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アンチ・ヘイト表現があります。ご注意ください。
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ミ「あ、アツコ。」
ア「ミサキにヒヨリ。そっちも終わった感じ?」
ヒ「はい!今日はもうおしまいです!姫ちゃんもですか?」
ア「外ではアツコ、ね。うん、私も終わったよ。」
ミ「じゃあヒヨリ。アツコと一緒に先帰ってて。」
ヒ「ミサキさん、どこか行くんですか?」
ミ「ちょっと野暮用。別に大したことじゃないし気にしないで。」
ア「ふーん?」
ミ「なにさ」
ア「別になーんにも?ただミサキも変わったなって。」
ミ「別に変わってないし。」
ア「ふふっ、そういうことにしといてあげるよ。ヒヨリ、行こっ」
ヒ「あああ待ってください!!じゃ、じゃあミサキさん、私たちは先に帰ってますからね!!」
小さくなる2つの影を見届けた私は家とは逆方向の電車に乗った。
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ミ「前々から気になってはいたけど、こんなに種類があるって...めんどくさ」
私の今日の目的、それは前々から気になっていた香水を見に行くということだ。
ある時、仕事に行く父さんからいい匂いがするから聞いてみたら香水を使っているらしい。
気になっているのか聞かれたので頷いたら、ハンズとかに行ったらと教えてくれた。それで今日はやってきたのだ。
ミ「これはフローラルの香り...」
私は気になった香水をテスト用の紙にプッシュしてみる。よく人とすれ違うとする匂いがしてきた。
ミ(こっちは日の出の匂い...ちょっと意味がわからない)
ミ(これはシトラス、これ父さんの香水と似てる。)
そうやっていろんな香水を試しているうちに時間はあっという間に過ぎていった。
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”ご乗車ありがとうございました。八王子、八王子です......”
3時間ほどハンズで香水を試していた。お金が無かったので結局何も買わなかったが、これ良さそうだなと思えるようなものはいくつか見つかった。
ミ(バイト始めて、お金たまったら自分のご褒美に買ってもいいかも。)
ミ「......」
ミ(変わったな。前だったらこんなことしようとも思わなかったのに。父さんのおかげなのかな)
この時の私は完全に油断していた。スクワッド時代であれば絶対にしなかったミス。
何者かに私の後をつけられていることに気づかないなんて。
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ここに引っ越してから、私たちは抜け道を見つけた。家から駅までの道のり、大通りだと少し遠回りをさせられるが、この抜け道は3~5分ほど時間を節約できる。
ただ、抜け道ということもあってか、まず人通りはなく、何かあっても助けを求めることが難しいことが欠点と言える。
ミ(遅くなった。早く帰らないと)
この時の私は慢心していた。ヘイローが無くなって力は弱くなったけど、一応これでも特殊部隊出身。襲われても自分の身を守る術くらいは体得しているから大丈夫と思っていた。
思っていたんだ。
ミ(後ろから足音...誰か来てる?)
そう思って振り返ろうとしたときだった。
?「うへぇ~ちょっといいかなぁ?」
気の抜けた声、女だ。襲ってきてもまあなんとかなるだろう。そう思って体を捻った時、
?「動くな。少しでも抵抗すれば、首折って殺すからね?」
首根っこを掴まれ、とてつもなく強い力で側のブロック塀に叩きつけられた。
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ヒ「ミサキさん、遅いですねぇ...」
「ん?ミサキはどっか行ってるの?用事?」
午後8時を回った頃、ヒヨリは少し心配そうに口を開いた。
ヒ「野暮用とかがあるようで...でももう8時ですよ?」
ア「確かに遅いけどまあスクワッド時代はよくあったことだし。」
「いや、でも夜は補導されるからね。早く帰ってきてほしいんだけども...」
ア「確かに別れて4時間くらい経ってる...探してこようかな。」
サ「姫、でもアテがないぞ。闇雲に探しても無駄な気が...」
ア「あるよ。1つだけ。」
サ「もしかして...」
ア「そう。家と駅の抜け道。ミサキなら絶対にそこを通る。家に早く帰りたいとかなんとか言って。」
サ「そこで何かあった可能性があるってことか...」
ヒ「で、でもあのミサキさんですよ?ちょっとやそっとのこと、仮に襲われても返り討ちにできそうな気も...」
「それか、対応できないようなマズイことに巻き込まれた...か。考えたくはないけど。」
そういうと俺は急いで外に出る準備をしようとする。
ア「待って。」
ア「私とサッちゃんで行く。パパとヒヨリは待ってて。私たちなら護身術なりなんなり使えるしそういう頭はまだある。何かあったら連絡するから。」
「でも...」
ア「大丈夫。これでもスクワッドで経験はあるから弱くない。信じて。」
「...」
「...分かった。アツコとサオリを信じるよ。でも、危なかったらすぐに戻ってきて。みんなの無事が大事だから。」
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ミ「ガアっ、ああ!」
首を掴まれているから思うように息ができない。
?「それでさあ、早く答えてほしいんだけど。」
?「先生はどこ?」
ミ「し、知らない...先生がどこなんゴフっ!」
言い終わらないうちに頬に右フックが飛んでくる。
?「チッ、じゃあなんでエデン条約をぶっ壊して先生を襲ったお前がキヴォトスの外にいるの?先生と一緒だからでしょ?」
ミ「ちが...ぅ。すくわ...どがあそこを....追われた...がら。だか...ら、何もしらな...うッ...」
次は腹にストレートパンチが飛んでくる。すごくすごく痛い。
こんな感じでずっとコイツにボコボコにされている。
でも先生という言葉からもキヴォトスの生徒であることは分かった。でもどうしてここでもその強さを維持できているのだろうか。
少しだけ目線を上げる。ピンクのプロペラのようなヘイローが見える。だが、ところどころヒビが入り欠けているのが見えた。
あれ...自分以外のヘイローってみえたっけ...
?「さっさと吐いちゃいなよ」
そんなことを言われるとさっきのストレートのせいで胃酸が急激に上がってくるのが実感できた。
ミ「うっ...おえっ...」
胃酸が逆流してついに吐いてしまった。液体がそいつの腕にかかる。
?「そっちの吐けじゃないんだよ!!」
私はその場に倒れ込む。そこからは一方的にそいつから蹴り飛ばされ続けた。
何度も。
何度も。
何度も。
キヴォトスの身体だったらこれくらい平気だった。でも今は違う。身体がすごく痛い。
死ぬのかな。
?「死ね!死ね!お前なんて死んでしまえ!お前達アリウスのせいで先生は苦しんだ!死んで償え!」
少しずつ意識が遠のきかけている。
?「なかなかしぶといな...ゴキブリみたい。まあいいや。聞き出せないならもう終わらせよう。」
そう言うと頭に銃を突きつけられる。ハンドガンじゃない。ライフルかなにかに見える。
ずっと前まで何回も自殺しようとしてた願望がやっと叶うよ。やっと死ねる...はずなのに。
なんでこんなに怖いんだろう。
死にたくない。
姫、サオリ姉さん、父さんそしてヒヨリ。せっかくチャンスを貰ってここで再スタートしようとしてたのに、死ぬなんて嫌だ。生きたい。
ミ「たす...け...て」
?「はっ、命乞いのつもり?笑わせないでよ。どうせこんなところ誰も来ないから。」
?「じゃあね、犯罪者...いやゴキブリか。あの世で罪を償いな。」
死ぬ。
直感で思った。数秒後には頭を貫かれると。
?「うわっ!?」
でも、私は死ななかった。痛みではなく、身体がふわりと宙に浮いた感じがする。そして同時に前に進んでる感じもある。
もしかしてもう死んでてあの世に向かってるのかな。
サ「ミサキ!しっかりしろ!」
あれ...姉さんの声がする。なんでだろう。
サ「なんとか気を持てよ。とりあえずどこか人の多いところに行くからな。」
ミ「あ....あ...」
そこで私の記憶は途絶えた。
ー
ア「はあっ...はあっ」
夜の路地を私とサッちゃんが駆け抜けていく。ミサキがいないかどうか見つけることに必死だった。
その時、前の方から怒鳴り声が聞こえた。
?「そっちの吐けじゃないんだよ!!」
私とサッちゃんは目を見合わせる。塀の角から少し顔を出してみた。
そこには倒れ込むミサキと彼女を何度も蹴り飛ばしているヘイロー持ちの少女がいた。
ア「サッちゃん、どうする」
少し距離を取って小声で打ち合わせを始める。
サ「ヘイローがあった。多分だが今の私たちが戦っても負ける。いかにダメージを受けずにミサキを回収するか、それが問題だ。」
ア「...隙を作るのは?」
サ「隙?」
ア「うん。別に勝てなくていい、あの人をタックルするなり突き飛ばすなりして少しの隙を作る。その間にミサキを回収して路地で撒いて逃げる。」
サ「一方が奴の相手で、もう一方が回収という感じか。でもうまくいくだろうか...体幹が優れていたら...」
ア「うん。そこは、油断してくれることを祈るしか無いと思う。なんとか私が隙を作る。だからサッちゃんはミサキを回収して。サッちゃんならミサキを抱えて走れるでしょ?」
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?「なかなかしぶといな...ゴキブリみたい。まあいいや。聞き出せないならもう終わらせよう。」
まずい、ミサキに銃を突きつけてる。急がないと。
サッちゃんと目線を交わす。そして、2人めがけて走り出した。
?「はっ、命乞いのつもり?笑わせないでよ。どうせこんなところ誰も来ないから。」
あいつに向かって突進する。向こうはミサキに気を取られてこっちが見えてない。サッちゃんはミサキに照準を合わせている。
?「じゃあね、犯罪者...いやゴキブリか。あの世で罪を償いな。」
間に合え。まだ撃つな。
そして私は、そいつの腰めがけて思いっきりタックルをした。
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?「うわっ!?」
作戦通り、姫が奴にタックルを仕掛けた。
失敗するリスクもあったが、奴は無事に後ろへと倒れ込んでくれた。
ほんの数秒の間に、ミサキを脇に抱えると一目散に走り出した。
サ「姫!急げ!」
私の少し後ろから姫が追いかけてくるのを視認して、全員無事であることが分かった。
幸いここは細い道がいくつも入り組んでいる。それを利用してなんとか相手を撒くことにした。
サ「ミサキ!しっかりしろ!」
走りながら、ミサキに声をかける。
ミ「う..ああ...」
よかった、死んではいないようだ。
サ「なんとか気を持てよ。とりあえずどこか人の多いところに行くからな。」
ミ「あ....あ...」
そして気を失ってしまったみたいだ。
サ「姫!父さんかヒヨリに電話だ!」
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?「ちっ、殺しそこねた。」
アツコとサオリにミサキを奪還されて数分後、彼女はゆっくりを立ち上がり周りを見渡す。
?「多分もう追えないな。路地だらけでどうにもできないや。」
?「でもあいつらは味方ってことだから...アリウススクワッドで間違いないね。」
?「そしてアリウススクワッドは先生と同じ時期に姿を消した...つまりほぼ確実に先生とつながりがあるはず...」
?「この接触を先生が知ったら多分原因を探り出すはず。そして執務室のパソコンにもすぐ気づく...」
?「...」
?「...うっ、痛いな...」
頭痛がひどい。キヴォトスを出てからこんな感じだ。痛みがずっと続いている。
すぐにでもキヴォトスに戻ったほうがいいことは明白だ。
?「あの人なら、もう一回キヴォトスに来る可能性が高い...運が良ければあいつらもセットで来るかもしれない...」
?「それなら、ここよりキヴォトスで立て直して捕まえたほうが早いか...」
?「うへ、計画変更だね。早くキヴォトスに戻らないと。」
獲物を逃したはずなのに彼女は顔には笑顔が浮かんでいた。
しかしその笑顔はひどく歪んだものだった。