機動戦士ガンダム BB戦士 SD戦国伝 ノベライズ 〜コミックワールド武者から大将軍へ!〜 作:寝て起きたら異世界じゃなくて会議室だった
時空を越える翼、新荒烈駆主(73 新荒烈駆主)
天宮(アメノミヤ)の命運を賭けた、三代目大将軍と闇皇帝の最終決戦。
三代目――かつて武者頑駄無と呼ばれた伝説の勇者は、その身を挺して「閃光斬」を放ち、闇皇帝の核を貫いた。しかし、闇の断末魔が引き起こした時空の歪みは、傍らにいた弟子・荒烈駆主(アレックス)を容赦なく飲み込んでいく。
「大将軍ーーッ!!」
師の最期の輝きを瞳に焼き付け、荒烈駆主は意識を失った。
再び目を開けた時、そこは硝煙が立ち込める、見知らぬ古戦場だった。
「……ここは? 闇皇帝との決戦場ではないのか……?」
空には不気味な暗雲が立ち込め、大地には「鳳」と「雷」の紋章が刻まれた古い旗が風に煽られている。困惑する荒烈駆主の耳に、激しい金属音と、一人の男の悲鳴が届いた。
「ぐわぁっ!! ……おのれ、闇軍団め……この地の鎧、貴様らには渡さん!」
駆けつけた荒烈駆主の目に飛び込んできたのは、無数の闇の兵に囲まれ、血を流しながらも一つの鎧を守るように倒れている武者――「武者荒五郎(あれごろう)」の姿だった。
「待て! 助太刀する!」
荒烈駆主は愛刀を抜き放ち、一閃の下に闇の兵を蹴散らす。しかし、荒五郎の命の灯火は今にも消えようとしていた。
「……見慣れぬ武者殿。……頼む、この『地の鎧』を、鳳凰(ホウオウ)様に……。歴史を繋ぐ、大地の力を……」 「しっかりしろ! 荒五郎!」 「……玉が……共鳴している。……お前が……継ぐのだ……」
荒五郎の手から転がり落ちた「地の玉」が、荒烈駆主の胸元で激しく発光した。その瞬間、荒五郎の身体から分離した白銀の鎧が、荒烈駆主の壊れた鎧を修復し、融合するように装着されていく。
新荒烈駆主(ネオアレックス)。
過去の戦士・荒五郎の遺志と、三代目大将軍の魂を受け継ぎ、過去の世界に誕生した「時空を越えた守護者」の姿である。
「地帝(ネオ)合身ッ!!」
背負った大翼『地帝翼(ネオバインダー)』が爆発的な推進力を生み、荒烈駆主は周囲の敵軍を一瞬で殲滅した。その戦いぶりを、遠くから見つめる二人の男たちがいた。
「……見たか、雷。あの武者の剣筋。我ら兄弟の技とも、闇の術とも違う……」 「あぁ、鳳凰。だが、あの男が纏っているのは間違いなく、荒五郎が命を懸けて守った『地の鎧』だ」
ゆっくりと歩み寄る、若き日の鳳凰頑駄無(ホウオウガンダム)と雷頑駄無(ライガンダム)。 荒烈駆主は、のちに伝説の「初代大将軍」と、闇に堕ちる「殺駆頭」となる二人の姿に、息を呑んだ。
「俺の名は、荒烈駆主。……荒五郎殿の遺志を継ぎ、この時代の闇を討つために来た武者だ」
三代目の死、荒五郎との別れ、そして初代との出会い。
天宮の歴史を、その源流から守り抜くための「新星(ネオ)」の戦いが、ここに幕を開けた。