乗艦が撃沈されるようなことがあれば致命的な事態を引き起こしかねません」

 

 それを、理路整然とした持論でアードン提督は抑える。

 

「だからこそ、我々が攻勢に出ます。巡洋艦が強引な攻めに出れば、コルベットやフリゲートでは耐えられないはず。こちらの中央突破を許さない為に敵は両翼の部隊も中央の支援に戦力を割かざるを得なくなるはずです。そうすれば敵が左翼に戦力を集中し迂回攻撃を企む余裕をなくすことができるはず」

 

「なるほど。更に言えば敵の右翼も勢いを削がれるはずですので、正面を第十一巡洋戦隊に任せて第七航空戦隊が艦載機を発進させる余裕ができますな」

 

 副司令官がアードンの作戦に補足する。

 

「とはいえ、危険な作戦であることは否定しません。…ついてきてくださいますか?」

 

 アードンは周囲と、スクリーンの先の副司令官を見回す。

 

「…旗艦が沈みそうになったら強引にでも緊急FTLで撤退させますのでそのつもりで」

 

「こちらも中央の負担が減るようになんとか攻勢を行ってみます。ご武運を」

 

「…ありがとうございます。では、前進!」

 

 大日本帝国連邦の第十三艦隊とヌーリアン地方共同体のマントル防衛艦隊が激突する。

 

 ヌール・ディアモク星系会戦で「フランソワ・ダルラン」を欠いたが、それでも尚十分な戦力を有する第九巡洋戦隊は「ジャンヌ・ダルク」「シャルル・マルテル」「アルジェリー」の3艦が果敢な攻撃を行い、両翼の部隊も正面の敵を受け止めつつ中央方面への支援砲火を飛ばす。

 本隊は無理をしてこないだろうと読んで中央を薄く展開していたマントル防衛艦隊は中央を押し込まれ、慌てて迂回攻撃を中止し中央に予備兵力を回して抵抗しようと試みた。

 

 こうしてがっぷり四つに組み合う形になってしまうと、やはり大型艦を多数有する日本艦隊に分がある。特にヌーリアン地方共同体は技術的に遅れているところがあり、個々の艦船性能の劣位が大きくのしかかっていく。

 それでも異星人への恐怖に縛られたマントル防衛艦隊は抗った。星系基地が破壊され、ダミー艦隊であるパッギリム部隊唯一の本物であったコルベットが逃走した後も全艦戦い抜き、コルベット33隻、フリゲート16隻すべてが宇宙に溶けていった。

 

「敵艦隊の全滅を確認しました!我々の勝利です!」

 

「味方の損害は?」

 

「右翼のコルベット戦隊は損傷艦が続出していますが、撃沈された船は一隻もありません!」

 

「そうですか…損害状況を確認したいので、副司令官に通信を繋いでください」

 

 何故か猛烈に副司令官の顔が見たくなったアードンは、通信兵にそう命じた。

 

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