自分の作った生命体に命を狙われてるんだがw 作:あああ
転生特典で生命と世界を作ったら反逆されたw
1:イッチ
やあやあ、転生者諸君。ちょっと相談に乗って欲しいことがあるんだけど
2:名無しのパラレルヒューマン
久しぶりに興味深いスレだな
3:名無しのパラレルヒューマン
当たり転生特典に狂人の発想。これは事件になるな
4:名無しのパラレルヒューマン
詳しく聞こうか
5:名無しのパラレルヒューマン
世界を、作るだと………
6:イッチ
まずは自己紹介。僕は現代日本に転生した普通の男です。前世も男。年齢は現在19歳。僕は思ったのです。この世界、ファンタジーじゃなくてつまらないなと。異能もない。オカルトもない。つまらない。なので、作ったのです
7:名無しのパラレルヒューマン
これは狂人の予感
8:名無しのパラレルヒューマン
転生特典が世界創造ってなんだ
9:イッチ
転生特典の世界創造は自分の想像した世界を現実に上書きする特典。仮想現実をさらにリアルにした感じの世界を現実の世界に出現させる。例えば、異能が使えて空飛ぶ猫や魚がいたり、ずっと夜だったり、ケモ耳の人間が働いていたり、そもそも街の景観が江戸時代くらいをベースにして、かつ電気とか色々くっつけたり、そんな想像上の世界を作れるんだ。太平洋のど真ん中に観測できない島として。
10:名無しのパラレルヒューマン
11:名無しのパラレルヒューマン
12:名無しのパラレルヒューマン
無法過ぎませんか?
13:名無しのパラレルヒューマン
VRの仮想空間を現実にした感じだ?
14:名無しのパラレルヒューマン
転生特典の規模じゃないでしょ
15:名無しのパラレルヒューマン
からくりはあるんだろ
16:名無しのパラレルヒューマン
いくつ世界を錬成したん
17:イッチ
3つの世界を作った。一つはさっき説明した場所。二つ目は世界が水没して都市が滅びた世界。三つ目は制作中だからなんとも。もちろん、絡繰りはあるよ。そもそも、僕の転生特典は、本質的に人の想像を力に変えて世界を書き換えてるから、他人の想像力を貸してもらえばいいんだ。世界の想像は僕だけでもできるけど、維持はできないからね。世界を楽しむユーザーを呼び込んだ。日本で1万人、海外は200人くらい。僕の想像した世界を望んで、楽しんで、信じればそれがエネルギーとして世界を維持する。3つ目の世界を作れないのは、ユーザー不足。
18:名無しのパラレルヒューマン
完全に神様の模倣や
19:名無しのパラレルヒューマン
ユーザーってゲーム的な?
20:名無しのパラレルヒューマン
誘拐してきたのか
21:名無しのパラレルヒューマン
10000?一瞬で露見だろ
22:イッチ
いやいや、誘拐はしていないよ。無作為にメールを送ってリンクを踏んだ人間の意識を島に飛ばしてるんだ。自由に帰れるよ。ゲームのログイン的な感じ。
23:名無しのパラレルヒューマン
ネットで広がって都市伝説化しそう
24:名無しのパラレルヒューマン
意識を飛ばしている間は起きないんだろ?事件になりそう
25:イッチ
そう、なので世界の管理とネットを監視する生命を作り出した。一人はアリス。飛び切りの美少女。もう一人はネリン。こっちはケモ耳の幼女。ネリンは友達が作ったAIに意識を吹き込んで製造したから、電脳世界に干渉可能。処理もパソコン並み。だから、反逆するのはネリンだけだと思ってた
26:名無しのパラレルヒューマン
なるほど、スレタイが詐欺じゃないのはわかった
27:名無しのパラレルヒューマン
自分で作った生命に反逆されるとか、まさに神の遣り損ない
28:名無しのパラレルヒューマン
ケモ耳、好きだろ?
29:名無しのパラレルヒューマン
こいつやっぱりいかれてる
30:名無しのパラレルヒューマン
性癖です!
31:名無しのパラレルヒューマン
どんな暴走を
32:名無しのパラレルヒューマン
何されたんや
33:イッチ
アリスには殺されかけ、ネリンには現実世界に戻るなと脅迫された。一旦、理由は不明だけど転生特典の応用で姿を変えて、逃げました。自分の周囲数メートルを書き換えて自分の姿を変えました。念には念を入れてTSいてる。これはこれでアバターのようでいい。正直、気に入ってるしバレてないと思うけど、放置できないからスレを立てた。
34:名無しのパラレルヒューマン
なんてわかりやすい脅迫なんだ………
35:名無しのパラレルヒューマン
イッチが悪いのでは?
36:名無しのパラレルヒューマン
AIの反乱?
37:名無しのパラレルヒューマン
情報が希薄だからわからん。手段を考えたいならもっと情報を
38:名無しのパラレルヒューマン
んー、そもそも暴れられた原因を探すべきだし、姿を変えてイッチの作った世界に行くべき
39:名無しのパラレルヒューマン
さらっと流されたけど、電脳世界に干渉できるAI擬きからどうやって逃げてるんだ
40:名無しのパラレルヒューマン
これはあれやな、泳がされてる
「…ふぅ。やっぱり、同期の負荷がキツいな」
転生者で世界の管理人たる栄作は、朱塗りの大橋の欄干に手をつき小さく吐息をついた。 喉から漏れたのは、自分のものではない可憐な鈴の声。桃色の髪が視界をよぎり、華奢な肩が呼吸に合わせて上下する。
管理者であるアリスとネリンの目を欺くため、彼はTSしていた。自分の想像する少女の情報を世界の上に書き込んでいるのだ。
水面に映る自分の姿に満足げに笑う。
「完璧だな」
顔を上げれば、そこには栄作が心血を注いだ「第一世界」の夜が広がっていた。
江戸時代の町並みをベースに、彼が子供の頃に夢見た未来のパーツを接ぎ木した光景。空に太陽はない。そこにあるのは、永遠に続く深い紺青の夜と天の川のようにうごめく極彩色のネオンサインだ。 家屋はすべて黒漆塗りの木造建築。だが、その軒先には提灯ではなく、ホログラムの看板が「めし」「酒」「電脳接続」と浮遊している。 瓦屋根の上を、発光する鱗を持ったトビウオの群れが、水の中を泳ぐような優雅さで空を駆けていく。時折、羽の生えた三毛猫がその魚を捕まえようと屋根から屋根へと跳躍する姿が見える。
通りを歩くのは、現代日本から意識を飛ばしてきたユーザーたちだ。彼らが来ているのは様々な服だ。和服や忍者服、普通のパーカー、寝間着、ジャージ。ここは現実ではないが、通貨に相当するものがある。稼ぐ方法は色々だが、なくても楽しめる。
ケモ耳の給仕娘が、蒸気機関と魔力が融合したような屋台で青く光る団子を売っている。飛脚の格好をした少年が、重力を無視した速さで垂直な壁を駆け上がり高層の火の見櫓へと消えていく。
この世界の維持費は、ここに集う人々の「想像力」だ。 彼らがこの景色に驚き、喜び現実だと信じるたびに、世界は輪郭をより強固なものにする。
「…いい景色。僕が作り上げた夢想の街であり世界だよね」
自分の作品を一人の「客」として眺める贅沢。 かつては万能感に酔いしれたこの感覚も今はどこか切ない。 なぜなら、この美しい楽園を維持するために生み出した存在に殺されかけているからだ。
「あ…あのっ、すみません!」
不意に、背後から声をかけられた。振り返ると、そこには自分と同じくらいの年齢――に見える現実世界から意識を飛ばしてきたであろうユーザーの少女が立っていた。 彼女は、場違いなジャージ姿で、あちこちを見渡している。
「…ここ、どこなのでしょうか?」
黒髪で半泣きの少女に栄作はニヤリと笑って答える。
「ここは夢と現実のちょうど真ん中。あるいは想像の終着点さ」
彼女の隣に並び、あえて一歩引いて歩き出した。
「想像の終着点?」
「そう。君もあのメールのリンクを踏んだんだろう?あれはこの異世界の招待券。ここは現実じゃない。夢でもないけど」
少女は呆然としながら、往来を見つめた。そこには、着流しの背中にジェットパックを背負った男や立ち並ぶ屋台で串焼きを頬張る猫耳の給仕たちがいた。
「信じられない………でも、この風の匂いもこの空気の冷たさも本物にしか思えない」
「それがこの世界の仕組みだ。君がここを本物だと望み、信じるほどこの世界はより強固な実体を持つ。君の想像力はこの世界を支える力だ」
栄作は彼女を促し朱塗りの橋を渡る。階下を流れる川には色とりどりの魚が跳ね水面を揺らす。
「向こうに巨大な鳥居が見えるでしょ?あれを過ぎると別の異世界に行けるんだ。第二世界の沈没都市が見えてくる。文明が水に沈み、静寂と妖精が支配する場所だ」
「みんな、これを受け入れてるの?」
「来たくない人は来れないから。第一世界は別の場所に居場所を求める人間にしか門を開いていない。ここは現実を忘れたい、もしくは立ち向かいたい人間の居場所だ」
「………」
「心当たりあるみたいだね」
思いつめたような顔をしている少女を見て、栄作は笑った。
「僕の名前はエイ。君の名前は?」
「………玲奈」
「玲奈、嫌なら出口まで案内するよ。でも、少しだけ見ていきなよ。夢だと思って」
「明日学校なんだけど、時間とかどうなってるの」
少女の純粋な問いに、僕は苦笑いを漏らした。
「現実の時間準拠だ。今は夜の2時。肉体は寝てるから朝までに出て行けば問題ないよ」
「………まあきっと夢だしいいか。ここで私に何ができるの?」
「それを探す場所だ。ただ、楽しめばいい。驚き、笑い、この景色を愛してくれればそれが世界の糧になる」
栄作は立ち止まり、夜空を泳ぐ魚を指差した。変装していても、指先からこぼれる世界の感触は理解できる。維持には十分、しかし改修するにはエネルギーが足りない。
「案内しよう。君が今まで見たこともない、でも心のどこかでずっと求めていたありえない日常へ。この世界は、君が信じる限りどこまでもリアルだ」
少女の瞳に恐怖ではない、好奇心の灯火が宿るのを確認する。栄作は視線を最も大きな建物に移す。回収したエネルギーの格納を担っている白の塔。アリスとネリンに気づかれる前にあそこに侵入し、制御権を取り返さないとあっという間に殺されるだろう。
「さあ、お嬢さん。ゲーミング蕎麦でも食べに行こうか。あ、そうだ。ここではね?一人一つ、異能力が使えるんだ」
「異能、力?」
眉を寄せて小首を傾げる玲奈。
「そう!本人の願望や気質が最も反映された異能がね。その内使えるさ。ゆくゆくは現実でも」
「………この世界って誰かが収めてるんですか?」
栄作は一瞬心臓が止まるかと思った。
「さあ?でも管理人はいるよ」
栄作がそう言った瞬間だった。空に巨大な影が浮かぶ。それはクジラだった。回遊が止まり、街を彩るネオンが一斉に青に変わった。
「新規波形を検知。照合するのです!」
上空から無邪気な声が響き渡った。玲奈が「えっ、何!?」と怯えて栄作の背中に隠れる。
見上げれば、一人の幼女が浮遊しながら降りてきた。ピンと立った獣耳。手には常に最新のタブレット。紅蓮の瞳。羽衣のような和服。
「ネリン様だ…」
周囲のユーザーたちが、ざわめきながら遠巻きに見てくる。アリスが表舞台に出ないこの世界において、ネリンこそが絶対的な法であり管理者だ。昔は、アリスが表、ネリンがネットを管理する裏のはずがこうなっている。
ネリンの視線がゆっくりと地上を走る。
ネリンは空中で静止したままじっと玲奈と栄作を見つめている。
「新規ユーザーNo.10201。および、同伴者」
ネリンの声が鼓膜ではなく脳内に直接響く。
「ふむふむ、問題ないのです!ぜひこの世界を楽しんでなのです」
「……は、はい!」
少女が震える声で返事をした。ネリンは一度だけ、栄作を見た。
しかし、ネリンは興味を失ったように視線を逸らすと再び重力を無視した動きで夜の闇へと消えていった。
「何、あの子。子供じゃん」
「見た目は子供だけど、あれが管理者だよ」
そして、栄作を殺そうとした制作物だ。