名探偵プリキュア! The End of Truth   作:シロX

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第45話 さあ、迷宮へ誘いましょう

 展示室から華麗に盗み出した女性の警備員は今屋上に居る。目的である星明かりのプリンセスを手の中で転がす。瞳を閉じ、全身が淡い光に包まれて変装を解いた。

 

 短い髪にくすんだ髪色。黒い衣服を着込んで背丈もそれなりに縮んだ。周囲に誰も居ない事を確認して、何処かに隠れていた紫色のぬいぐるみの様な生き物が影から現れた。

 

「るるか、お疲れ様」

 

「マシュタンもありがとう。お陰でマコトジュエルも手に入った」

 

 引き上げようとした矢先、とある人物の声がする。

 

「やっぱり屋上か。ま、だろうと思ったぜ」

 

 影から男の声がする。暗くてよく視認出来ないが、次第に月明かりが照らされてその正体を晒していく。

 

「もう逃げられないぜ。まさかアンタが怪盗団ファントムだったなんて、俄かに信じ難いけど。手に持っていた星明かりのプリンセスがなによりも証拠だ」

 

 少女──るるかに語り掛けるはまこと。

 

「……どうして此処だと分かったの? 逃走経路は他にも沢山あるわ」

 

「簡単な話さ。いくら停電させたとはいえ、館内には幾つもの監視カメラが設置されてる。それに、堂々と1階から出るにしたって外は報道陣だらけ。大衆に溶け込めれば出来るが、果たしてそこまで逃げ切れるか」

 

「消去法から考えて、辿り着いた結果屋上と推理したのね」

 

「だから言ったろ。簡単な話さって。こんなの、推理した内に入んねーさ」

 

 お互いに笑みが溢れる。久し振りに骨のある相手と対峙した時の高揚。それが抑え切れなく、表に出て来てしまっている。

 

「それで、わたし達を捕まえるの?」

 

「そりゃ勿論。さっき和気藹々と喋ってた女の子であっても、探偵なんだから捕まえるさ。それとも、そんなに俺はお人好しに見えるか?」

 

「ええ、とても」

 

「言うじゃん」

 

 適当な会話で気を引こうとして、るるかが回り込もうと歩いている。それに伴って、まこともまた歩幅を合わせて正面という位置関係を築く。

 絶対に逃さないという気概が圧となって、るるかの逃げ道を自然と潰していっている。彼女も彼女で、一刻も早く立ち去らねばと頭の中で考えを纏めている。

 

(とはいえ、油断はならないんだよな)

 

 仮にも警備の目を掻い潜って逃走寸前の怪盗だ。果たして、1人で彼女を捕まれられるかどうか怪しい。

 

「オープン! プリキットライト! 輪投げ!」

 

 両者の割り込んで来たのはあんなだった。プリキットライトで円を描き、そのままるるかを拘束するべく投げ付けられる。

 

 突然の奇襲にも、彼女は顔色何一つ変えず身軽な体で宙を舞って躱した。建物の塔台へ華麗に着地して、軽くひと息吐く。冷たい瞳には、輪を投げたあんなへと向けられている。

 

「よく、辿り着いたわね。やるじゃない」

 

 まことがサムズアップで示すと、あんなもみくるもそれに応答する。その様子を見てか、るるかは呆れ果てて目を伏せていた。

 

「3人掛かりで抑えるぞ!」

 

 あんなとみくるはプリキットライトを。まことは、取り逃さないよう、じわじわとるるかに近づいて行く。

 

「それではわたしを止められない。プリキュアになりなさい」

 

「何だと?」

 

「じゃないと、変装して街に飛び込み、逃げちゃうけど?」

 

 るるかは、ある物を3人に見せ付ける。それは、名探偵にしか持たされていない道具。あんなとみくるも所持している物。

 

「プリキットグロス⁉︎」

 

「何で怪盗のあの子が持ってんだよ」

 

「さあ、どうする?」

 

 彼女の足が一歩引く。プリキットに目を奪われて、彼女への注意が僅かに疎かになってしまっていた。これ以上下手に刺激して逃げられでもしたら敵わない。ここは、彼女の言うように、その挑発に乗ってみるしかなかった。

 

「「「オープン!」」」

 

「「ジュエルキュアウォッチ!」」

 

「トゥルースキュアブック!」

 

 あんなとみくるは首から下げているペンダント。まことは腰に下げている本のプリキットをそれぞれ唱えて変身準備をする。

 

「「プリキュア! ウェイクアップタイム!」」

 

 それぞれが異なる色のマコトジュエルをプリキットにセットし、その力を身に纏わせる。長針とペンを指で走らせる事で名探偵プリキュアとしての姿を降臨させる。

 

「どんな謎でもはなまる解決! 名探偵キュアアンサー!」

 

「重ねた推理で笑顔にジャンプ! 名探偵キュアミスティック!」

 

「閃く直感で導き出す答え! 名探偵キュアトゥルース!」

 

「「「名探偵プリキュア!」」」

 

「わたしの答え、見せてあげる!」

 

 彼女の望み通り名探偵プリキュアに変身した。どう考えたって、プリキュアに変身した3人から逃げる算段があるとは思えない。何か考えがあっての挑発だと思うが、彼女の腹の底が見えない。どうにもそこが引っ掛かる。

 

「貴女、一体誰⁉︎」

 

「どうしてプリキットグロスを持ってるの?」

 

 アンサーとミスティックの反応は正しい。怪盗である彼女が、何故探偵の道具を持っているのか。しかし、彼女は澄ました顔で告げる。

 

「推理するのが探偵でしょう?」

 

「答えを聞くなんて美しくないわ」

 

 正論ではある。謎を解くのが探偵だ。となると、いくつか考えられる可能性が浮上する。怪盗らしく盗んだのか、それとも内部に協力者が居るのか。あるいは──。

 

「マシュタン、預かってて」

 

 ぬいぐるみだと思われたそれは、マシュタンという名の妖精。その子に星明かりのプリンセスを預け、るるかは優しい笑みを作り上げた。

 

「いいわ。今日は特別。答えを教えてあげる」

 

 るるかは、首から下げてあるチャームを握る。

 

「オープン! ティアアルカナロッド!」

 

 まこと達同様に、ミニチュアだったティアアルカナロッドが元の大きさへと戻りるるかの手の中に握られる。そして、紫色のマコトジュエルをロッドにセットした。

 

「シャッフル!」

 

 杖の先端にあるタロットカードを数回回す事で、髪は長髪に、金色のものへと変化していく。杖を大きく振り撒き、黒を基調とした衣装に身を包ませる。

 

「リバース!」

 

 額に雫型の石飾りが施されているティアラ。後頭部にはは黒い蝶の飾りや薄紫のレース。ケープを羽織り、完璧な姿を現す。

 

「神秘と秘密で包み込む、キュアアルカナ・シャドウ!」

 

 妖艶な声色、艶やかな表情で目の前に居るものを魅了する。

 

「さあ、迷宮へ誘いましょう」

 

 月明かりの下に照らされるアルカナ・シャドウ。可憐で上品さがありながらも、どこか儚げにも見える彼女を前に3人はその姿に心を奪われていた。

 

「さあ、来なさい」

 

 3人を前にしても、その強気な姿勢。それほどまで腕に自信があるとみた。そもそも、そうでなければ変身を促す様な真似などしない。

 

 これはそう。

 

「俺達、舐められてるな」

 

 3人は、目配せでどういったやり方で仕掛けるかその場で決めた。

 

「「やあぁぁ‼︎」」

 

 アンサーとミスティックが同時に床を蹴り、拳を突き出す。

 

「──」

 

 しかしそれを、アルカナ・シャドウは跳躍ひとつで身を翻し避けた。

 

「「えっ⁉︎」」

 

 一瞬にして目の前から消え去り、完全に見失い戸惑うアンサーとミスティック。周囲を見渡してもそれらしい影はどこにも見当たらない。けれど、トゥルースだけは知っていた。

 波状攻撃を仕掛けようとして後方で待機していた彼は、アルカナ・シャドウが未だ宙を舞っている事に。

 

(なんて人だ!)

 

 あまりにも滞空時間が長過ぎる。空中にいるのだから、2人が必死になっても見つからない訳だ。

 そして、音を限りなく殺してミスティックの背後に降り立った。

 

「こっち」

 

「へっ……んにゅ?」

 

 肩を突かれ、ミスティックが振り向くと頬を指先で突かれる。柔らかい感触を感じながらも、アルカナ・シャドウは余裕の笑みを溢している。

 

「やぁ!」

 

 そこへアンサーが拳を振り下ろして2人を切り離す事は出来たが、その表情は眉間に皺を寄せている。それもそのはず。アンサーは、当てるつもりで放った死角外からの攻撃が、こうも避けられるとは予想外だったのだ。

 

「動きが単純過ぎ。次の一手、答えが透けて見える」

 

 アルカナ・シャドウからも辛口の評価。事実、2人掛かりでも、彼女に傷どころか触れてすらいない。実力差は明白だ。

 

「もう一度一緒に!」

 

「分かった!」

 

 ミスティックの合図で息の合った動きで、蹴りを仕掛けた。今度こそ、と思われたが、直撃間際というその刹那でアルカナ・シャドウは華麗に宙を舞っていた。

 スピード、パワー共に申し分なしの攻撃も意図も容易く避けている。2人の力が全く通用していない。

 

「動きが大きくてワンパターン」

 

 勢いはある。しかし、それを活かす戦い方がなっていないと評価。言われればそうだ。アルカナ・シャドウは、風に身を任せて羽ばたく蝶の如く柔軟な対応で、相手を翻弄し、手玉に取っている。

 

「いくわよ」

 

 ティアアルカナロッドの先端にあるタロットを、撫でるように回転させた。

 

「来る!」

 

 動作を見て、直感的にトゥルースは危険と判断して地を蹴った。

 

「アルカナスターレイン!」

 

 ティアアルカナロッドで円を描き、星の光弾を一斉に撃ち放った。それも無数の数を。黒い流星が降りしきる中、全て防ごうとトゥルースが前に立ちはだかる。

 

「「トゥルース⁉︎」」

 

 腰からプリキットを引き千切る形で手に取り、使用する為の言葉を大きく唱える。

 

「オープン! プリキットミスティックマント!」

 

 素早くマントを羽織り、2人を覆い隠す様にして壁を作り上げる。

 瞬間、とてつもない衝撃と爆発。それに伴った音が耳に劈く。

 

「やべっ──」

 

 想像以上の威力を前にトゥルースは吹っ飛ばされ、それを受け止めようとしてアンサーとミスティックも巻き添えとなって床を転がる。

 

「咄嗟で、体勢が不十分なのによく防いだね」

 

 直撃は免れた。全弾防ぎ切ったが、その身を盾にして攻撃を受けていたらひとたまりもない事が判明する。ダメージはそこまでないものの、全身が痺れて苦悶の表情が浮かぶ。

 

「けれど、まだこんなもんじゃない筈よ。今の貴方の力、もっと見せてちょうだい」

 

 水面を見ているかの如く、優雅で軽い足取りでアルカナ・シャドウはトゥルースに接近して来る。決して、姿を捉えらないように。

 

「アルカナ──」

 

「ッ!」

 

 至近距離まで迫り、アルカナスターレインを放とうと先端を突き付けてきた。先程の威力を見て反射的に体が動く。ミスティックマントで体全体を覆い、防御姿勢を作り出す。

 

 身構え、衝撃に備えているが一向に攻撃が降ってくることはない。何故なら──。

 

「トゥルースなら、そうすると信じてた」

 

 背後から声。アルカナ・シャドウが3人の背後に回り込んでいた。

 

(フェイント⁉︎ 間に合うか?)

 

 守っていたアンサーとミスティックを殴り、蹴り飛ばして無理矢理その場から遠ざける。直後、黒き流星がトゥルースの全身を呑み込んだ。

 

 吹き飛ぶ彼の様を見て、2人は血相を変えて名を叫ぶ。

 

「「トゥルース!」」

 

「マントで体全体を覆うのは間違ってはない。だけど、さっきの場面では正解ではなかったね。視界を遮って、相手を見失わせている」

 

 ほぼゼロ距離でのアルカナスターレインを食らい、満身創痍とも言える状態まで追い込まれた。それでもまだ、膝は折れてはいない。

 手足は動く、視界も良好。精神面でも負けていない。3人でやればきっと──。

 

「変わったわね、貴方」

 

 アルカナ・シャドウの声するのと同じくして、目の前で接近されていた。あまりにも自然過ぎて、近付いて来ている事に気付かなかった。不覚だ。

 

「わたしの知るキュアトゥルースは、もっと賢い立ち回りをしていた。わたしの想像を遥かに超えてね。なのに今の貴方は保身的に走ってる傾向がある。それは何故か」

 

 アルカナ・シャドウは、アンサーとミスティックへ目を向ける。それを見て、トゥルースは彼女が何を言わんとしているのか大体の察しがついた。

 

「2人のせいだって言いたいのか?」

 

「ええ」

 

「友達なんだぞ。助ける気持ちがあったってなんら不思議じゃないだろ」

 

「ほら。否定から入らないところからみて、貴方自身もどこかでそう思っているんじゃないの?」

 

「揚げ足取ってんじゃねぇよ」

 

「事実を述べただけよ。ムキにならないの」

 

 実力でもそうだが、先程からずっと会話でも弄ばれている。段々と彼女に苦手意識が芽生える。

 逆にアルカナ・シャドウは、まるで弟でも相手にしているかのような微笑ましい表情をしていた。

 

「アンタの知っているのは"過去"の俺だ。"今"の俺じゃない。先走った答えを出すなよ」

 

「……だったわね。でもそれが貴方の本心ならね」

 

「何が言いたい?」

 

 含みのある言い方にトゥルースは眉を顰めた。まるで、自分が本当の事を喋っていないような言い草だ。

 

「過去は切り捨てた。なら何故、記憶を取り戻そうと探偵を続けているの? 今の自分を受け入れているなら、過去に縋り付く意味は何処にもない筈よ」

 

 アルカナ・シャドウはトゥルースの目の前まで近付き、手を取り、指を絡めて顔を視界いっぱいに近付ける。

 

「嘘はダメよ。真実を追い求めるのなら尚更」

 

 言葉を発する度に彼女の吐息が鼻をくすぐる。生唾を飲み込み、トゥルースは押し倒される形でその場に崩れ落ちた。

 

「ふふっ、可愛い」

 

 そっと耳付近まで近づけ、ほのかに囁く。

 

「あの首飾りと同じ。嘘も満更悪くないわよ?」

 

「……んだよそれ。あの首飾りと同じって?」

 

 瞬時に言葉の違和感に気付いたトゥルースは彼女を押し退け、その理由を問いただした。アルカナ・シャドウは悪戯心に溢れた笑みを浮かべる。

 

「知りたい?」

 

「ああ、知りたいな」

 

「いいよ、教えてあげる」

 

 ふわりとしたステップでトゥルースの背後に回り込んでは、背中にもたれ掛かる。

 

「あれは偽物なの」

 

「偽物の、嘘の首飾りにマコトジュエルは宿るのか?」

 

「人を惹きつけるものならマコトジュエルは宿る。そこにあるのは事実であって、真実ではない」

 

 自分の中で嘘と真実の価値観が崩れる音がした。マコトジュエルだってそうだ。その理屈だと、想いが込められていればなんだって良いという事になる。それは果たして良い事なのか。正解なのか。

 

「違う! 嘘をついて人のモノを取るなんて許される事じゃない!」

 

 アンサーの言葉にハッとされる。そうだ。どんな理由がそこにあれど、嘘そのものが許されて良いはずがない。どこまで行っても、相手を騙している事には違いないのだから。

 

「名探偵らしい答えね。それが貴女の解答(アンサー)だと言うのなら」

 

 ティアアルカナロッドがアンサーに向けられる。それは「容赦はしない」という彼女なりのメッセージ。アンサーもそれを受け取り拳を構える。

 

 プリキュア同士の戦いに、水を差す声が月下の夜空に聞こえる。

 

「あーあ、予告状なんて出すから」

 

 声主はアゲセーヌ。

 

「アゲがキメてあげるし!」

 

 アルカナ・シャドウのやり方にまどろっこしいさを感じ、痺れを切らしたアゲセーヌ。加えて邪魔者である名探偵プリキュアの参戦も相まって、彼女が動くとなる動機としては十分。

 

「嘘を覆え! チョベリグにしちゃって! ハンニンダー!」

 

「ハンニンダー!」

 

 アゲセーヌの手により、星明かりのプリンセスは首飾りを模したハンニンダーと生まれ変わってしまった。それだけならまだ良かったのだが、アルカナ・シャドウを加えて正面と背後の位置関係を築かれている。

 数ではまだそこまで差が無いにしろ、名探偵プリキュア側はアルカナ・シャドウでのダメージを未だ残しており、総合的に見て不利なのは明白。

 

 3人は背中を合わせ、どう対処するか耳打ちする。

 

「俺があの子を引き受ける。アンサーとミスティックはハンニンダーを頼む」

 

「だけど、あの人強いよ。トゥルース1人でどうにか出来るの?」

 

 アンサーの心配する声を聞き、ミスティックも小さく頷く。ミスティックも、アンサーと同じ心配を抱えているのだ。それをトゥルースは鼻で笑って誤魔化す。

 

「ハッ、時間稼ぎだけならまあって感じだ。それに、優先するべきは……言わなくても分かってるだろ?」

 

 目の前の敵に気を取られているが、本来の目的は星明かりのプリンセスを取り戻すこと。

 

「そうね。それじゃあトゥルース、お願いね」

 

 改めて向き直り、3人それぞれ覚悟する。ジリジリと迫り来る相手に、3人が先に仕掛けようとしたその時。

 

「ッ!」

 

 アルカナ・シャドウが飛び出し、トゥルース達を横切ってはハンニンダーへ向けて強烈な蹴りを一撃お見舞いした。

 

「「「「えっ?」」」」

 

 敵味方関係無く、その場に居た誰もが漏れ出た声。沈むハンニンダーを横目に、アルカナ・シャドウは介入して来たアゲセーヌへひと言投げ掛ける。

 

「邪魔しないで」

 

 唖然に呆然。目の前で起きた事に言葉を失っていたが、これを好機と見たトゥルースの判断が早かった。

 

「い、今だ2人共! 一気に事件を解決するんだ!」

 

「「う、うん!」」

 

 すかさず、プリキットミラールーペを手に取った。

 

「「オープン! プリキットミラールーペ!」」

 

 ミラールーペを元の大きさに戻した後、ポチタンからマコトジュエルを受け取る。そして、ルーペモードに切り替えて浄化技の準備に急ぐ。

 

「見て!」

 

「感じて!」

 

「謎を解く!」

 

「「これが、わたし達のアンサーだ!」」

 

 掛け声と共にジュエル部分を回し、浄化の光を集める。そして、可愛いポージングでミラールーペをハンニンダーに向けた。

 

「「プリキュア! フライング・スペクトル!」」

 

 ミラールーペから繰り出される2つの浄化の光。それが前方に撃ち出され、混じり合い、どこまでも羽ばたく鳥を模した浄化の力がハンニンダーを貫く。

 

「「キュアット解決!」」

 

 嘘で覆われた影は完全に消え去り、ハンニンダーは登場して間もない時間で浄化された。星明かりのプリンセスは元に戻り、宿っていたマコトジュエルも無事回収出来た。

 

「アルカナ・シャドウ……! マジチョベリバー!」

 

 こみ上げる怒りをふつふつと煮えたぎらせながらも、アゲセーヌはこれ以上の深追いは状況の悪化と思いすぐさま撤退した。

 

「ハッキリ判った。今の貴女達では──ファントムに勝てない」

 

 風が吹き抜け、一瞬目を離した隙にアルカナ・シャドウはマシュタンを連れて行方をくらませた。

 

「何で、プリキュアが怪盗なの?」

 

 彼女の真意を知るのは彼女自身。それを知る術は、今の名探偵プリキュアでは決して辿り着けない。考えさせられる今回の事件であった。




あと最後、チラッと書いて美術館回は終わりです
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