名探偵プリキュア! The End of Truth   作:シロX

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第12話 初めての依頼達成!

 逃げる怪盗。追い掛ける探偵。この鬼ごっこにもそろそろ終わりが告げようとしている。

 大男の怪盗は路地裏に逃げ込んだがあんなとまこと、そしてみくると挟み撃ちの形で追い込んだ。

 

「やっと追い付いた!」

 

「何故絵画教室に原稿があるって分かったの?」

 

「まこと君と同じ推理。食材で解ったのかも」

 

「違うな」

 

 ではどうやってと、あんなとみくるは思う。大男は自慢げに口を開いた。

 

「「パン」」

 

「「えっ?」」

 

 大男と同時にまことも口を開き、あんなとみくるは不思議と声を漏らした。

 

「パンは消しゴム代わりにもなるんだ」

 

「「へぇー!」」

 

「それにしても、中身を見たとしてもあの短い時間でよく絵画教室にまで辿り着いたな」

 

「ああ、新人が気付いたんだ」

 

「そりゃ随分と頭のキレる新人だな」

 

 関心の意を示していると、大男はまことを見ながら不敵に笑っていた。しかし、その意味を今のまことにはさっぱり理解出来なかった。

 

「このオレに追い付いたご褒美をやろう」

 

「マコトジュエルを返してくれるって。やったな」

 

「じゃないわ!」

 

 まことのボケに、盛大にツッコミを入れる大男。流石にそこまで鈍感ではなかったか。これで返して貰えば事件は解決して終わるのだったが、簡単には終わらせてはくれない。

 

 逆に、大男を焚き付けてしまった。

 

「嘘よ覆え! 来やがれハンニンダー!」

 

 花吹雪が漫画の原稿に中にあるマコトジュエルを侵食し、闇に染まってしまう。そして、それを核として怪物ハンニンダーが召喚される。

 

「「オープン! ジュエルキュアウォッチ!」」

 

 ハンニンダーが召喚されるのを見て、即座にあんなとみくるは変身の準備をする。「オープン」の一言で、ペンダントはジュエルキュアウォッチになる。

 

「「プリキュア! ウェイクアップタイム!」」

 

 マコトジュエルをセットして、長針を4回回していく。1回回すごとにあんなとみくるに変化が生じる。衣服から髪色まで全て様変わり。全く別の姿となり、彼女らは名探偵となる。

 

「どんな謎でもはなまる解決! 名探偵キュアアンサー!」

 

「重ねた推理で笑顔にジャンプ! 名探偵キュアミスティック!」

 

「「名探偵プリキュア!」」

 

「わたしの答え、見せてあげます!」

 

 変身完了するのと同時に、ハンニンダーが大きく跳躍して襲い掛かる。拳を振り回し、勢い任せに翳しては叩き付けにくる。

 

 アンサーとミスティックは躱して一安心。だと思われたが、拳が地面に突き刺さると衝撃波と共になにやらオノマトペが文字として実態化。からの追撃に遭う。

 

「「わっ!」」

 

 プリキュアに変身している事で、反射神経も向上して追撃も免れる。体勢を整え、即座に反撃に転じる。

 息の合った同時攻撃をお見舞いするも、ハンニンダーは両腕で防御。

 

「「くぅぅ!」」

 

 力で無理矢理押し込もうとするが、ハンニンダーも負けじと跳ね除けて底力を見せつける。その時、ただ力だけでプリキュアを振り払っただけではない。「POW」の文字のオノマトペも足されて、跳ね返す力を一時的に爆発させている。

 

「天晴れだ! これがハンニンダーか。流石はウソノワール様から授かった力」

 

「「「ウソノワール?」」」

 

「そうだ。我が怪盗団ファントムこ偉大なるボス! ウソノワール様だ!」

 

 ハンニンダーや周囲を取り囲んでいる結界の技術。それも全てウソノワールという人物の手によるもの。未知なる力を前に、動揺から慄いてしまうも2人はすぐに気持ちを切り替える。

 

「マコトジュエルはウソノワール様の為に持ち帰る。このゴウエモンがな!」

 

 ハンニンダーの拳が振り翳される。アンサーとミスティックは後ろに跳躍して容易く躱しているが、またしてもオノマトペでの追撃が襲う。

 一度退いたとしても時間差で攻撃が来る二段構え。それでも2人は冷静に状況を判断して掠りもなく避ける。

 

 初見とはいえ、ちゃんと対応出来ている。

 

「けど、どうにもあと一歩が足りない」

 

 敵の能力によって僅かな力の差が生まれている。

 

「2人が攻めあぐねているのは、その力が有るか無いかの違いだ。そこさえ攻略出来れば──来るぞ!」

 

「ハンニンダー‼︎」

 

「ZAAP」という文字の高出力のエネルギー砲がミスティックへ一直線。それを防ぐ手立てがあるとは思えないとまことは偏見を持つが、ミスティックには対処法を持っていた。

 

 ジュエルキュアウォッチを構えて長針1回転させる。そして長方形に線を描き、強固なバリアを形成させた。

 

「ミスティックリフレクション!」

 

 ピンク色のバリアで、あの強力な光線を真正面から受け止めて弾いた。

 

「やった!」

 

「今度はわたしだよ!」

 

 ミスティックの次は、アンサーがジュエルキュアウォッチの長針を回す。その後、腰を深々と落として脇に抱え込むようにして拳を握る。

 長針を回した事でアンサーの右拳に紫色のエネルギーが一点に凝縮されていく。

 

「アンサーアタック!」

 

 溜め込んだ力を一気に解き放ち、ハンニンダーへ力いっぱい食らわす。今までとは比べ物にならない爆発的な一撃がハンニンダーの体をくの字に反らし、吹っ飛んだ後建物を背にして倒れ込んだ。

 

 ミスティック防御からのアンサーの攻撃までの繋ぎ。主導権を持ち、休む事のない怒涛の攻撃で一気に畳み掛ける。

 

「漫画の原稿と」

 

「純一さんの笑顔を」

 

「「取り戻すんだ‼︎」」

 

 今度は2人同時にジュエルキュアウォッチの長針を回した。このシチュエーションは2人の必勝パターン。

 ジュエルキュアウォッチによって高められた力を、全部吐き出した前へ出る。

 

「「これが、わたし達のアンサーだ‼︎」」

 

 膨大なエネルギーを纏った2人の攻撃はハンニンダーの体を貫き、マコトジュエルの闇をも打ち払った。

 

「「キュアット解決!」」

 

 マコトジュエルを回収し、それをポチタンに取り込ませてハンニンダーとの戦いは幕を閉じた。

 

 

 ◯

 

 

 ハンニンダーが倒された事でマコトジュエルを盗めなかったゴウエモンは撤退を余儀なくされる。あんなとみくるはようやく純一が無くした漫画の原稿を持ち、急いでキュアット探偵事務所へ帰るのだった。

 

 まこともその後を追い掛けようとしたが、一度足を止めた後目を伏せた。時間にしてほんの数秒。目を開けると、瞳の色が赤く染まっていた。

 そして、とあるビルの屋上へと視線を移した。

 

「ゴウエモンがマコトジュエルまで行き着いたのは、貴女の推理のお陰みたいだね。るるか」

 

 まことの視線の先には、るるかがアイスを食べ終えてこの場から立ち去ろうとしていた。

 

「ここまで負けが込んでくると、ウソノワール様も我慢の限界がくる。ワタシもワタシでそろそろ動く準備をしないといけないわね」

 

 まことは、手の平にある灰色に濁ったマコトジュエルを転がして不敵に笑うのだった。

 

 こうして純一が探していた漫画の原稿は、キュアット探偵事務所の人間達によって無事事件は解決。初めての依頼を達成する事となった。

 

 だが、いつもこのように丸く事件が解決するとは限らない。その事を近い内に名探偵達は思い知る事となる。




ここまでの拝読ありがとうございました。
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