街作ってたら国出来て防衛戦争始まった~その者がもつ力の名はTheoTown~   作:luckytown

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8. 魚釣りプランと遠征

 

今日は晴れ時々曇り、日が雲に隠れたり出たりしてせわしない。

それでも、動かずに釣り糸を垂らして時を待つ。

そうして得るは川の中を泳ぐ貴重な食料、魚だ。

僕は釣られた魚を見て一息ついた。

  

「ちゃんと釣れてますね、これで魚を食べれます。それほど多くはありませんが」

「それは仕方ねえよ市長さん、川にいる魚にも限りがある」

「営業はしていけそうですか?」

「問題ないぜ、あとは釣り具専門店でも建ててくれりゃあ助かるな」

「少し先になるかも知れません」

「まあいいさ」

 

川に桟橋を建ててそこで釣りをするお店を建設した。

川の広さは結構あるので、多少はいると踏んでやってみたがしっかり釣れて良かった。

それと僕がよく知る魚の姿で安心もした。

これも街が自給自足可能にする為の一歩だ。今は農作物は長期的に収穫できるが、肉や魚は捕れそうにない。

僕がスーパーやお肉屋さんでも建てないと得られないだろう。TheoTownにはお肉屋さんらしきお店は無いのでなおさらだ。

だから少しでも魚が獲れるようになることは無意味じゃない。食料自給の手段はまだ少ない、海に出ればもっと魚を獲れるだろう。

 

「市長、もうすぐ出発の時間です」

「分かりました、それではこれからも頑張ってください」

「釣りに頑張るも無いとは思うが…ああ勿論だ」

 

桟橋から車の側にいるウィリアムさんの元に行き、乗り込みながら話をする。

 

「魚釣りは順調そうでした」

「それは良かったです。地元の名産品ですね市長」

「そうですね、もう少し量があればそう名乗っても大丈夫でしょう」

「その為にも海を見つけないと行けませんね」

「ええ、だからこそ今から出掛けるんです」

 

そう、川の西側に街を大規模に拡張してる間、街の周りを探索しようと考えていた。川が流れているのだから辿って行けば海が見えてくるはずだ。

そこまで道路を伸ばしながら行く。ただ、それだけだったら1日で終わると思う、川の大きさを考えるとそこまで遠くない筈だ。だから、西にも東にも道路を伸ばして行く。

言うなればこれは遠征だ。この街の周りがどうなってるのかを確認する。街を広げて行きたいし、良い土地を探すということだ。そう意味でも海、海岸は街作りに適しているだろう。

 

「その前に食事をして行きましょう。腹ぺこのまま運転はしたくないです」

「そうですね、お昼食べましょうか」

 

今はお昼時だ、ウィリアムさんはどうやら食事の時間も考えて僕に声を掛けていたのか、食事のことなどすっかり忘れていた、気を付けねば。

 

川に沿いながら南に車を走らせる。道路を敷きながら進んでいるので、ウィリアムさんとはあまり喋らずにいる。別に前までは話していたし、今は道路を敷くにも慣れて余裕が出来たのでもっと話せると思うのだが、話題が思いつかない。今まで沢山話をしたからだろうか?

何というか雑談が出てこないのだ。市長と職員の関係としての会話なら今日もしている。

なにか無いものか……そうだ!

 

「ウィリアムさんラジオをつけてみましょう」

「ラジオですか、分かりました。天気予報ですか?」

「いえ、音楽を流している番組を」

 

ラジオから流れてきたのは周りに何もない道路を走る時に丁度いい音楽だった。ウィリアムさんも僕も上機嫌になった。

 

「いい曲ですね、気分がほぐれます」

「それは良かったです。…ウィリアムさん」

「何でしょうか、市長」

「僕たちも友達ですよね?」

「ええ!?いきなりどうしました市長!?」

 

僕は昨日春風さんと1日休んで思ったことがある。自分自身やっぱり無理していたと、一人で実際の街を作り管理するのは大変だと、そう理解した。

休んだおかげで、心身ともに回復したように確かに感じるので、休息はこれからもしていく、それと共に友達の存在も大切だと感じた。無理をした時、助けを求められる友達が必要だと感じたからだ。

幸運なことに僕にはもう2人も友達がいる。

これからする話は春風さんにはもうしてある。後はウィリアムさんに言うだけだ。

 

「ウィリアムさんにはいつもお世話になってますし、春風さんと同じような友人として接していたつもりです。だから私としては友達という認識なのですが…」

 

ウィリアムは混乱しながらも申し訳なく思った。少なくとも自分は市長、市街君の事を友ではなく尊敬する市長として見ていたからだ。

 

「私は市長は市長としてしか見ておりませんでした。すみません」

「それはちょっと残念ですが、やっぱりそれでも友達でいてほしいです。これには理由があります」

「友達でいてほしい理由ですか…」

「いざという時に助けて欲しいんです」

「と言いますと?」

「私も人ですから間違った選択をするかも知れません。街を一人で背負っていくのは難しいです。これからも規模が大きくなれば問題も責任も増えます」

 

ウィリアムは市長…否、市街君の思いをしっかりと聞いていた。これまで市長は素晴らしい働きをしていると彼は認識していた。それは変わらないが、市長に対する無条件の信頼は良い意味で揺らぎ始めていた。

 

「……自信が無いんです。一人でやっていく自信が…ですからウィリアムさん、市長としても友達としても私をこれからも助けてくれませんか?」

「ええ…分かりました市街君、あなたが市長として間違った選択をしたら、友人として正しい方向に導く事が出来るように頑張らせて頂きます!市街君、共に街を作っていきましょう!」

「はい、よろしくお願いしますね!」

 

車は走り続けていた。前から風が吹いてくる、その中に海の匂いがした。

 

「?なんだか、不思議な匂いがして来ましたね」

「ああ!海の匂いですよこれは!海岸が近いです!」

「なるほど、これが海の匂いですか!楽しみですね」

 

僕達は興奮しながらも焦らず、車の速度は一定を保ちながら到達した。

この世界で初めての海、その先には何もなく果てしなき水平線が広がっていた。

凄い、綺麗だ。こんなにも海をしっかりと見たことは無かった気がする。こんなものだったんだ、もっと日本の風景も見とけばよかったなぁ、

それにここは街を作るのに丁度良い場所だ。遠征後の一番最初の拡張先はここにしよう。距離も離れてるし2つ目の街作りみたいなものだし名前を考えよう。

  

大量の海水が砂浜に打ちつける音にウィリアムは何とも言えない感動を身に感じていた。しばらくして、市長も何も言わずに眺めていることに気が付き話し出した。

 

「これが海ですか、凄いですね」

「はい!とても良い場所ですね、ここら辺に街を広げて行きたいです」

「確かに良いところですが元の街から遠いので、移動に時間が掛かりますね」

「じゃあ高速道路を作って繋げましょう!」

 

ウィリアムは予想していた答えを聞きながら、先ほどの話を思い出し、市長に提案する事にした。

 

「しかし市長、我々が車の後部座席に載せてきたものを思い出してください」

「後部座席?、あっガソリン!」

 

今回の遠征、どれくらいの距離になるかも分からないため後部座席に追加のガソリンを載せることにしていた。もっとも南の海まではそこまで遠くないとは思ってはいたのだが…

 

「街から街までの移動を車でする為には、高速道路も必要ですが燃料も必要です。これまでは小規模な街の中を市民が移動するだけでしたので、ガソリンスタンドの燃料が無くなるスピードは遅かったですが、ここに街を作った場合、市民が長距離移動を開始した場合、ガソリンの消費速度はとても速くなります。市長によるガソリンスタンドの建て替えによる補充が頻繁に必要になるでしょう」

 

なんてこった!ウィリアムさんの言う通りだ!市民の移動を支えるために僕が時間をかける量が現時点だと高速道路によって増えてしまう!そうしたら街の発展は遅れ僕なしでも維持できる物の増加に遅れが出るどころか、街の管理に忙殺されて倒れて街が崩壊する可能性も増える!!

考えないと!僕が頻繁に建て替えたり面倒を見なくても維持できる移動手段、いや、エネルギーを!

……エネルギー?

 

「ウィリアムさんの言うことは理解しました。街の間の移動手段ですが、車は補助的なものとして、ここは電車はどうでしょうか?」

「電車ですか!?そうですね、電気で動きますし更には集団で一度に運びますから効率的です。これなら移動の問題はある程度解決出来ますね!」

「ここには私たちの街以外何もない、何とかやっていくしかありません。ですが何れは市民が自らの車で自由に遠くまで行けるようにしましょう。これからもよろしくお願いします。ウィリアムさん」

「はい!私もこの街の発展の為に市長と共に頑張ります!」

 

ひとまず、南への遠征は海の発見で終わった。東と西にこれから遠征しながら、この海岸の街をどうやって作っていくか考えよう。

僕達は西に沈んでいく夕日を見た後、帰路に着いた。

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