機動戦士ガンダム BB戦士 SD戦国伝 ノベライズ 〜コミックワールド武者から大将軍へ!〜   作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった

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天駆ける麒麟、新しき総帥(54 二代目将頑駄無)

 闇皇帝との決戦から月日が流れ、かつて若武者と呼ばれた者たちは、今や天宮(アメノミヤ)を支える巨大な柱となっていた。

 頑駄無軍団・総本山。その厳かな最深部で、静寂を裂く弦音と共に、静かに、しかし力強く弓を引き絞る一人の武者がいた。

 

「……乱れているな。空気の振るえも、そして……再び歪み始めた世の理も」

 

 二代目将頑駄無(ニダイメショウガンダム)。

 

 かつて「麒麟児」と謳われた天才武者・精太(ゼータ)が、隠居した初代将頑駄無からその座と名を託された姿である。その背後には、主の法力に呼応し、青白き光を放つ伝説の聖獣『麒麟』が静かに控えていた。

 

 そこへ、山々を揺るがす軍靴の音と共に、火急の伝令が飛び込んできた。

「将頑駄無様! 新生闇軍団の巨忍部隊が、五人衆の集結を阻止せんと主要街道を完全封鎖! このままでは、各地から集う若き武者たちが孤立、各個撃破されます!」

 

「……案ずるな。若き芽を摘ませはせぬ。私が自ら、彼らの歩むべき道を切り拓こう」

 

 将頑駄無は静かに立ち上がり、歴戦の傷跡を誇る重厚な銀の鎧を鳴らした。

 彼が戦場へ到着した時、そこには数千の闇軍団がうごめき、巨大な防壁が築かれていた。圧倒的な軍勢を前にして、将頑駄無は動じることなく麒麟を呼び寄せる。

 

「麒麟よ、我が魂の翼となれ。人獣一体(じんじゅういったい)ッ!!」

 

 ガキンッ! と激しい金属音が響き、法力の旋風が巻き起こる。

 麒麟の身体が分解し、将頑駄無の鎧と完璧に合体していく。背中に備わった二門の巨大な『大目牙(オメガ)キャノン』、そして法力を纏い、大地の重力を無力化する四肢。

 これこそが、かつての「武者精太」が到達し、さらなる研鑽によって昇華させた最強の戦闘形態であった。

 

「闇に惑い、理を乱す者たちよ。天に代わって、その迷いを一矢のもとに断ち切ってやろう」

 

 将頑駄無は、全天宮でも彼にしか引けぬと言われる愛弓『強力弓(ごうりききゅう)』を構えた。

 番えられた矢。しかし、それはもはや物理的な質量を持った武器ではない。麒麟の加護と、総帥の莫大な法力が結晶化した光の奔流そのものである。

 

「必殺! 麒麟大波(きりんだいは)!!」

 

 放たれた一撃は、空を駆ける巨大な光の龍と化し、街道を塞いでいた闇の要塞を、文字通り「存在しなかったこと」にするほどの威力で蒸発させた。

 猛烈な爆煙と衝撃波の中、将頑駄無は眉一つ動かさず、流れるような動作で次の矢を番える。その姿は、全軍を率いる総司令としての圧倒的な「器」と「武」を、敵味方の魂に深く刻みつけた。

 

「五人衆よ、迷わず進め。……背後の守りは、この私がいれば十分だ」

 

 二代目将頑駄無は、静かに弓を収めた。

 かつての仲間たちが「風林火山」の称号を継承し、若き五人衆が真に立ち上がるその時まで、彼は天宮の揺るぎない「絶対防衛線」として、再び戦乱の荒野に立つ覚悟を決めていたのである。

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