一般ブラックマーケット市民A   作:水管

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デジタルマネーは仮想通貨や暗号資産といったデータ上の資産みたいなイメージでお願いします…。


市民Aの買い物日和―①

 

 

パワードスーツの燃料がかなりギリギリだ。

なんなら人間用食料(オレのメシ)も足りない…

早急に買い出しに行く必要があった。

 

まず初めに向かったのはブラックマーケットでも割とまともな部品なんかを売ってる店だ。

値切りなんかは基本通用しないタイプの店なので面白みはないが品質はそこそこ保証されている。

 

「15000円になります。」

 

目の前の読み取りの機械にスマホをかざし、燃料の代金を支払う。

支払いはこないだチップからスマホに移したデジタルマネーだ。

ブラックマーケットでは基本的に現金かデジタルマネーが金のやり取りとして用いられる。

ブラックマーケットにも銀行ができたため、最近はあまり聞かないが…

現金は足がつくため、違法な方法で稼いだ金の場合支払いに使わせない店もあったりする。

そういう時に使われるのがデジタルマネーだ。

デジタルマネーは足が付きにくいという一方、現金にするのにちょっと一手間必要だったり、信用度が低いため多くの店でデジタルマネーでの支払いの場合現金よりも少し割高になる。

ブラックマーケットに出来た銀行のおかげで現金の支払いがやりやすくなってからはほとんど見なくなったが

小さなチップでやり取りできる利点からちょっと薄暗い報酬の受け渡しなんかでたまに使われる。

 

__にしても高ぇな…。

ここ最近燃料の値段が高くなってきている、カイザーPMCだったか…どうもあの辺が燃料を大量に買い込んでいるらしい、そのせいだろうな。

大企業様のやることはわからんね、まったく。

 

さて、機械の燃料の次は中身の燃料だ。

ブラックマーケットで食料を買うのは基本的に不可能だ。

ありとあらゆる犯罪と物の販売が行われる闇市。

そんなブラックマーケットだがさすがに売っていないものもある、まともな食料だ。

まともじゃない食料なら無くはないんだが…下手なもの食べて身体でも壊してみろ、病院にも行けねぇからやばい。

そんなわけで飯の購入のためには、市街にいくか、ネット通販で頼むしかない訳だが、市街のスーパーやら八百屋で機械の身体のやつが頻繁に人間の食料を買い込んでたら怪しいし、

ブラックマーケットの住所も怪しい家に来てくれる配達員がいるわけがない。

ならばどうするか、市街にも行き、ネット通販も使う。

 

 

「カイザー運輸様からのお荷物ですね、少々お待ちください」

 

要は代引きだ。

カイザー運輸は品目を出さずに商品IDだけ貼り付けたダンボールで送ってくれる、俺にうってつけの通販サイトだ。

 

その後ダンボール箱2箱分の飯を貰い帰路に着く。

パワードスーツのお陰でさして辛くは無いがなかなかに荷物ではある。

 

ドゴォン!ドォン!バゴォン!

 

そんなどうでもいいことを考えていた最中爆音が鳴り響く。

いくら歩く生徒の皆が銃器を持ち歩くキヴォトスと言えど、ここまでの爆音は日常茶飯事ではない、しかもここはブラックマーケットでもない…連邦生徒会庇護下の土地だ、何が…いや、そうか。

 

つい先日、こんなニュースが話題になった。

"連邦生徒会長、失踪か。"

治安の悪化は予想していたがここまで早く目に見える程になるとは…クソが…巻き込まれたらたまったもんじゃねえぞ…。

 

一応パワードスーツは銃弾数発であれば耐えられる防弾仕様にはなっている…

だが、ショットガンとかライフルだと普通に死ぬし、生徒間だと平気でグレネードとか出してきやがるからな…野次馬根性で様子を見に行ってもいいが、この騒ぎじゃ情報屋にも売れやしないだろうな…さっさと逃げるか…。

 

 

 

幸いその後は巻き込まれることなく荷物を家まで持ち帰ることができた。

…一安心ってところか、にしても治安の悪化がこうも早いとは連邦生徒会長も失踪…やはり影響はでかいな。

 

仕方ない、これ以上治安が悪化する前に用事は全て終わらせておくか。

 

ブラックマーケットをポツポツと、しかし周りから舐められないように堂々と歩きながら考える。

そんな時だった。

 

ドン!

 

「わわ!」 「うお!?」

 

腹部に衝撃を受けて思わず尻もちをついてしまった。

体に染み付いた習慣から反射的に声が出る。

 

「おい!てめえ目ぇ見えて…」

 

「す、すいませー…」

 

思わず目を見開いた、目の前にいる見覚えのある少女もどうやら同じ様子だ。

 

「あ!アシヤさん!お久しぶりです!」

 

「おう、まあ、久しぶり…。」

 

一瞬とぼけるかと思ったんだがな…流石にこの距離じゃ逃げられない。変声機の調整も無理だろう。

 

「…って、こんなことしてる場合じゃないんだった!」

 

少女…ヒフミはしきりに背後を気にして張り詰めた表情を崩さない。

なんだ?まるで誰かに追われているような…

 

「待ちやがれー!身代金ー!」

 

ああ…なんだ誘拐か、まあブラックマーケットじゃよくある事だからな。強く生きて欲しい。

 

「わー!…あ、あのアシヤさん!その…ブラックマーケットの地理とかって詳しかったりするでしょうか…?」

 

「まあそれなりには、これでもここの住人だからな」

 

ふぅん?そういう話か…だったら…

 

俺は指を3本突き立てて言った。

 

「嬢ちゃんは今追われてる状況だし、俺もこれから用事があるんでな…だから案内をするなら3万は貰うぜ。」

 

「わ、分かりました!それでいいので早く…」

 

さーて…ここから1番近い街への抜け道はどこだったかな…

 

 

 

 

 

「早く…ペロロ様の売り場まで…!」

 

こいつ、マジか…。

 

 

 

 

先生の性別はどちらがいいでしょうか?

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