機動戦士ガンダム BB戦士 SD戦国伝 ノベライズ 〜コミックワールド武者から大将軍へ!〜 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
闇皇帝の放つ『黒星砲』が、天宮(アメノミヤ)の空を永劫の夜に染め上げようとしていた。
二代目頑駄無大将軍の白い装甲は砕け、鳳凰の翼も深く傷ついている。圧倒的な物量の闇。個の力、技、あるいは勇気――そのすべてが、闇皇帝という「虚無」の前に無力化されようとしていた。
「無駄だと言ったはずだ。命ある者の輝きなど、宇宙(そら)に漂う塵に過ぎん」
闇皇帝の冷徹な声が戦場に響き渡る。
だが、大将軍は倒れなかった。
彼の背後には、倒れ伏しながらもなお、祈るように武器を握りしめる仲間たちがいた。
精太の誇り、摩亜屈の意志、駄舞留精太の情熱、仁宇の慈悲、斎胡の剛力、そして百士貴の華。
「……聞こえるか、闇皇帝。これは私一人の力ではない。天宮に生きる、すべての『心』の鼓動だ!」
その瞬間、大将軍の身体が、これまでの比ではない黄金の奔流に包まれた。
二代目頑駄無大将軍・豪華版(ゴウカバン)。
それは、守護獣・鳳凰がその真の姿を解放した究極の形態。
これまでの装甲の上に、天宮の精霊たちが宿った黄金の重装飾が次々と重なっていく。翼はさらに巨大に、そして鋭く展開し、手にした「鳳凰の剣」は、太陽の核をそのまま切り出したかのような、眩い熱量を放ち始めた。
豪華版大将軍が地を踏みしめると、闇皇帝が広げていた黒い領域が、パリンと硝子が割れるような音を立てて崩壊した。
「な、なんだ……! 奴の存在そのものが、理(ことわり)を書き換えているというのか!」
「闇皇帝! 貴様が虚無だというのなら、私は太陽となろう! 闇がある限り、より強く輝く不滅の光だ!」
大将軍が全火力を解放する。
背負った『大目牙(オメガ)破壊砲』が、その巨大な砲身を天へと向けた。
七人衆の絆、そして天宮の全生命の願いが鳳凰の翼に集約され、純白を通り越した黄金の光弾へと凝縮される。
「これが、我ら七人衆の……天宮の答えだッ!!」
放たれた一撃は、もはや砲撃の域を超えていた。
それは世界を再構築する「創生の光」。
闇皇帝の『黒星砲』を真正面から飲み込み、その不気味な巨躯を光の楔で貫いていく。
「ヌオォォォォォッ!! 私は……私は闇……消えるはずが…………ッ!!」
絶叫と共に、闇皇帝の異形が光の中に溶けていく。
破壊ではなく、浄化。
天宮を蝕んでいた邪悪な意思は、大将軍のまばゆい輝きによって、宇宙の彼方へと追放されていった。
光が収まったとき、そこには穏やかな風が吹き抜ける草原が広がっていた。
黄金の輝きを抑え、元の姿に戻りつつある大将軍。
彼は空を見上げた。そこには、かつてないほど清々しい、真実の夜明けが訪れようとしていた。
「勝ったんだな……俺たち」
傷だらけの精太が笑う。
大将軍は、静かに頷いた。
「ああ。だが、これは終わりではない。この光を絶やさぬよう、守り続けていくこと。それこそが、我ら武者の本当の戦いだ」
豪華絢爛なその姿は、戦いの道具ではなく、平和の象徴として天宮の歴史に深く刻まれた。
伝説の七人衆。その頂点に立つ大将軍の物語は、ひとまずの結末を迎えようとしていた。