【目指せ】Stellarisで生き抜くスレ【大日本宇宙帝国】 作:ヒャル
ヌール・ディアモク星系でヌーリアン星系帝国の分派勢力であるヌーリアン地方共同体の大艦隊を撃破した第十三艦隊だったが、まだまだ休んでいる暇はない。
「第1スターオーダーの戦力、コルベット2、フリゲート1!」
「ショッゴー部隊、コルベット17隻です!」
「輸送船団も確認!地上侵攻能力も残存しています!」
第十三艦隊はケンサロム星系基地でヌーリアンとタカンジャー双方の残存戦力が再集結しつつあることを察知し、再起を阻止すべく現地に急行していた。
「数ではこちらが上です!巡洋戦隊は正面から攻勢、航空戦隊はその後方で艦載機発進を準備!コルベット戦隊群は機動力を活かして両翼から回り込み、側面を突いてください!」
「はっ!」
9隻の巡洋艦で押し込みにかかる第十三艦隊。
対するヌーリアン・タカンジャー連合艦隊は星系基地を盾にしつつ応戦するが集中的な空爆によって星系基地からの支援砲撃が沈黙すると徐々に押し切られ、コルベット戦隊の側面攻撃が始まると脱落艦が続出する。
連合艦隊は最終的に後方にまでコルベットが回り込んで完全に包囲される前に緊急FTLで離脱していった。
「第1スターオーダーのフリゲート1隻を撃沈!ショッゴー部隊はコルベット10隻の撃沈を確認!大勝利です!」
「当方の損害は?」
「コルベットが1隻轟沈したとの報告が」
「そうですが…念の為確認しますが、副司令官は無事ですね?」
「はい、沈んだのは先頭艦ですので、副司令官はご無事かと」
「…副司令官を脆いコルベットに乗せたままは不安ですし、巡洋艦の補充を受ける際にコルベット統括艦として指揮能力を強化した巡洋艦を希望してみてもいいかもしれませんね…」
「は、はぁ……」
独り言を言い始めたアードンに兵士は困惑したような声を漏らす。
「…ともあれ、次はスーザリアン領に隣接したロサンドラ星系に向かいましょう。今更スーザリアン独裁国が参戦してくるとは考えにくいですが、裏で小細工を仕掛ける可能性は否定できません。国境は抑えておいた方が安心です」
「ではもう1つの国境のシルジュ星系も?」
「ええ。シルジュ星系の手前のシスマック星系には星系基地もありますし…あちらも抑えておきたいところです。…正直言えば、この周辺ももっと抑えておきたいところなのですが」
「1個艦隊では手が足りませんな…」
参謀長が溜息をつく。
「第十四艦隊がこちらに向かっていますし、第十二艦隊と第十五艦隊もタカンジャーの飛び領地を制圧すれば支援にやってくるはずです。もうしばらく単独で耐えるとしましょう」
「アシュイケ星系基地、完全に沈黙しました!」
「他愛ない…この程度で帝国に抗おうとは。受容主義を掲げるのは勝手だが、舌先三寸だけで何事も解決すると思っているのか」
「話し合いだけで身は守れないことはベルギーやノルウェーが証明しているが…タカンジャーの歴史にはおめでたい輩しか登場してこなかったらしいな」
その第十二艦隊と第十五艦隊はテネッカ星系で合流。そのままタカンジャー政治機構の飛び領地へと進撃し、タカンジャー最後の軍事拠点であるアシュイケ星系基地を破壊していた。
「残るタカンジャー領はエシオ星系のみ…実質的に守っているのは宇宙アメーバの群れだが、タカンジャー軍よりは歯ごたえがあるだろう」
「戦力値3.6k相当の群れが居座っているんだったか?俺の艦隊より格上だが…そっちの艦隊と一緒なら問題なく倒せるだろう」
「ふっ、謙遜するな。貴官の能力を俺は買っているつもりだ。ただ同行するだけで終わるはずはないだろう?」
「そりゃ評価してもらってるようで。なら、俺たち愚連隊は愚連隊なりに暴れさせてもらいましょうかね」
「期待しているぞ」
第十二艦隊司令のゴダール提督と第十五艦隊司令のガントゥルム提督がスクリーン越しに言葉を交わす。
通信が途切れると、ゴダールは司令部の面々や指揮下の駆逐戦隊司令の顔を見回した。
「そういうわけだ。次のエシオ星系での宇宙アメーバ討伐、俺たちも存分に攻勢に出るぞ」
「そいつは何よりだ。ヌーリアンの艦隊相手にはひたすら逃げるばかりでストレスが溜まったからな…星系基地を一方的に殴るだけじゃ足りん。存分に戦隊を機動させて叩きのめすぞ」
「ショッゴー部隊を半年誘引し切っただけでも戦果にはなるでしょうが、本国の阿呆の中には“逃げ足だけは一級品だった”とケチをつけてくる者もいるでしょうしね。例え逃げ足でも椅子を尻で磨く技能よりはよほど上等なはずなのですが」
まだまだ暴れ足りなかった男たちは士気を上げる。
「…強敵を避け、前哨地とばかり戦ってきたことで装甲やシールドの消耗は最小限です。とはいえ駆逐艦は巡洋艦ほど無理は効きませんので、第十五艦隊と同じ感覚で我攻めに出ることは避けるべきかと」
副官もいつも通り諫言を添えつつ、攻勢に出ることそのものは反対しない。
ここに、エシオ星系の宇宙アメーバたちに訪れる悲劇は確定したのだった。
「はぁ……戦い足りん」
残る第十四艦隊。
彼らはタカンジャーの首都星系周辺を制圧した後、首都惑星ヒリスモーを制圧した地上軍と再度合流してヌーリアン方面への増援に向かう輸送船団の護衛にあたっていた。
「3度戦ったとはいえ全て相手は小勢。ただ踏み潰すだけに終わってしまった」
「そこそこのコルベットの他には申し訳程度のフリゲート、誤差程度の駆逐艦という実に情けない艦隊でしたからな、タカンジャー軍は」
自分の担当領域が終わってしまった艦隊司令のジェマル提督と参謀長は愚痴を言い合う。
「ま、まあ。我らだけでタカンジャーの全軍を撃破したのですからそれは誇ってもいいかと…」
「全軍合わせても弱すぎるから文句を言っておるのだろうが!」
副参謀長の慰めをジェマルは蹴り飛ばす。
「単純計算でアールヴの倍くらいの艦隊は整備できように、何故一星系国家のルファーリにすら劣る軍備しか持っておらんのだ!これでは何の自慢にもならんわ!」
「我らも第五艦隊や第六艦隊のように武威を示したいのですがね…」
“完全勝利したのに、相手が弱すぎたせいでそれがどの程度評価されるか分からない”という珍妙な悩みを抱えてしまった第十四艦隊。
「まったく、どこからか強敵が転がってこないものか…」
ジェマルが不機嫌そうに頭を掻いた、その瞬間。
「司令、ヌール・ディアモク星系基地より急報です!」
通信兵が大声を上げる。
「星系基地から?何事だ?」
「それが…キャラバンのヴェングラル・トリウムが突如として星系基地への攻撃を開始したとのこと!敵艦隊はキャラバンカーゴ船を中核にキャラバン巡洋艦6、キャラバン駆逐艦10!推定戦力値5.9k!至急救援を請うとのこと!!」
通信兵からの報告に、顔を見合わせるジェマルと参謀長。どちらも顔に刻まれているのは、満面の笑み。
「…転がってきましたな、強敵が」
「よし!全艦全速!ただちに救援に向かうぞ!」
「し、司令!?今の我々の任務は、輸送船団の護衛ですぞ!?」
副参謀長が慌てたように大声を上げるが。
「何を言っている。連中は我々が輸送船団を送り届けるヌール・ディアモク星系にいるのだぞ?輸送中に邪魔な敵を片付けるだけではないか」
ジェマルはニヤリと笑う。
「そ、それでもせめて第十三艦隊と連携を!我々だけで戦力値5.9kの艦隊と戦うのは危険です!!」
「分かっておるわ!ただちに第十三艦隊と通信を繋げ!」
副参謀長の悲鳴を笑い飛ばし、第十三艦隊との通信を繋げさせるジェマル。
シスマック星系基地に逃げ込んでいたショッゴー部隊の残党を追撃していた第十三艦隊もヌール・ディアモク星系に引き返し、ヴェングラル・トリウムのオーラン記念艦隊は第十三艦隊と第十四艦隊の連合部隊に殲滅される。
タカンジャー領を完全制圧した第十二艦隊と第十五艦隊もヌーリアン領に移動し、首都星系ヌールを初めとするヌーリアン帝国の有人惑星を次々と占領していく。
そして、首都星系にも並ぶ地上戦力を有した惑星アークトゥルスⅡの陥落を以って統一文化惑星は降伏。三帝国による包囲網戦は大日本帝国連邦の勝利に終わったのだった。
ゲーム中に突然キャラバン艦隊が星系基地を襲い始めたのでびっくりしました。中立のはずの彼らが突然殴りかかってきた理由はまったくの謎。
でもまぁ、ヴェングラル・トリウムならしょっぱい商品しか売りつけてこないし壊滅させてもええか……