機動戦士ガンダム BB戦士 SD戦国伝 ノベライズ 〜コミックワールド武者から大将軍へ!〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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黄金の貴公子、戦場を舞う(38 武者百士貴)

 天宮(アメノミヤ)の国、美しき桜が舞い散る「百花繚乱の丘」。

 その静寂を破ったのは、闇軍団の無粋な足音であった。

「ヒヒヒ! ここを焼き払えば、頑駄無軍団の連中もさぞかし驚くことだろうぜ!」

 火矢を構える雑魚兵たちの前に、一筋の黄金の閃光が駆け抜けた。

 

「……待ちなさい。その火を放つには、この丘はあまりに美しすぎる」

 

 桜吹雪の向こうから現れたのは、全身を眩いばかりの金色の鎧で固めた男。

 武者百士貴(ムシャヒャクシキ)。

 名門・百一族の正統なる後継者であり、その剣術は天宮でも指折りの冴えを見せる。額に輝く「百」の意匠は、一族の誇りそのものであった。

 

「何奴だ、金ピカめ!」

「金ピカ、とは失礼な。これは『百式』の伝統に則った、勝利の色だよ」

 

 百士貴は優雅に、背負った二挺の『百雷(ビーム)銃』を抜き放った。

 バシュン、バシュン! と軽快な音が響くたび、闇軍団の放った火矢が空中で正確に撃ち落とされていく。

 

「さて、次は私の番だ。……行け、百鬼丸!」

 

 彼の呼びかけに応じ、背後の影からもう一人の戦士が飛び出した。

 弟の百鬼丸(ヒャクキマル)。

 兄とは対照的な白銀の鎧を纏い、忍術を駆使する隠密の達人だ。

「兄上、手出しは無用です。こ奴らは私一人で十分!」

「ははは、相変わらず血気が盛んだな。だが、あまり一人で目立たれては、私の面目が立たないよ」

 

 百士貴は、愛刀『百斬丸(ひゃくざんまる)』を抜き放った。

 黄金の装甲が太陽を反射し、敵の目を眩ませる。その隙を見逃さず、彼は流麗なステップで敵陣へと飛び込んだ。

 

 斬撃の一筋一筋が、まるで舞踏のように美しい。

 百士貴の戦いには、泥臭さがない。敵を倒すことさえ、一つの芸術であるかのように振る舞う。

 だが、その刃の重さは本物であった。

 

「ハッ!」

 

 一閃。

 黄金の軌跡が宙を裂き、闇軍団の隊長格を鎧ごと両断する。

「な、なんて鮮やかな……」

 雑魚兵たちはその美しさに恐怖し、我先にと逃げ出していった。

 

 戦い終えた百士貴は、懐から一枚の懐紙を取り出し、愛刀の血を静かに拭った。

「兄上、武者頑駄無殿からの伝令が届いております」

 百鬼丸が膝をつき、書状を差し出す。

「ああ、聞いているよ。天宮に迫る未曾有の危機……。この黄金の輝き、暗雲を払うために使う時が来たようだね」

 

 百士貴は、ひらりと舞い落ちた桜の花びらを指先で受け止め、不敵に微笑んだ。

「百鬼丸、行くぞ。七人衆が揃う舞台に、私が欠けていては華がないからな」

 

 黄金と白銀。

 二人の貴公子の背中は、戦乱の世においてもどこか気高く、希望に満ち溢れていた。

 彼らが合流する時、頑駄無軍団の士気は最高潮に達することだろう。

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