街作ってたら国出来て防衛戦争始まった~その者がもつ力の名はTheoTown~   作:luckytown

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名前考えるより先に本文書いてたからこうなった。



6. 川から離れて工業&遅すぎる自己紹介

 

断続して続く水の音、空一面の曇り空。

雨が降っている。

僕はその光景をキャンピングカーの2階から眺めていた。

 

う〜ん、いつまで降るんだろう?天気予報なんて今は無いしな〜

というかテレビもラジオもこの街にはまだ無い。新聞さえ存在していない。

 

そんな事を考えて、今日ラジオ局を建てる事を決めて町役場に向っていた。

 

「あ、市長〜おはよう〜」

「おはようございます春風さん」

「ちゃんと名前覚えてくれたんだ〜」

「はい、春風藤花ですよね?」

「なんでまだ疑問形なの!?」

「すみません、人の名前覚えるまでに時間掛かるんですよ」

「そっか〜、でも覚えてくれてありがとう、市街君」

 

テオタウンを作り始めてから1週間経っていた。

農業地区を拡張しながら、商品や食料が無くなったお店を建て直したりして住民が飢えないように注意を払っていた。

住宅地区の家が完成して人口が増えた事で役場は更に忙しくなったと職員さんが言っていた。増えた住民の雇用は同じく出来た商業地区や農業地区が賄っている、しかし農業地区を拡張しすぎて人手不足に陥り、住宅地区の拡張が終わったのが昨日だった。

 

その間に店員さんとも仲良く…最初から仲良かったけど友達になった。歳の差が近い(多分)のもあったかもしれない。もとい、初日に職員さんに友人か聞かれて肯定したからその時から春風さんは友人だと思ってたそうだ。

それなのに名前をお互い知らないのはおかしいと言われ名前を教えあった。

この世界で初めての友達、市長という役職だから人とは関わり合いが多いかも知れないけど、友達になれるかは分からないから、意外と貴重…というより結構幸運だったかも?

 

「今から町役場?今日は何をするんですか?」

「ラジオ局を建てて、ラジオ放送を始めたいと思います。その後は東の方に道路を延ばして工業地区を作ろうかと」

「ラジオ放送!?うれしいよ〜市長!これで置物同然のラジオから音が流れるね!曲とかも流しちゃったり〜?」

「ああ、確かに音楽も流せますね、天気予報をさせることしか考えてませんでした。音楽用の番組を作りましょう」

 

春風さんの問い掛けで気付かされた。ラジオ番組は音楽を流すこともあったと、情報伝達だけの代物では無かった。ラジオを聞くことなんて無かったから思い付かなかった。

 

「仕事する以外だとご飯食べに行くことしか楽しみが無かったから本当にうれしい!ありがとう市街君!」

「……それは、ありがとうございます。娯楽を増やす事を考えておきます」

「これまでは農地を増やしてたけど、今度は工場を作るの?また人が足りなくならない?」

「なりますが、今は我慢です、今のうちに建てておきたいんです。それに住民はこれからも増やして行きますから、時間が経てば人手不足は解決されます」

 

人が増えるよりも先に建てて置けば、仕事が無いなんてことは無いだろうし、早めに建設しておいて損は無い。

今のこの街は僕が居ないと破綻する。それは、ゲームでは無く現実だからというのもあるが、人が消費する食料などの物資を自給自足出来ていないからだ、農業は作ったが、作物はそんなに直ぐ出来るものでは無いし、車の燃料やティッシュといった消耗品も作れていない。

 

それら諸々の物資の建築、いや生成を僕がする事によってこの街は今維持されている。

僕はこの状況をあまり良くは思っていない、他の街や文明を見つけれてない以上貿易も望み薄だ、やはりこの街だけで必要な全てを揃えられるようにしないといけない。

その為にも、少しでも早く工業を発達させたいし、街を発展させていきたい。

どうしても小規模な街ではすべてを揃えることは出来ない。規模を大きくしていかなければ!

 

「あ!もう町役場だよ市長」

 

そんな事を考えながら春風さんと話して歩いていたらもう到着してしまった、そもそもそんなに距離は無いが。

 

「そうですね、それじゃあこちらは仕事の時間です。春風さんもお仕事頑張って下さい」

「分かりました〜市長〜!あと、ウィリアムさんにもよろしく言っておいてね!」

 

……誰だ?その人。

その名前を僕は知らない。

 

「あの、ウィリアムさんとは誰なのでしょうか?」

「え?市長の方が毎日会ってるでしょ?」

「え?いつも?」

「おはようございます!市長!車の準備は万端です!」

 

春風さんの説明を聞いてるうちに後ろから聞き慣れた声が聞こえた、恐らくこの声の人物が、

 

「ウィリアムさん?」

「あっはい、そうです市長、初めて私の名前を呼んでくれましたね、どうされましたか?」

「職員さんの名前、今まで知りませんでした…」

「ああ!確かに市長に自分の名前を言った覚えがありません!すみません市長、言いそびれていました!」

 

最初に会った時に職員さんと自己紹介をちゃんとしていないことに気付いた。

会って直ぐに街作りに動き出したから忘れていた。

 

「改めまして私はウィリアム・カークと言います。これからもよろしくお願いします!」

「はい、市街照太です。よろしくお願いしますね。」

 

ちゃんと自分の名前も名乗ったしこれで大丈夫。

さあ、今日の街作りを始めよう。

 

「本日は何をしましょうか?市街市長」

「まずはラジオ局を建てます。その後は川から離れたところに工業地区を作ります」

「分かりました。ラジオ局ですか、どこに建てましょう?」

「そうですね~、」

 

僕はTheoTownの力を使いディスプレイに表示される上空からの街を見て考える。ふと、自分たちが居る町役場の近くに少し暗く表示されているスーパーに目が留まった。

 

「ウィリアムさん、この近くのスーパー今は営業していませんよね?」

「そうですね、市長が建ててから住民に利用されてましたが、食品などの主な商品が切れて残った商品は別のスーパーの在庫に回りました。市長の建て替えで食品を補充する予定でしたが、ここに建てますか?」

「そうします」

 

数分歩き、商品も人も居ないスーパーの前に来た。

そして、僕はスーパーを爆破した。

ドカーンと大きな爆発音はしたが、周囲の建物や僕を含めた人には一切の被害がない。

これもTheoTownの力だ。指定した建物だけを奇麗に破壊し、跡地は元の草原になる。

僕自身は慣れたが、他の住民は何も驚きやしない。実に不思議だ。

そうして現れた草原にラジオ局を建設した。中から人が出てきて挨拶をしてくれた。この人たちがこの街の天気を知らせてくれるだろう。

僕は何も考えない。他にやるべきことがある。

 

「さて、ウィリアムさん車の用意をお願いします」

「分かりました」

 

前方に道路を生成しながら車を走らせる。

前方に道路を作る為、僕は助手席に乗っている。

 

「いまだに慣れないというか、いつもよりスピードが早いから怖いですよ市長」

「大丈夫です、私も移動しながら道路を敷くのに慣れてきましたから、このスピードでも道路を敷くほうが早いです」

「つまりこれからはこの速度で走れと?」

「ええ、その方が早く出来ます」

「じゃあ慣れるしかありませんね、頑張ります」

 

工業地区にする場所に到着し辺りを見る。林があって川から東に離れている。汚染が街に到達することはないだろう。

 

「ここからはさっきまでの速度は出さなくていいので道路を格子状に敷いていきましょう」

「はい喜んで」

 

工業地区の道路が完成したあとは地区を制定して、これで工場が勝手に建ち始める。同じような事は農地でもやって来たので手際が良くなってきた。

 

「これで大丈夫です」

「終わりましたね、それでは帰りましょうか」

「ええ、ですがここは街から離れています。電力が届きません、帰りに電線を敷きながら帰りましょう」

「分かりました市長、でも電力となると水道も必要ですよね」

「ああ、それはもう敷いてあります」

「え?水道を?」

「はい、道路を敷きながら地下の水道も作っていたんです」

 

ウィリアムは思い出した、市長は水道を敷くと言ったことは無かったと。

 

「もしかして最初から?」

「はい、ずっとやってました。難しかったけどだいぶ慣れましたね」

「流石です市長」

 

ウィリアムはそう言い助手席のドアを開き運転席に回り乗り込んだ。左を見れば市長がドアを閉めていた。

それを確認し、車は道路の横に電線を生やしながら街まで戻って行った。

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