優しき死神と時間逆行者 リメイクver 作:雪風@イグニスター
ふと目が覚める。俺はベッドの上で横になっていた。知らない部屋、俺が見て思ったのはただそれだけだった。
「ユキは?ユキはどこだ?」
回りを見てもそこにはユキは居なかった。俺は起き上がり部屋の外に出る。外に出ると目の前にはもう一つの部屋。そして、直ぐ近くに下に降りるための階段があった。
下の階から何か料理を作る音が聞こえてくる。俺は恐る恐る階段を降りていく。下の階は玄関が直ぐそこにあり、左には俺のいた階と同じ感じの扉が一つ。そして、少し洋風の扉が一つある。音はその洋風の扉の奥から聞こえてくる。俺は向こう側にいる人物に見つからないよう少しだけ扉を開いた。するとそこには…。
「~♪~~♪」
鼻唄を交えながら料理をするユキの姿があった。
一気に安堵する俺がいることに気がつく。いや、当然か。向こうでは兄らしい事をしてやれなかったからな。俺はそう思いながら扉を開けた。
「~♪…ッ!?に、兄さんッ!?何時からそこにッ!?」
「たった今だよ。決してユキがノリノリで鼻唄を交えながら料理を作ってるとこなんて見てないからな」
俺は出来るだけ優しい笑みを浮かべながらそう言った。
「しっかり見てるじゃないですかッ!?」
顔を赤く染めたユキからお玉が飛んできた。
「いや、ちょっt……グハッ!」
何か言う前に、俺にお玉が直撃し、そのまま倒れてしまった。ユキ…もう少し手加減してくれよ…。
「悪かったって。機嫌直してくれよ」
「兄さんなんて知りません」
あの後、ユキは完全にへそを曲げてしまった。転生直後にこれでは今後が大変だ。何とかして機嫌直してもらわないと…。
「ユキ!今回に関しては完全に俺が悪かった。すまない」
俺は勢いよくユキに頭を下げる。
「…本当に反省してますか?」
「ああ。してるさ」
「…今夜はオムライスが食べたいです。誰か作ってくれませんかな~」
「だったら俺が作るよ」
「…わかりました。それで手を打ちましょう」
どうやら機嫌が直ったみたいだな。俺はユキの作ったご飯を食べ始める。
「そう言えば兄さん。こんなものが部屋にありましたよ」
そう言って手渡されたのは一枚の紙だった。俺は内容を見るためにその紙を開く。そこにはこんな風に書かれていた。
『流夜さん、雪音さん、どうやら転生できたようですね。あなたたち二人は今中学二年生まで戻っています。貴方たち二人には、見滝原中学に転校生として行って貰います。場所についてですが、この紙に地図を書いておきますのでそれを見て行ってください。学校には8時までには行ってくださいね。それからあなた方のその世界での家族は居ません。ですので、その家は自由にしてもらって構いません。これからの人生、頑張って下さい』
以上が手紙の内容だ。手紙に書かれている通り、確かに地図も書いてある。そこまではいい。手紙に何て書いてあった?8時までに学校へ行け?俺は壁に掛かっている時計を見る。そこにはこう刻まれていた。
7時45分
……………。
「遅刻だ~~~~!?」
「兄さん急いで準備してください!?」
俺達は大慌てで準備を始めた。はっきり言う。もう絶対に間に合わない。
準備を終えた俺達は急いで家を出て、学校へ向かった。
☆ ☆ ☆ ☆
「兄さん急いで下さい!!」
「わかってるっての!!」
駆け足で学校へ向かう俺達。曲がり角に来たそのときだった。
「キャッ!?」
「うおっと!?」
曲がり角でピンクの髪の女の子とぶつかってしまった。その子はぶつかった拍子に尻餅をついて、持っていた鞄が地面に落ち、中身がばらまかれてしまった。
「わ、悪い!!」
俺はそう言ってその子の荷物を広い集める。
「こ、こっちこそごめんなさい」
その子は俺に謝罪すると自分の荷物を集め始める。
二人で集めたおかげか、数十秒で集め終わった。
「じゃあ、俺急いでるから。悪かったな!」
「あっ、ちょっt」
俺はその子が何かを言う前に駆け足で学校へ向かった。