街作ってたら国出来て防衛戦争始まった~その者がもつ力の名はTheoTown~ 作:luckytown
朝日が昇ってきているのが分かる。街並みに阻まれて直接は見えないが、空が良い感じに明るくなってきたからだ。
僕が見ている街並みは後ろに通り過ぎていく、僕が車に乗っているからだ。
後部座席で外の景色を眺めている、ウィリアムさんが運転してくれている、広い四車線道路の追い越し車線を走っている。もうすぐUターンして目的地に到着だ。
時刻は朝の6時、着いた場所は街の中にぽっかり空いた1ブロックの空き地。ここは都市計画の際に後から建てる公共施設で住宅を壊さなくて良いようにしようと用意された土地の一つだ。
「おはようございます市長」
「おはようございます」
僕達とは別の方法でやって来た古木さんがカメラを持って挨拶してくる、日々あちこちで街の記録を撮ってくれているから、この人とは行く先々で合流する形で会うことが多い。
「今回は時間通りですね、良かったです」
「流石に同じ失敗はしないように気を付けてますので」
ウィリアムさんから聞いた話だと、僕が居ない時に予定時刻を過ぎて遅刻したらしい。そう言えばどうして遅刻したのか知らないな。
「そう言えば遅刻した時って何があったんですか?」
「羊の写真を撮っていたら、羊の大群に巻き込まれて柵の中まで流されてしまいまして、カメラは無事だったのですが服が汚れたので着替えを用意していたら時間が過ぎてたんです」
「え、それ古木さん何も悪くないじゃないですか!」
「私も柵の出入り口と羊たちの間に居たのが悪いですし」
「些細な失敗ですよ、大丈夫です」
そこはウィリアムさんから聞いてなかったから、今の今まで意外とうっかりしてる人なんだと思ってたよ、古木さん…もしかして今年の運勢悪いのかな?
「さて、始めましょうか市長」
「いよいよですね、テオタウン初の学校の始まりが!」
そう、街が拡大・安定してきてから住民の要求として学校の開設が言われ始めていた。準備も整ったので今日建てるのだ。
まずは小学校、僕はTheotownの力を使い始める。もうノールックで扱えるようになったので皆の前で虚空に手をワチャワチャしなくて良くなった。あれ意識してから結構恥ずかしかったんだよね〜
僕は大きな小学校を選択して建築ボタンを押した。
ッパ!
そんな軽い音ともに街に出現したのはクリーム色の壁に暗めの赤色の屋根を持つヨーロッパ風建築だ。
ビーチオブホープの背の高い街並みに合った雰囲気で素人目にも良いように感じた。
「クリーミーな色ですね」
「穏やかな雰囲気がして良い感じです」
古木さんの意見はちょっと独特だけど、ウィリアムさんの意見は僕が思っていたのと同じで良かった。
さっそく古木さんが写真撮影を始めたので、僕らはほったらかして小学校の横に移動し、まだ空いてる土地に高校を建設した。
これで義務教育は出来たと思う、というか中学校無いんだよね、テオタウンにはさ、どうしようかな…後で詳しく考えよう。
そんな事を思っていたら小学校の方から古木さんともう一人のおじいさんがやって来た。
「市長、こちら小学校の校長先生です」
「よろしくお願いします」
僕と挨拶と握手をしたのちウィリアムさんとも挨拶をしてこれから受け持つ子供たちの話を校長先生は始めた。
「これから子供たちに教えるのがとても楽しみです!
ところで、入学者数はどれくらいなのでしょうか?準備をするためにも教えて頂きたい」
「分かりました、現時点の入学希望者は4,322人です」
「……困りましたな、受け入れられる人数よりも多いです。予算を増やしていただかないと行けません」
予算か、Theotownでは施設を選択したらパラメーターをいじる事が出来て0〜200%に変えられる。それで200%にしたら施設の効果の範囲や供給量、それこそ学校の収容人数も増えるのだ。
「予算を増やせば何とかなるんですか?」
「予算を増やす、ということより予算が増えることによる教員の増員が必要です」
そうか、確かに一人の先生が教えられる人数には限界がある、だから先生を増やさないと対応出来ないわけだ。
……ん?じゃあ予算が増えたら教員が自然と出現するってこと?
「その…教員は…どうやって?」
「募集するしかありませんね、」
「……私の方からも街全体に呼び掛けてみます、よろしくお願いします」
「はい、ありがとうございます」
ちょっと心配だけど、街の中にいい人達が居ると良いな〜
高校の方も同じような感じだった。これから教育を受けた人達が育っていくと良いな……いや自分もまだ学生だし勉強したほうが良くないか?これ?
「……そうですね、時間もあまり取れないと思いますので市長として知っておくべき知識に絞って学んで頂きたいと思います」
ウィリアムさんにそう言われたので何とかなりそうだ。
よーし、これで学校は終わった、大学に関しては準備が整っていないので保留だ。
お昼を高校の食堂で食べさせてもらってから次の仕事に移動した。しかし、あのスープ美味しかったな、どこの国の食文化なのか分からないけど、どの国でも料理人のおばちゃんは凄いんだと思ったよ。
さて、次の仕事は工業地区の視察だ。最初に作ったファーストビレッジタウンの工業地区はだいぶ育っており、製品製造や建築を自力で出来るようになっていた。
最も資材があればの話だが…
流石に木材の伐採と加工は出来るようになってる、直ぐ側にある資源だし
そういうわけでエネルギー課のノーズさんが資源探査の準備をしていたりする。これからもテオタウンは拡大を続ける必要があるということだ。
工業地区の道路を低速で進んでいる、交通量が少ない時間なので大丈夫、というか視察に合わせて空けてくれたそうだ。ライネスさんにありがとうと伝えておかないとな〜
一見、倉庫のような工場や倉庫そのもの、鉄工所、重機置き場など普段見ることの無い物を沢山見れた。
こういう物が街を支えてくれるんだなと、何だかちょっと実感が湧いた。
この現在持てる工業力で何をするのか、それを僕は決めることが出来なかった、何も分からないからだ。
だから建築課のライネスさんに任せた、そして今からその計画を説明してもらう予定だ。
「市長か、おはよう。時間通りだな」
「おはようございます。頼んでいたものは決まりましたか?」
「出来てるぞ、そこに座ってくれ、今説明する」
建築会社の建物内の事務所の中で、僕のために用意してくれたようなオフィスチェアに座り、ライネスさんの言葉に耳を傾ける。
「重機に作業員、ある程度の資材、そして有り余る時間、この全てが今揃ってる。だから俺はこれを提案する」
そう言って僕の前に出してきた資料の表にはこう書かれていた。
「北部山脈資源探査計画、ですか」
「ああそうだ」
僕とウィリアムさんは資料を手に取りページを開いて読み進めていく、それを見ながらライネスさんは説明を続けた。
「鉄道の時も思ったが、建物は今のところ全部市長が作っちまう、商品・製品製造の従業員は良いが、建物や道路を作る建築業は何もやることがないんだ。それこそ前に任せてもらった鉄道の線路くらいさ」
「それならばこれからも一部を任せてもらえばよろしいのではないでしょうか?」
ウィリアムさんの質問には僕も同じ気持ちだ。
どうして資源探査なのだろうか?……いや、もしかして…
「街のこれからの為だ、市長は建物を建てれても食料や資源を供給出来ない。確かにスーパーを建てればある程度の食料が手に入る、工場を建てれば施設内に資材がある時もある、だかそれじゃあ街が拡大していくにつれて対処出来なくなる。第一次産業は社会の土台だ、エネルギー課のノーズとも話はしてある、あいつも準備してくれてる筈だ」
僕も考えてはいた、だけど手が回っていなかった。ノーズさんが準備しているのは知っていたけど、指示した覚えは無かった、ライネスさんにも相談したことは無い。でも、ノーズさんもライネスさんも自分でテオタウンの現状を理解して行動してくれているんだ。
あーあ、皆にも頼ろうと思っていたけど、まだまだ出来てなかったな〜、本当に頼りになるよ。
そう思っていたら、ウィリアムさんが資料をペラペラ読みながら喋りだす。
「なるほど、理解しました。それに北部の山脈に目をつけた理由も書いてあり納得がいきます。この計画は既に末端で伝わっているんですね?」
「その通りだ、ここでストップが入るとは思っていないからな、何せこの街に必ず必要な事だからだ!
あとは市長のGOサインのみなんだが…市長?」
ライネスさんと目が合った、僕はものすごく頼りにする気満々でこう告げた。
「ええ!任せましたよ!ライネスさん!この街の未来の為に山に眠る資源を引っ張り出してきてください!!」
「よし!任せてくれ!」
僕は周りに居てくれる頼れる人達に安心しながら、未来は明るいと思ったのだった。
そしてテオタウンの未来を真剣に考えて行くこととなる。