「部屋をみんなに割り振ろうと思うんだけどさ」
ア「うん」
「一応部屋が4つあって、一応どの部屋も窓はある感じなのよ。さらにそのうちの一つは部屋を二分割できるっぽいんだよね」
サ「じゃあ一応全員に部屋がもらえるって感じか。」
「そう。でもそのうちの一部屋は俺が使おうかなって思ってる。4人のうちだれかが、俺と部屋をシェアするみたいなるけど大丈夫?」
ア「私は大丈夫。」
ヒ「私もみんなに従います...でも一つの部屋をもらえると嬉しいです....」
ミ「私は別に問題ない」
ア「ここは公平にじゃんけんで、勝った人から好きな部屋をもらうって感じでどう?」
ヒ「確かにそれなら恨みっこなしですね!!」
ミ「....」
サ「...それじゃあやるか。」
「「「「じゃーんけーん、ぽん!!!!」」」」
ー
サ「先生は私が隣の部屋問題なかったか?」
「俺は別に誰が来ても問題ないから気にしなくていいよ。むしろこっちこそごめんね、隣が俺で。」
サ「なに、もともと住むところもない人生をずっと歩んできたんだ。住む家どころか部屋までもらえるなんて幸せなことこの上ない。」
じゃんけんの結果、アツコ、ミサキ、ヒヨリが一人部屋を獲得し、サオリと俺が大きな部屋を二分割して使うことになった。
一応どの部屋も窓があるから、特にミサキなんかが閉所恐怖症に陥ることもないだろう。
ー
ア「そういえばパパと一緒に暮らし始めてなんやかんや1ヶ月だね。」
夜、みんなでご飯を食べているとき、アツコがそうつぶやいた。
「もう1ヶ月か。ここ最近時間がすっごいあっという間に過ぎている感じだよ。」
ヒ「この生活もだいぶ、慣れてきました...あとはふかふかのベッドが届けば文句なしです!」
「ベッドは明日には届くからもう少し寝袋で我慢してな。あと、部屋は自由に物買ったり変えたりしていいからね。」
ミ「でも、それをするお金がないよ」
サ「やっぱりどこかでバイトをするしかなさそうだな...」
「あぁ....確かにそうだね。確かバイトは校則でも禁止にはなってなかったんじゃないかな。不安だったらバイト探し手伝うよ。」
サ「それは本当にありがたい。そうだ....なにかバイトするにも注意しないといけないことはあるのか?」
「あるね。闇バイトと103万の壁、かな」
ア「闇バイト?」
「高い給料を餌に犯罪行為をさせようとするものだね。人生を棒に振る行為だからバイト選びは気をつけないといけない。まぁなんか求人持ってきたら一緒に相談乗ってあげるよ。」
サ「じゃあ103万の壁とは一体何なんだ?」
「103万円の壁、一年で103万円を超えて働いてしまうと、サオリたちが俺の扶養から外れてしまうんだ。」
ミ「ふよう?」
「早い話、みんな俺に養われているって感じかな。それを外れるとみんなに税金がかかって取り分が減ってしまうし、なにより」
ア「なにより?」
「俺に何十万というプラスの税金がかかります。とにかく損なのでみんなはそれを超えてはいけません。」
サ「分かった。」
「大体一ヶ月あたり8万5、6千円位が限度だね。」
「ま、時間があるときにバイト探してみるのもいいんじゃないかな。」
ー
ヒ「おおお...!!ついに、ついに寝袋からおさらばですね!」
「みんなには苦労をかけたね。」
次の日になり、家にベッドとマットレスが届いた。一気に4つもやってきたので、玄関と廊下はそれでパンパンになった。
ひとまず、それぞれの部屋に運び込んで組み立てることにした。
なれないこともあり、この日は組み立てで一日終わってしまったのは内緒だ。
ー
「そういえば、キヴォトスって今ごろどうなってるかな...」
ア「気になる?」
「気になるねぇ、冤罪は晴れたのか、それともまだ犯罪者として扱われているのか。」
ミ「でももう気にすることでもなくない?今はこっちの生活のほうが大事だと思うけど。」
「ミサキにそう言ってもらえて、俺はあの時、みんなを連れてきて良かったと思うよ。」
ミ「ちょっとそれ、恥ずかしいんだけど...」
サ「でも確かにアズサが元気にしてるかは心残りだ。こことキヴォトスは物理的にも社会的にも距離が遠い。手紙もここからは出せないから近況報告ができるわけでもない...」
「アズサ...確かにアズサはあの時俺には何もしてこなかったな....多分、中立を守ってくれたんだろうと思うよ。」
ア「アズサは信頼している人にひどいことをする娘じゃない。」
「ああ、本当にそう思うよ。」
「でもどうなってるんだろうな....」
ア「意外とパパがいなくなって崩壊寸前になってたりして」
「崩壊?まっさかね、そんな俺一人で崩壊するほどやばくはないでしょ。俺を追放したくらいなんだしさ。」
ミ「でも父さんに頼りきりのところも多かったはず。大小何かしらの影響はあるんじゃないの」
ヒ「意外とメンタルにきてたりして....まぁ予想ですけどね...」
ア「それでなんとかしてこっちにきて助け求めたりして」
「なんだかそれはフラグが立った気がするなぁ」