ア「先生、似合ってる?」
「うおおおおおおおお!!!」
ア「ちょっ、先生...恥ずかしい...」
まず戸籍という最初の壁を乗り越えた彼女たちが次やらなければいけないことは衣類の調達である。
というわけで早速ショッピングセンターでみんなの服を揃えている真っ最中なのだ。
ヒ「姫ちゃん似合ってますね....私もあんな風にスタイルが良ければ...」
「ヒヨリもさっきのワンピすごい似合ってたけど?かわいかったなぁ」
ヒ「かわいいなんてそんな///」
ミ「...女たらし」
「そういえばミサキさ、さっき見てた、もこもこのパジャマ欲しそうに見てたよね?後で買ってあげる」
ミ「べっ別に見てないから!」
そんなことを言いながらミサキの手には、くまさん模様の靴下が握られている。
ミサキのそういうところもかわいいんだよなぁ...
サ「せ、先生。ちょっとこの格好は私にはちょっと合ってないような気がするのだが...」
とアツコの隣の試着室から出てきたのは少し顔を赤くしたサオリ。
彼女が履いているのは、いつもとは違うロングスカート姿。
彼女といえばズボンだと思うがスカートもちゃっかり似合っている。
「サオリ、それ買おう」
サ「えあ!?い、いや流石に私には///」
「いいや似合ってる。かわいいよサオリ!」
サ「か、かわいい...」
俺のかわいいの一言で彼女は顔を真っ赤にして下を向いてしまった。
ちょっとからかいすぎたかもしれない。
「お会計合計で...6万2千円となります。」
「...カードでお願いします。はい、一括で。」
薄々予感はしていたが、最近は洋服の値段が昔よりも上がっているような気がする。
彼女たちの服をまとめて買ったのもあるが、俺も欲しかった服も買った結果、こんな値段になってしまったのである。
でもみんなが嬉しそうな顔をしているから俺も買ってよかったと思っている。
「とりあえず服問題は一旦解決...と。」
サ「次はどこに行くんだ?」
「次は.....」
その後、雑貨やら何やらと必要なものを買っていった結果、俺達は両手を使ってギリギリ持って帰れるほどに膨れ上がった。
ア「えへへ、いっぱい買ったね」
「うん....でもこれ電車で持って帰れるかなぁ」
サ「まぁ何とかなるだろう。今までのことと比べたらほんの些細なことだ。」
ア「でも先生、今日は本当にありがとう。すごく楽しかった。」
「そう言ってくれたなら俺もうれしいよ。またみんなでお出かけしよう。」
ー
ミ「そういえば、先生のスマホってそんなタイプだったっけ?」
「スマホ...あぁ、実はもともと2台持ちでね。これがずっとプライベートで使ってるやつで、もう一台が連邦生徒会から支給されてた、まぁキヴォトスでずっと使ってたほうかな。まぁ向こうで取り上げられちゃったんだけどね。」
そう、一応キヴォトスにも昔から使っていたスマホを持っていってはいたが、どうやら規格やらが違うらしくモモトークなんかが入らなかった。だからミサキが首を傾げるもの無理はないだろう。
でも規格が違うということは...
「君たちのスマホ、ネットに繋がる?」
ミ「ううん、誰のも繋がらない。何ならWifiもダメ。」
「ちょっと見せてくれる?」
そう言ってミサキから受けとり、設定を少しイジる。
「マジか...やっぱ使えないか...買い替えだな...」
一抹の希望に賭けてみたが、結果は残念。こりゃ買い替えだ。
それに何年使っているのだろう、だいぶボロボロだ。
遅かれ早かれ寿命が来そうだから今のうちに買ったほうが正解かもしれない。
ミ「ごめん、先生。本当に何から何まで...」
「ううん、そこは全然気にしてない。俺は君たちにあわれみを持ってるわけでも、施しをしてやってるってわけでもない。みんなの未来に”投資”をしているんだ。そこには別に対価も何も求めてない。ただただ幸せに生きてほしい、みんなの笑顔を見たいんだ。」
確かに必要なものを揃えているだけとはいえ、そう感じてしまっても仕方ないところはあるだろう。
「ま、この社会でもスマホは必須だからね、新しいの買おうか」
そう言いながら、某果物のロゴマークで有名な会社のサイトを開く。
そういえば、俺のスマホも5年目だよな...ついでに買うか...
「iPh◯neは...あ、これだ...ってファ?」
あれ、おかしいな。確か昔は7万ちょっとで買えた気がするんだけど、今って12万もするの?
てか廉価版もなかったっけ?って半年前になくなってるやん!仮に5台買ったとして...60万?
ん?ロクジュウマン?
うっそだろ。
出せない訳では無いが、スマホに60万は少しアホらしい。
でも、スマホなしは普通にキツイだろうし...
ミ「......大丈夫?」
「大丈夫...だけど、どーすっかな...そうだ!」
確か、ほぼほぼ新品同様の、認定整備品ってなかったっけか。
少し探してみると...ほら、あった。
お、確かに型落ちにはなるけど、2年前のモデルが8万弱...これならまぁ........いけるか。
今から頼めば、明日には届くのか...やっぱ早いな。
「ねぇみんな、この中だったら色どれがいい?」
ア「私はピンクがいいな」
ヒ「えへへ...じゃあこの緑で」
サ「別に私は...」
ア「サっちゃんはこの水色とか似合いそう」
サ「ん?あ、あぁ姫がそういうのなら...」
ミ「私にはなんでもいい。適当にして」
「じゃあ俺と同じ黒にしよっと」
ミ「...え?」
ー
次の日の朝に例のブツは家に届いた。
さすがは大企業、仕事が早い。
それで早速みんなで設定なんかを進めているのだが、
サ「ええっと先生?しむ?カードはここでいいのだろうか?」
ヒ「うわーん、顔を認識してくれません!!」
「あっバックアップ忘れてたわ...って40分かかんの!?」
ミ「これどうやって貼るの...あっ割れた。」
スマホの設定なんて実に何年ぶりだろうか。
簡単なように見えて、実はなかなかスムーズにいかないものである。
変な所で失敗して止まったり、引き継ぎが上手くいかなかったり、色々と....結局1日がかりで設定を終えた。
「よーし、やっと終わりー」
ア「お疲れ様」
「あ、そうだ。みんなLINEを交換しよう。」
ヒ「らいん...ですか?」
「うん、向こうで言うところのモモトークだね。基本的にこれでメッセージを送るんだ。」
とりあえず、みんなのアカウントを交換し、グループに招待する。
グループ名はどうしようか....とりあえず、家族でいいか。どうせ後から変えられるし。
「みんなをグループに招待したんだけど...入れてる?」
ミ「うん、この家族ってやつ?」
「そうそう、それ」
ヒ「...家族、家族、えへへ...」
サ「家族...そうか、私たちと先生はもう」
「うん、みんな家族だよ。」
サ「そうか...正直全然実感が無い。でも、うれしいな。」
ア「そうだね、これからも先生たちと一緒にいれるってだけで本当にうれしい。ありがとう。」
ヒ「家族ってことは、先生にもっとおねだりできますね!やっぱいいことだらけです!」
ミ「......はぁ.....」
新しい生活はまだまだ始まったばかりだ。